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終章 世界の終わりと創世の伝説
219 罪の無い積み荷
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僕達を乗せた飛行船は、特にトラブルが発生することも無くブリデイン王国へ到着する。
着陸した地点には輸送担当と思われる王国軍が展開していた。
そして責任者が僕に国王の印が入った書状を提示し、挨拶もそこそこに弾薬を荷馬車に積み込んで出発していく。
相当に切羽詰まっているようだ。
僕達は積み荷の別の馬車に案内され、そして王宮へと招待された。
馬車は街を経由し、そのまま王宮へ直行する。
ここに戻るのも久しぶりだ。
僕とエリッタ、そして随行する技術者四名は謁見の間で国王と対面する。
すぐ側には師匠こと宮廷魔術師クルデウスも控えている。
「この度は大義であった。
レイネスの皆々方にはいくら感謝しても足りぬ。」
国王が感謝の言葉を述べる。
エリッタは緊張で固まっており、他の四人もガチガチになっている。
「恐れ多いことです。
今は誰もが一丸となって困難に立ち向かって行く時と存じます。
どうか、今後も一層のご協力をお願いいたします。
申し遅れましたが私はアグレト、今回の輸送計画の指揮を執らせていただいております。」
免疫があるのは僕だけのようなので、適当な挨拶を返しておいた。
「オキス殿の件は誠に残念に思っている。
余もオキス殿とは面識もあるが故に、レイネスの一同の心中もお察しする。
時にアグレト殿、新たな代表はどなたになるのかな?」
レイネスの幹部一同は、オキスを偉大な大賢者と認識している。
だから誰もが尻込みして、同じ立場になろうとしないのだ。
だから代表の立場は空白地帯となっている。
「今のところは決まっておりません。
各担当の責任者が職務を全うしているところです。」
僕は仕方が無いので、そう答えておく。
「そうか、てっきりアグレト殿がそうなのかと思ったのだが。
ああ、レイネスの人事に口を挟む意図では無い、忘れてくれ。」
国王は僕をどういう目で見ているんだろう?
「私のような者に務まる役職ではございません。
それよりも陛下、こちらを。」
僕は武器の製造に役立つ技術資料を献上する。
国王はそれを軽く見た後、そのまま師匠に渡す。
「内容に関してはそこにいるクルデウスの任せよう。
後ほどクルデウスの方から相談があると思うが、協力してやって欲しい。」
国王はそう言って僕に協力を求めた。
「御意。」
いつもの決め台詞だ。
「こんな時分のため、ささやかではあるが、歓迎の宴を催させてもらった。
親睦も兼ねてぜひ参加して欲しい。」
国王の友好的は言葉とは裏腹に、師匠の視線が痛い。
この場で師匠は一言も発していない。
いつも通りニコニコした表情の師匠は、僕をX線透視しているんじゃ無いかと言うぐらい観察している。
師匠はいつも通りの師匠だった。
観察無双か?
着陸した地点には輸送担当と思われる王国軍が展開していた。
そして責任者が僕に国王の印が入った書状を提示し、挨拶もそこそこに弾薬を荷馬車に積み込んで出発していく。
相当に切羽詰まっているようだ。
僕達は積み荷の別の馬車に案内され、そして王宮へと招待された。
馬車は街を経由し、そのまま王宮へ直行する。
ここに戻るのも久しぶりだ。
僕とエリッタ、そして随行する技術者四名は謁見の間で国王と対面する。
すぐ側には師匠こと宮廷魔術師クルデウスも控えている。
「この度は大義であった。
レイネスの皆々方にはいくら感謝しても足りぬ。」
国王が感謝の言葉を述べる。
エリッタは緊張で固まっており、他の四人もガチガチになっている。
「恐れ多いことです。
今は誰もが一丸となって困難に立ち向かって行く時と存じます。
どうか、今後も一層のご協力をお願いいたします。
申し遅れましたが私はアグレト、今回の輸送計画の指揮を執らせていただいております。」
免疫があるのは僕だけのようなので、適当な挨拶を返しておいた。
「オキス殿の件は誠に残念に思っている。
余もオキス殿とは面識もあるが故に、レイネスの一同の心中もお察しする。
時にアグレト殿、新たな代表はどなたになるのかな?」
レイネスの幹部一同は、オキスを偉大な大賢者と認識している。
だから誰もが尻込みして、同じ立場になろうとしないのだ。
だから代表の立場は空白地帯となっている。
「今のところは決まっておりません。
各担当の責任者が職務を全うしているところです。」
僕は仕方が無いので、そう答えておく。
「そうか、てっきりアグレト殿がそうなのかと思ったのだが。
ああ、レイネスの人事に口を挟む意図では無い、忘れてくれ。」
国王は僕をどういう目で見ているんだろう?
「私のような者に務まる役職ではございません。
それよりも陛下、こちらを。」
僕は武器の製造に役立つ技術資料を献上する。
国王はそれを軽く見た後、そのまま師匠に渡す。
「内容に関してはそこにいるクルデウスの任せよう。
後ほどクルデウスの方から相談があると思うが、協力してやって欲しい。」
国王はそう言って僕に協力を求めた。
「御意。」
いつもの決め台詞だ。
「こんな時分のため、ささやかではあるが、歓迎の宴を催させてもらった。
親睦も兼ねてぜひ参加して欲しい。」
国王の友好的は言葉とは裏腹に、師匠の視線が痛い。
この場で師匠は一言も発していない。
いつも通りニコニコした表情の師匠は、僕をX線透視しているんじゃ無いかと言うぐらい観察している。
師匠はいつも通りの師匠だった。
観察無双か?
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