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第2章 拘束
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「私の国までは少々距離がある。移動手段は本来ならば空で飛ぶのだが……私の背中に乗ってみるか?」
出会って数時間も立たずいきなり背中に乗れと、目の前の美青年のルクが私にそう言った。
そ、そんな……背中なんて恥ずかしい…背中に乗れなんて…そんなことを考えて黙っている私にルクは優しく声を掛けた。
私が恥ずかしがっていたのを悟ったルクが咳ばらいをして話し出した。
「背中と言うのは、その、ドラゴンの私の背中なのだが」
「……!?」
恥ずかしくて何処かに穴があったら入りたいっ、私…私ったら破廉恥な事を考えていたことがルクにバレてしまった。
両手を手で覆って後ろを向いた私。
彼も恥ずかしかったのか頭をポリポリ頭を掻きながら足を揺さぶっていた。
「どうする? 空を飛べば国までそう時間は掛からぬのだが……もし……背中がアレだったら……歩いていくか?」
「え……?」
両手で顔を隠していた私は手を退けて後ろをゆっくり振り返った。
下を見つめながら片足を揺すりながら恥ずかしそうにしているルクを見てなんだか可笑しくなってしまった。
「はい。一緒に歩きたいです」
私はそうルクに答えた。
ルクは、では行くか、と私の前に手を差し伸べ私はその手を取って薄暗い洞窟を後にした。
まだ外は明るくお日様が登っている時間帯だった。
これから私は彼の国、ドラゴンの住まう国へ出発するのだ。
どういう世界なのか分からないけれど行く当てもない私にルクが道を与えてくれた。
彼の優しさに感謝しながら握りしめていた手をぎゅっと掴んだ。
「では、まずは『エルドランド王国』へ向けて出発だっ」
「はいっ」
洞窟を後にした私とルクは森の中に入った。
道なき道を、獣道なのだろうか、足跡が幾つか見つけた。
大きな森を何時間か歩いていると目の前に光が見えてきた。
「さぁ、もうすぐ王国の領土だ。私は王宮に用事があるのだが、其方はどうする? 城下町の宿屋で待っておるか? それとも一緒に王宮へ赴くか?」
「私は身分をはく奪された身……。ルク様とご一緒に王宮にお邪魔したらきっとご迷惑では?」
「そんなことは……行ってみないと何とも言えぬが……」
ヨ―ルリアン帝国はこの大陸でも大きな大国。
それぞれ隣接している国には私の事が知れ渡っているに違いない。
悪役令嬢のレッテルを貼られ、姫として身分も無くなってしまった私がルクと共に王族と会うわけにはいかない。一緒にいるだけでも迷惑になっているい違い無いのに…。
「私は町の様子を見ながらどこかの宿で待っておりいます。どうぞルク様はお仕事を済ませてくださいまし」
私はそう言ってにこやかにルクを見た。
ルクは少し困った表情を見せたが私の申し出を受けお城の近くにある宿屋まで私を案内してくれた。
私はルクに礼を言って宿屋の女将さんに案内された部屋に向かい、ルクは私の事を気遣ってかすぐ戻ると言い残し、宿を後にした。
「ここでお休みください。姫様」
「わ、わたくしは姫では御座いません。ただの娘です」
「ふふふ……」
そんな事はないでしょう、とふふふと笑いながら女将さんが部屋を出て行ってしまった。
もし私が姫だったらこのような宿屋に泊まることなんてない、と思う筈なのにどうして……。
まさかここの国にも私は身分をはく奪された姫だということが知られている!?
女将さんの言っていたことが引っかかってしまったが色々あり過ぎて疲れたのかベッドに腰かけると眠気が襲ってきた。
「少し横になろう」
私はそう呟き靴を脱いでそのままベッドに横になって目を瞑った。
何だか嫌な事があったばかりなのにぐっすりと安心して眠れる気がする…私は夢の中へ向かうのだった。
出会って数時間も立たずいきなり背中に乗れと、目の前の美青年のルクが私にそう言った。
そ、そんな……背中なんて恥ずかしい…背中に乗れなんて…そんなことを考えて黙っている私にルクは優しく声を掛けた。
私が恥ずかしがっていたのを悟ったルクが咳ばらいをして話し出した。
「背中と言うのは、その、ドラゴンの私の背中なのだが」
「……!?」
恥ずかしくて何処かに穴があったら入りたいっ、私…私ったら破廉恥な事を考えていたことがルクにバレてしまった。
両手を手で覆って後ろを向いた私。
彼も恥ずかしかったのか頭をポリポリ頭を掻きながら足を揺さぶっていた。
「どうする? 空を飛べば国までそう時間は掛からぬのだが……もし……背中がアレだったら……歩いていくか?」
「え……?」
両手で顔を隠していた私は手を退けて後ろをゆっくり振り返った。
下を見つめながら片足を揺すりながら恥ずかしそうにしているルクを見てなんだか可笑しくなってしまった。
「はい。一緒に歩きたいです」
私はそうルクに答えた。
ルクは、では行くか、と私の前に手を差し伸べ私はその手を取って薄暗い洞窟を後にした。
まだ外は明るくお日様が登っている時間帯だった。
これから私は彼の国、ドラゴンの住まう国へ出発するのだ。
どういう世界なのか分からないけれど行く当てもない私にルクが道を与えてくれた。
彼の優しさに感謝しながら握りしめていた手をぎゅっと掴んだ。
「では、まずは『エルドランド王国』へ向けて出発だっ」
「はいっ」
洞窟を後にした私とルクは森の中に入った。
道なき道を、獣道なのだろうか、足跡が幾つか見つけた。
大きな森を何時間か歩いていると目の前に光が見えてきた。
「さぁ、もうすぐ王国の領土だ。私は王宮に用事があるのだが、其方はどうする? 城下町の宿屋で待っておるか? それとも一緒に王宮へ赴くか?」
「私は身分をはく奪された身……。ルク様とご一緒に王宮にお邪魔したらきっとご迷惑では?」
「そんなことは……行ってみないと何とも言えぬが……」
ヨ―ルリアン帝国はこの大陸でも大きな大国。
それぞれ隣接している国には私の事が知れ渡っているに違いない。
悪役令嬢のレッテルを貼られ、姫として身分も無くなってしまった私がルクと共に王族と会うわけにはいかない。一緒にいるだけでも迷惑になっているい違い無いのに…。
「私は町の様子を見ながらどこかの宿で待っておりいます。どうぞルク様はお仕事を済ませてくださいまし」
私はそう言ってにこやかにルクを見た。
ルクは少し困った表情を見せたが私の申し出を受けお城の近くにある宿屋まで私を案内してくれた。
私はルクに礼を言って宿屋の女将さんに案内された部屋に向かい、ルクは私の事を気遣ってかすぐ戻ると言い残し、宿を後にした。
「ここでお休みください。姫様」
「わ、わたくしは姫では御座いません。ただの娘です」
「ふふふ……」
そんな事はないでしょう、とふふふと笑いながら女将さんが部屋を出て行ってしまった。
もし私が姫だったらこのような宿屋に泊まることなんてない、と思う筈なのにどうして……。
まさかここの国にも私は身分をはく奪された姫だということが知られている!?
女将さんの言っていたことが引っかかってしまったが色々あり過ぎて疲れたのかベッドに腰かけると眠気が襲ってきた。
「少し横になろう」
私はそう呟き靴を脱いでそのままベッドに横になって目を瞑った。
何だか嫌な事があったばかりなのにぐっすりと安心して眠れる気がする…私は夢の中へ向かうのだった。
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