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五章 寒々ホワイト、第五層
97 真摯な態度の変態紳士
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僕はそのAIを知っている。そうだ知っているのだ。どんな組まれ方をしているのか理解できるレベルで。
「理由は分からないんですか?」
スコヴィルは僕の目をしっかりと見つめて言う。そういうのは苦手なんだけど、今は目をそらすわけにはいかない。
「たぶん知っているんだと思います。記憶が戻ればもしかしたら・・・。」
「だからサドンさんは様子を見ようと言ったんですね。」
「?」
「私がサドンさんと話したときに、プレイヤーとしてブレアさんとアフタさんの名前が挙がりました。ブレアさんに関してはサドンさんが話を通しました。そのあと私もブレアさんと話をしています。」
なるほど、既に二人は剣聖ブレアとコンタクトをとっていたのか。
「そして私がアフタさんにもプレイヤーの件について話をしようと提案したところ、サドンさんが止めました。彼については様子を見たい、他のPCとは様子が違うと言って。」
う~ん、サドンは親しげに接してきた割には、僕のことを警戒していたのか?
「そうなるともしかして僕の記憶が色々と鍵を握っているとか・・・。でも思い出せない以上はどうしようも・・・。」
「一緒にダンジョン踏破をすれば、きっと記憶も戻ります!」
何か根拠があるわけでも無さそうなのに、自信満々で断言するスコヴィル。だけど思い出したら出したで、実はちょっと詳しいだけのタダの人というオチもあり得る。本当にありそうで嫌だなあ。
「アフタさん、一つ提案があります。」
彼女は意気揚々と言った。それはいいんだけど、何故顔をそんなに近づけるんだろう?
「一度地上に戻りましょう。」
「地上?」
「はい、そこでアフタさんのスキル鑑定をしてもらいましょう。」
なるほど、そこで未帰還者というかプレイヤーの専用スキルを確認する訳か。そう言えばサドンが言っていたPCって、プレイヤーキャラクターの事だったんだ。今頃気がつくとは、本当に僕は間抜けだなぁ。
「スコヴィルさん、たぶん僕の能力は・・・十中八九なんの役にも立たない能力だと思いますよ?」
「? 何故そう思うんですか?」
「今までの経験則からです。」
僕の言葉に彼女は首をかしげるばかりだった。まあ、理解はされないだろうなあ。正攻法で第五層まで来られる人には分かるはずが無い。
しかし地上に戻るに当たって、最重要の懸案事項がある。リコッテだ。リコッテとエンカウントしたら、僕の命は風前の灯火だ。
「地上までのルートで、会いたくない人がいるんです。それが何とかならないと地上に行くのは・・・。」
「それは女の人ですか?」
その言葉に僕はギクリとする。
「冗談で言ってみただけだったんですけど・・・。どんな関係なんですか?」
「故郷の村でいつの間にか許嫁になっていて、そのまま村に置いてきた女の子です。今は凄まじい実力を持った冒険者になっています。」
「・・・。」
「・・・。」
いや、何か言って!
「その子のことは好きなんですか?」
「好きとか嫌いとか、そういうのはありません。強いて言うなら苦手です。」
何故スコヴィルはホッとした表情をするんだろう?
「分かりました。それじゃあ、顔を隠しましょう。」
彼女は自分の魔法の袋をガサゴソと漁る。そして赤い蝶の形をしたものを差し出してきた。これは・・・目の所に付けるアレ・・・。
「スコヴィルさん?」
「これで顔が隠せます。」
いやいやいやいや、それ隠せてない、隠せてないよ。バレバレだよ。しかも変態紳士一直線だよ。
「大丈夫です。これには認識阻害効果があるんですよ。注目がマスクに集中して、それ以外の顔の認識が出来なくなる効果です。」
それ、単にマスクがヤバイからそっちを見ちゃうってだけなんじゃ?
