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第2章 拘束
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「そこを動かないで頂きたいっ!!」
突然大きな声が街に響き渡った。
2人で楽しく街中を歩ている最中、後ろからそう声を掛けられた。
私とルクが声がした方へ振り向くと甲冑を着こなし剣を腰に、長い銀髪を靡かせ、目鼻が整った顔立ちの美男性が数名の兵士たちを連れていた。
ルクが私の前に、私を庇うかのような風に私の前に立ち塞がった。
いったい何が!?
私はそう思いながらルクの背中を見つめていた。
「そこにいらっしゃる女性、ヨ―ルリアン帝国の元第一王女であらせられるのでは?」
「だったらどうだというのだ。私の事も、其方なら重々承知のはずだが?」
私が帝国の姫だということが既にこの国でもバレていたのだ。
私を庇うルクが小さな声で、心配するな、と声を掛けて再び銀髪の男性の事を睨みつけた。
「国王様の命により、そちらの元姫様を王宮へご案内せよと仰せつかったのです。ルク王子」
「ほう……私が国王と接見していた時にはそのような会話は一切なかったのだが?」
「それは……とにかく、エリーザ様を此方に引き渡して下され」
断る、ときっぱりとルクがそう言い放った。
兵士たちはひそひそと何やら話をしだし、周りにいた民たちが集まり大騒ぎになってしまった。
私はお城へ連れていかれるの、と言う不安で目をぎゅっと瞑った。
「それより、其方の名はなんと言うのだ? 行き成り大声で失礼な行為だとは思わんのか」
至って冷静な物腰で兵士にそう訊ねた。
銀髪の兵士はゆっくり口を開けてルクの質問に答えた。
「私は国王直属の騎士団長を務めます、グリアンと申します。そこまで断られるとルク様のお立場も悪くなると思われますが、そのお覚悟がおありか?」
「ふんっ、そのような脅し、私は屈しないぞ。此方も妃を易々を渡す訳なかろう」
「妃ですとっ! はっはっはっは……ルク様、ご冗談を。其方に居る元姫は身分をはく奪されただけでなく、今や帝国の反逆者として国中に手配書が出ている方なのですぞ。そのような人を妃だなどと……嘘は大概にして頂きたいっ」
「ふんっ。嘘なんぞついておらぬよ。誠の事をそのまま其方に伝えたまでだがな」
手配書……反逆者……!?
私はいつの間にか暗殺に失敗した事が知られてしまい今度は帝国の反逆者として犯人扱いをされて居たことが分かった。
ルクは私の事を守るように手を広げていた。
その背中を見つめる私。
これ以上、ルクに迷惑を掛けるわけにはいかない。
私はルクの背中から出るようにして騎士団長の目の前に姿を見せた。
「わたくし、王宮へ行きます。どうぞ騎士団長殿、わたくしを連れて行ってください」
「待て、其方は何もしておらぬのだろう。こんなことに従う必要なんてないのだ。私が王に直訴するから安心しろ」
「いえ、良いのです。ルク様は次の場所へ進んでくださいまし。わたくしはこの者たちとお城へ向かいます」
私はそう言ってグリアンという騎士団長を睨みつけた。
ルクは慌てて私の手を掴んだ。
「其方がこのような命令に従う必要はない。私が守る。大丈夫だ、気にするな。即刻この国を出よう」
ルクはそう言って私の顔を見つめた。
いえ、これ以上ルクに負担を掛けたくはない。
少しでも生きてルクに出会ったことだけでも神に感謝せねばならない。
私は小さく首を左右に振り握られた手にそっと自分の手を被せた。
突然大きな声が街に響き渡った。
2人で楽しく街中を歩ている最中、後ろからそう声を掛けられた。
私とルクが声がした方へ振り向くと甲冑を着こなし剣を腰に、長い銀髪を靡かせ、目鼻が整った顔立ちの美男性が数名の兵士たちを連れていた。
ルクが私の前に、私を庇うかのような風に私の前に立ち塞がった。
いったい何が!?
私はそう思いながらルクの背中を見つめていた。
「そこにいらっしゃる女性、ヨ―ルリアン帝国の元第一王女であらせられるのでは?」
「だったらどうだというのだ。私の事も、其方なら重々承知のはずだが?」
私が帝国の姫だということが既にこの国でもバレていたのだ。
私を庇うルクが小さな声で、心配するな、と声を掛けて再び銀髪の男性の事を睨みつけた。
「国王様の命により、そちらの元姫様を王宮へご案内せよと仰せつかったのです。ルク王子」
「ほう……私が国王と接見していた時にはそのような会話は一切なかったのだが?」
「それは……とにかく、エリーザ様を此方に引き渡して下され」
断る、ときっぱりとルクがそう言い放った。
兵士たちはひそひそと何やら話をしだし、周りにいた民たちが集まり大騒ぎになってしまった。
私はお城へ連れていかれるの、と言う不安で目をぎゅっと瞑った。
「それより、其方の名はなんと言うのだ? 行き成り大声で失礼な行為だとは思わんのか」
至って冷静な物腰で兵士にそう訊ねた。
銀髪の兵士はゆっくり口を開けてルクの質問に答えた。
「私は国王直属の騎士団長を務めます、グリアンと申します。そこまで断られるとルク様のお立場も悪くなると思われますが、そのお覚悟がおありか?」
「ふんっ、そのような脅し、私は屈しないぞ。此方も妃を易々を渡す訳なかろう」
「妃ですとっ! はっはっはっは……ルク様、ご冗談を。其方に居る元姫は身分をはく奪されただけでなく、今や帝国の反逆者として国中に手配書が出ている方なのですぞ。そのような人を妃だなどと……嘘は大概にして頂きたいっ」
「ふんっ。嘘なんぞついておらぬよ。誠の事をそのまま其方に伝えたまでだがな」
手配書……反逆者……!?
私はいつの間にか暗殺に失敗した事が知られてしまい今度は帝国の反逆者として犯人扱いをされて居たことが分かった。
ルクは私の事を守るように手を広げていた。
その背中を見つめる私。
これ以上、ルクに迷惑を掛けるわけにはいかない。
私はルクの背中から出るようにして騎士団長の目の前に姿を見せた。
「わたくし、王宮へ行きます。どうぞ騎士団長殿、わたくしを連れて行ってください」
「待て、其方は何もしておらぬのだろう。こんなことに従う必要なんてないのだ。私が王に直訴するから安心しろ」
「いえ、良いのです。ルク様は次の場所へ進んでくださいまし。わたくしはこの者たちとお城へ向かいます」
私はそう言ってグリアンという騎士団長を睨みつけた。
ルクは慌てて私の手を掴んだ。
「其方がこのような命令に従う必要はない。私が守る。大丈夫だ、気にするな。即刻この国を出よう」
ルクはそう言って私の顔を見つめた。
いえ、これ以上ルクに負担を掛けたくはない。
少しでも生きてルクに出会ったことだけでも神に感謝せねばならない。
私は小さく首を左右に振り握られた手にそっと自分の手を被せた。
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