異世界転生したら悪役令嬢じゃなくイケメン達に囲まれちゃいましたっ！！

９

「私たちはまだ婚約する年頃ではないと思います。あの時怪我をしたのは自分の不注意。そんな昔の事でアレックス様が固辞する必要はないと思います」


ふんっ！　
言い切ったわ。
そうよ、私たちはまだ17歳。
婚約とかそんなの速すぎだってのっ。
それに私は逆ハーレムに来たのよ。
此処で一人の男性だけを愛する訳にはいかないわっ。


「エリーヌ。それは誠か？」
「はい。私はまだそんなつもりはありません。もしアレックス様に言い寄っていらっしゃる方がいるのでしたら私のことはお構いなく、進めるなり、何なりして下さいまし」


私は澄ました顔をしてそう言った。
その話を黙って聞いていたアレックスは立ち上がって私の所へやって来た。


「エリーヌ。私は其方を愛している。怪我を負わせてしまったのは本当の事。だが、それだけ其方との婚儀をするわけではないのだ。どうか私の気持ちを受け入れてくれないか？」


ダメダメダメ。
私はまだこれからもっと楽しむんだから。
私は目を瞑り暫く黙ったままでいると、お父様が口を開いた。


「まぁ～……、こういう事なのだ、アレックスよ。済まないな。我儘娘で申し訳ない。明日からまた学校が始まる。今日はその話を確認したかっただけだ。すまないな、アレックスよ」
「そんな……分かりました。でも私は諦めません。エリーヌの夫となるべく精進いたします。本日はこの辺で失礼いたします。エリーヌまた学校で会おう」


アレックスはそう言うと部屋を後にした。
私はため息をついて目を開けるとお父様が頭を抱えて項垂れていた。

「お前も、もっとオブラートに包まんか」
「私は間違ったことを言った覚えは御座いません」
「だがな。アレックスはあれで人間が出来ているから理解していただけだぞ。もし他の男だったら……全く、困った娘だ。そろそろ食事にしよう。おい、食事の用意を頼む」


お父様が言っていることくらい私も分かってる。
だけど、私はそんな安っぽい恋愛なんてしたくはないのだ。
折角異世界に来て色々試したいことが沢山あるんだ。
それに素敵な出会いもあるかもしれない。
私は優雅に華麗に人生を謳歌したいのだ。

それにしてもこの世界でも学校に通うことになっているのね。
学校嫌、面倒くさい。行きたくない……私は優雅な生活がしたいっ！！