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第6章 再開
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ルクと私はラーバラン伯爵の屋敷に着いた。
馬車から降りると使用人たちが私たちを出迎えていた。
ルクは男性に一言声を掛けて私たちは屋敷の中に案内される。
私はずっと黙ったままルクの後ろに歩いて付いて行った。
「おお、ルク様。お久しゅうございます」
「お久しぶりだ。ラーバラン伯爵。息災であったか?」
「はい。其方にいらっしゃるのは……?」
「ああ、此方は我妻になるエリーザだ。エリーザ、ラーバラン伯爵だ」
「初めまして。エリーザと申します……」
私は伯爵に一礼した。
玄関口で挨拶を済ませると伯爵が私たちを応接間に通してくれた。
ルクと伯爵は大事な話し合いがあるとかで別の部屋に向かって、私は大きな応接間に一人ソファに座りルクの帰りを待つことになった。
「まぁ、なんて素敵なお庭」
窓の外から見える庭には綺麗な花々が咲いていた。
私はソファから立ち上がり窓の傍まで行き花を見ていると応接間に使用人がやって来てお茶を用意してくれた。
私は再びソファに座りお茶をご馳走になった。
「この庭、凄くお綺麗ですね」
私は屋敷の使用人にそう言った。
元々伯爵が自ら手入れをしているという庭だと、使用人が答えてくれた。
こんな立派に咲いている庭を伯爵自ら手入れをしているなんて、なんて素敵な方なのだろう。
私はそう思った。
暫くお茶と花を楽しんでいるとルクが戻って来た。
話し合いは終わったのだろうか。
私はソファから立ち上がりルクの傍に行った。
「お話は終わりました?」
「ああ、今日は此処で休ませて貰うことになった。一緒に部屋へ行くか?」
「まだ、明るいですし、出来れば街を散策したいのですが」
「おお、そうか。分かった。では、街を見に行こう」
「はい」
ルクと私は屋敷を後にして街の散策に向かった。
街を歩いていると沢山の人で溢れかえっていた。
みんな元気な声を上げ商売人はある人達に声を掛け、小さな子供たちが元気に走り回っている。
帝国にいた時私は城から出ることが出来なかった分、とても新鮮な気持ちでいっぱいだった。
そんな楽しそうな顔をしている私を見てルクが笑顔で私に話しかけた。
「楽しいか?」
「はい。見る物全てが新鮮で御座います」
「そうか。此処は商売が盛んで皆明るいのが特徴的な国だ。私の祖国も同じくらい元気の良い民たちがおるぞ」
ドラゴンの国…。
竜族が住まう街はどんな雰囲気何だろうと思っていたけれど、このような活気がある街なのだろうか。
早く行ってみたい、私はそう思った。
でも、竜族って普段は皆人間の姿をしているのだろうか。
それともルクのようにドラゴンの姿で……!?
私は疑問に思った。
「ルク様。ドラゴンの国……ドラギウス王国の民たちは皆竜族ですよね? やはりドラゴンの姿なのでしょうか?」
私は疑問に思ったことをルクに訊ねた。
するとルクが笑いながら答えた。
「そうだな…皆ドラゴンの姿になれるが、普段は人間と同じ姿をしている。竜族と言っても、私のようにドラゴンに変身出来るものは限られているのだ」
「え……? そうなのですか?」
「ああ、そうだ。ドラゴンにも血筋があってな。私のようにドラゴンの姿になれるのは貴族や王族など、身分が高い者しか変身することは出来ないのだよ」
そうなんだ……ドラゴンの国にはドラゴンしかいないと思っていたのに、変身できる存在は限られているんだ。
「では、人間族もいらっしゃるのですか?」
「ああ。こうして交流している国々からドラギウス王国へ住まう者も少なくはない。其方の国の出身者もいるのだぞ。知らなかったのか?」
「はい……私は常にお城に居りました故、他国の事は全く存じ上げません。本当に知らないことだらけです。今となっては、国外追放されルク様にお会い出来たことに感謝で一杯です」
「ははは、そうか。私も其方を連れて来て良かったと思っているよ」
ルクはそう言うと私の手を取り街中を案内してくれた。
その風景も新鮮そのものだった。こんなに活気があるなんて。
