能力チート無しで目指す、現代人的ダンジョン踏破 ~成長するのは斜め上~

ふぉ

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六章 熱血沸騰、第六層

124 噴火するのは何分か?

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「みんな僕の方へ集まってください。やっちゃいました。」
 僕は戦闘中の二人の声をかけた。

「了解。」
「はい。」

 サドンは既にサラマンダーを三枚おろしにし、スコヴィルは火の鳥をバラバラに切り裂いていた。そんな二人は僕の方へ集まってくる。

「DD、全力で防御。ただし酸素禁止。」

 DDは僕達の周りに冷気のフィールドを展開した。もちろん足場も含めてだ。そして恐れていた事態は起こりつつある。予兆として地面が大きく揺れる。

「アフタ、何をしたんだい?」
「高濃度の固体酸素を地中に打ち込んじゃったよ。」
「それってどうなるんですか?」
「・・・化学反応と膨張による大爆発。」

 ただでさえ温度差のあるものを投入すれば、水でさえ急激な膨張が起こり爆発する。それを固体酸素でやったらどうなるか。大膨張した上に酸化によるエネルギーが発生、下手な爆弾よりも遙かに大きい爆発力が発生する。しかも爆発は閉じられた容器の中だ。ペットボトルにドライアイスを入れて蓋を閉める、そんなことをやって容器が吹っ飛んで大怪我する人がいるが、あれの大規模バージョンだ。

 そして第六層は噴火した。灼熱のマグマが巻き上げられていく。

「今度はこんな間近で噴火見学とは。ワクワクしてくるな。」
「凄いですね。あら? マグマに混じってドラゴンみたいな形の巨大な・・・打ち上げられてますね。」
「それ、たぶん地中に潜んでいたヤツです。それを狙って攻撃したんですが、やり過ぎました。」

 僕達はDDの張ったフィールの中で噴火をやり過ごしていた。このフィールドは物理無効らしい。

「あれはたぶん黒赤竜だね。地中からヘルブレスを放ってくる魔物だ。もし気づかずに食らっていたら、水の加護が一瞬で無効にされるところさ。」
「危ないところでした。アフタさん、よく気がつきましたね。」

 やることが無くて暇だったから気づいたんだけど・・・。そんなに危険なヤツだったのか。

 しばらくすると噴火が収まった。幸いなことに地中に核になる部分にまでは影響を及ぼしていないようだ。本格的に噴火したら、第六層のクリアが絶望的になるところだった。僕はDDに防御フィールドを解除させた。コレがあると外側に向けての物理攻撃も無効化される。
 

「じゃあ、先に進もうか。」
「ちょっと待ってください。あれは・・・。」

 地中から赤い光が飛び出してくる。あれは・・・火の鳥? 地中からということは、たぶんスコヴィルがバラバラにしたヤツだ。

「もしかして不死鳥というパターンかな?」
「どうやらそのようです。さっき水の刃でバラバラになったはずなので。」

「スコヴィルさん、風の魔法で火の鳥の動きを封じてください。サドンは核を狙って。」
「アフタ、核の位置は分かるのかい?」

「スバード、分析。」
 僕はスバードを召喚し、火の鳥の核の位置を確認する。
「尾の付け根の部分!」
 
「よし!」
 サドンはあっという間に火の鳥の下に移動する。スコヴィルも既に風の魔法で圧力を加えていた。この人達、仕事が早いなぁ。

 これで勝てる。そう思った僕は、自分の間違いに気づいた。勝てるじゃない、既に勝っていたのだ。既にサドンが火の鳥の核をつかみ取っていた。僕の状況把握が間に合わなくて、色々とあったはずのプロセルがすっぽ抜けている。

「パーティーを組んだばかりだというのに、連携は完璧だね。」
「はい、心強いです。」
「・・・。」
 サドンとスコヴィルは笑顔だ。ええっと、僕がポカーンとしている間に色々と終わっていく気がするんだけど?

「アフタさん、これからもよろしくお願いします。」
「え? ああ、はい。」
「君が味方で良かった。自分の判断が間違っていなかったことを確信したよ。」
「ああ、うん。」

 もう、何だかよく分からなかった。
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