誰が悪役(アリオン)を殺したか

ひまたろう

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終章 空色の君を思う

85.青き恋の物語②

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「補佐~?僕は雑用なんてしませんー。ただ一人の愛の奴隷ですから~キャッキャッ」

 教授生活一年目。早速癖の強い生徒にあたる。何とも気の抜けるような喋り方だ。名をマラカイと言い、平民である。魔法力もさることながら、あのローゼルアリオンを信仰しているということで噂になっていたため、監視のために補佐に選ぶことにした。

「修行?あんたにつけてもらう気にはなりませんね~。僕はローゼルアリオンの弟子を目指しているので」
「俺のその婚約者殿は、こういう些細なことで魔法の練習をしていた。それでも軽視するか?」
「・・・・・・まあ、話は聞いてやります」

 婚約者、というフレーズに一瞬舌打ちをしそうにしていたマラカイではあるが、ローゼルアリオンの話を聞くと、真面目に訓練するようになる。

「一応言っておきますけど、ローゼルアリオンがしていたということでやっているだけですからね。僕はあんたの教え子になったわけではありませんから。あんたとローゼルアリオンでは圧倒的に格が違う」

 マラカイは釘を刺すために言ったのだろう。けれど、その発言は俺の心に深く刺さる。

 格が違う。そんなことは分かっている。

 あいつは認められ、やがては魔塔主へとなるだろう。別に俺はそういった地位に興味はなかったために王宮への誘いなどは蹴った。けれど、もしこうして教授を続けていれば、あいつは学園の理事長という立場になる。すると純粋に俺の上へ君臨することになる。それは、正直苦しかった。けれど同時に、この学園にいればあいつと接点が出来ること。それだけは嬉しかった。

 互いが互いの職に就き、距離は出来る一方だった。

 その年の終わり。魔塔主が老齢により、新たな代替わりをすることとなる。選ばれたのはやはりローゼルアリオン。闇の魔法使いがトップに君臨したということで、世間はもう荒れに荒れた。

 頼むから変なことはするな。受け継いだものを壊さず、維持さえすれば周囲は納得してくれる。

 しかし、代替わりの途端に改革の嵐が吹き荒れる。平民融和政策だ。

 ローゼルアリオンは優秀な平民たちに門戸を開く。それは素晴らしい話のように思えて、貴族や金持ちの平民からすれば耳の痛い話だった。故に批判が巻き起こった。国のメディアも、平民たちを洗脳するために、魔塔主の悪評を捏造しては流す。
 ・・・あいつは基本的に人間と接してこなかった。故に世論の詳細な把握が苦手なのだろう。話下手もあってか、やることなすことが世間と摩擦を生んでいる状態だった。

 とはいえ、私はあいつのやり方に賛同する場面も多かった。無能な奴がのさばり優秀なものが上へ行けないというのは、私も嫌いだったのだ。ローゼルアリオンもまた、優秀であるにも関わらず、根拠のない冤罪で疑われた人間。故に、どうしてもそういった人種に同情してしまうのだろう。

 一年目は偶々平民のマラカイを補佐に選んだが、二年目からは狙って優秀な平民を補佐にするようにした。これは、世論への些細な抵抗だ。周囲が反対しても、俺はローゼルアリオンのやり口に賛同する。やがてはそれがあいつに届けばいい。届いて、和解のきっかけになればそれでいい。

 しかし、やがて学園には奇妙なジンクスが流れるようになる。「ジェルド教授が補佐に選んだ人間は、皆主席になる」と。マラカイも、次も、その次も偶然主席だった。俺はぱっと見有望そうな人間を選んだに過ぎないが。

「ほほほ、ジェルド君。今年は補佐にアウレリウス殿下を選んでくれるとありがたいよ。王家と学園は、友好関係でいたいからね」
「校長、俺は別に何か意図があって補佐を選んでいるのでは・・・」
「君がどういう意図で動いていたかは重要じゃないのだよ。周りがどう見ているかだよ。きっかけはどうあれ、今の君はいわばキングメーカーのようなものだ。そんな中でアウレリウス殿下を選ばなければ気まずいことになるだろう?ああ、よければ私が推薦したと殿下には言ってくれると嬉しいよ」

