27 / 28
27
しおりを挟む
午後の授業もやっと終わり…社交界デビューする為のダンスもようやく終わった。
そう言えば今日はミカエルと一緒に踊ったっけ。
流石に貴族の御曹司だけあってリードが上手で踊りの下手な私に合わせてくれた。
苦手な授業を終えた私はイリエットとクレアと三人で講堂に戻っていると、またあの女……アリシア達が私たちの前に現れた、
「今日はミカエルと仲良くダンスでしたわね。全くどこが良いのかしら……」
「私はお願いしたわけでもなく、偶々だっただけで」
「そうなのですか。それにしては楽しそうでしたわね」
「いいでしょう…楽しみながらダンスを踊ることも大切だって先生も仰っていたのだから」
「ふんっ。モテモテな事は否定されないところが気に入らないわっ」
そんなことを言われても私の所為じゃない。
そう言いたかったがクレアが私の肩に手を置いて、
「行きましょう。エリーヌ」
と言ってアリシア達を無視して歩き出した。
私もイリエットもクレアの後を歩いてその場を離れた。
後ろから睨みつけるアリシアを想像するとぞっとする。
乙女ゲームで登場する『悪役令嬢』は彼女かも知れない。
そう思うと今後の嫌がらせが発生するイベントに私が巻き込まれると思うと嫌気がさした。
「エリーヌ、気にしない方が良いわ」
「有難う。クレア。助かったわ」
「本当にしつこい連中ですわね、アリシア様達も」
「エリーヌに決闘に負けたことが悔しいだけなんだと思うわ。それにあちらから仕掛けて負けたとなれば余計に、ね」
確かにクレアが言ったことはその通りだった。
周りの人たちが噂をしているのは私に敗れたアリシアの非難する声ばかり。
私の事は光属性を持つ強い人間だという事が広まっていたのだ。
「この後の授業は何だったかしら……」
私は話題を反らそうと二人に話をした。
するとイリエットが次の授業は令嬢の嗜みについての講義があると言った。
「その授業も面白くなさそうだわ」
「令嬢としての振る舞いや嗜みの事ですもの。私も退屈しそうです」
「でもこの授業は大切だわ。私は特にお父様と出掛けることが多いから」
「そうよね。クレアは大変そうだもの。私はまだそのようなところへ行く機会がないから」
そんな会話をしながら歩ているとヨアンとニコルが私たちに話しかけてきた。
「エリーヌ、訊いたよ。決闘の話。なんだか凄い噂になってるんだけど」
ヨアンが心配そうな表情で私を見ていると、隣にいたニコルがヨアンの肩に手を当てて私の代わりに話し出した。
「決闘は見事、エリーヌの勝利だったって。エリーヌに魔法で敵う相手なんていないと思うけど。アリシアも無理に決闘を申し込んだだと思う。エリーヌの心配よりアリシアの心配をするべきかもね」
そう言えば今日はミカエルと一緒に踊ったっけ。
流石に貴族の御曹司だけあってリードが上手で踊りの下手な私に合わせてくれた。
苦手な授業を終えた私はイリエットとクレアと三人で講堂に戻っていると、またあの女……アリシア達が私たちの前に現れた、
「今日はミカエルと仲良くダンスでしたわね。全くどこが良いのかしら……」
「私はお願いしたわけでもなく、偶々だっただけで」
「そうなのですか。それにしては楽しそうでしたわね」
「いいでしょう…楽しみながらダンスを踊ることも大切だって先生も仰っていたのだから」
「ふんっ。モテモテな事は否定されないところが気に入らないわっ」
そんなことを言われても私の所為じゃない。
そう言いたかったがクレアが私の肩に手を置いて、
「行きましょう。エリーヌ」
と言ってアリシア達を無視して歩き出した。
私もイリエットもクレアの後を歩いてその場を離れた。
後ろから睨みつけるアリシアを想像するとぞっとする。
乙女ゲームで登場する『悪役令嬢』は彼女かも知れない。
そう思うと今後の嫌がらせが発生するイベントに私が巻き込まれると思うと嫌気がさした。
「エリーヌ、気にしない方が良いわ」
「有難う。クレア。助かったわ」
「本当にしつこい連中ですわね、アリシア様達も」
「エリーヌに決闘に負けたことが悔しいだけなんだと思うわ。それにあちらから仕掛けて負けたとなれば余計に、ね」
確かにクレアが言ったことはその通りだった。
周りの人たちが噂をしているのは私に敗れたアリシアの非難する声ばかり。
私の事は光属性を持つ強い人間だという事が広まっていたのだ。
「この後の授業は何だったかしら……」
私は話題を反らそうと二人に話をした。
するとイリエットが次の授業は令嬢の嗜みについての講義があると言った。
「その授業も面白くなさそうだわ」
「令嬢としての振る舞いや嗜みの事ですもの。私も退屈しそうです」
「でもこの授業は大切だわ。私は特にお父様と出掛けることが多いから」
「そうよね。クレアは大変そうだもの。私はまだそのようなところへ行く機会がないから」
そんな会話をしながら歩ているとヨアンとニコルが私たちに話しかけてきた。
「エリーヌ、訊いたよ。決闘の話。なんだか凄い噂になってるんだけど」
ヨアンが心配そうな表情で私を見ていると、隣にいたニコルがヨアンの肩に手を当てて私の代わりに話し出した。
「決闘は見事、エリーヌの勝利だったって。エリーヌに魔法で敵う相手なんていないと思うけど。アリシアも無理に決闘を申し込んだだと思う。エリーヌの心配よりアリシアの心配をするべきかもね」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?
山下小枝子
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、
飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、
気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、
まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、
推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、
思ってたらなぜか主人公を押し退け、
攻略対象キャラからモテまくる事態に・・・・
ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる