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終章 世界の終わりと創世の伝説
256 やさぐれるかもしれない優男
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僕に打撃を絞め技を繰り返すアリス。
しばらくすると彼女はハッとした表情で杖を見つめる。
朦朧(もうろう)とする意識の中、その杖に見覚えがあることに気が付く。
賢者の杖だ。
そして沈んでいく意識。
「あ、大変!」
アリスが叫んだ気がする。
しばらくすると体の痛みが引いた。
僕はなんとか意識を取り戻すことが出来た。
「ごめんなさい。
ええっと・・・。」
アリスが謝った。
「ああ、今はアグレトって名乗ってるよ。」
僕の前世の名前は失われたままだ。
「アグレト・・・そう。
また会えるなんて思わなかった。」
アリスは鼻を啜りながら言った。
「アストレイアが残していった仕掛けだよ。
おかげで神の使徒の目をかいくぐって色々と出来た。
そうだ、賢者の杖はアリスが持っていたんだね。」
僕は賢者の杖に目をやった。
てっきりジキル達が持っているものだと思っていた。
「うん。
ルディンの助言のおかげで来られたの。
それと、さっきはこのままだとあなたが死んじゃうって。」
ルディン、ありがとう。
君がいなければ、またアリスに殺されるところだった。
命の恩人だ。
僕は心の中で何度もお礼を言った。
「さて、合流して早々だけど次の目的地に向かわなければならない。
アリス、君の力も必要になるかもしれない。」
僕はアリスに協力を求めた。
「私の?
いいわ、どこにでも付いていく。」
アリスは特に何も考えずに二つ返事だった。
「我々の魔王陛下をどこに連れて行くつもりなのかい?」
さっきから僕を冷たい目で睨んでいる人物がいることには気が付いていた。
その男が話しかけてきた。
誰だろう?
「ギルティーン、私がアグレトと話しているの。
横から口を挟むことを許可したつもりは無いわ。」
アリスがギルティーンと呼んだ男を叱責する。
アリスの部下か。
優男ではあるけれど、何となくかなり強い気配がする。
「申し訳ございません。
ですが、まだ旗下の部隊も混乱が収まったわけではございません。
どうかご自重を。」
ギルティーンがアリスを窘める。
アリスが魔王じゃ、みんな苦労しているんだろうなあ。
「アグレト、これから行く場所の重要度はエンプティモ以上なの?」
アリスが僕に聞いた。
「目的地は帝国の神の遺跡。
そしておそらく神の使徒を束ねているジブルトはそこ向かっている。
それとたぶん、色々と引っかき回してくれた本当の黒幕がいる・・・と思う。」
「ジブルト?!
そう・・・そういうことなのね。
でも、本当の黒幕って?」
アリスは杖を見つつ困惑した表情をする。
「黒幕の方は気にしなくていい。
今回の件は恐ろしいことに、これだけの大規模な戦いがただの陽動なんだ。
ジブルトにとって、エンプティモの戦いは勝っても負けてもどっちでもいい。
神の遺跡の封印さえ解いてしまえば、目的達成なんだ。」
僕は状況を話す。
「行きましょう。
後のことはヴェネスとタレンティに任せるわ。」
アリスは部下に指示を出す。
「では私も同行いたします。」
ギルティーンがそう申し出た。
強そうなのが仲間?に加わった。
さあ、最後の大詰めだ。
ルディンが命の恩人無双だった。
しばらくすると彼女はハッとした表情で杖を見つめる。
朦朧(もうろう)とする意識の中、その杖に見覚えがあることに気が付く。
賢者の杖だ。
そして沈んでいく意識。
「あ、大変!」
アリスが叫んだ気がする。
しばらくすると体の痛みが引いた。
僕はなんとか意識を取り戻すことが出来た。
「ごめんなさい。
ええっと・・・。」
アリスが謝った。
「ああ、今はアグレトって名乗ってるよ。」
僕の前世の名前は失われたままだ。
「アグレト・・・そう。
また会えるなんて思わなかった。」
アリスは鼻を啜りながら言った。
「アストレイアが残していった仕掛けだよ。
おかげで神の使徒の目をかいくぐって色々と出来た。
そうだ、賢者の杖はアリスが持っていたんだね。」
僕は賢者の杖に目をやった。
てっきりジキル達が持っているものだと思っていた。
「うん。
ルディンの助言のおかげで来られたの。
それと、さっきはこのままだとあなたが死んじゃうって。」
ルディン、ありがとう。
君がいなければ、またアリスに殺されるところだった。
命の恩人だ。
僕は心の中で何度もお礼を言った。
「さて、合流して早々だけど次の目的地に向かわなければならない。
アリス、君の力も必要になるかもしれない。」
僕はアリスに協力を求めた。
「私の?
いいわ、どこにでも付いていく。」
アリスは特に何も考えずに二つ返事だった。
「我々の魔王陛下をどこに連れて行くつもりなのかい?」
さっきから僕を冷たい目で睨んでいる人物がいることには気が付いていた。
その男が話しかけてきた。
誰だろう?
「ギルティーン、私がアグレトと話しているの。
横から口を挟むことを許可したつもりは無いわ。」
アリスがギルティーンと呼んだ男を叱責する。
アリスの部下か。
優男ではあるけれど、何となくかなり強い気配がする。
「申し訳ございません。
ですが、まだ旗下の部隊も混乱が収まったわけではございません。
どうかご自重を。」
ギルティーンがアリスを窘める。
アリスが魔王じゃ、みんな苦労しているんだろうなあ。
「アグレト、これから行く場所の重要度はエンプティモ以上なの?」
アリスが僕に聞いた。
「目的地は帝国の神の遺跡。
そしておそらく神の使徒を束ねているジブルトはそこ向かっている。
それとたぶん、色々と引っかき回してくれた本当の黒幕がいる・・・と思う。」
「ジブルト?!
そう・・・そういうことなのね。
でも、本当の黒幕って?」
アリスは杖を見つつ困惑した表情をする。
「黒幕の方は気にしなくていい。
今回の件は恐ろしいことに、これだけの大規模な戦いがただの陽動なんだ。
ジブルトにとって、エンプティモの戦いは勝っても負けてもどっちでもいい。
神の遺跡の封印さえ解いてしまえば、目的達成なんだ。」
僕は状況を話す。
「行きましょう。
後のことはヴェネスとタレンティに任せるわ。」
アリスは部下に指示を出す。
「では私も同行いたします。」
ギルティーンがそう申し出た。
強そうなのが仲間?に加わった。
さあ、最後の大詰めだ。
ルディンが命の恩人無双だった。
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