 そう、その年だけ俺はよりにもよって王子を補佐に選ぶことになる。

「教授、こちらの器具はここで大丈夫でしょうか」
「あ、ああ」

 学園内ということで、目上の人間にもため口が許される。とはいえ、本音ではどう接していいか分からない。
 王族のお手本のような気品のある王子と名高いアウレリウス殿下。補佐に選ばれたときも嫌そうな顔をせず、粛々と作業をこなしていた。補佐にしたところで修業として教えることがあるのか?いや、ないだろう。せめて何かしら質問をしてくれると助かるのだが・・・。

「ジェルド教授、質問してもいいでしょうか」
「・・・ああ、いいだろう」

 渡りに船だ。
 柔らかな笑みを常に浮かべ、平民にも優しい大人気の王子。だから気のせいだろう。笑顔であるのに、俺を見る目がである気がするのは。

「闇魔法について伺いたいのですが、光魔法の洗脳と闇魔法の洗脳は系統に差がありますよね。発動にも明確な違いがあるのでしょうか」
「・・・・・・」

 王子ともあろうものが闇魔法の質問?
 それも、やけに具体的な質問だ。

「まあ、光魔法の洗脳は祈りが込められているが、一方闇魔法は悪意によるものだ。大きな違いと言えばそこくらいだろう。故に、闇魔法の方は多少人格が歪むことがあるというデメリットがあるな」
「変わらないのですね。ありがとうございました」

 殿下は一礼して教室から立ち去る。今の質問はなんだ?一国の王子が、実用的な闇魔法について質問してきたのか?闇魔法を使用する予定でもあるのか?

 殿下への疑いは増していく。けれど告発は出来ない。相手は国民から絶大な人気を集める王太子。故に、疑いを出せば、世間は完全に王子の味方となって俺の首が刎ねられることになる。まさかそれが狙いということはあるまいだろうが、黙っておくことに越したことはない。

 平民を補佐に選び続ければ、いずれは婚約者も俺の同調的思想に気が付いてくれるだろう。けれど、王子を一度挟んだことで話がややこしくなってしまった。学園をたまに訪れるあいつではあるが、特に俺に何かを話しかけに来ることは無く。相変わらず他人を信用できないようで、入学式の時も殿下のことを軽くかわしていた。

 どれだけ想っていても、俺たちの距離は縮まらない。

 しかし、約束の婚姻の年は刻々と近づいてきていた。俺が安易に始めた補佐のシステムは、やがて一部の人間にとって悲願になっているほどの状態になっていた。

「ジェルド教授!どうして、僕を補佐に選んでくれないのですか!」

 廊下で私を呼び止める者がいた。空色の髪をしている男子生徒。
 あいつの弟か。名をロージと言ったな。顔合わせのあの時に読み聞かせをして以来、非常に懐かれているようだ。しかし、俺は平民しか補佐に取れず、故にロージは子爵家故に選ぶことは出来ない。俺はロージを無視して歩み始める。

 しかし、納得できないようで、ロージは俺の後ろからついてきた。

「兄さんが原因ですか!?」
「関係ない」
「そんなことはありません。何故か今年だけあなたは選んでいない。すでに僕たちが入学して、かなり経過しているというのに!毎年誰かを選択しているにも関わらず不思議と今年だけ誰も選んでいない。僕が兄さんの弟であること以外に、理由が思い当たらない!」
「・・・・・・」

 ロージはそれだけ言い、何も言い返さない私を見てどこかに走り去る。本当は義弟になる彼のことは憎からず思っている。しかし、兄と弟の関係が冷え込んでいる以上は、弟を補佐に選ぶことはあいつの神経を逆なで以外しないだろう。去っていったロージと入れ替わりで、魔法実技学を担当しているドレイヴン教授が現れた。妙に好きになれない、胡散臭い教授だ。

