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四章 予想はよそう、第四層
77 夢の中の有名な人
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終着の村を改め、始発の町で祭りが開催されている。何でこうなったのかさっぱり分からない。とにかく櫓は完成し、宿爺が企画した催しが執り行われている。準備日たったの一日。全てが恐ろしい速度で行われた。もしかしたらこの世界って、時間の流れがどこかで狂っているのかもしれない。
催しは演舞やマジックショー、ミスコンとかも行われるらしい。参加者を急募してそれなりの人達を揃えたようだ。この世界のマジックショーって、いったい何をやるつもりなんだ?
しかしそれらを見る気にはなれなかった。何故かって? あの夢のせいだ。リコッテの恐怖が僕を女性恐怖症にさせかけている。特にミスコンとかには近づきたくない。
ということで露店で買い食いして回ることにした。値段はなんとお祭り価格だ。いや、これが信じられないことに普通のお祭り価格。串焼き肉が800シュネ、ワッフルが300シュネとかだ。これは食べて回るしか無い。
僕が買い食いをしているとサドンが綺麗な女の人をナンパしていた。僕に気づくとその女性と別れて近づいてくる。いや、そのままナンパしていれば良かったのに。
「色々大変な作業だったけどなんとかなったね。たまにはこういう労働も悪くない。」
さわやかな笑顔でそんなことを言うサドン。最近見てなかったんだけど、今までどうしていたんだろう?
「どうやら僕のことが気になっているようだね。今は第五層の攻略中だよ。あそこは魔物よりも気象条件の厳しさが行く手を阻むんだ。」
「気象条件というと、もしかして灼熱系や極寒系?」
「第五層は後者、そして第六層が前者だ。第六層の情報はさっき天魔ギルダインから教えてもらったばかりだよ。」
「もしかして剣聖や武王のパーティーの人?」
「ああ、そうだ。全員の武器が揃ったから第七層の攻略に入るとも言っていた。そういえばアフタはアダマンタイト武器の制作に携わったんだってね。」
「うん、そんな事もあったかもしれない。」
「記録に残っている限り、アダマンタイト武器は大賢者リコリースが作ったとされているけれど、君はその製法を知っていたのかい?」
「全然知らなかったよ。単に熱量を上げる方法を魔法オヤジ・・・鍛冶屋のオヤジに教えただけで。」
実際、ほとんど僕は何もしていないに等しい。
「君の出身はボリハ村だよね?」
「なんでそのことを?」
僕の個人情報が漏れている! いったいどこから?
「大賢者リコリースが余生を送った村、そしてその子孫がソルトシールダンジョンを攻略するというわけか。」
「僕は大賢者の子孫じゃないよ。」
「分かっている。少し前に地上に帰還したときに、リコッテという君の幼なじみの女の子に会ったよ。彼女は間違いなく大賢者の子孫だ。」
・・・・・
・・・・・
・・・!!!!!
!!!!!!!!!
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
「はぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
僕はその名前を聞いて転げ回った。そして頭部を何度も地面に打ち付ける。これは夢だ、夢に違いない。現実でリコッテの名前が出てくるはずなの無いのだ。早く醒めなければ、夢から醒めなければ!!!!
「お・・おい、どうしたんだ? 大丈夫かい?」
サドンが青くなった表情で僕を見ている。僕は拳で自分の顔を殴る。見かねたサドンが僕を羽交い締めにする。
「やめるんだ。いったいどうしたというんだ?」
僕はしばらくジタバタと暴れた。しかし第五層到達者のサドンの力の方が圧倒的に勝っているため、ほとんど身動きがとれていない。しばらくすると、ようやく僕の興奮も収まってくる。おとなしくなった僕を見て、サドンがライフポーションを差し出してくる。僕はそれを一気飲みした。いつも飲んでいるポーションと違って、あっという間に痛みが引いていく。もしかしてこれってライフポーション(高)?
