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四章 予想はよそう、第四層
76 祭り、血祭り、後の祭り
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40日目開始。
今日はひたすら酸素をガスボンベにため込む作業だ。第四層のボス戦を想定している。どうせ精密機械系のボスだろうから、たぶんこれがあれば勝てる。もちろん装甲を熱で溶かそうなんて手段では無い。金属を溶かすのは容易ではないからだ。別にそんなことをしなくても何とかなる。
装置は組み上げてしまったので、あとは酸素がたまるのを待つだけだ。待ち時間は暇なので、村をぷらぷらと歩くことにした。いや、歩いていない。ウーナに乗って移動しているから、ほとんど歩いていない。便利な物を手にすると、こうして堕落していくのかもしれない。もちろんウーナには、お手製の猫装具を付けている。これでお尻も痛くないし振動も軽減できる。さらに手綱を手拭いの代わりに革製品にしたので捉まりやすい。
まずは以前に作った浴場の様子を見に行ってみる。相変わらず客足は多いようだ。そしていつの間にか僕の知らない小屋が建っていた。あれは・・・どうやらサウナのようだ。しばらく見ない間に設備が拡張されている。
野外に人影がある。パンツいっちょで腰に手を当て、何か飲んでいるオヤジだ。飲み物を飲むところまでは良い。だが良くないことが一点、脱衣所があるんだから服を着てから外に出ろ。完全に丸見えだ。一応パンツだけでもはいているのはマシだと考えるべきなのか?
周辺を見回すと浴場の周りに店が増えている。飲み屋っぽい店やらマッサージ店など。あ、甘味処まである。僕が浴場を作ったときは何にも無い村の空白地帯だったのに、ずいぶん発展したらしい。まあ繁盛しているのは良いことだ。灯油が売れなくなったら困るしね。
感慨深くそれを眺めていると、突然揺れが起こった。いつものやつだ。いや、いつもよりも揺れが大きい。また公園に何か増えるのかな? そんなことを思っていると、村の中心部に巨大な時計台が出現していた。あまりに巨大すぎて、村のどこにいてもそれが確認できるレベルだ。
?????
意味が分からなかった。何故、時計台? しかも欧州の観光地にありそうなレンガ風の立派な建物になっている。突然出現したし、いつものアレで間違いないんだよね? 僕はそれを唖然と眺めていると、村の人達も外に出て時計台をポカンと眺めている。その中に宿爺の姿もあった。
「おおおお、あれは発展の時計台! ついに、ついに来た! 『終着の村』が『始発の町』に変わるときが!!!」
始発の町? なんだか鉄道のイメージしか湧いてこないネーミングなんだけど。どうやら条件を満たして村が町に変わるらしい。だからなんだと言われても、そういうものなんだねとしか答えようが無い。
「祭りだぁ!祭りをするぞぉぉぉ!!!!」
宿爺が発狂したように叫んでいる。そして宿爺の視線の先には僕が映っていた。なんだか、ここにいた時点で後の祭りという感じだ。確実に巻き込まれる、そんな予感がした。そしてその予感は即座に的中した。
「ジャンクのアフタ君、その才能を見込んで頼みがある。もちろん協力してくれるのぉ?」
村の人達の視線が僕に集まる。何だかよく分からないけど期待の目だ。断れば血祭りになりそうだ。変なところで祭り上げられている。そして僕に拒否権は無い。なし崩し的に祭りの手伝いをすることになった。
僕の仕事は立派な櫓(やぐら)を設計し、それを監督しつつ完成させることだ。僕は第四層のボス戦が控えているという話をしてみたものの、ダンジョンのボスは逃げやしないと一蹴された。たしかに逃げないけど・・・。
まあ、適当に作って早々に完成させよう。ということで僕はしばらくの間、箱庭に引きこもり図面を書いた。そしてそれを宿爺に渡す。
「こんな短時間で・・・素晴らしい。内容は完璧だの。では早速作業に取りかかろう。人員は用意してある。好きなように使ってくれるかの。」
ノリノリの宿爺。そして彼が紹介したのは、筋骨隆々でいかにも脳筋系と思われる男達だった。ちょっと苦手なタイプだなぁ。そんなこと思っていると、脳筋達は口々に「親方、よろしくお願いします」と頭を下げた。その礼儀正しさに僕は恐縮するしか無かった。逃げられない、やるしかない。
僕はまず資材の調達を指示しつつ、建設予定地の地盤を確認した。特に問題ない。まずは基礎をしっかり作ることが重要だ。指示、監督が僕の役目なんだけど、コミュ障の人間には過酷で拷問に近かった。そんな時、ヤツが現れた。
「やあ、アフタ。何だか面白いことをやってるね。なんなら手伝うのはやぶさかでは無いよ?」
サドンだ。あまりに久しぶりなので、完全にその存在を脳内から消していた。僕はサドンに櫓の設計図を見せた。
「なるほど、これを作れば良いんだね? 僕は万能タイプだから、ちろんこういうのも得意なんだ。任せておいてくれ。」
いつものごとく、無意味に髪をかき上げる。そのまま抜けて禿げてしまえ。せっかく協力してくれるというのに、なんだかちょっとイラッときてそんなことを考えてしまった。汎用ではなく万能というところに僕との格の違いを感じる。
サドンは口先男では無かった。僕なんかよりも的確に脳筋の人達に指示を出し、そして正確に建設が進んだ。僕の仕事が大幅に減ってかなり楽になったんだけど、なんだろうこの飲み込みきれない気持ちは? そして櫓建設は大詰めに近づいた。
【 40日目 】
単価 個数 金額 項目
-------------------------------------------------------------
-5万0000蝸 4個 -20万0000蝸 ガスボンベ
4万5000蝸 1個 4万5000蝸 風呂燃料売り上げ50%
2万0000蝸 1個 2万0000蝸 鍛冶屋燃料売り上げ50%
-2万0000蝸 1個 -2万0000蝸 防具返済(1)
-2万5000蝸 1個 -2万5000蝸 猫装具部品
[ 残金 22万1800蝸 ]
今日はひたすら酸素をガスボンベにため込む作業だ。第四層のボス戦を想定している。どうせ精密機械系のボスだろうから、たぶんこれがあれば勝てる。もちろん装甲を熱で溶かそうなんて手段では無い。金属を溶かすのは容易ではないからだ。別にそんなことをしなくても何とかなる。
装置は組み上げてしまったので、あとは酸素がたまるのを待つだけだ。待ち時間は暇なので、村をぷらぷらと歩くことにした。いや、歩いていない。ウーナに乗って移動しているから、ほとんど歩いていない。便利な物を手にすると、こうして堕落していくのかもしれない。もちろんウーナには、お手製の猫装具を付けている。これでお尻も痛くないし振動も軽減できる。さらに手綱を手拭いの代わりに革製品にしたので捉まりやすい。
まずは以前に作った浴場の様子を見に行ってみる。相変わらず客足は多いようだ。そしていつの間にか僕の知らない小屋が建っていた。あれは・・・どうやらサウナのようだ。しばらく見ない間に設備が拡張されている。
野外に人影がある。パンツいっちょで腰に手を当て、何か飲んでいるオヤジだ。飲み物を飲むところまでは良い。だが良くないことが一点、脱衣所があるんだから服を着てから外に出ろ。完全に丸見えだ。一応パンツだけでもはいているのはマシだと考えるべきなのか?
周辺を見回すと浴場の周りに店が増えている。飲み屋っぽい店やらマッサージ店など。あ、甘味処まである。僕が浴場を作ったときは何にも無い村の空白地帯だったのに、ずいぶん発展したらしい。まあ繁盛しているのは良いことだ。灯油が売れなくなったら困るしね。
感慨深くそれを眺めていると、突然揺れが起こった。いつものやつだ。いや、いつもよりも揺れが大きい。また公園に何か増えるのかな? そんなことを思っていると、村の中心部に巨大な時計台が出現していた。あまりに巨大すぎて、村のどこにいてもそれが確認できるレベルだ。
?????