「今の、子爵家のロージではありませんか?随分苦し気な表情をされていたが、いかがなさったか」
「いえ、補佐の件について少々揉めておりました」
「ああ、ジェルド教授の補佐については有名ですからな。さぞ大変でしょう。ですが、苦難の先に貴殿の家のさらなる繁栄が待ち受けておりますでしょうから、今は辛抱の時ですぞ」

 笑いながらドレイヴン教授は去っていった。
 ・・・「大義」とはなんだ?そういえば校長も俺のやっていることに賛同するような様子だった。

 何かが引っかかる。自分の行動が、意図せず何かに加担しているような。

 引っかかりはするが、それ以上思考を巡らせることも無く。

 再び時は流れる。8月。

 年度の切り替わりに、教室の配置転換がある。故に俺は実家に戻り、荷物の整理をしていた。俺とローゼルアリオンは次の冬に、いよいよ婚姻を結ぶ。父からも書斎に呼び出され、決してほかの令嬢子息になびかぬように釘を刺された。もういい大人だというのに、本当に小言がうるさい人だ。

 そういえばドレイヴン教授は過去に軍部に所属していたという話を聞いたことがある。そして俺の父の得意先は軍部。何か知らないだろうか。
 その時の俺は別にその話題に興味があったわけではない。ただ、お小言をかわすために、話題転換しようとしただけだ。

 そう、たったそれだけのことが、後に最悪の事態を引き起こすなんて、思ってもいなかったんだ。

「ああ、軍部は平民をかき集めているんだよ。そして、戦争を起こすつもりなんだ」

 父はさも当然の如く口にした。
 絶句した。おおよそ4、5年前あたりに軍部のお偉い方が内密に決めたとのことだ。いずれ軍が国を乗っ取り、自分たちが最高権力を握るために。その事前の策として優秀な平民をかき集め、革命を起こさせる。綿密で、リスクケアもされていて。自分では絶対に思いつけないだろう、実に周到な計画だった。

「すると我が男爵家からは沢山魔導兵器を提供できるうえに、革命後は好待遇を約束してくれているんだよ」
「馬鹿な!そんなことしてただで済むわけが・・・!」

 すなわち、国家反逆罪を起こそうとしているのだ。
 おそらく、息子から反発されることは予想していたのだろう。だから黙っていた。そして、計画が熟しきって引き返せない段階で話すつもりだったのだ。

「お前だって、この国に思うところがあるから平民を補佐に選んだのだろう?」
「違う、俺は婚約者が・・・!!」

 ローゼルアリオンのために。
 ただあいつを肯定するために・・・。

 ・・・待て。

 父は今、計画が持ち上がったのが4、5年前と言った。そのあたりと言えばあいつが魔塔主になったタイミングではなかったか?

 あいつは、どうして平民融和政策をしたんだ?

 優秀な平民を学園にかき集めて、国を転覆するために動いてたんじゃないのか?



 父に連れられて特別にアジトを見た。魔物を服従させる技術が完成したと、自慢げに語っていた。これを使って、いずれは王侯貴族を虐殺する予定なのだと。

 父は笑っていた。肉親のことが、あんなに醜く思えたのはあれが最初で最後だ。

 アジトの記憶は、他はあまり覚えていない。アジトの場所も、ほかに何を開発していたかなども。見たくなかった。

 けれど、帰宅してすぐに、俺は父に猛抗議したのはかろうじて覚えていた。

 雨の降っていた日だった。

「分かってくれ。男爵家が潰されるということは、婚約関係にある子爵家も諸共になる。故に、我が家が潰されれば子爵家も全員が処刑となる。もちろん、お前の母もだ。もう一蓮托生のところまで我々は来ているのだ」

 父は告発を恐れ、息子を説得する。

 国家転覆など、止めなくてはいけない。けれど、俺がここで反発したとて、坂道を転がる岩は勢いがつきすぎて、個人の抵抗では止まることはないだろう。だから建前上、俺は頷いた。

