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犯人探求編
24.中間考査リザルト
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「なるほど、お前たちが先生の敵だな!よし、殺そう!!」
助けに駆け付けたマラカイは指をパチンと鳴らすと、同時に前方で巨大な爆発が起こる。殺意のこもった一撃だ。指を鳴らすだけであれだけの爆音がするとは、流石は天才。
音から察するに、攻撃を受ける前に逃げたものもいれば、マラカイの爆発を敵は何とか避けたものもいるように想像する。そしてどこかに走っていく音がし、やがて小屋のドアを開ける音がした。マラカイは追いうちのために小屋への爆発は・・・しなかったようだ。
「うーん、逃がしたかぁ。まあいいや、先生がどこにいるか分からない以上は、あたり一帯にクレーターを作らない方がいいだろうし」
霞む目でよく見ると、最初に私が気絶させた男はいなくなっているようだ。あいつも回収されたらしい。・・・結局情報を吐かせることはできなかったか。
周りの面々の落ち着きようから、危難は去った。
「あの・・・。魔塔主と貴方が、アリオンが呼んでくれた救援でしょうか?ありがとうございました」
レオがマラカイに近づいてぺこりと頭を下げ、他の面々もマラカイに頭を下げた。一方のマラカイは近づいてくる生徒に興味が無いのか、視野をあたりに巡らして無視する。
「それよりも、そのアリオン君はどこにいるのー?僕は彼とお話したいんだけどー?」
「周辺探してみよう。あの爆発に巻き込まれた可能性もあるし」
そして、レオが茂みに倒れこむ私を見つけた。私の意識はそこまでで、やがて途切れる。
目が覚めたら、私は医務室にいた。
「お、おチビ起きた!?」
「アリオン!目が覚めたんだね!!」
ベッドに横たわる視界には私を覗き込むアバラとレオ。けれど私は魔力切れを起こしており、目は覚ましたものの指一本動かす気力がない。
「これ、あのマラカイ様が『目が覚めたらアリオン君に飲んでほしい』って渡してきたんだ。はい、ゆっくり飲んでね。・・・変わった人からもらったものを飲ませていいのかちょっと疑問だけど」
私の口には、ぬるっとした液体が流し込まれた。
・・・・・・・血の味がする。まさかあいつ、自分の肌に刃を入れて血を貯めたのか?しかし、生きるための魔力は戻ったが、相当無理をしたせいで魔力を貯めるためのタンクにヒビが入ってしまっている。これは、半月くらいは碌に魔力を貯められんだろうな。
けれどおかげで意識は回復してきた。しばらく魔法は一切使えないだろうが、なんとか身を起こせるくらいには回復する。
「・・・そのマラカイ・・・・・・さんはいまどこに?」
「あの事件の後ね。マラカイ様が派手に結界を壊したことで、教師陣がマラカイ様に殺到したんだよ。逮捕だーって」
状況を知らない教師陣が、ことの発端をマラカイと誤認したのか。今回の件では本当にあいつには迷惑をかけるな。
「けどなあ、俺たちにとって魔塔主とあの人は大恩人やん?知っとる面々で事情を説明したんよ。すると、疑いは晴れたんやけど、今度は事情聴取ーってことでどっか連れてかれたんや。一緒に俺たちと行動してたあの四人は、マラカイさんを庇うために一緒に行ってもうた」
「一方僕たちは君を見ていてほしいって言われてね。体は大丈夫?」
私はこくんと頷く。
「立木さんは・・・どうなった?」
私の質問に、アバラとレオは目を逸らす。
「助けられんかった。連れてかれてしもうたんや。やから、今学園中大騒動なんよ。『魔塔主が現れたにもかかわらず、女子生徒一人守れんかった』ってな」
命を賭けて助力をしたにもかかわらずこの言われよう。
・・・とはいえ、これは日本でも変わらないだろう。子供が命を落とす場合、その現場にいた大人に責任は問われるものだ。それは救えた人数は考慮されない。救えなかった人数だけが問われる。
「やから魔塔主を責める声も大きいんやけどな。あの場にいた一年生たちは、今一生懸命、魔塔主を庇っとるんよ。特に聖女の独断行動を知っとる面々は、魔塔主のことを恩人として一生懸命情報を拡散しとる」
