19 / 124
犯人探求編
18.フェイタル・ナーク
しおりを挟む
マラカイとアウレリウスが睨みあう中、私は元の大人の姿に戻す。
・・・こんなホイホイ元の姿には戻りたくないが、しかし、こうでもしないことには、この二人を制圧できないだろう。両者とも、まがりなりにも魔法の天才で、それぞれの分野で私以上に特化した怪物だからだ。
アウレリウスは自分の背後の高魔力反応を感知するが、しかし前方に破壊王がいる状態で後ろに意識を割けない。一方マラカイは私が姿を戻したのをみて、目を見開く。
私は使い慣れた自分の黒い杖を召喚し、魔法を解き放った。
「フェイタル・ナーク」
麻酔のように、気絶にいたる魔法。それをあたり一帯に魔力の波を伸ばす。
黒い波が、私を中心に波のように広がり始めた。
アウレリウスの盾の中にいたことが幸いだった。これが外であればこの魔法は彼には効かなかった。両者とも、私の闇魔法の前に意識を保てず、膝を折りだす。そしてその眠りには抗えず、床に倒れだした。
「流石は『支配のローゼルアリオン』。せんせ、僕に膝を、折らせることが、できるのはせんせ~だけ・・・で・・・す・・・」
バタリと崩れた。今のうちにマラカイを家に転移で送り返す。一方のアウレリウスは防御に特化しているだけあって、少々魔法に耐性はあるのか、マラカイよりは意識が長かった。
「アリ、オン・・・?どうして、ここに。いや、やっと会えたのに、意識が・・・」
最後の意識を振り絞って私の方へ膝で歩いてくるが、しかし意識が途切れるのが早かった。歯を食いしばり、名残惜しそうにアウレリウスも同様にぱたりと力尽きた。
ふう・・・。こんなところで戦争なんて起こされたら私の計画が無茶苦茶になるだろう・・・。
私も流石にこれ以上は魔法を使用できるだけの余裕はない。なんとか、意識を失っているアウレリウスを壁際に運び、廊下の壁に立てかける。そして、魔力切れを起こした私も同様に、その場の床に沈んだ。
「あ、おはようございますせんせー」
目が覚めるとベッドの中にいて、目の前にはマラカイがいた。ここは私の自室だ。
「全くもう、寝起き一発目で先生をここまで回収してきたんですからね!あの小僧にだけ魔法を使っていればいいのに、なんで旦那の僕も巻き添えにしたんですかね!!お仕置きにお尻をつねっちゃいますからね!えい!!」
「触るな気色悪い!!」
ここまで運んできてくれたのは素直に嬉しい。今日はもう授業を受けられるだけの余裕が無かっただろうから。いやまて、そもそもこいつが学園にまで押しかけなければこんなことにはならんかっただろ。
とはいえ魔力切れもマラカイがどうにかしてくれたと状況から推察する。
「マラカイ、どうやって私の魔力を回復させてくれたんだ?」
「・・・・・・・」
「おい、私の魔力を、どうやって回復させたんだ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「おい!何をしたんだ!!いったい私に何をしたんだ!!!なんでいつも鬱陶しいくらいに饒舌なのに喋らないんだ!!」
肩を掴んで揺さぶるが、何も喋らない。まあいい、知らない方が幸せなこともあるだろう。私の耳たぶを揉んで遊んでるマラカイを振り払い、身を起こして座る。
「いいか、アウレリウスには手を出すな。これから先いかなることがあろうとも、絶対に手を出すな」
「嫌でーす」
「なっ・・・!?決して私があの子に殺されようとも、傷一つつけることを許さんからな」
「せんせーが僕とエッチしてくれたら記憶の片隅にはおいてあげまーす」
マラカイはアウレリウスの話題が出た途端に態度を豹変させて体を反対にした。こいつが私の命令を聞かないのは珍しい。私へのセクハラをやめろと言っても一切聞かない男ではあるが、それ以上に話を聞く気が無いという意思表示をしている。
アウレリウスに傷をつけられる人間はこの国に何人いるんだというレベルだ。それくらいに彼は守護の魔法に愛されている。けれど、マラカイの規格外とどちらが勝つかは分からない。裏返せばこのマラカイが変なことさえしなければ、あの子は平穏に過ごせるんだ。
私のために命を捧げてくれたあの子の為なら、私はなんだってする。足を開いてもいい。