 そこからどうやって学園に戻ったか、記憶にない。転移で戻ったはずなのに、全身が雨で濡れていた。ふと正気に戻り、急いで室内に入って廊下を歩く。

 ローゼルアリオンは、この学園から生贄を出すために平民融和政策をしていた。俺はあいつを信じていたというにもかかわらず、全ての状況があいつの罪を立証する。そして俺はまるで、あいつの計画に沿うように、同じように平民を育てようとしていた。

 信じていたのに、裏切られたような心地だった。

 けれど同時に心の奥底で、まだ信じていたい気持ちだってあった。考えて考えて考えて。しかし心は纏まらず、もはや自分がどうすればいいのかもわからない。

 止めなくては。
 でも、下っ端を強引に止めても、意味がない。ローゼルアリオンという、大本を絶たねば、こんな計画はとん挫しない。


 ローゼルアリオンを言葉で止められるか?
 説得が通じるか?


 いや、出来ない。


 



 婚約者を信じるには、あいつと交わした言葉があまりにも少なすぎた。




 学園の廊下。
 やがて前方から焦ってこちらに走る男子生徒を見かけた。藍のラインのローブを着ている。リンゴの花の刺繍が無いため平民だ。何用だろうか。雨に濡れている俺のことを気にする余裕もなく、男子生徒は俺に話しかける。

「ジェルド教授!!助けてください!僕の友達が、友達が・・・!!」
「どうした、お前は春告げの儀を終えた卒業生だろう?どうしてここに」
「僕のことよりも、友達が大変なんです!先ほど、魔塔の格好をした人たちに強引に連れ去られて・・・!!あいつは平民だけど王宮から選ばれた優秀な奴だったのに!!」

 男子生徒の手には傷だらけのボタンがあった。友人のものなのだろう。俺は「大丈夫」という気休めの声だけをかけ、男子生徒を避難させた。

 魔塔の格好、と彼は言った。それはつまり。

 やはり、考えられる黒幕はただ一人。

 受け取ったボタンを握りしめ、転移で魔塔に向かう。
 ローゼルアリオンは自室で呑気に書類整理していた。その隙をついて光の魔法で短剣を作り、骨の隙間を縫って確実に心臓を貫けるように、背後から刺す。

 婚約者が間違えた道を進んだのなら、止められるのは俺しかいないのだ。

 殺したいわけがなかった。

 けれど、他に選択肢などない。もう、何もかもが手遅れなのだ。
 これ以上罪が重くなる前に、今俺が殺してやれば、計画は止められる。止められずとも、せめて義憤に駆られる者共から婚約者の墓を荒らされるのだけは避けられるかもしれない。既に散々嫌われているうえに、墓石や亡骸にさえも怒りをぶつけられるだろうこと。それだけはせめて避けてやりたかった。
 美しい空色の髪が、血でじわじわと赤に染まる。

 最後に見たローゼルアリオンはこぶしを握り締め、涙を流していた。表情は絶望に満ちていた。ああ、いずれは家に迎えてお前の笑顔を見たかったはずなのに、俺はついぞ泣かせることしかできなかったな。

 その姿を見ていられずに、思わず強めに婚約者の体を投げ捨て、その場を後にした。本当は亡骸の損壊部分を修復して、せめてベッドに横たえようと思っていた。けれど、腕の力が抜け、ただ何もせずその場を後にした。
 愛していた相手の息の根を止め、俺の心臓の奥に張り詰めていた、硬く冷たい氷塊が音もなく砕け散るのを感じた。

 頬を伝う液体は、雨水とは違い、熱い。拭おうと上げた指先が、その流れの速さに追いつかない。目尻に溜まったしずくが次から次へと溢れ出し、顎の線に沿って滑り落ちては、着ていた服の胸元に吸い込まれていく。

 嗚咽はない。肩も震えない。ただ、止めどなく湧き出る泉のように、とめどなく、ただとめどなく涙だけが溢れ続けた。それは、後悔、安堵、そして長い苦しみの果てに辿り着いた、すべての感情の決壊だった。



 あれだけ信じる、守ると誓っておきながら。
 最後の最後で俺は疑ってしまったのだ。
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