「まあ、人は自分の都合のいい情報しか受け取らないから、頑張っても限界はあるだろうね。けれど、聞いてた話と僕が見た魔塔主は印象が違った。それは、僕以外の面々も思っているはず。そのこと自体は大きな収穫なのかもしれないね」
「せやね、口は汚かったけど、俺のことも守ろうとしてくれたんや。魔塔主には足を向けて寝られんわ」
相変わらず私の評判は最悪だな・・・。
けれど、悪評の払拭に一つだけ前進できたのかもしれない。それだけで今の私には十分だ。少なくともこの二人は、ローゼルアリオンを信頼してくれるようになった。それはとても嬉しい。そんな折、医務室の扉が開かれる。
「失礼、お邪魔するね」
「生徒会長さん!?」
アウレリウスが保健室に現れる。私たちが歓談していることに気が付き、少し微笑ましそうに見てきた。けれど、レオとアバラは私を庇うように立った。
「何しにきはったん?事情聴取は俺たちで充分やろ?こいつはボロボロなんや、今は寝かせたってや」
「ああ、違うよ。僕はお見舞いに来たから。ほら」
綺麗な花束を後ろから出す。それを見てアバラとレオは安心した。警戒姿勢に入ろうとした二人はすぐに体を戻す。
「・・・ところで、魔塔主が君たちを助けに来たって聞いたんだけど、本当の話かな?」
「せやねん。このアリオンが救援を呼んでな、俺たちがまずいって時に魔塔主が俺たち助けてくれたんや。いやもう、魔法が派手でめっちゃすごかったで。こう、キラキラな光線がドーン!!ってな」
「ええ、気絶の闇魔法の手際も、その後の防御もすべてがトップクラスでした。本物の魔塔主です」
「そっか・・・。アリオン・・・」
花瓶に花を入れながら、アウレリウスはさみしそうに私の名前を呼ぶ。やがて、気を引き締めて私たちに向き直る。
「さて、アリオン。実は聖女誘拐の件を受けて、学園は一週間、全授業の中止が発表されたんだ。そして一週間後の休み明けに発表されることなんだけど、実技試験は中止ということで、今期は学力試験での判定のみという決断が上の方で下されたみたいだよ」
「ちょいまて!!すると俺は最下位・・・・っていうこと!?」
「・・・そうだね、アバラ君は退学を避けられなかったということになってしまった・・・・」
私は驚きの余り、体を動かしたが、しかし本調子でないため咳込む。アバラは固まり、レオはそんなアバラに駆け寄って心配そうにうろたえている。
・・・アバラが退学。
それを聞いた途端、嫌だなと思ってしまった。
いや別に、これはこいつに愛着が湧いたとかではない。ローゼルアリオンに感謝をしてくれたこいつがこの学園を去るというのは、手痛い話というだけだ。そのままこいつが、あっちこっちに私の感謝を吹聴をしてくれることを期待していたため、それが惜しいというだけだ。決して愛着が湧いたわけではない。
やがて落ち込むアバラと、励ますレオは去っていき、アウレリウスも私と少し会話をしたのち、体を気遣って部屋を後にした。
・・・私はアバラに、励ましも何も言えなかったな。そういう後悔を抱え、ぼーっとしていると、今度はまた違う人間が見舞いに来る。
「せんせー!!ああもう、事情聴取に時間かかっちゃいました~。先生、お元気ですか~?ちゅーしますね~」
部屋に入るなり、マラカイはいつもの様子で私に語り掛ける。そんなマラカイを私は制止する。
「マラカイ、まずは感謝させてくれ。いつもいつもお前に助けられている。本当にありがとう」
「いいんですよ、先生。僕は先生の奴隷ですから!おはようからおやすみまで先生の為ならいつだって駆けつけますよ~」
「では、いつも苦労をかけるが、私たちはそろそろ次のステップに移ろうと思う」
「僕たち、ついに子作り、ですか?」
「真面目な話だ。茶化さず聞け」
マラカイは、私のベッドに近づいて隣に置いてあった椅子に静かに腰を下ろした。
「私の訃報を明日、学園上層部だけに流せ。その時に、私は今日死んだことにするんだ。そして、お前は打ち合わせ通り魔塔主として就任しろ」
「はーい、計画よりも随分早いですけれど、何かあったんですか~?」
ついぞ、アウレリウスの心を落ち着かせることが間に合わなかったが、けれどアバラの退学を防ぐには、魔塔主の交代のタイミングで、マラカイが退学要綱を混乱に乗じて消せばいい。
