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三章 あん・あん、いやあん、第三層
50 ボウボウと吹き上げる炎と完成する棒
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「フレーフレー、鍛冶場の魔法オヤジぃぃぃ。」
僕は鍛冶場の外から声援を送った。
「誰が鍛冶場の魔法オヤジだぁぁぁ?!!!!」
あ、ヤバい聞こえていたらしい。まあ、声援だから聞こえないと意味が無いんだけど。
しばらく時間が経つ。炉も十分に暖まった頃だろう。そして鍛冶場から強烈な光が漏れる。どうやらアルミニウム粉末を投入したようだ。
カーン、カーン
高い音が響く。アダマンタイトを打ってるのか? そして鍛冶場の熱が外にいる僕にまで感じられるほどの状態になっている。正直、中の温度がどうなっているのか想像も付かない。一つ言えるのは、遠慮無く燃料が大量投入されていることだ。
「フレーフレー、鍛冶場の魔法オヤジぃぃぃ。」
僕は再び声援を送る。
カーン、カーンという音だけが響く。それが魔法オヤジの返事だった。
暇になった僕は鍛冶場から少し離れて、オヤジの手料理の弁当を食べた。一つ一つが丁寧に作り込まれていて、愛情が詰まっていそうな弁当だった。ちょっと怖い。
さらに時間が余ったので、手で土を掘って山を作った。近くにあった枝や葉を使って装飾していく。うん、なかなか趣(おもむき)があるものが仕上がったぞ。
そんなことをしていると、ずっと聞こえていた金属を打つ音が途絶えた。魔法オヤジとうとう・・・。僕は鍛冶場の中を確認しに行く。
「オヤジぃぃぃ。」
僕はオヤジの生死を確かめた。そこにはあった。プスプスと煙を上げ、焼死体となった魔法オヤジの姿を。
「オヤジぃぃぃ。うぁぁぁぁ魔法オヤジィィ!!!!」
僕は叫んだ。鍛冶場はまだサウナよりも暑く、呼吸をするだけで喉の粘膜が焼け爛れそうだ。
「うっせぇぇぇ、こっちは休んでんだぁぁぁ、静かにしろや!」
あ・・・魔法オヤジ、生きてた。
「もしかして成功したんですか?」
魔法オヤジはプスプスと煙を上げながら、指先で方向を示す。僕はその先を見た。
「棒?」
そこには棒があった。てっきり刃のような物を想像していたんだけど、それは棒だった。
「現時点で最強の棍(こん)だ。使う者が使えばあらゆる武器を粉砕し、あらゆる魔物を叩きつぶすだろう。」
相変わらずプスプスと煙を上げながら、魔法オヤジが言った。
「使う者って、誰か当てがあるんですか?」
「第七層到達者、武王ギデアだ。俺の親友だ。」
七層と言うことは、ブレアのパーティーメンバーか。おそらく彼女に劣らず、凄まじく化け物じみた力を持っているのだろう。僕がその一撃を受けたら、それまで生きていた形跡は跡形も無く消失するのだろう。
「アダマンタイトはまだある。体力が回復したら次の武器を作る。」
プスプスと煙を上げながら言う魔法オヤジ。完全に死体・・・じゃなかった死に体なんだけど、その目には力が宿っている。
そして魔法オヤジは立ち上がり、よろよろと鍛冶場を出てきた。そこで突然倒れる。今回魔法オヤジが受けた熱量を僕が食らっていたら、骨ぐらいは残っていたらいいなというレベルだ。さすが第五層到達者、熱耐久力が桁違いだ。
僕は魔法オヤジを背負って治療院まで運ぶ。彼の体重はおそらく100kgを余裕で超えている。しかし僕も第三層到達者だ。ちょっとヨロヨロしつつも、気持ち的には軽々と運ぶことが出来た。ダンジョン攻略開始前と比べれば、確実に力は強くなっている。何度も言っているけれど、敵の強さのインフレがおかしいだけなのだ。僕が成長していないわけでは無い。
治療院での診察は疲労と軽度の火傷のみだった。こんな人知を越える耐久力を持つ化け物でさえ、第五層止まりだという事実。知れば知るほどダンジョン踏破というゴールが遠く感じるようになる。
いや、違う。ゴールの位置は動いていない。僕が一歩踏み出せば、近づくことはあっても、遠くなることは絶対に無い。そして踏み出すのをやめた瞬間こそ、永遠にたどり着けない場所となるのだ。
「あ、アニキじゃないっすか? また人助けっすか? チョー女神っす。」
どこかで聞いた声が聞こえる。この前、村の前で拾ったカッチェだ。ここは治療院だから、今日も治療を受けていたのだろう。
「アニキって、確実に僕の方が年下ですけど? それと女神って、僕は男なんだけど。」
「命の恩人、チョー感謝してるっす。だからアフタさんをアニキと呼ぶっす。ヒョォォォ!」
コイツ、テンションがおかしい。体力がだいぶ回復してきたようだ。
「身体の調子は良さそうで良かった。」
「問題ナッシングっす。治療院の人には、しばらくは村で安静にしてろって言われたっすけど。そうだ! 命の恩人アフタアニキの仕事の手伝いをするっすよ。何かあったら、言って欲しいっす。」
なんだかよく分からないけど、年上の弟分が出来たらしい。
日数 項目 金額 個数 合計 所持金
-----------------------------------------------------------------------------
