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第3章 逃走
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ルクが黒竜の姿で私を背中に乗せて森の上を飛ぶ。
強い風に煽られながら私は必死にルクの首を掴んで耐えていた。
ルクは時折私の事を案じ声を掛けてくれた。
私はルクに心配を掛けまいと大丈夫だと答えた。
そうこうしているうちに街が見えてきた。
「あれが次の目的地なのですか?」
私は自分が出せる大きな声でそう言うとルクは、そうだ、と言った。
ドラゴンの姿で街に降り立つと色々騒ぎになると言い、街の城壁の当たりでゆっくり降下した。
ばさ、ばさ、と大きな翼が空を切る音がする。
ゆっくりと地面に足を付けるルク。
私はドラゴンの手に乗り移ると地面に足を付けた。
ルクは大きく羽根を広げると光を放った。
眩しくて私は目を瞑る。
光は段々と弱くなり人間の姿のルクに戻った。
「では参ろうか。エリーザ」
緑色の瞳、茶色の肌、整った顔立ち、短髪の黒髪をしたルクが私に手を差し伸べた。
私はその手を取り街の門へと足を運んだ。
この街を治めている『ジャスワン公爵』と言う方に接見する予定しているのだそうだ。
その間私はまた宿に一人で待つことになるのかと訊ねると今度は一緒に来て欲しいと言われた。
「わたくしがご一緒して宜しいのでしょうか。わたくしは帝国のお尋ね者。公爵殿下に多大なご迷惑をお掛けすることになりませんか?」
勿論公爵のお邪魔と言うのは建前。
本当はルクに迷惑を掛けたくはないのだ。
私が一緒だと何かと誤解されるのでないかと考えていた。
ルクは不思議そうに首を傾げ、そのような事はない、と私に言った。
「でも……ガーディニア国の事もありますし……」
「其方は何も悪いことをしておらぬのだろう。それにガーディニア国王には文を出しておる。国を出る前にな。追手が来なかったのは其方へのせめてもの償いなのだろう。私は全くに気しない」
「そう、だったのですか……わたくしは何も知らない事ばかり…申し訳ございません。ルク様」
ルクは笑顔で私に心配するなと言いぎゅっと手を握りしめてくれた。
私はもう考えるのを止めよう、今はルクと一緒にいられるだけで幸せなのだと思った。
街の大門に到着する。
大きくて立派な装飾を施された門。
門番なのか槍を持った二人が私たちに近づいてきた。
「ルク様。お待ちしておりました。公爵殿下がお待ちしております。其方の方は?」
「ご苦労。おお、これは私の伴侶のとなる娘だ。名はエリーザと言う」
「え、エリーザ……様?」
2人は互いに顔を見合わせ再びルクに話しかけた。
此処にも私の手配書が回っているのだろう。
門番の2人が苦笑いしている。
「ルク様。エリーザ様はあの帝国の姫君でしょうか。もしそうだとすれば……」
門番の一人がそう言うとルクが厳しい眼差しで門番を睨みつけた。
「だとすれば、どうなのだ? 私の伴侶になる娘だぞ。其方たちがつべこべ言える立場ではないはずだが?」
「し、失礼いたしましたっ! さ、此方で御座います」
強い風に煽られながら私は必死にルクの首を掴んで耐えていた。
ルクは時折私の事を案じ声を掛けてくれた。
私はルクに心配を掛けまいと大丈夫だと答えた。
そうこうしているうちに街が見えてきた。
「あれが次の目的地なのですか?」
私は自分が出せる大きな声でそう言うとルクは、そうだ、と言った。
ドラゴンの姿で街に降り立つと色々騒ぎになると言い、街の城壁の当たりでゆっくり降下した。
ばさ、ばさ、と大きな翼が空を切る音がする。
ゆっくりと地面に足を付けるルク。
私はドラゴンの手に乗り移ると地面に足を付けた。
ルクは大きく羽根を広げると光を放った。
眩しくて私は目を瞑る。
光は段々と弱くなり人間の姿のルクに戻った。
「では参ろうか。エリーザ」
緑色の瞳、茶色の肌、整った顔立ち、短髪の黒髪をしたルクが私に手を差し伸べた。
私はその手を取り街の門へと足を運んだ。
この街を治めている『ジャスワン公爵』と言う方に接見する予定しているのだそうだ。
その間私はまた宿に一人で待つことになるのかと訊ねると今度は一緒に来て欲しいと言われた。
「わたくしがご一緒して宜しいのでしょうか。わたくしは帝国のお尋ね者。公爵殿下に多大なご迷惑をお掛けすることになりませんか?」
勿論公爵のお邪魔と言うのは建前。
本当はルクに迷惑を掛けたくはないのだ。
私が一緒だと何かと誤解されるのでないかと考えていた。
ルクは不思議そうに首を傾げ、そのような事はない、と私に言った。
「でも……ガーディニア国の事もありますし……」
「其方は何も悪いことをしておらぬのだろう。それにガーディニア国王には文を出しておる。国を出る前にな。追手が来なかったのは其方へのせめてもの償いなのだろう。私は全くに気しない」
「そう、だったのですか……わたくしは何も知らない事ばかり…申し訳ございません。ルク様」
ルクは笑顔で私に心配するなと言いぎゅっと手を握りしめてくれた。
私はもう考えるのを止めよう、今はルクと一緒にいられるだけで幸せなのだと思った。
街の大門に到着する。
大きくて立派な装飾を施された門。
門番なのか槍を持った二人が私たちに近づいてきた。
「ルク様。お待ちしておりました。公爵殿下がお待ちしております。其方の方は?」
「ご苦労。おお、これは私の伴侶のとなる娘だ。名はエリーザと言う」
「え、エリーザ……様?」
2人は互いに顔を見合わせ再びルクに話しかけた。
此処にも私の手配書が回っているのだろう。
門番の2人が苦笑いしている。
「ルク様。エリーザ様はあの帝国の姫君でしょうか。もしそうだとすれば……」
門番の一人がそう言うとルクが厳しい眼差しで門番を睨みつけた。
「だとすれば、どうなのだ? 私の伴侶になる娘だぞ。其方たちがつべこべ言える立場ではないはずだが?」
「し、失礼いたしましたっ! さ、此方で御座います」
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