意味が分からなかった。何故、時計台? しかも欧州の観光地にありそうなレンガ風の立派な建物になっている。突然出現したし、いつものアレで間違いないんだよね? 僕はそれを唖然と眺めていると、村の人達も外に出て時計台をポカンと眺めている。その中に宿爺の姿もあった。
「おおおお、あれは発展の時計台! ついに、ついに来た! 『終着の村』が『始発の町』に変わるときが!!!」
始発の町? なんだか鉄道のイメージしか湧いてこないネーミングなんだけど。どうやら条件を満たして村が町に変わるらしい。だからなんだと言われても、そういうものなんだねとしか答えようが無い。
「祭りだぁ!祭りをするぞぉぉぉ!!!!」
宿爺が発狂したように叫んでいる。そして宿爺の視線の先には僕が映っていた。なんだか、ここにいた時点で後の祭りという感じだ。確実に巻き込まれる、そんな予感がした。そしてその予感は即座に的中した。
「ジャンクのアフタ君、その才能を見込んで頼みがある。もちろん協力してくれるのぉ?」
村の人達の視線が僕に集まる。何だかよく分からないけど期待の目だ。断れば血祭りになりそうだ。変なところで祭り上げられている。そして僕に拒否権は無い。なし崩し的に祭りの手伝いをすることになった。
僕の仕事は立派な櫓(やぐら)を設計し、それを監督しつつ完成させることだ。僕は第四層のボス戦が控えているという話をしてみたものの、ダンジョンのボスは逃げやしないと一蹴された。たしかに逃げないけど・・・。
まあ、適当に作って早々に完成させよう。ということで僕はしばらくの間、箱庭に引きこもり図面を書いた。そしてそれを宿爺に渡す。
「こんな短時間で・・・素晴らしい。内容は完璧だの。では早速作業に取りかかろう。人員は用意してある。好きなように使ってくれるかの。」
ノリノリの宿爺。そして彼が紹介したのは、筋骨隆々でいかにも脳筋系と思われる男達だった。ちょっと苦手なタイプだなぁ。そんなこと思っていると、脳筋達は口々に「親方、よろしくお願いします」と頭を下げた。その礼儀正しさに僕は恐縮するしか無かった。逃げられない、やるしかない。
僕はまず資材の調達を指示しつつ、建設予定地の地盤を確認した。特に問題ない。まずは基礎をしっかり作ることが重要だ。指示、監督が僕の役目なんだけど、コミュ障の人間には過酷で拷問に近かった。そんな時、ヤツが現れた。
「やあ、アフタ。何だか面白いことをやってるね。なんなら手伝うのはやぶさかでは無いよ?」
サドンだ。あまりに久しぶりなので、完全にその存在を脳内から消していた。僕はサドンに櫓の設計図を見せた。
「なるほど、これを作れば良いんだね? 僕は万能タイプだから、ちろんこういうのも得意なんだ。任せておいてくれ。」
いつものごとく、無意味に髪をかき上げる。そのまま抜けて禿げてしまえ。せっかく協力してくれるというのに、なんだかちょっとイラッときてそんなことを考えてしまった。汎用ではなく万能というところに僕との格の違いを感じる。
サドンは口先男では無かった。僕なんかよりも的確に脳筋の人達に指示を出し、そして正確に建設が進んだ。僕の仕事が大幅に減ってかなり楽になったんだけど、なんだろうこの飲み込みきれない気持ちは? そして櫓建設は大詰めに近づいた。
【 40日目 】
単価 個数 金額 項目
-------------------------------------------------------------
-5万0000蝸 4個 -20万0000蝸 ガスボンベ
4万5000蝸 1個 4万5000蝸 風呂燃料売り上げ50%
2万0000蝸 1個 2万0000蝸 鍛冶屋燃料売り上げ50%
-2万0000蝸 1個 -2万0000蝸 防具返済(1)
-2万5000蝸 1個 -2万5000蝸 猫装具部品
[ 残金 22万1800蝸 ]
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