異世界転生したら悪役令嬢じゃなくイケメン達に囲まれちゃいましたっ！！

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アレックスの一件から数日後、私はある学園に通うことになっていた。
エリーヌの行動記憶を辿ると私は高等魔法学校という場所に在籍している2回生……らしい。
この世界には魔法が存在して、貴族は魔術学という学問を学ばなければならない。
主に魔法が使えるのは王族と貴族の血筋だけのという……。
これもあの乙女ゲームの設定と同じだった。


学校は屋敷から馬車で数分の所にある。
この距離を歩いて行っても何ら問題ない場所にあるのだが馬車に乗れるのは楽ちんが出来るので有難い。
でも本当は学校には行きたくはないけれど……。

数分後馬車は校舎前の門の所に止まった。
校門の入り口に着いて馬車から降りると沢山の貴族の息子やら娘やらがわいわい言いながら学校の校舎に入って行った。
皆誰かしらと話をしながらニコニコ顔でとても楽しそうだ。
私が歩いて校舎に向かっていると後ろから声が掛かった。


「おはようございます。エリーヌ様。お休みの時間はどのように過ごされたのですか？」
「え……？」

振り返ると金髪の髪を一つにまとめて清楚な雰囲気のお嬢様が私に話しかけてきた。
えっと……この人は……そう！　イリエット、イリエット＝フリッド。
私の友人だとういうことを思い出した。

「おはようございます。お休みの時は特にお屋敷に居りましたわ」
「そうなのですね。わたくしは別荘でのんびり過ごしておりましたの」

そう、それはよかったわね、私はそう言って笑顔を振り撒いた。
此処では清楚で私はいなくてはいけない。
そう私はアリフレッド伯爵家令嬢、エリーヌ＝アン＝アリフレッドなのだから。


校舎について大きな講堂へ歩いていた。
隣にはイリエットがずっと私の傍から離れない。
そこまで仲が良かったっけ？
ま、そんなことはどうでもいいわ。
それより私は今乙女ゲームの世界に来ているのだから、新しい出会いを求めて学園ドラマスタートなのよっ！！
ゲームだとここらでいきなり誰かとぶつかって『大丈夫かい』なんていわれて出会いがスタートするか、『おはよ。元気してた？』とか後ろから声を掛けられるって言う展開がある筈だわ。
早くイベント起きないかな…学校だるいんだもん。
私は学校で何をするかという逆ハーレムを愉しみに来ているのだがらっ。

は……心の中でどす黒い私の考えが出てしまった。
誰も気が付いてないわよね……？

「エリーヌ様、行きましょう」
「あ……ええ……行きましょう」

私は隣にいたイリエットの存在をすっかり忘れて自分の世界に入っていたのに気が付いた。
妄想はいいから、早くイベント発生してくださいっ！！