「せんせー、僕が魔塔主になっても、同棲はやめませんからね?」
「それは難しいな」
窓から見える木は、段々と葉が茶に染まる。秋も段々と深くなってきた。
助けに駆け付けたマラカイは指をパチンと鳴らすと、同時に前方で巨大な爆発が起こる。殺意のこもった一撃だ。指を鳴らすだけであれだけの爆音がするとは、流石は天才。
音から察するに、攻撃を受ける前に逃げたものもいれば、マラカイの爆発を敵は何とか避けたものもいるように想像する。そしてどこかに走っていく音がし、やがて小屋のドアを開ける音がした。マラカイは追いうちのために小屋への爆発は・・・しなかったようだ。
「うーん、逃がしたかぁ。まあいいや、先生がどこにいるか分からない以上は、あたり一帯にクレーターを作らない方がいいだろうし」
霞む目でよく見ると、最初に私が気絶させた男はいなくなっているようだ。あいつも回収されたらしい。・・・結局情報を吐かせることはできなかったか。
周りの面々の落ち着きようから、危難は去った。
「あの・・・。魔塔主と貴方が、アリオンが呼んでくれた救援でしょうか?ありがとうございました」
レオがマラカイに近づいてぺこりと頭を下げ、他の面々もマラカイに頭を下げた。一方のマラカイは近づいてくる生徒に興味が無いのか、視野をあたりに巡らして無視する。
「それよりも、そのアリオン君はどこにいるのー?僕は彼とお話したいんだけどー?」
「周辺探してみよう。あの爆発に巻き込まれた可能性もあるし」
そして、レオが茂みに倒れこむ私を見つけた。私の意識はそこまでで、やがて途切れる。
目が覚めたら、私は医務室にいた。
「お、おチビ起きた!?」
「アリオン!目が覚めたんだね!!」
ベッドに横たわる視界には私を覗き込むアバラとレオ。けれど私は魔力切れを起こしており、目は覚ましたものの指一本動かす気力がない。
「これ、あのマラカイ様が『目が覚めたらアリオン君に飲んでほしい』って渡してきたんだ。はい、ゆっくり飲んでね。・・・変わった人からもらったものを飲ませていいのかちょっと疑問だけど」
私の口には、ぬるっとした液体が流し込まれた。
・・・・・・・血の味がする。まさかあいつ、自分の肌に刃を入れて血を貯めたのか?しかし、生きるための魔力は戻ったが、相当無理をしたせいで魔力を貯めるためのタンクにヒビが入ってしまっている。これは、半月くらいは碌に魔力を貯められんだろうな。
けれどおかげで意識は回復してきた。しばらく魔法は一切使えないだろうが、なんとか身を起こせるくらいには回復する。
「・・・そのマラカイ・・・・・・さんはいまどこに?」
「あの事件の後ね。マラカイ様が派手に結界を壊したことで、教師陣がマラカイ様に殺到したんだよ。逮捕だーって」
状況を知らない教師陣が、ことの発端をマラカイと誤認したのか。今回の件では本当にあいつには迷惑をかけるな。
「けどなあ、俺たちにとって魔塔主とあの人は大恩人やん?知っとる面々で事情を説明したんよ。すると、疑いは晴れたんやけど、今度は事情聴取ーってことでどっか連れてかれたんや。一緒に俺たちと行動してたあの四人は、マラカイさんを庇うために一緒に行ってもうた」
「一方僕たちは君を見ていてほしいって言われてね。体は大丈夫?」
私はこくんと頷く。
「立木さんは・・・どうなった?」
私の質問に、アバラとレオは目を逸らす。
「助けられんかった。連れてかれてしもうたんや。やから、今学園中大騒動なんよ。『魔塔主が現れたにもかかわらず、女子生徒一人守れんかった』ってな」
命を賭けて助力をしたにもかかわらずこの言われよう。
・・・とはいえ、これは日本でも変わらないだろう。子供が命を落とす場合、その現場にいた大人に責任は問われるものだ。それは救えた人数は考慮されない。救えなかった人数だけが問われる。
「やから魔塔主を責める声も大きいんやけどな。あの場にいた一年生たちは、今一生懸命、魔塔主を庇っとるんよ。特に聖女の独断行動を知っとる面々は、魔塔主のことを恩人として一生懸命情報を拡散しとる」
「まあ、人は自分の都合のいい情報しか受け取らないから、頑張っても限界はあるだろうね。けれど、聞いてた話と僕が見た魔塔主は印象が違った。それは、僕以外の面々も思っているはず。そのこと自体は大きな収穫なのかもしれないね」