29日目 燃料売り上げ 6万0000蝸 1個 6万0000蝸 52万0800蝸
29日目 借金返済(3) -1万0000蝸 1個 -1万0000蝸 51万0800蝸
僕は鍛冶場の外から声援を送った。
「誰が鍛冶場の魔法オヤジだぁぁぁ?!!!!」
あ、ヤバい聞こえていたらしい。まあ、声援だから聞こえないと意味が無いんだけど。
しばらく時間が経つ。炉も十分に暖まった頃だろう。そして鍛冶場から強烈な光が漏れる。どうやらアルミニウム粉末を投入したようだ。
カーン、カーン
高い音が響く。アダマンタイトを打ってるのか? そして鍛冶場の熱が外にいる僕にまで感じられるほどの状態になっている。正直、中の温度がどうなっているのか想像も付かない。一つ言えるのは、遠慮無く燃料が大量投入されていることだ。
「フレーフレー、鍛冶場の魔法オヤジぃぃぃ。」
僕は再び声援を送る。
カーン、カーンという音だけが響く。それが魔法オヤジの返事だった。
暇になった僕は鍛冶場から少し離れて、オヤジの手料理の弁当を食べた。一つ一つが丁寧に作り込まれていて、愛情が詰まっていそうな弁当だった。ちょっと怖い。
さらに時間が余ったので、手で土を掘って山を作った。近くにあった枝や葉を使って装飾していく。うん、なかなか趣(おもむき)があるものが仕上がったぞ。
そんなことをしていると、ずっと聞こえていた金属を打つ音が途絶えた。魔法オヤジとうとう・・・。僕は鍛冶場の中を確認しに行く。
「オヤジぃぃぃ。」
僕はオヤジの生死を確かめた。そこにはあった。プスプスと煙を上げ、焼死体となった魔法オヤジの姿を。
「オヤジぃぃぃ。うぁぁぁぁ魔法オヤジィィ!!!!」
僕は叫んだ。鍛冶場はまだサウナよりも暑く、呼吸をするだけで喉の粘膜が焼け爛れそうだ。
「うっせぇぇぇ、こっちは休んでんだぁぁぁ、静かにしろや!」
あ・・・魔法オヤジ、生きてた。
「もしかして成功したんですか?」
魔法オヤジはプスプスと煙を上げながら、指先で方向を示す。僕はその先を見た。
「棒?」
そこには棒があった。てっきり刃のような物を想像していたんだけど、それは棒だった。
「現時点で最強の棍(こん)だ。使う者が使えばあらゆる武器を粉砕し、あらゆる魔物を叩きつぶすだろう。」
相変わらずプスプスと煙を上げながら、魔法オヤジが言った。
「使う者って、誰か当てがあるんですか?」
「第七層到達者、武王ギデアだ。俺の親友だ。」
七層と言うことは、ブレアのパーティーメンバーか。おそらく彼女に劣らず、凄まじく化け物じみた力を持っているのだろう。僕がその一撃を受けたら、それまで生きていた形跡は跡形も無く消失するのだろう。
「アダマンタイトはまだある。体力が回復したら次の武器を作る。」
プスプスと煙を上げながら言う魔法オヤジ。完全に死体・・・じゃなかった死に体なんだけど、その目には力が宿っている。
そして魔法オヤジは立ち上がり、よろよろと鍛冶場を出てきた。そこで突然倒れる。今回魔法オヤジが受けた熱量を僕が食らっていたら、骨ぐらいは残っていたらいいなというレベルだ。さすが第五層到達者、熱耐久力が桁違いだ。
僕は魔法オヤジを背負って治療院まで運ぶ。彼の体重はおそらく100kgを余裕で超えている。しかし僕も第三層到達者だ。ちょっとヨロヨロしつつも、気持ち的には軽々と運ぶことが出来た。ダンジョン攻略開始前と比べれば、確実に力は強くなっている。何度も言っているけれど、敵の強さのインフレがおかしいだけなのだ。僕が成長していないわけでは無い。
治療院での診察は疲労と軽度の火傷のみだった。こんな人知を越える耐久力を持つ化け物でさえ、第五層止まりだという事実。知れば知るほどダンジョン踏破というゴールが遠く感じるようになる。
いや、違う。ゴールの位置は動いていない。僕が一歩踏み出せば、近づくことはあっても、遠くなることは絶対に無い。そして踏み出すのをやめた瞬間こそ、永遠にたどり着けない場所となるのだ。
「あ、アニキじゃないっすか? また人助けっすか? チョー女神っす。」
どこかで聞いた声が聞こえる。この前、村の前で拾ったカッチェだ。ここは治療院だから、今日も治療を受けていたのだろう。
「アニキって、確実に僕の方が年下ですけど? それと女神って、僕は男なんだけど。」
「命の恩人、チョー感謝してるっす。だからアフタさんをアニキと呼ぶっす。ヒョォォォ!」
コイツ、テンションがおかしい。体力がだいぶ回復してきたようだ。
「身体の調子は良さそうで良かった。」
「問題ナッシングっす。治療院の人には、しばらくは村で安静にしてろって言われたっすけど。そうだ! 命の恩人アフタアニキの仕事の手伝いをするっすよ。何かあったら、言って欲しいっす。」
なんだかよく分からないけど、年上の弟分が出来たらしい。
日数 項目 金額 個数 合計 所持金
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29日目 燃料売り上げ 6万0000蝸 1個 6万0000蝸 52万0800蝸
29日目 借金返済(3) -1万0000蝸 1個 -1万0000蝸 51万0800蝸
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