能力チート無しで目指す、現代人的ダンジョン踏破 ~成長するのは斜め上~

ふぉ

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四章 予想はよそう、第四層

66 編隊を組んでやってくるかもしれない変態

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 38日目。

 終着の村には戻っていないので、昨日の決算報告は無い。今日はゲットした三匹の解析を進めていこうと思う。

 まずは位置情報の取得が可能なことを発見した。データは四次元的な値が浮動小数で返ってきているようだ。三次元で無く四次元なのは、高さとは別に階層を表すデータが入っているからっぽい。ただし入っている値は第四層が4ではなかった。けっこうバラバラな値だ。そして箱庭に入ると値が変わる。規則性については他の階層にも行って検証しないとなんとも言えない。もしかしたらこれはフィールド構成情報を表すシード値をユニーク化したものなのかもしれない。そうだとすると、この世界はランダ・・・いや結論を出すには早すぎる。

 残りの三つのデータに関しては普通にXYZだというのが確認できた。三匹と一緒にいる限り、自分がどこにいるか確実に分かる。マップデータとかもあれば便利なんだけど、それっぽいものは見当たらない。しかしこの世界、位置情報ってどうやって算出してるんだろう? 衛星があるとは思えないけれど、それに類する信号を飛ばす装置があるのかな。

 さらに解析を進めると、カメラとマイク機能を発見する。目や耳で取得したデータを取り込むことが出来るようだ。つまりこれは・・・ノゾキミラレル!

 え、いや、ちがう、そういう意味じゃ無い。索敵だよ、索敵。いや確かに小型犬ロボットが盗撮に使われて一時期ニュースになったことがあったけど、そんなことには使わないよ? 本当だよ?

 さらにスピーカー機能を発見する。どうやら音を送信して、それを再生することも可能なようだ。しかし僕はマイクを持っていないので、今のままだと無用の長物だ。まあ、マイクぐらいはすぐに作れるけど。でも用途が浮かばないな。

 それぞれの能力の解析も行った。アイボウは噛む力が強力で、鉄板でさえも引きちぎる。小さい身体で恐るべき攻撃力だ。身体の強度も半端ではない。僕が槍で突きまくっても、傷を付けることすら難しそうだ。

 ウーナは・・・目からレーザーが出る。凄ぇぇぇ。しかしレーザーだけあって、近づかなければ力を発揮できない。SFなんかに出てくるレーザーは、遠距離砲撃兵器のようなイメージがあるけれど実は違う。空気中で光が拡散してしまい、どんどんエネルギーが失われていく。基本は超至近距離で威力を発揮する武器なのだ。ウーナは50cm程度まで近づけば、分厚い鉄板を易々と焼き切ってしまう。元の世界に帰ったとしても、50cmも離れた状態でそんな威力を発揮するレーザーなど無い。本当にとんでもない。

 スバードは羽が鋭利な刃物になっている。さらに超音波によって衝撃波のようなものを出す機能を持っていた。超音波、食らわなくて良かった。この前はたぶん超音波を出さず奇襲を選んだのだろう。アイボウが気づいてくれなければ僕の頭は危機一髪、身体と永遠の別れを経験していただろう。

 というかこんな無茶苦茶な奴ら、普通にやったらどうやって戦えば良いんだ? 第三層を正攻法で乗り越えた冒険者なら対処可能なのか? 力のインフレがおかしい。なんかこの三匹がいれば、第三層のボス、スカルドラゴンとすら正面から戦える気がする。

 そして色々と解析を進めていくとあることが分かった。核(コア)についてだ。いつもは魔物を倒してから手に入れているものだけど、今回は「生きている?」状態の核を調べることが出来た。どうやら核はエネルギーを供給している装置のようだ。そして燃料を投入しなくても、常にエネルギーを放出し続けている。

 冒険者ギルドが核を高額で買い取ってくれるのは、この力を何かしらに使っているからなのだろう。ただ、力の波が特殊すぎて、簡単に利用できるようなものではないようだ。核のエネルギーはこの階層の魔物だと電気に変換されているようなのだけど、構造がさっぱり分からないブラックボックスになっている。たぶん第四層の魔物を倒しても、このブラックボックスはドロップせずに消滅するのだろう。何故ならジャンク屋でこの部分を見かけたことが無いからだ。

 もしかしたら冒険者ギルドの書庫で何か分かるかもしれない。機会があったら調べてみたい。そう思う反面、怖くなった部分がある。ダンジョンで活動している冒険者の数はかなり多い。そして彼らが集める核は、相当な量になるだろう。もし核から力を取り出す技術を確立しているとしてその総量を足していくと、とんでもない数値になる。それこそ世界を滅ぼしそうな力を持つ気さえしてくる。

 第十層を踏破すれば神の力を得られるという伝説。あれはもしや核に関係するのだろうか? 核に利用に関する技術情報だとすると、ある程度納得できるものがある。もしそんなものが戦争にでも利用されたら、とんでもないことになるだろう。

 そんなことを考えていたら、ちょっと額に汗をかいた。僕は準備しておいた手拭いを取り出そうと、魔法の袋に手を突っ込む。そしてそれを取り出した。パンティーだ。僕はそのパンティーを使って汗をぬ・・・ぐうわけないだろう!

 危ない。危うく変態になるところだった。しかしこのパンティ、何かやばい気配をヒシヒシと感じるのだ。何かを訴えかけるかのようなオーラを発しているのだ。まるで僕に被れと行っているかのような。

 馬鹿な! それでは本当に変態。通り名「ヘンタイのアフタ」なんてまっぴらゴメンだ。もしかしたら「パンティーのアフタ」になるかもしれない。僕はこの三匹のお供をつれて凱旋し、「ハッカーのアフタ」になるんだ。

 この危険な呪いのパンティを、再び魔法の袋に放り込む。厄介な呪いのアイテムだ。何度も捨てようと思ったのに、何故か捨てられない。捨てようとするたびに「それを捨てるなんてとんでもない」という言葉が、頭の中に響くのだ。

 とにかく捨てられない以上は諦めて、魔法の袋の肥やしとなってもらおう。それしかない。
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