ドラゴンの国に早く行ってみたい。
私はそう思いながらルクと一緒に街中を散策した。
馬車から降りると使用人たちが私たちを出迎えていた。
ルクは男性に一言声を掛けて私たちは屋敷の中に案内される。
私はずっと黙ったままルクの後ろに歩いて付いて行った。
「おお、ルク様。お久しゅうございます」
「お久しぶりだ。ラーバラン伯爵。息災であったか?」
「はい。其方にいらっしゃるのは……?」
「ああ、此方は我妻になるエリーザだ。エリーザ、ラーバラン伯爵だ」
「初めまして。エリーザと申します……」
私は伯爵に一礼した。
玄関口で挨拶を済ませると伯爵が私たちを応接間に通してくれた。
ルクと伯爵は大事な話し合いがあるとかで別の部屋に向かって、私は大きな応接間に一人ソファに座りルクの帰りを待つことになった。
「まぁ、なんて素敵なお庭」
窓の外から見える庭には綺麗な花々が咲いていた。
私はソファから立ち上がり窓の傍まで行き花を見ていると応接間に使用人がやって来てお茶を用意してくれた。
私は再びソファに座りお茶をご馳走になった。
「この庭、凄くお綺麗ですね」
私は屋敷の使用人にそう言った。
元々伯爵が自ら手入れをしているという庭だと、使用人が答えてくれた。
こんな立派に咲いている庭を伯爵自ら手入れをしているなんて、なんて素敵な方なのだろう。
私はそう思った。
暫くお茶と花を楽しんでいるとルクが戻って来た。
話し合いは終わったのだろうか。
私はソファから立ち上がりルクの傍に行った。
「お話は終わりました?」
「ああ、今日は此処で休ませて貰うことになった。一緒に部屋へ行くか?」
「まだ、明るいですし、出来れば街を散策したいのですが」
「おお、そうか。分かった。では、街を見に行こう」
「はい」
ルクと私は屋敷を後にして街の散策に向かった。
街を歩いていると沢山の人で溢れかえっていた。
みんな元気な声を上げ商売人はある人達に声を掛け、小さな子供たちが元気に走り回っている。
帝国にいた時私は城から出ることが出来なかった分、とても新鮮な気持ちでいっぱいだった。
そんな楽しそうな顔をしている私を見てルクが笑顔で私に話しかけた。
「楽しいか?」
「はい。見る物全てが新鮮で御座います」
「そうか。此処は商売が盛んで皆明るいのが特徴的な国だ。私の祖国も同じくらい元気の良い民たちがおるぞ」
ドラゴンの国…。
竜族が住まう街はどんな雰囲気何だろうと思っていたけれど、このような活気がある街なのだろうか。
早く行ってみたい、私はそう思った。
でも、竜族って普段は皆人間の姿をしているのだろうか。
それともルクのようにドラゴンの姿で……!?
私は疑問に思った。
「ルク様。ドラゴンの国……ドラギウス王国の民たちは皆竜族ですよね? やはりドラゴンの姿なのでしょうか?」
私は疑問に思ったことをルクに訊ねた。
するとルクが笑いながら答えた。
「そうだな…皆ドラゴンの姿になれるが、普段は人間と同じ姿をしている。竜族と言っても、私のようにドラゴンに変身出来るものは限られているのだ」
「え……? そうなのですか?」
「ああ、そうだ。ドラゴンにも血筋があってな。私のようにドラゴンの姿になれるのは貴族や王族など、身分が高い者しか変身することは出来ないのだよ」
そうなんだ……ドラゴンの国にはドラゴンしかいないと思っていたのに、変身できる存在は限られているんだ。
「では、人間族もいらっしゃるのですか?」
「ああ。こうして交流している国々からドラギウス王国へ住まう者も少なくはない。其方の国の出身者もいるのだぞ。知らなかったのか?」
「はい……私は常にお城に居りました故、他国の事は全く存じ上げません。本当に知らないことだらけです。今となっては、国外追放されルク様にお会い出来たことに感謝で一杯です」
「ははは、そうか。私も其方を連れて来て良かったと思っているよ」
ルクはそう言うと私の手を取り街中を案内してくれた。
その風景も新鮮そのものだった。こんなに活気があるなんて。
ドラゴンの国に早く行ってみたい。
私はそう思いながらルクと一緒に街中を散策した。
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