私はベッドで寝そべって不貞腐れるマラカイの腕を掴んだ。そう、交尾の誘いだ。
マラカイは頭を動かして私の手を見る。けれど、振り払った。
「いやですよ。主目的に他の男が関わっているエッチなんて。僕は、先生と相思相愛になりたいんですー。そこまで僕を縛りたいのなら、先生の洗脳魔法で僕を縛るなり、僕を情夫にするなりしてください」
「お前から先に言ったんだろうが!・・・目的を共有している元弟子兼共犯者に洗脳をかけられるわけないだろう。ただでさえお前は頭がおかしいのに、手元が狂ってこれ以上狂人になられたらかなわん」
「えへへ~せんせー大好き♡」
そのまま身を起こして私に抱き着き、口づけをする。本当に、私からは拒絶しているにもかかわらず、何故こいつがここまでべたべたしてくるのかが分からん。
「せんせー、僕ね。学生時代にこの国を破壊してみようかなあって思ったことがあるんですよ。だって、学園内って血筋がどうなの身分がどうなのって鬱陶しかったんですからね。多少魔法が使えるだけの有象無象が、たったそれだけのことで僕にマウントをとってくる。なら、圧倒的破壊力の前に生まれなんて関係ないって、馬鹿でもわかるように見せてあげようと思ったんです」
こいつ・・・そんなこと思っていたのか・・・。犯罪者予備軍として今から牢にぶち込んだほうがいいだろうか。
「でもねぇ、せんせーを初めて知った時に『ああ、勝てないな』って思っちゃったんです。そりゃ破壊で僕以上に特化している人間はいないでしょうよ。でもそれは力技の話。結局どんな強い戦士であっても、人を支配できる人間には屈するしかないんです」
魔法学園では三年生になると、星辰魔導議会というトーナメントが行われる。そこで誰が最も戦闘に秀でているか、その年の主席が誰かの判定が行われるのだが、マラカイが三年の頃、彼は圧倒的魔力で相手を殺しかけた。その年は事前に頭のおかしい三年がいるということで私は特別に参席していたが、あらかじめ会場の支配力を私に上書きし、マラカイの力を抑えていたのだ。
コロシアムの会場で、私を見上げるマラカイのあの時の遊び相手を見つけたような表情。いまだに忘れることが出来ない。
「だからですね、僕が暴れても先生がいれば僕を封じられる。僕は先生には頭を下げざるを得ないんですよ」
「・・・けれど私とお前が単純に正面から戦えば、おそらく私が負けるだろう」
「でもそうはなりません。僕はもう先生の支配力にからめとられていて、心が奴隷になっているんですから。故に、先生がいるから僕はこの国を壊さない。裏返せば、先生がこの先命を落とすことがあれば、この国を破壊します」
私はマラカイの頭をスパンと叩く。
「いいぞ、と言うわけないだろうが。私の命とお前に関連性はない。人を引き金にして犯罪の動機にするのはやめろ」
「いた、あいたた。愛の鞭ですねー。もう、僕のことこんなに雑に扱ってくれるのは貴方しかいませんよー」
そうして会話を終える。マラカイと話し終えた時には、既に外は夕暮れだった。
さて、今日のアウレリウスとの対話であった通り、もし生徒会を目指すのならトップ層にいなくてはならないだろう。生徒会長は貴族出身の現時点での主席が座るという暗黙のルールがあり、私も学生時代は生徒会長だった。一方、役員自体は会長の好きな人材が登用され、とはいえ周囲の目もあるため結局トップ層の者が採用される。
「ふむ、魔力回復にはマラカイを採血しておいて、必要な時に飲むとかした方がいいのか?うえ・・・」
「僕が試験会場にいればいいんですよ!!監督官の前で僕たちのディープキスを見せつけましょう!!」
「頼むから静かにしていてくれ」
マラカイは私の命令通り静かにしたものの、しかし私の体をぺたぺたと触って興奮している。鬱陶しいがこの間に思考をまとめようか。
・・・けれど、何かいい案が出る前に、マラカイは私に話しかける。強張った声だ。
「先生。学園がちょっとまずい事態になりました」
「・・・なんだ」
いつものこいつの調子だったら喋る前に跳ねのけるのだが、明らかに真剣な空気だ。
「あの、聖女でしたっけ。騒ぎたてています。『アリオンに闇魔法を使って昏倒させられた』、と」
