異界の国に召喚されたら、いきなり魔王に攻め滅ぼされた

ふぉ

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本編 魔神の誕生と滅びの帝都

46 急速に休息する

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「何が不安なんだ?」

 俺はエスフェリアに聞いた。

「魔族がこの街を通り過ぎたと考えると、そのぶんクミシュ砦襲撃の増援が早まることになります。」

「いつものパターンだとクミシュ砦はどうなるんだ?」

「先行している魔族の部隊がクミシュ砦を攻撃し、そこへ私たちが到着します。
 そしてギスケが奇襲をかけ、その混乱に乗じ砦側から反撃が始まります。
 その後、魔族の増援をギスケと砦の戦力で撃退します。」

「ギスケという奴はずいぶんと大活躍するんだな。」

「はい、それはそれは凄まじい強さを発揮します。
 魔神と呼ばれるほどに。」

「しかし今回は増援が俺たちより早く到着してしまう可能性があるわけだな。」

「魔族の増援は、各地の魔族達と合流しながら進むので、行軍速度はそれほど速くはありません。
 近道をすればなんとかなると思います。」

「近道?」

「森を抜けていくルートです。
 ここから先の街道は小規模ではありますが、魔族達が封鎖しているので、通り抜けるのに時間がかかります。」

「戦いも避けられるという訳か。」

「森に魔族がいないという保証はありませんが、街道を通るよりは遭遇の可能性は低いと思います。
 道に関しては以前の周回で地図を確認しています。」

「よし、方針は決まった。
 いったん食事と休息をとろう。
 落ち着いたところでいいからエスフェリアは、覚えている範囲で地図を書き出してくれ。
 ・・・それから足を出してみろ。」

「足フェチですか?」

 エスフェリアはわざとらしく照れたような表情をする。

「いいから。」

 俺は強引にエスフェリアの靴を脱がせる。
 やっぱり・・・。
 靴擦れというレベルを超えて、皮がずる剥けになっている。

「よくこれで歩いてこられたな。」

「慣れました。
 それにこの程度では死にません。」

 何度も死んでいる奴の言葉だけに、何だがよく分からない重みを感じる。

「まったく。
 魔法で治療してやるから、足を前に出せ。」
 
「ギスケも疲れているでしょう。
 これ以上は負担をかけられません。」

「これだけのことに巻き込んでおいて、今更遠慮するな。」

「そうですね。
 それでは遠慮無しで行きます。
 覚悟してください。」

 エスフェリアはうれしそうに言った。
 いったい何を覚悟しないといけないのだろう?
 俺は回復魔法の疑似魔術回路を構成する。
 周囲の魔力を吸い上げながら、エスフェリアの足を治療する。

「だいぶ楽になりました。
 ありがとうございます。」

「サイアグから渡された書物に、体の回復を促す魔道具に関しての情報があった。
 感謝の半分はあいつの分だ。
 サイアグは今頃・・・いや、いい。」

 俺はついでに疲労回復の疑似魔術回路を構成する。

「なんだか体がポカポカしますね。」

 エスフェリアが言う。
 効いているみたいだ。
 そして保存食を軽く調理していたアグレスにも同様に魔法をかけた。
 さらに俺自身にも使ってみる。
 テレキネシスを使い続けて蓄積していた脳の疲労が緩和されていく。

 俺はサイアグに感謝した。
 もし生きて再会できたら、ほっぺにキスぐらいしてやろうと思う。
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