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第9章
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「ゲームだったらこれでジエンドだわね…」
「え……? 何がですか?」
マロンが不思議な顔して私に訊ねて来た。
私が前世でOL時代にやっていた乙女ゲームの事をこの子に言ったところで分かりはしないだろう。
私は黙ったままカップに入った紅茶を啜った。
色々な事が起こったなぁ~。
一時期国外追放された時は流石にもうだめかと思ったけれど何とか収まりそうだわ。
「アレーレ様? どうされたのです?」
「マロン。色々な事があったでしょ。今それを考えていたの。私がサターニャ国へ嫁ぐことになったらマロン達を連れて行こうと思っているの。どうかしら、私の元でまた働いてくれないかしら?」
「ええ、それは勿論で御座います。私はアレーレ様の侍女ですから。お姉様達もお喜びになると思います」
彼女はそう言いながら笑っていた。
私もクスリと笑った。
本当にここにきて色々な事があったけれど、今となれば全て楽しい思い出として私の心の中に刻まれている。
マロンが席を外すとオロバスとサタナキアが姿を現した。二人とも美男子でモテそうだ。
「アレーレ嬢。これで本当に良かったのですか?」
「本当、私も同じことを伺おうと参ったのですが…」
二人とも真剣な眼差しで私のことを見つめている。
私は一息ついてから話をした。
「ええ。これで人間族と魔族との共存が出来るのです。私はそれで満足しています。貴方達との契約はどうしようかと考えているのですが、このままでいいのか、契約を破棄した方がいいのか」
「私はアレーレ嬢と共にあります」
「私もです」
二人とも同じ意見だった。
私はその意見を尊重して契約を破棄することを止めた。
二人はそれを訊いた後、魔法陣を展開して姿を消した。
この先何があるか分からない世界。
私一人で何が出来るか分からないけれど、新たな場所で優雅に時を刻んでいきたい。
そして新たな命を宿してこの世の行く末を見てみたい。
それが私の今の望。
そう思いながら窓の外の景色を見つめていたのだった。
「え……? 何がですか?」
マロンが不思議な顔して私に訊ねて来た。
私が前世でOL時代にやっていた乙女ゲームの事をこの子に言ったところで分かりはしないだろう。
私は黙ったままカップに入った紅茶を啜った。
色々な事が起こったなぁ~。
一時期国外追放された時は流石にもうだめかと思ったけれど何とか収まりそうだわ。
「アレーレ様? どうされたのです?」
「マロン。色々な事があったでしょ。今それを考えていたの。私がサターニャ国へ嫁ぐことになったらマロン達を連れて行こうと思っているの。どうかしら、私の元でまた働いてくれないかしら?」
「ええ、それは勿論で御座います。私はアレーレ様の侍女ですから。お姉様達もお喜びになると思います」
彼女はそう言いながら笑っていた。
私もクスリと笑った。
本当にここにきて色々な事があったけれど、今となれば全て楽しい思い出として私の心の中に刻まれている。
マロンが席を外すとオロバスとサタナキアが姿を現した。二人とも美男子でモテそうだ。
「アレーレ嬢。これで本当に良かったのですか?」
「本当、私も同じことを伺おうと参ったのですが…」
二人とも真剣な眼差しで私のことを見つめている。
私は一息ついてから話をした。
「ええ。これで人間族と魔族との共存が出来るのです。私はそれで満足しています。貴方達との契約はどうしようかと考えているのですが、このままでいいのか、契約を破棄した方がいいのか」
「私はアレーレ嬢と共にあります」
「私もです」
二人とも同じ意見だった。
私はその意見を尊重して契約を破棄することを止めた。
二人はそれを訊いた後、魔法陣を展開して姿を消した。
この先何があるか分からない世界。
私一人で何が出来るか分からないけれど、新たな場所で優雅に時を刻んでいきたい。
そして新たな命を宿してこの世の行く末を見てみたい。
それが私の今の望。
そう思いながら窓の外の景色を見つめていたのだった。
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