・・・こんなホイホイ元の姿には戻りたくないが、しかし、こうでもしないことには、この二人を制圧できないだろう。両者とも、まがりなりにも魔法の天才で、それぞれの分野で私以上に特化した怪物だからだ。
アウレリウスは自分の背後の高魔力反応を感知するが、しかし前方に破壊王がいる状態で後ろに意識を割けない。一方マラカイは私が姿を戻したのをみて、目を見開く。
私は使い慣れた自分の黒い杖を召喚し、魔法を解き放った。
「フェイタル・ナーク」
麻酔のように、気絶にいたる魔法。それをあたり一帯に魔力の波を伸ばす。
黒い波が、私を中心に波のように広がり始めた。
アウレリウスの盾の中にいたことが幸いだった。これが外であればこの魔法は彼には効かなかった。両者とも、私の闇魔法の前に意識を保てず、膝を折りだす。そしてその眠りには抗えず、床に倒れだした。
「流石は『支配のローゼルアリオン』。せんせ、僕に膝を、折らせることが、できるのはせんせ~だけ・・・で・・・す・・・」
バタリと崩れた。今のうちにマラカイを家に転移で送り返す。一方のアウレリウスは防御に特化しているだけあって、少々魔法に耐性はあるのか、マラカイよりは意識が長かった。
「アリ、オン・・・?どうして、ここに。いや、やっと会えたのに、意識が・・・」
最後の意識を振り絞って私の方へ膝で歩いてくるが、しかし意識が途切れるのが早かった。歯を食いしばり、名残惜しそうにアウレリウスも同様にぱたりと力尽きた。
ふう・・・。こんなところで戦争なんて起こされたら私の計画が無茶苦茶になるだろう・・・。
私も流石にこれ以上は魔法を使用できるだけの余裕はない。なんとか、意識を失っているアウレリウスを壁際に運び、廊下の壁に立てかける。そして、魔力切れを起こした私も同様に、その場の床に沈んだ。
「あ、おはようございますせんせー」
目が覚めるとベッドの中にいて、目の前にはマラカイがいた。ここは私の自室だ。
「全くもう、寝起き一発目で先生をここまで回収してきたんですからね!あの小僧にだけ魔法を使っていればいいのに、なんで旦那の僕も巻き添えにしたんですかね!!お仕置きにお尻をつねっちゃいますからね!えい!!」
「触るな気色悪い!!」
ここまで運んできてくれたのは素直に嬉しい。今日はもう授業を受けられるだけの余裕が無かっただろうから。いやまて、そもそもこいつが学園にまで押しかけなければこんなことにはならんかっただろ。
とはいえ魔力切れもマラカイがどうにかしてくれたと状況から推察する。
「マラカイ、どうやって私の魔力を回復させてくれたんだ?」
「・・・・・・・」
「おい、私の魔力を、どうやって回復させたんだ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「おい!何をしたんだ!!いったい私に何をしたんだ!!!なんでいつも鬱陶しいくらいに饒舌なのに喋らないんだ!!」
肩を掴んで揺さぶるが、何も喋らない。まあいい、知らない方が幸せなこともあるだろう。私の耳たぶを揉んで遊んでるマラカイを振り払い、身を起こして座る。
「いいか、アウレリウスには手を出すな。これから先いかなることがあろうとも、絶対に手を出すな」
「嫌でーす」
「なっ・・・!?決して私があの子に殺されようとも、傷一つつけることを許さんからな」
「せんせーが僕とエッチしてくれたら記憶の片隅にはおいてあげまーす」
マラカイはアウレリウスの話題が出た途端に態度を豹変させて体を反対にした。こいつが私の命令を聞かないのは珍しい。私へのセクハラをやめろと言っても一切聞かない男ではあるが、それ以上に話を聞く気が無いという意思表示をしている。
アウレリウスに傷をつけられる人間はこの国に何人いるんだというレベルだ。それくらいに彼は守護の魔法に愛されている。けれど、マラカイの規格外とどちらが勝つかは分からない。裏返せばこのマラカイが変なことさえしなければ、あの子は平穏に過ごせるんだ。
私のために命を捧げてくれたあの子の為なら、私はなんだってする。足を開いてもいい。
私はベッドで寝そべって不貞腐れるマラカイの腕を掴んだ。そう、交尾の誘いだ。
マラカイは頭を動かして私の手を見る。けれど、振り払った。
「いやですよ。主目的に他の男が関わっているエッチなんて。僕は、先生と相思相愛になりたいんですー。そこまで僕を縛りたいのなら、先生の洗脳魔法で僕を縛るなり、僕を情夫にするなりしてください」
