能力チート無しで目指す、現代人的ダンジョン踏破 ~成長するのは斜め上~

ふぉ

文字の大きさ
37 / 208
三章 あん・あん、いやあん、第三層

37 飽き飽きすることは無い秋葉原

しおりを挟む
 ちょっと問題点を整理しよう。まず、第三層の魔物の強さが驚異的すぎる。あのお爺さんは芋虫が雑魚だと言っていたけれど、今の僕では勝てる気がしない。そもそもこの階層にいる人は、例外なく二層をクリアしている人達だ。そしてあの大樹の魔物を倒してから、ここまで到達しているはずだ。一方僕は・・・反則ギリギリの裏技を使用してここまで来た。つまり・・・実力が伴っていない?

「うぁぁぁぁぁ、なんてこったぁぁぁぁぁ!!!!」
 僕は叫んだ。

 まてまて、いったん落ち着こう。ちょっと情緒が不安定になっている。打開策をいくつか出してみよう。

 1.二層に戻ってまじめに修行する
 2.もっと凄い物を作る
 3.自分の村へ帰る
 4.パーティを組む

 まず1はたぶん無理だ。まじめに修行したところで、僕自身が強くなることは望み薄だ。
 2のもっと凄い物って何だ?いくら何でも限界があるぞ。いったん保留。
 3はもう少し先にとっておこう。今、村に帰るのは、ダンジョンに潜る以上の身の危険を感じるのだ。なぜだか分からないけれど、そんな気がする。
 4は・・・それが僕に可能か不可能か、チンパンジーでも理解できるよね?

 僕はここまで一回も使っていないショートソードを鞘から引き抜いて、それを見つめる。試しに五センチ伸ばして草を刈ってみる。切れた。見えないのに切れるというのは凄い。持つ人が持てば最強クラスの武器になるだろう。そしてリストバンドを確認すると、今ので魔力を一割消費していた。僕が持っていてもまったく役に立たない。完全に宝の持ち腐れだ。リング同様、大して役に立たない。まったく無意味だった。

 とりあえず村の中を見学して回ることにした。村の中は意外に人がいる。みんなここまで到達している冒険者達だ。装備品を見ただけでも、色々な効果が付加されていそうな高級アイテムなのが見てとれる。そして食料の買い付けだけでも、かなりの高い金額がやりとりされている。おそらくここの常連冒険者は、ボッタクリ価格を気にしない程度の稼ぎはあるんだろう。

 さらに武器屋や薬屋を冷やかしてまわる。武器屋は100万オーバーの装備ばかりだ。とてもでは無いけれど手が出ない。薬屋は意外なことに通常価格で販売されていた。ということで所持数が0になっていたライフポーションを買う。ちなみにこの薬屋の店主は魔法使い風お婆さんでは無く、イケメンのお兄さんだった。彼は薬の素材が手に入りやすいダンジョンで、スキルを生かして店を構えているらしい。

 さらにジャンクパーツ屋っぽいところもあった。この手の物が好きな僕はワクワクしながら品物を見ていく。そこでとんでもない物を見つけてしまう。

「これってコンデンサ?これはモータ・・・。こっちはダイオード?」
 意味が分からない。これでは本当に秋葉原のジャンクパーツ屋だ。

「あのぉ、これって?」
 僕は店番をしていた顔色の悪い中年の男に尋ねた。
「四層のドロップだよ。とはいっても地上で売っても二束三文だから、ここに置いていく冒険者が多いのさ。まあ、こんなのでも並べておけば、四層到達を諦めた冒険者がお土産に買っていくこともあってな。」

 ちょっと待て、第四層のドロップって・・・。これから導き出される第四層の魔物はメカ系? 火炎放射器とか散々やってきた僕が言うのもなんだけど、ファンタジーな世界観ぶち壊しですよ?

 この世界のダンジョンは斜め上過ぎる。どちらにしても現時点でこのまま進むのは無理だ。体勢を立て直すしかない。僕はそう結論づけた。

 疲れ果てた僕は村の片隅で僕は野宿する。野宿は無料だ、素晴らしい。

 17日目の決算。

日数  項目          金額     個数 合計     所持金   
----------------------------------------------------------------------------
17日目 朝食セット         -1300蝸  1個   -1300蝸 56万8000蝸 
17日目 食料            -3200蝸  1個   -3200蝸 56万4800蝸 
17日目 魔法の袋(中)      -30万0000蝸  1個 -30万0000蝸 26万4800蝸 
17日目 ライフP(低)         -8000蝸  1個   -8000蝸 25万6800蝸 
17日目 魔虎の爪           5000蝸  1個    5000蝸 26万1800蝸 

 まだまだ資金は残っている。僕は戦える! この世界の経済と。

 しかし冒険者って、魔物と戦うより前に資金繰りで戦う物なのなのだろうか? 世知辛い、世知辛いぞ、この世界。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

ゴミスキルと追放された【万物鑑定】の俺、実は最強でした。Sランクパーティが崩壊する頃、俺は伝説の仲間と辺境で幸せに暮らしています

黒崎隼人
ファンタジー
Sランク勇者パーティのお荷物扱いされ、「ゴミスキル」と罵られて追放された鑑定士のアッシュ。 失意の彼が覚醒させたのは、森羅万象を見通し未来さえも予知する超チートスキル【万物鑑定】だった! この力を使い、アッシュはエルフの少女や凄腕の鍛冶師、そして伝説の魔獣フェンリル(もふもふ)といった最強の仲間たちを集め、辺境の町を大発展させていく。 一方、彼を追放した勇者たちは、アッシュのサポートを失い、ダンジョンで全滅の危機に瀕していた――。 「今さら戻ってこい? お断りだ。俺はこっちで幸せにやってるから」 底辺から駆け上がる痛快逆転ファンタジー、ここに開幕!

モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ&チート持ちだった!カードから美少女を召喚します!強いカード程1癖2癖もあり一筋縄ではない〜

KeyBow
ファンタジー
 1999年世界各地に隕石が落ち、その数年後に隕石が落ちた場所がラビリンス(迷宮)となり魔物が町に湧き出した。  各国の軍隊、日本も自衛隊によりラビリンスより外に出た魔物を駆逐した。  ラビリンスの中で魔物を倒すと稀にその個体の姿が写ったカードが落ちた。  その後、そのカードに血を掛けるとその魔物が召喚され使役できる事が判明した。  彼らは通称カーヴァント。  カーヴァントを使役する者は探索者と呼ばれた。  カーヴァントには1から10までのランクがあり、1は最弱、6で強者、7や8は最大戦力で鬼神とも呼ばれる強さだ。  しかし9と10は報告された事がない伝説級だ。  また、カードのランクはそのカードにいるカーヴァントを召喚するのに必要なコストに比例する。  探索者は各自そのラビリンスが持っているカーヴァントの召喚コスト内分しか召喚出来ない。  つまり沢山のカーヴァントを召喚したくてもコスト制限があり、強力なカーヴァントはコストが高い為に少数精鋭となる。  数を選ぶか質を選ぶかになるのだ。  月日が流れ、最初にラビリンスに入った者達の子供達が高校生〜大学生に。  彼らは二世と呼ばれ、例外なく特別な力を持っていた。  そんな中、ラビリンスに入った自衛隊員の息子である斗枡も高校生になり探索者となる。  勿論二世だ。  斗枡が持っている最大の能力はカード合成。  それは例えばゴブリンを10体合成すると10体分の力になるもカードのランクとコストは共に変わらない。  彼はその程度の認識だった。  実際は合成結果は最大でランク10の強さになるのだ。  単純な話ではないが、経験を積むとそのカーヴァントはより強力になるが、特筆すべきは合成元の生き残るカーヴァントのコストがそのままになる事だ。  つまりランク1(コスト1)の最弱扱いにも関わらず、実は伝説級であるランク10の強力な実力を持つカーヴァントを作れるチートだった。  また、探索者ギルドよりアドバイザーとして姉のような女性があてがわれる。  斗枡は平凡な容姿の為に己をモブだと思うも、周りはそうは見ず、クラスの底辺だと思っていたらトップとして周りを巻き込む事になる?  女子が自然と彼の取り巻きに!  彼はモブとしてモブではない高校生として生活を始める所から物語はスタートする。

最強剣士が転生した世界は魔法しかない異世界でした! ~基礎魔法しか使えませんが魔法剣で成り上がります~

渡琉兎
ファンタジー
政権争いに巻き込まれた騎士団長で天才剣士のアルベルト・マリノワーナ。 彼はどこにも属していなかったが、敵に回ると厄介だという理由だけで毒を盛られて殺されてしまった。 剣の道を極める──志半ばで死んでしまったアルベルトを不憫に思った女神は、アルベルトの望む能力をそのままに転生する権利を与えた。 アルベルトが望んだ能力はもちろん、剣術の能力。 転生した先で剣の道を極めることを心に誓ったアルベルトだったが──転生先は魔法が発展した、魔法師だらけの異世界だった! 剣術が廃れた世界で、剣術で最強を目指すアルベルト──改め、アル・ノワールの成り上がり物語。 ※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうにて同時掲載しています。

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

異世界で大往生した私、現代日本に帰還して中学生からやり直す。~最強の補助魔法で、冴えないおっさんと最強美女を操って大金持ちになります~

タカノ
ファンタジー
異世界へ転移し、聖女として崇められ、愛する家族に囲まれて88歳で大往生した……はずだった。 目が覚めると、そこは現代日本。 孤児の中学2年生、小金沢ヒナ(14)に戻っていた。 時間は1秒も進んでおらず、待っていたのは明日のご飯にも困る極貧生活。 けれど、ヒナの中身は酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃん(88歳)のまま! 「もう一度、あの豊かで安らかな老後(スローライフ)を手に入れてみせる!」 ヒナは決意する。異世界で極めた国宝級の【補助魔法】と【回復魔法】をフル活用して、現代社会で大金を稼ぐことを。 ただし、魔法は自分自身には使えないし、中学生が目立つと色々面倒くさい。 そこでヒナがビジネスパートナー(手駒)に選んだのは―― 公園で絶望していた「リストラされた冴えないおっさん」と、 借金取りに追われる「ワケあり最強美女」!? おっさんを裏から魔法で強化して『カリスマ社長』に仕立て上げ、 美女をフルバフで『人間兵器』に変えてトラブルを物理的に粉砕。 表向きはニコニコ笑う美少女中学生、裏では彼らを操るフィクサー。 「さあ善さん、リオちゃん。稼ぎますよ。すべては私の平穏な老後のために!」 精神年齢おばあちゃんの少女が、金と魔法と年の功で無双する、痛快マネー・コメディ開幕!

処理中です...