異世界転生したら悪役令嬢じゃなくイケメン達に囲まれちゃいましたっ!!

杏仁豆腐

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午後の授業もやっと終わり…社交界デビューする為のダンスもようやく終わった。
そう言えば今日はミカエルと一緒に踊ったっけ。
流石に貴族の御曹司だけあってリードが上手で踊りの下手な私に合わせてくれた。
苦手な授業を終えた私はイリエットとクレアと三人で講堂に戻っていると、またあの女……アリシア達が私たちの前に現れた、


「今日はミカエルと仲良くダンスでしたわね。全くどこが良いのかしら……」
「私はお願いしたわけでもなく、偶々だっただけで」
「そうなのですか。それにしては楽しそうでしたわね」
「いいでしょう…楽しみながらダンスを踊ることも大切だって先生も仰っていたのだから」
「ふんっ。モテモテな事は否定されないところが気に入らないわっ」


そんなことを言われても私の所為じゃない。
そう言いたかったがクレアが私の肩に手を置いて、


「行きましょう。エリーヌ」


と言ってアリシア達を無視して歩き出した。
私もイリエットもクレアの後を歩いてその場を離れた。
後ろから睨みつけるアリシアを想像するとぞっとする。
乙女ゲームで登場する『悪役令嬢』は彼女かも知れない。
そう思うと今後の嫌がらせが発生するイベントに私が巻き込まれると思うと嫌気がさした。


「エリーヌ、気にしない方が良いわ」
「有難う。クレア。助かったわ」
「本当にしつこい連中ですわね、アリシア様達も」
「エリーヌに決闘に負けたことが悔しいだけなんだと思うわ。それにあちらから仕掛けて負けたとなれば余計に、ね」


確かにクレアが言ったことはその通りだった。
周りの人たちが噂をしているのは私に敗れたアリシアの非難する声ばかり。
私の事は光属性を持つ強い人間だという事が広まっていたのだ。


「この後の授業は何だったかしら……」


私は話題を反らそうと二人に話をした。
するとイリエットが次の授業は令嬢の嗜みについての講義があると言った。


「その授業も面白くなさそうだわ」
「令嬢としての振る舞いや嗜みの事ですもの。私も退屈しそうです」
「でもこの授業は大切だわ。私は特にお父様と出掛けることが多いから」
「そうよね。クレアは大変そうだもの。私はまだそのようなところへ行く機会がないから」


そんな会話をしながら歩ているとヨアンとニコルが私たちに話しかけてきた。


「エリーヌ、訊いたよ。決闘の話。なんだか凄い噂になってるんだけど」

ヨアンが心配そうな表情で私を見ていると、隣にいたニコルがヨアンの肩に手を当てて私の代わりに話し出した。


「決闘は見事、エリーヌの勝利だったって。エリーヌに魔法で敵う相手なんていないと思うけど。アリシアも無理に決闘を申し込んだだと思う。エリーヌの心配よりアリシアの心配をするべきかもね」
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