28 / 28
28
しおりを挟む
二人の話を訊きながら講堂の中にある席に座ると私を見てはヒソヒソ話をする人たちがいた。
気にすることなく席に着く。
あまり目立つ行動はしないようにしようと思っていた。
先生が講堂に入って来て授業が始まる。貴族についての講義だった。
授業は淡々と進み全授業は終わった。
私が帰ろうと席を立つとアリシアとアーリンが私の所へ来た。
「エリーヌさん。この間の決闘では負けましたけれど、学業だけは貴女に負けているとは思ってませんわっ!! いい事、あまり調子に乗っては痛い目を見るのは貴女よ」
「そうよ。いい加減に取り巻き達の男性達とイチャイチャして……はしたない」
それだけ言うとさっさとどこかへ行ってしまった。
私の立場はどうなっているのだろうか。
別に悪いことをしているとは全く思っていないのだけれど。
普通に憎まれ口叩かれただけよね?
そんなに私の事が嫌いなのかしら。
「あまり気にしない方が良いわよ。あんな人の事なんて」
私の肩に手を当ててクレアがそう言った。
気にしないというか、別にどうも思っていないのだけれど。
そしてなんだかんだで学校の授業も全て終わった。
なんだかいつもより疲れがどっと出た。
帰り支度をしていた私にアレックスとミカエル、それにニコルがやって来た。
私がこの世界に来たばかりで知らなかったのだが、この三人はイケメン三銃士と女子たちから密かに囁かれていたのだ。
私がそれを知ったのはほんの数時間前の事だった。
「エリーヌ、もう帰るのかい?」
「ええ。今日はなんだか疲れてしまったので」
「そっかぁ~。これからお茶でもと思って誘おうと思ったのだけれど。疲れてしまったのであれば屋敷に帰った方がいい」
アレックスがそう言いながら残念そうな表情をしていた。
隣にいたニコルも残念そうにしている。
そして先程私に声を掛けてきたミカエルも同じ顔をしていた。
悪目立ちはしたくないのだけれど、この三人に声を掛けられるだけで周りの女子たちが私を睨んでくるのだ。
確かにイケメン達に囲まれる事は私が望んだことだけれどちょっと……。
「ごめんなさい。折角のお誘いなのに……」
「いいさ。また今度。それじゃ僕たちは行くよ」
「気を付けて」
「じゃ~」
三人はそう言って立ち去った。
私はさっさと講堂を出ようとカバンの中に荷物を入れて席を立ち講堂を後にした。
普段はイリエットやクレアと一緒に門まで歩いていることが多かったのだが二人とも用事があるらしい。
「戻ったらお風呂に入ろうっと」
私は馬車が待つ場所に向かいながら呟いた。
そう言えばお父様が私に話があるとか言っていたような……何だろう?
揺れる馬車の中でふと頭に浮かんだお父様の話の事を思い出した。
何かあったのかな……??
気にすることなく席に着く。
あまり目立つ行動はしないようにしようと思っていた。
先生が講堂に入って来て授業が始まる。貴族についての講義だった。
授業は淡々と進み全授業は終わった。
私が帰ろうと席を立つとアリシアとアーリンが私の所へ来た。
「エリーヌさん。この間の決闘では負けましたけれど、学業だけは貴女に負けているとは思ってませんわっ!! いい事、あまり調子に乗っては痛い目を見るのは貴女よ」
「そうよ。いい加減に取り巻き達の男性達とイチャイチャして……はしたない」
それだけ言うとさっさとどこかへ行ってしまった。
私の立場はどうなっているのだろうか。
別に悪いことをしているとは全く思っていないのだけれど。
普通に憎まれ口叩かれただけよね?
そんなに私の事が嫌いなのかしら。
「あまり気にしない方が良いわよ。あんな人の事なんて」
私の肩に手を当ててクレアがそう言った。
気にしないというか、別にどうも思っていないのだけれど。
そしてなんだかんだで学校の授業も全て終わった。
なんだかいつもより疲れがどっと出た。
帰り支度をしていた私にアレックスとミカエル、それにニコルがやって来た。
私がこの世界に来たばかりで知らなかったのだが、この三人はイケメン三銃士と女子たちから密かに囁かれていたのだ。
私がそれを知ったのはほんの数時間前の事だった。
「エリーヌ、もう帰るのかい?」
「ええ。今日はなんだか疲れてしまったので」
「そっかぁ~。これからお茶でもと思って誘おうと思ったのだけれど。疲れてしまったのであれば屋敷に帰った方がいい」
アレックスがそう言いながら残念そうな表情をしていた。
隣にいたニコルも残念そうにしている。
そして先程私に声を掛けてきたミカエルも同じ顔をしていた。
悪目立ちはしたくないのだけれど、この三人に声を掛けられるだけで周りの女子たちが私を睨んでくるのだ。
確かにイケメン達に囲まれる事は私が望んだことだけれどちょっと……。
「ごめんなさい。折角のお誘いなのに……」
「いいさ。また今度。それじゃ僕たちは行くよ」
「気を付けて」
「じゃ~」
三人はそう言って立ち去った。
私はさっさと講堂を出ようとカバンの中に荷物を入れて席を立ち講堂を後にした。
普段はイリエットやクレアと一緒に門まで歩いていることが多かったのだが二人とも用事があるらしい。
「戻ったらお風呂に入ろうっと」
私は馬車が待つ場所に向かいながら呟いた。
そう言えばお父様が私に話があるとか言っていたような……何だろう?
揺れる馬車の中でふと頭に浮かんだお父様の話の事を思い出した。
何かあったのかな……??
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?
山下小枝子
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、
飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、
気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、
まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、
推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、
思ってたらなぜか主人公を押し退け、
攻略対象キャラからモテまくる事態に・・・・
ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
面白くて一気に読んでいます。
ただ、25話の最初の辺りで誤字があるかと存じます。