能力チート無しで目指す、現代人的ダンジョン踏破 ~成長するのは斜め上~

ふぉ

文字の大きさ
65 / 208
四章 予想はよそう、第四層

65 横転して寝転ぶ猫と鳥を捕りました

しおりを挟む
 第四層のフィールドを探索中だ。小型犬ロボットが装甲車の後を付いてくる。そして僕はそのロボットに、「アイボウ」と名付けた。ちょっと名前はギリギリの所を攻めすぎか?

 しばらく進んでいくと猫型ロボットを発見した。いやタヌキに似ている方じゃ無くて、日本の某おもちゃ会社が発売しているのに似ているタイプだ。コイツ、猫型なのに足の先に車輪が付いてやがる! 動きを見る限りアイボウより最高速度が上のようだ。

 猫型は装甲車の側面を突くべく、斜め前方から一直線に突撃してきた。僕はブレーキを踏む。猫型は装甲車の前をそのまま通過していった。どれだけの攻撃力があるか分からないけれど、動きからして自爆とかしそうだから怖い。

 いったん通り過ぎた猫型は、急ブレーキをかけたかのように速度を落とす。身体の小ささと重量の軽さから、急ブレーキなど無理そうに見えるのだけど、地面をえぐりながら止まることによってそれを補っている。しかしアイボウと比べ、小回りは効かないらしい。

 速度が落ちた瞬間を狙ってアイボウが猫型に食らいつこうとする。その瞬間猫型は・・・急発進でバックした! さすが車輪付き。そういう動きも可能なのか。

 僕はコントロールデバイスを起動した。アクセスポイントが二つ、一つはアイボウ、そしてもう一つは猫型だ。僕は猫型をクラックするべく接続を開始する。

 ネゴシエーション・・・接続完了
 指示モード・・・移行完了
 コマンド送信・・・実行完了

 停止コマンドの送信が完了した。猫型は突然の停止で車輪が凹凸に対応できずに横転する。そこへ食らいつこうとするアイボウ。

「アイボウ、お座り!」

 僕は音声認識でアイボウに指示を与える。敵の攻撃に対しての防衛行動は自動で行われるんだけど、それを停止させるのは指示がいる。たぶんそのままだと、確実に猫型の息の根を止めるまで攻撃を続けただろう。

 僕は装甲車から降りて猫型の状態を確認する。特にこれといった損傷は無い。アイボウと同じように管理者登録を行った。名前は・・・「ウーナ」に決定。今回もギリギリを攻めた感じだ。

 こうしてアイボウとウーナがお供に付いた状態になった。こうなってくると一通りのロボットをコンプリートしたい気分になってくる。再び装甲車に乗って新たな獲物を探そうとした瞬間それは起こった。アイボウが突然僕に向けて飛びかかってきたのだ。

「ウワッ。」

 僕に回避できる速度では無かった。脳裏には「管理者登録とかしても、時間制限でリセットされたりするのかな?」そんなことを考えていた。

 ガギン!

 鈍い金属音が響く。僕に痛みは無い。普通に立っている。僕はアイボウの方を見た。アイボウは何かに向けて次の攻撃を仕掛けようとしていた所だった。

 アイボウが相対する先を見る。鳥型ロボットだった。鳥型はアイボウの攻撃で一度は地面に叩き付けられたものの、すぐに浮上して高度を上げる。アイボウは僕の周りで上空を警戒している。ちなみにウーナも僕の周りを円を描くようにくるくると走り回っているが、何だかやる気が感じられない。

 再びコントロールデバイスを取り出す。新たに出現したポイントにアクセスを行う。

 ネゴシエーション・・・接続完了
 指示モード・・・移行完了
 コマンド送信・・・実行完了

 すると上空にいた鳥型が、力を失ったように落下してきた。あ、そうか、上空で停止させたらそうなるよね。

「アイボウ、ウーナ、攻撃停止。」

 僕は二匹に命令を出し、近づいて鳥型を確認する。荒野のそこそこ固い地面に叩き付けられたにもかかわらず、損傷は見受けられない。どれだけの攻撃をすればダメージを与えられるのか、気が遠くなってくる。既にお供になっている二匹を含めて、まともに戦って良い相手ではない。

 僕は新にゲットした鳥に「スバード」という名前を付けた。犬、猫、鳥が集まった。猫の代わりに猿だったら桃太郎っぽかったんだけどね。そういえばお供の動物って猫が出てくることは少ないよなあ。十二支にも入れてもらえないし、なかなか冷遇されているなあ。僕はふと、そんなどうでも良いことが頭に浮かんだ。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

ゴミスキルと追放された【万物鑑定】の俺、実は最強でした。Sランクパーティが崩壊する頃、俺は伝説の仲間と辺境で幸せに暮らしています

黒崎隼人
ファンタジー
Sランク勇者パーティのお荷物扱いされ、「ゴミスキル」と罵られて追放された鑑定士のアッシュ。 失意の彼が覚醒させたのは、森羅万象を見通し未来さえも予知する超チートスキル【万物鑑定】だった! この力を使い、アッシュはエルフの少女や凄腕の鍛冶師、そして伝説の魔獣フェンリル(もふもふ)といった最強の仲間たちを集め、辺境の町を大発展させていく。 一方、彼を追放した勇者たちは、アッシュのサポートを失い、ダンジョンで全滅の危機に瀕していた――。 「今さら戻ってこい? お断りだ。俺はこっちで幸せにやってるから」 底辺から駆け上がる痛快逆転ファンタジー、ここに開幕!

モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ&チート持ちだった!カードから美少女を召喚します!強いカード程1癖2癖もあり一筋縄ではない〜

KeyBow
ファンタジー
 1999年世界各地に隕石が落ち、その数年後に隕石が落ちた場所がラビリンス(迷宮)となり魔物が町に湧き出した。  各国の軍隊、日本も自衛隊によりラビリンスより外に出た魔物を駆逐した。  ラビリンスの中で魔物を倒すと稀にその個体の姿が写ったカードが落ちた。  その後、そのカードに血を掛けるとその魔物が召喚され使役できる事が判明した。  彼らは通称カーヴァント。  カーヴァントを使役する者は探索者と呼ばれた。  カーヴァントには1から10までのランクがあり、1は最弱、6で強者、7や8は最大戦力で鬼神とも呼ばれる強さだ。  しかし9と10は報告された事がない伝説級だ。  また、カードのランクはそのカードにいるカーヴァントを召喚するのに必要なコストに比例する。  探索者は各自そのラビリンスが持っているカーヴァントの召喚コスト内分しか召喚出来ない。  つまり沢山のカーヴァントを召喚したくてもコスト制限があり、強力なカーヴァントはコストが高い為に少数精鋭となる。  数を選ぶか質を選ぶかになるのだ。  月日が流れ、最初にラビリンスに入った者達の子供達が高校生〜大学生に。  彼らは二世と呼ばれ、例外なく特別な力を持っていた。  そんな中、ラビリンスに入った自衛隊員の息子である斗枡も高校生になり探索者となる。  勿論二世だ。  斗枡が持っている最大の能力はカード合成。  それは例えばゴブリンを10体合成すると10体分の力になるもカードのランクとコストは共に変わらない。  彼はその程度の認識だった。  実際は合成結果は最大でランク10の強さになるのだ。  単純な話ではないが、経験を積むとそのカーヴァントはより強力になるが、特筆すべきは合成元の生き残るカーヴァントのコストがそのままになる事だ。  つまりランク1(コスト1)の最弱扱いにも関わらず、実は伝説級であるランク10の強力な実力を持つカーヴァントを作れるチートだった。  また、探索者ギルドよりアドバイザーとして姉のような女性があてがわれる。  斗枡は平凡な容姿の為に己をモブだと思うも、周りはそうは見ず、クラスの底辺だと思っていたらトップとして周りを巻き込む事になる?  女子が自然と彼の取り巻きに!  彼はモブとしてモブではない高校生として生活を始める所から物語はスタートする。

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

最強剣士が転生した世界は魔法しかない異世界でした! ~基礎魔法しか使えませんが魔法剣で成り上がります~

渡琉兎
ファンタジー
政権争いに巻き込まれた騎士団長で天才剣士のアルベルト・マリノワーナ。 彼はどこにも属していなかったが、敵に回ると厄介だという理由だけで毒を盛られて殺されてしまった。 剣の道を極める──志半ばで死んでしまったアルベルトを不憫に思った女神は、アルベルトの望む能力をそのままに転生する権利を与えた。 アルベルトが望んだ能力はもちろん、剣術の能力。 転生した先で剣の道を極めることを心に誓ったアルベルトだったが──転生先は魔法が発展した、魔法師だらけの異世界だった! 剣術が廃れた世界で、剣術で最強を目指すアルベルト──改め、アル・ノワールの成り上がり物語。 ※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうにて同時掲載しています。

異世界で大往生した私、現代日本に帰還して中学生からやり直す。~最強の補助魔法で、冴えないおっさんと最強美女を操って大金持ちになります~

タカノ
ファンタジー
異世界へ転移し、聖女として崇められ、愛する家族に囲まれて88歳で大往生した……はずだった。 目が覚めると、そこは現代日本。 孤児の中学2年生、小金沢ヒナ(14)に戻っていた。 時間は1秒も進んでおらず、待っていたのは明日のご飯にも困る極貧生活。 けれど、ヒナの中身は酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃん(88歳)のまま! 「もう一度、あの豊かで安らかな老後(スローライフ)を手に入れてみせる!」 ヒナは決意する。異世界で極めた国宝級の【補助魔法】と【回復魔法】をフル活用して、現代社会で大金を稼ぐことを。 ただし、魔法は自分自身には使えないし、中学生が目立つと色々面倒くさい。 そこでヒナがビジネスパートナー(手駒)に選んだのは―― 公園で絶望していた「リストラされた冴えないおっさん」と、 借金取りに追われる「ワケあり最強美女」!? おっさんを裏から魔法で強化して『カリスマ社長』に仕立て上げ、 美女をフルバフで『人間兵器』に変えてトラブルを物理的に粉砕。 表向きはニコニコ笑う美少女中学生、裏では彼らを操るフィクサー。 「さあ善さん、リオちゃん。稼ぎますよ。すべては私の平穏な老後のために!」 精神年齢おばあちゃんの少女が、金と魔法と年の功で無双する、痛快マネー・コメディ開幕!

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

処理中です...