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異世界へようこそ~こんにちわ、赤ちゃん~

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「がんばれっ!もう少しだ。ソフィア」

「ううっ!!痛いっ!!」

「力を入れすぎちゃダメ。呼吸を整えて。旦那様、奥様の手を」

「あぁ!ソフィア、あと少しで、私たちの子供が産まれるぞ。あと少しだ!」

「は…い…。うゔっ」

『おぎゃあ~っ!!、おぎゃあ~っ!』

「おめでとうございます!旦那様、奥様、元気な男の子ですっ!」

「おぉ!おぉ~!よくやった!、我妻、ソフィアよ」

「はぁはぁ…。は…い…、あなた。やっと会えます。私たちの子供に」

ん?ここは、どこだ?黒い影のようなものが僕の顔を覗き込んでる。
ん?、う、動けない。声、も出せない?話すこともできない。音も聞こえない。視界もはっきりしない。意識ははっきりしているのだが…。
隣で嬉しそうに僕の顔を眺める美女と、その傍に座っているとても高貴な男性がいた。
周りの従者たちもとても喜んでいた。待望の子供、誕生だった。
僕には全く見えないし、聞こえなかった。

「あなた、この子の名はお決まりですか?」

「ソフィアと一緒に考えようと思っている。どのような名がよいだろうか?」

「そうですね…。何がいいかしら…」

誰かが僕のそばで会話をしているのか?。
一体何を話しているんだ?ここはどこだ?
僕はどうなった?
転生とやらは成功したか?
僕の疑問は解決することはなく、二人は楽しそうに会話していた。
我が息子の名、命名だ。


「そうだっ。この子を『マイン』というのはどうだろうか。種族の色を示す言葉だ」

「マイン。よい名ですね。マイン、私たちの大切な子。これからよろしくね」

「元気でよい子に育てよう。ソフィア」

「はい!あなた。大切な私たちの子供ですから」

ん…。
意識が戻ったのか…?
誰かに抱きかかえられている感覚がある。
うん、どうやら転生は成功したらしい。
だが五感がはっきりしない。かろうじて輪郭は確認できる程度か。
しかしとても眠い。何だこの睡魔は…。意識が飛びそうだ。僕は睡魔に抗う事が出来ず、眠ってしまった。

定期的に起こされ、口に何かを入れられ、液体を飲むと再び睡魔に襲われる。
この繰り返しが毎日続いた。
時が進むと視界がはっきり見えるようになり、音も聞こえるようになってきた。
僕の傍にいるのは僕の新しい母親。
そして時折僕を抱きかかえたり、顔を覗き込んでくるのは僕の新しい父親。
僕は赤ん坊になっていた。
父や母の会話は聞こえるのだが、話の内容が理解できない。
今まで(と言っても前世でも外国語は全く話せかったけど)聞いたことがない外国の言葉だ。しかし神の力なのか、話の内容はなんとなく理解出来てしまう。さすが神の力、といったところか。


そして、時は流れ、僕は5歳になった。
異世界転生、第二の人生、これからが本番だとなんとなく、そう思った。
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