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第2章 拘束
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「あの、わたくし実はアルバーニ国に向かう途中でした。その国の王子様と婚約していてもしかすると……助けてくれるかと思い…しかし、もう既にヨ―ルリアン帝国の誰かが私の事を伝えているのかもしれません。そうなればわたくしにはもう帰る場所が無いのです……」
私は両手を胸の前で組みルクを上目遣いで見つめた。
ルクは私の事を見ると少し恥ずかしそうな表情で顔を赤らめて視線を反らして話をする。
「そ、そうか。それは困ったことだな。では私と共に旅をするか。それがいい、うん、それがいい」
「はい……ルク様」
私はそのまま目の前にいるルクを抱きしめた。
この人の匂い…まるでお母様と同じ匂いがして凄く落ち着く。
私が抱きつくと驚いてルクが慌てて声を裏返した。
「おいっ! 抱き着くなっ!! び、びっくりするだろう」
「ふふふ、すみません。でもこうしてると落ち着くのです。ルク様の匂いがとても……」
「に、匂いを嗅ぐな……臭いだろう……」
「いえ、そんなことは……わたくしにはとても懐かしい匂いがするのです」
そ、そうなのか? と言いながら頭を掻きながら照れるルク。
なんだかルクの事を考えるとおかしくて笑ってしまう。この人はドラゴン。
だけどどの人間よりも人間らしい表現をする人だ、と私は思った。
暗い洞窟の中男女が抱きついている所を誰かに見られたら恥ずかしいと思いつつも私はぎゅっとルクを抱きしめてしまう。
ああ、ずっとこのまま抱きしめていたい、そう思った。
しかしそんなことをルクがゆる筈もなく私の肩に触れると無理やり離されてしまった。
「あまり私を揶揄うな……それより、もう体は大丈夫なのか?」
「あ…揶揄うだなんて、そ、そんなことは……。はい、もう大丈夫です。ルク様に助けられてとても嬉しゅうございます」
「ああ、それは良かったな。偶々見かけただけなんだが……それより腹は減らぬか? どこかで腹ごしらえをしたいのだが……」
私はお城から一歩も出たことが無かった。
なので下界の事は全く無知。
ルクにそう言うと『根っからのお姫様か』と言われてしまった。
でもそれは事実。嘘を付いても仕方がない事だ。
ルクがまた考え事を始めた。
今度は何を言うのだろう、それがちょっと楽しみでもあった。
「旅と言ってももう行くところが無いのだがな……本当はこれから国に帰る途中だったのだが……其方がよければ祖国へ来るか?」
え……? 2人で旅をするのではないの?
成り行きでルクの国に行くってことになるのかしら。
「わたくしは構いません。ルク様が宜しければ……」
「私は問題ないぞ。因みに私には婚約者も居ない。旅の目的は諸国を見て回ることと、実はもう一つあるのだ。それが―――」
それが『妃』を見つける事だった。
いきなりそんなことを言われても、と思うところだが私にはもう何もない。
ルクが良ければ、私でよければ……そう思った。
それをルクに伝えると嬉しそうに喜んでいた。
私は彼に命を救われただけでなく妃として迎えられることになったのだ。
ただ、ドラゴンの国の王子に……。
私は両手を胸の前で組みルクを上目遣いで見つめた。
ルクは私の事を見ると少し恥ずかしそうな表情で顔を赤らめて視線を反らして話をする。
「そ、そうか。それは困ったことだな。では私と共に旅をするか。それがいい、うん、それがいい」
「はい……ルク様」
私はそのまま目の前にいるルクを抱きしめた。
この人の匂い…まるでお母様と同じ匂いがして凄く落ち着く。
私が抱きつくと驚いてルクが慌てて声を裏返した。
「おいっ! 抱き着くなっ!! び、びっくりするだろう」
「ふふふ、すみません。でもこうしてると落ち着くのです。ルク様の匂いがとても……」
「に、匂いを嗅ぐな……臭いだろう……」
「いえ、そんなことは……わたくしにはとても懐かしい匂いがするのです」
そ、そうなのか? と言いながら頭を掻きながら照れるルク。
なんだかルクの事を考えるとおかしくて笑ってしまう。この人はドラゴン。
だけどどの人間よりも人間らしい表現をする人だ、と私は思った。
暗い洞窟の中男女が抱きついている所を誰かに見られたら恥ずかしいと思いつつも私はぎゅっとルクを抱きしめてしまう。
ああ、ずっとこのまま抱きしめていたい、そう思った。
しかしそんなことをルクがゆる筈もなく私の肩に触れると無理やり離されてしまった。
「あまり私を揶揄うな……それより、もう体は大丈夫なのか?」
「あ…揶揄うだなんて、そ、そんなことは……。はい、もう大丈夫です。ルク様に助けられてとても嬉しゅうございます」
「ああ、それは良かったな。偶々見かけただけなんだが……それより腹は減らぬか? どこかで腹ごしらえをしたいのだが……」
私はお城から一歩も出たことが無かった。
なので下界の事は全く無知。
ルクにそう言うと『根っからのお姫様か』と言われてしまった。
でもそれは事実。嘘を付いても仕方がない事だ。
ルクがまた考え事を始めた。
今度は何を言うのだろう、それがちょっと楽しみでもあった。
「旅と言ってももう行くところが無いのだがな……本当はこれから国に帰る途中だったのだが……其方がよければ祖国へ来るか?」
え……? 2人で旅をするのではないの?
成り行きでルクの国に行くってことになるのかしら。
「わたくしは構いません。ルク様が宜しければ……」
「私は問題ないぞ。因みに私には婚約者も居ない。旅の目的は諸国を見て回ることと、実はもう一つあるのだ。それが―――」
それが『妃』を見つける事だった。
いきなりそんなことを言われても、と思うところだが私にはもう何もない。
ルクが良ければ、私でよければ……そう思った。
それをルクに伝えると嬉しそうに喜んでいた。
私は彼に命を救われただけでなく妃として迎えられることになったのだ。
ただ、ドラゴンの国の王子に……。
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