そんなことを思いつつも、僕は既にマスクを装着している。なんたってYesとしか言えない男だからさ。これを付けて地上に向かうのか・・・。こうなると、次の通り名はきっとアレなんだろうなあ。はー、勘弁して欲しいなぁ。
「似合ってますよ。」
その言葉、喜んでいいのか、悲しむべきなのか。
ということで僕達は地上を目指す。出発はスコヴィルの体力回復のため一泊してからとなった。
「理由は分からないんですか?」
スコヴィルは僕の目をしっかりと見つめて言う。そういうのは苦手なんだけど、今は目をそらすわけにはいかない。
「たぶん知っているんだと思います。記憶が戻ればもしかしたら・・・。」
「だからサドンさんは様子を見ようと言ったんですね。」
「?」
「私がサドンさんと話したときに、プレイヤーとしてブレアさんとアフタさんの名前が挙がりました。ブレアさんに関してはサドンさんが話を通しました。そのあと私もブレアさんと話をしています。」
なるほど、既に二人は剣聖ブレアとコンタクトをとっていたのか。
「そして私がアフタさんにもプレイヤーの件について話をしようと提案したところ、サドンさんが止めました。彼については様子を見たい、他のPCとは様子が違うと言って。」
う~ん、サドンは親しげに接してきた割には、僕のことを警戒していたのか?
「そうなるともしかして僕の記憶が色々と鍵を握っているとか・・・。でも思い出せない以上はどうしようも・・・。」
「一緒にダンジョン踏破をすれば、きっと記憶も戻ります!」
何か根拠があるわけでも無さそうなのに、自信満々で断言するスコヴィル。だけど思い出したら出したで、実はちょっと詳しいだけのタダの人というオチもあり得る。本当にありそうで嫌だなあ。
「アフタさん、一つ提案があります。」
彼女は意気揚々と言った。それはいいんだけど、何故顔をそんなに近づけるんだろう?
「一度地上に戻りましょう。」
「地上?」
「はい、そこでアフタさんのスキル鑑定をしてもらいましょう。」
なるほど、そこで未帰還者というかプレイヤーの専用スキルを確認する訳か。そう言えばサドンが言っていたPCって、プレイヤーキャラクターの事だったんだ。今頃気がつくとは、本当に僕は間抜けだなぁ。
「スコヴィルさん、たぶん僕の能力は・・・十中八九なんの役にも立たない能力だと思いますよ?」
「? 何故そう思うんですか?」
「今までの経験則からです。」
僕の言葉に彼女は首をかしげるばかりだった。まあ、理解はされないだろうなあ。正攻法で第五層まで来られる人には分かるはずが無い。
しかし地上に戻るに当たって、最重要の懸案事項がある。リコッテだ。リコッテとエンカウントしたら、僕の命は風前の灯火だ。
「地上までのルートで、会いたくない人がいるんです。それが何とかならないと地上に行くのは・・・。」
「それは女の人ですか?」
その言葉に僕はギクリとする。
「冗談で言ってみただけだったんですけど・・・。どんな関係なんですか?」
「故郷の村でいつの間にか許嫁になっていて、そのまま村に置いてきた女の子です。今は凄まじい実力を持った冒険者になっています。」
「・・・。」
「・・・。」
いや、何か言って!
「その子のことは好きなんですか?」
「好きとか嫌いとか、そういうのはありません。強いて言うなら苦手です。」
何故スコヴィルはホッとした表情をするんだろう?
「分かりました。それじゃあ、顔を隠しましょう。」
彼女は自分の魔法の袋をガサゴソと漁る。そして赤い蝶の形をしたものを差し出してきた。これは・・・目の所に付けるアレ・・・。
「スコヴィルさん?」
「これで顔が隠せます。」
いやいやいやいや、それ隠せてない、隠せてないよ。バレバレだよ。しかも変態紳士一直線だよ。
「大丈夫です。これには認識阻害効果があるんですよ。注目がマスクに集中して、それ以外の顔の認識が出来なくなる効果です。」
それ、単にマスクがヤバイからそっちを見ちゃうってだけなんじゃ?
そんなことを思いつつも、僕は既にマスクを装着している。なんたってYesとしか言えない男だからさ。これを付けて地上に向かうのか・・・。こうなると、次の通り名はきっとアレなんだろうなあ。はー、勘弁して欲しいなぁ。
「似合ってますよ。」
その言葉、喜んでいいのか、悲しむべきなのか。
ということで僕達は地上を目指す。出発はスコヴィルの体力回復のため一泊してからとなった。
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