「・・・落ち着いてきた、ありがとう。」
僕はそうサドンに言った。
「よかった、何があったか分からないが。」
ほっとした表情をするサドン。僕の様子をうかがいながら何か言いたげな顔をしている。しかし言うかどうか迷っている感じだ。突然発狂したから当然だよね。しばらくの沈黙の後、サドンは口を開いた。
「リコッテ、彼女は今回の守護者・・・。」
催しは演舞やマジックショー、ミスコンとかも行われるらしい。参加者を急募してそれなりの人達を揃えたようだ。この世界のマジックショーって、いったい何をやるつもりなんだ?
しかしそれらを見る気にはなれなかった。何故かって? あの夢のせいだ。リコッテの恐怖が僕を女性恐怖症にさせかけている。特にミスコンとかには近づきたくない。
ということで露店で買い食いして回ることにした。値段はなんとお祭り価格だ。いや、これが信じられないことに普通のお祭り価格。串焼き肉が800シュネ、ワッフルが300シュネとかだ。これは食べて回るしか無い。
僕が買い食いをしているとサドンが綺麗な女の人をナンパしていた。僕に気づくとその女性と別れて近づいてくる。いや、そのままナンパしていれば良かったのに。
「色々大変な作業だったけどなんとかなったね。たまにはこういう労働も悪くない。」
さわやかな笑顔でそんなことを言うサドン。最近見てなかったんだけど、今までどうしていたんだろう?
「どうやら僕のことが気になっているようだね。今は第五層の攻略中だよ。あそこは魔物よりも気象条件の厳しさが行く手を阻むんだ。」
「気象条件というと、もしかして灼熱系や極寒系?」
「第五層は後者、そして第六層が前者だ。第六層の情報はさっき天魔ギルダインから教えてもらったばかりだよ。」
「もしかして剣聖や武王のパーティーの人?」
「ああ、そうだ。全員の武器が揃ったから第七層の攻略に入るとも言っていた。そういえばアフタはアダマンタイト武器の制作に携わったんだってね。」
「うん、そんな事もあったかもしれない。」
「記録に残っている限り、アダマンタイト武器は大賢者リコリースが作ったとされているけれど、君はその製法を知っていたのかい?」
「全然知らなかったよ。単に熱量を上げる方法を魔法オヤジ・・・鍛冶屋のオヤジに教えただけで。」
実際、ほとんど僕は何もしていないに等しい。
「君の出身はボリハ村だよね?」
「なんでそのことを?」
僕の個人情報が漏れている! いったいどこから?
「大賢者リコリースが余生を送った村、そしてその子孫がソルトシールダンジョンを攻略するというわけか。」
「僕は大賢者の子孫じゃないよ。」
「分かっている。少し前に地上に帰還したときに、リコッテという君の幼なじみの女の子に会ったよ。彼女は間違いなく大賢者の子孫だ。」
・・・・・
・・・・・
・・・!!!!!
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ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
「はぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
僕はその名前を聞いて転げ回った。そして頭部を何度も地面に打ち付ける。これは夢だ、夢に違いない。現実でリコッテの名前が出てくるはずなの無いのだ。早く醒めなければ、夢から醒めなければ!!!!
「お・・おい、どうしたんだ? 大丈夫かい?」
サドンが青くなった表情で僕を見ている。僕は拳で自分の顔を殴る。見かねたサドンが僕を羽交い締めにする。
「やめるんだ。いったいどうしたというんだ?」
僕はしばらくジタバタと暴れた。しかし第五層到達者のサドンの力の方が圧倒的に勝っているため、ほとんど身動きがとれていない。しばらくすると、ようやく僕の興奮も収まってくる。おとなしくなった僕を見て、サドンがライフポーションを差し出してくる。僕はそれを一気飲みした。いつも飲んでいるポーションと違って、あっという間に痛みが引いていく。もしかしてこれってライフポーション(高)?
「・・・落ち着いてきた、ありがとう。」
僕はそうサドンに言った。
「よかった、何があったか分からないが。」
ほっとした表情をするサドン。僕の様子をうかがいながら何か言いたげな顔をしている。しかし言うかどうか迷っている感じだ。突然発狂したから当然だよね。しばらくの沈黙の後、サドンは口を開いた。
「リコッテ、彼女は今回の守護者・・・。」
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