「せやね、口は汚かったけど、俺のことも守ろうとしてくれたんや。魔塔主には足を向けて寝られんわ」
相変わらず私の評判は最悪だな・・・。
けれど、悪評の払拭に一つだけ前進できたのかもしれない。それだけで今の私には十分だ。少なくともこの二人は、ローゼルアリオンを信頼してくれるようになった。それはとても嬉しい。そんな折、医務室の扉が開かれる。
「失礼、お邪魔するね」
「生徒会長さん!?」
アウレリウスが保健室に現れる。私たちが歓談していることに気が付き、少し微笑ましそうに見てきた。けれど、レオとアバラは私を庇うように立った。
「何しにきはったん?事情聴取は俺たちで充分やろ?こいつはボロボロなんや、今は寝かせたってや」
「ああ、違うよ。僕はお見舞いに来たから。ほら」
綺麗な花束を後ろから出す。それを見てアバラとレオは安心した。警戒姿勢に入ろうとした二人はすぐに体を戻す。
「・・・ところで、魔塔主が君たちを助けに来たって聞いたんだけど、本当の話かな?」
「せやねん。このアリオンが救援を呼んでな、俺たちがまずいって時に魔塔主が俺たち助けてくれたんや。いやもう、魔法が派手でめっちゃすごかったで。こう、キラキラな光線がドーン!!ってな」
「ええ、気絶の闇魔法の手際も、その後の防御もすべてがトップクラスでした。本物の魔塔主です」
「そっか・・・。アリオン・・・」
花瓶に花を入れながら、アウレリウスはさみしそうに私の名前を呼ぶ。やがて、気を引き締めて私たちに向き直る。
「さて、アリオン。実は聖女誘拐の件を受けて、学園は一週間、全授業の中止が発表されたんだ。そして一週間後の休み明けに発表されることなんだけど、実技試験は中止ということで、今期は学力試験での判定のみという決断が上の方で下されたみたいだよ」
「ちょいまて!!すると俺は最下位・・・・っていうこと!?」
「・・・そうだね、アバラ君は退学を避けられなかったということになってしまった・・・・」
私は驚きの余り、体を動かしたが、しかし本調子でないため咳込む。アバラは固まり、レオはそんなアバラに駆け寄って心配そうにうろたえている。
・・・アバラが退学。
それを聞いた途端、嫌だなと思ってしまった。
いや別に、これはこいつに愛着が湧いたとかではない。ローゼルアリオンに感謝をしてくれたこいつがこの学園を去るというのは、手痛い話というだけだ。そのままこいつが、あっちこっちに私の感謝を吹聴をしてくれることを期待していたため、それが惜しいというだけだ。決して愛着が湧いたわけではない。
やがて落ち込むアバラと、励ますレオは去っていき、アウレリウスも私と少し会話をしたのち、体を気遣って部屋を後にした。
・・・私はアバラに、励ましも何も言えなかったな。そういう後悔を抱え、ぼーっとしていると、今度はまた違う人間が見舞いに来る。
「せんせー!!ああもう、事情聴取に時間かかっちゃいました~。先生、お元気ですか~?ちゅーしますね~」
部屋に入るなり、マラカイはいつもの様子で私に語り掛ける。そんなマラカイを私は制止する。
「マラカイ、まずは感謝させてくれ。いつもいつもお前に助けられている。本当にありがとう」
「いいんですよ、先生。僕は先生の奴隷ですから!おはようからおやすみまで先生の為ならいつだって駆けつけますよ~」
「では、いつも苦労をかけるが、私たちはそろそろ次のステップに移ろうと思う」
「僕たち、ついに子作り、ですか?」
「真面目な話だ。茶化さず聞け」
マラカイは、私のベッドに近づいて隣に置いてあった椅子に静かに腰を下ろした。
「私の訃報を明日、学園上層部だけに流せ。その時に、私は今日死んだことにするんだ。そして、お前は打ち合わせ通り魔塔主として就任しろ」
「はーい、計画よりも随分早いですけれど、何かあったんですか~?」
ついぞ、アウレリウスの心を落ち着かせることが間に合わなかったが、けれどアバラの退学を防ぐには、魔塔主の交代のタイミングで、マラカイが退学要綱を混乱に乗じて消せばいい。
「せんせー、僕が魔塔主になっても、同棲はやめませんからね?」
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