「お前から先に言ったんだろうが!・・・目的を共有している元弟子兼共犯者に洗脳をかけられるわけないだろう。ただでさえお前は頭がおかしいのに、手元が狂ってこれ以上狂人になられたらかなわん」
「えへへ~せんせー大好き♡」
そのまま身を起こして私に抱き着き、口づけをする。本当に、私からは拒絶しているにもかかわらず、何故こいつがここまでべたべたしてくるのかが分からん。
「せんせー、僕ね。学生時代にこの国を破壊してみようかなあって思ったことがあるんですよ。だって、学園内って血筋がどうなの身分がどうなのって鬱陶しかったんですからね。多少魔法が使えるだけの有象無象が、たったそれだけのことで僕にマウントをとってくる。なら、圧倒的破壊力の前に生まれなんて関係ないって、馬鹿でもわかるように見せてあげようと思ったんです」
こいつ・・・そんなこと思っていたのか・・・。犯罪者予備軍として今から牢にぶち込んだほうがいいだろうか。
「でもねぇ、せんせーを初めて知った時に『ああ、勝てないな』って思っちゃったんです。そりゃ破壊で僕以上に特化している人間はいないでしょうよ。でもそれは力技の話。結局どんな強い戦士であっても、人を支配できる人間には屈するしかないんです」
魔法学園では三年生になると、星辰魔導議会というトーナメントが行われる。そこで誰が最も戦闘に秀でているか、その年の主席が誰かの判定が行われるのだが、マラカイが三年の頃、彼は圧倒的魔力で相手を殺しかけた。その年は事前に頭のおかしい三年がいるということで私は特別に参席していたが、あらかじめ会場の支配力を私に上書きし、マラカイの力を抑えていたのだ。
コロシアムの会場で、私を見上げるマラカイのあの時の遊び相手を見つけたような表情。いまだに忘れることが出来ない。
「だからですね、僕が暴れても先生がいれば僕を封じられる。僕は先生には頭を下げざるを得ないんですよ」
「・・・けれど私とお前が単純に正面から戦えば、おそらく私が負けるだろう」
「でもそうはなりません。僕はもう先生の支配力にからめとられていて、心が奴隷になっているんですから。故に、先生がいるから僕はこの国を壊さない。裏返せば、先生がこの先命を落とすことがあれば、この国を破壊します」
私はマラカイの頭をスパンと叩く。
「いいぞ、と言うわけないだろうが。私の命とお前に関連性はない。人を引き金にして犯罪の動機にするのはやめろ」
「いた、あいたた。愛の鞭ですねー。もう、僕のことこんなに雑に扱ってくれるのは貴方しかいませんよー」
そうして会話を終える。マラカイと話し終えた時には、既に外は夕暮れだった。
さて、今日のアウレリウスとの対話であった通り、もし生徒会を目指すのならトップ層にいなくてはならないだろう。生徒会長は貴族出身の現時点での主席が座るという暗黙のルールがあり、私も学生時代は生徒会長だった。一方、役員自体は会長の好きな人材が登用され、とはいえ周囲の目もあるため結局トップ層の者が採用される。
「ふむ、魔力回復にはマラカイを採血しておいて、必要な時に飲むとかした方がいいのか?うえ・・・」
「僕が試験会場にいればいいんですよ!!監督官の前で僕たちのディープキスを見せつけましょう!!」
「頼むから静かにしていてくれ」
マラカイは私の命令通り静かにしたものの、しかし私の体をぺたぺたと触って興奮している。鬱陶しいがこの間に思考をまとめようか。
・・・けれど、何かいい案が出る前に、マラカイは私に話しかける。強張った声だ。
「先生。学園がちょっとまずい事態になりました」
「・・・なんだ」
いつものこいつの調子だったら喋る前に跳ねのけるのだが、明らかに真剣な空気だ。
「あの、聖女でしたっけ。騒ぎたてています。『アリオンに闇魔法を使って昏倒させられた』、と」
13
あなたにおすすめの小説
オメガ転生。
桜
BL
残業三昧でヘトヘトになりながらの帰宅途中。乗り合わせたバスがまさかのトンネル内の火災事故に遭ってしまう。
そして…………
気がつけば、男児の姿に…
双子の妹は、まさかの悪役令嬢?それって一家破滅フラグだよね!
破滅回避の奮闘劇の幕開けだ!!
【完結】星に焦がれて
白(しろ)
BL
気付いたら八年間囲われてた話、する? わんこ執着攻め×鈍感受け
「お、前、いつから…?」
「最初からだよ。初めて見た時から俺はお前のことが好きだった」
僕、アルデバラン・スタクにはどうしても敵わない男がいた。
家柄も、センスも、才能も、全てを持って生まれてきた天才、シリウス・ルーヴだ。
僕たちは十歳の頃王立の魔法学園で出会った。
シリウスは天才だ。だけど性格は無鉄砲で無計画で大雑把でとにかく甘えた、それに加えて我儘と来た。それに比べて僕は冷静で落ち着いていて、体よりも先に頭が働くタイプだったから気が付けば周りの大人たちの策略にはめられてシリウスの世話係を任されることになっていた。
二人組を作る時も、食事の時も、部屋だって同じのまま十八で学園を卒業する年まで僕たちは常に一緒に居て──そしてそれは就職先でも同じだった。
配属された辺境の地でも僕はシリウスの世話を任され、日々を慌ただしく過ごしていたそんなある日、国境の森に魔物が発生した。それを掃討すべく現場に向かうと何やら魔物の様子がおかしいことに気が付く。
その原因を突き止めたシリウスが掃討に当たったのだが、魔物の攻撃を受けてしまい重傷を負ってしまう。
初めて見るシリウスの姿に僕は動揺し、どうしようもなく不安だった。目を覚ますまでの間何をしていていも気になっていた男が三日振りに目を覚ました時、異変が起きた。
「…シリウス?」
「アルはさ、優しいから」
背中はベッドに押し付けられて、目の前には見たことが無い顔をしたシリウスがいた。
いつだって一等星のように煌めいていた瞳が、仄暗い熱で潤んでいた。とても友人に向ける目では、声では無かった。
「──俺のこと拒めないでしょ?」
おりてきた熱を拒む術を、僕は持っていなかった。
その日を境に、僕たちの関係は変わった。でも、僕にはどうしてシリウスがそんなことをしたのかがわからなかった。
これは気付かないうちに八年間囲われて、向けられている愛の大きさに気付かないまますったもんだする二人のお話。
ルピナスの花束
キザキ ケイ
BL
王宮の片隅に立つ図書塔。そこに勤める司書のハロルドは、変わった能力を持っていることを隠して生活していた。
ある日、片想いをしていた騎士ルーファスから呼び出され、告白を受ける。本来なら嬉しいはずの出来事だが、ハロルドは能力によって「ルーファスが罰ゲームで自分に告白してきた」ということを知ってしまう。
想う相手に嘘の告白をされたことへの意趣返しとして、了承の返事をしたハロルドは、なぜかルーファスと本物の恋人同士になってしまい───。
ラストダンスは僕と
中屋沙鳥
BL
ブランシャール公爵令息エティエンヌは三男坊の気楽さから、領地で植物の品種改良をして生きるつもりだった。しかし、第二王子パトリックに気に入られて婚約者候補になってしまう。側近候補と一緒にそれなりに仲良く学院に通っていたが、ある日聖女候補の男爵令嬢アンヌが転入してきて……/王子×公爵令息/異世界転生を匂わせていますが、作品中では明らかになりません。完結しました。
婚約破棄させた愛し合う2人にザマァされた俺。とその後
結人
BL
王太子妃になるために頑張ってた公爵家の三男アランが愛する2人の愛でザマァされ…溺愛される話。
※男しかいない世界で男同士でも結婚できます。子供はなんかしたら作ることができます。きっと…。
全5話完結。予約更新します。
第十王子は天然侍従には敵わない。
きっせつ
BL
「婚約破棄させて頂きます。」
学園の卒業パーティーで始まった九人の令嬢による兄王子達の断罪を頭が痛くなる思いで第十王子ツェーンは見ていた。突如、その断罪により九人の王子が失脚し、ツェーンは王太子へと位が引き上げになったが……。どうしても王になりたくない王子とそんな王子を慕うド天然ワンコな侍従の偽装婚約から始まる勘違いとすれ違い(考え方の)のボーイズラブコメディ…の予定。※R 15。本番なし。
男同士で番だなんてあってたまるかよ
だいたい石田
BL
石堂徹は、大学の授業中に居眠りをしていた。目覚めたら見知らぬ場所で、隣に寝ていた男にキスをされる。茫然とする徹に男は告げる。「お前は俺の番だ。」と。
――男同士で番だなんてあってたまるかよ!!!
※R描写がメインのお話となります。
この作品は、ムーンライト、ピクシブにて別HNにて投稿しています。
毎日21時に更新されます。8話で完結します。
2019年12月18日追記
カテゴリを「恋愛」から「BL」に変更いたしました。
カテゴリを間違えてすみませんでした。
ご指摘ありがとうございました。
ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる