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終章 空色の君を思う
最終話 新王アウレリウス
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「よお、待ってたぜ。出立の準備は出来ているが、未練はねえか?」
月の美しい夜。
アウレリウスとひと時を過ごした後、私はスムーズに城を去れるようにあらかじめロギルジョーに話を通しておいた。馬は二頭。実は、この選択をすると決めた時からロギルジョーと乗馬の練習を積んでいた。私は動物に嫌われやすいため至極大変だったが、なんとか相性のいい馬を見つけ出した。本当は空を飛ぶ生物も面白そうだったが、結局私に慣れてくれたのはこの馬だけだったのだ。
箒で空を飛ぶのも考えたが、馬の方が都合がいいことも多い。飛行魔法は慣れていないロギルジョーには難しいという事情もあるが、例えば現代日本では他人の敷地内で無許可でドローンを飛ばすと怒られるように、勝手に箒で飛ぶと怒られることがあるのだ。
「大丈夫だ。すでに準備は整えてある。だが、私こそ確認するがいいのか?少なくとも年単位の旅になるぞ?」
「ったくよお。俺があれだけ頑張ってあんたの弟子になったのに、あんたはホイホイ、アバラとレオに稽古をつけてやるんだからさ。俺の立つ瀬がないんだよ」
馬を撫でて状態を確認しつつ、軽口をたたく。
「もっとすごい魔法使いになりたい。だからあんたが旅をするのなら、俺も付いていく」
「学園はいいのか?」
「あんたの元の方が多くを学べる。言っただろ?あんたの弟子になる覚悟があるって。たとえ死んでも悔いはねえよ」
私は葦毛の馬、ロギルジョーは黒い馬にまたがり、進みだす。厩舎を出て、敷地を出て、裏門を出て。
「にしても、羽根を返せば兄貴があんたへの懸想を断ち切れるって、本当にそんな上手くいくのか?」
「うまく行ってもいい。いかなくてもいい。もしうまく行けば、アウレリウスは他の誰かを妃にして、立派な国に導くさ。ほとぼりの冷めたころに、父子関係に修正していけばいい」
「だから父子は諦めろって!!無理なんだって!!なんでそこだけは徹底して諦めねえんだよ!!・・・まあ、それはいい。で、上手くいかなかったら?」
「・・・妃になるさ。私の命は、あの子の物だ。苦難が待ち受けているだろうが、その時は私は全力であの子に尽くすよ」
王宮はどんどん遠ざかる。仮に今、私の不在にアウレリウスが気が付けたとて、到底追い付けない地点だ。万が一魔力の痕跡を辿って来ようとしないために、二人で魔力を徹底的に抑えて馬を駆けさせているが、少し気を緩ませる。
「あのまま、なし崩しにあの子の思いに応えたとて、私が納得できない。けれど契約破棄の後にそれでも私を想ってくれるのであれば、それはもう本物だろう。だからそれを見極める時間が欲しい」
「それで、その間にどっかで復活してるだろうジェルド教授を探したいんだよな。宛はあるのか?」
ロギルジョーの言葉に、最初の中間テストを受けたあの時を思い出す。あれは、ジェルドの魔力が刻まれたダミーを探すというものだった。あいつの魔力は知りつくしているから、私は一番最初に辿り着いたのだった。
そう、馬で地道に駆け回り、私の感知でジェルドを探す。
あいつには何一つ婚約者らしいことをしてやれなかった。だから、最後にたった一度でいい。会って話がしたい。あいつは私がやってきて迷惑そうな顔をするかもしれない。完全な私の自己満足だ。けれど、それで私の悔いは全て晴れる。
全ての迷いが晴れた後に、アウレリウスへの元へと戻ろう。
月明かりが道を照らしだし、とてもきれいだ。なんて素晴らしい、再スタートだ。
深紅の髪の王子は、朝を告げる鳥の鳴き声を聞いて、その意識を浮上させる。昨晩は本当に幸せだった。長年恋焦がれていた思い人が、ようやく自分の想いを受け入れてくれた。体はまだ気だるいが、けれど朝の逢瀬を楽しみたい。これから先は戴冠式もある。妃の発表もそこでするつもりだ。色々相談して進める必要があるだろう。けれど、幸せな悩みだと自分でも思う。
「んん・・・アリオン・・・?」
隣で寝ているはずのあたたかな感触が無い。ベッドの端まで行ったのだろうか。けれど腕を伸ばすがそれでも感触はない。寝ぼけた目を擦り、彼が寝ているはずの場所に視線をやった。
誰もいない。
「寝相で下に落ちたの?」
そして身を乗り出し確認するが、それでもいない。着替えもなくなっている。
「・・・・・・」
アウレリウスの脳内は警鐘が鳴り響く。
(違う、そんなわけはない。昨日はあれだけ優しく受けいれてくれた。嬉しそうに微笑んでくれていた。違う、違う、違うッ!!)
枕元には綺麗な箱と、手紙があった。震える手を伸ばし、まずは箱を開けた。そこには自分がかつて託した赤い羽根が、綺麗に鎮座していた。
(どうして直接返さず、置いていったのだろう。何故?)
恐怖で心臓が早鐘をうつ。
震える手で便箋を開いた。
急いで目を通し、やがて紙は。手から下にトサリと落ちた。
裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者裏切者
隣にいてくれれば、それでいいと言ったのに。
何度も言ったのに。
黎明戦争から半月。新たな王が即位する。
新たな王の名前をアウレリウス。深紅の美しい長い髪を持ち、深海のように美しい瞳は見る者を魅了する。新たな王として威厳ある装いを身にまとい、やがて国の象徴が誰なのかを知らしめるように民たちの前に出た。
バルコニーに立ち、民たちにその身を表す。軍部の陰謀を打ち砕き、新たな時代を告げる夜明けの王として民たちは歓声を上げていた。
後の歴史書で、この時のアウレリウス王はこう記された。「困難な時代がゆえに、その眼は厳しく、民たちに一切手も降らなければ笑顔をも見せず、ただつぶさに民衆を観察していた」、と。
「フードはちゃんと被れよ?兄貴が室内に戻ったら、俺たちも転移で元の場所に戻るからな?」
「うるさい!私は幼稚園児か!!人がこんだけ密集してたら、見つからんし魔力も辿れんわ!!」
民衆の中に、空色の髪と臙脂の髪を隠すようにフードを被っている男が二人。けれどバルコニーから見えるにはあまりにも小さすぎる。
「・・・気のせいだろうか、今、アウレリウスと目が合った気がする」
「もういいだろ!帰るぞ!!そりゃ!!」
怪しい格好をした二人の男はこうして逃げるようにどこかへ去った。それを見届けると、新王アウレリウスは身を翻して屋内に戻る。
そして周囲の者たちにこう命令を下した。
「全領地、各国境警備、関所、全てに命令を下す。ローゼルアリオンを見つけ、探し、保護し、至急王宮へ連行しろ。しかして傷一つつければ処断は免れないと思え。ああ、一緒にいる臙脂の男は殺して構わない」
新時代を告げるめでたき式典のその日、主役となる新王の目は暗く澱んでいた。
終
月の美しい夜。
アウレリウスとひと時を過ごした後、私はスムーズに城を去れるようにあらかじめロギルジョーに話を通しておいた。馬は二頭。実は、この選択をすると決めた時からロギルジョーと乗馬の練習を積んでいた。私は動物に嫌われやすいため至極大変だったが、なんとか相性のいい馬を見つけ出した。本当は空を飛ぶ生物も面白そうだったが、結局私に慣れてくれたのはこの馬だけだったのだ。
箒で空を飛ぶのも考えたが、馬の方が都合がいいことも多い。飛行魔法は慣れていないロギルジョーには難しいという事情もあるが、例えば現代日本では他人の敷地内で無許可でドローンを飛ばすと怒られるように、勝手に箒で飛ぶと怒られることがあるのだ。
「大丈夫だ。すでに準備は整えてある。だが、私こそ確認するがいいのか?少なくとも年単位の旅になるぞ?」
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馬を撫でて状態を確認しつつ、軽口をたたく。
「もっとすごい魔法使いになりたい。だからあんたが旅をするのなら、俺も付いていく」
「学園はいいのか?」
「あんたの元の方が多くを学べる。言っただろ?あんたの弟子になる覚悟があるって。たとえ死んでも悔いはねえよ」
私は葦毛の馬、ロギルジョーは黒い馬にまたがり、進みだす。厩舎を出て、敷地を出て、裏門を出て。
「にしても、羽根を返せば兄貴があんたへの懸想を断ち切れるって、本当にそんな上手くいくのか?」
「うまく行ってもいい。いかなくてもいい。もしうまく行けば、アウレリウスは他の誰かを妃にして、立派な国に導くさ。ほとぼりの冷めたころに、父子関係に修正していけばいい」
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「・・・妃になるさ。私の命は、あの子の物だ。苦難が待ち受けているだろうが、その時は私は全力であの子に尽くすよ」
王宮はどんどん遠ざかる。仮に今、私の不在にアウレリウスが気が付けたとて、到底追い付けない地点だ。万が一魔力の痕跡を辿って来ようとしないために、二人で魔力を徹底的に抑えて馬を駆けさせているが、少し気を緩ませる。
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「それで、その間にどっかで復活してるだろうジェルド教授を探したいんだよな。宛はあるのか?」
ロギルジョーの言葉に、最初の中間テストを受けたあの時を思い出す。あれは、ジェルドの魔力が刻まれたダミーを探すというものだった。あいつの魔力は知りつくしているから、私は一番最初に辿り着いたのだった。
そう、馬で地道に駆け回り、私の感知でジェルドを探す。
あいつには何一つ婚約者らしいことをしてやれなかった。だから、最後にたった一度でいい。会って話がしたい。あいつは私がやってきて迷惑そうな顔をするかもしれない。完全な私の自己満足だ。けれど、それで私の悔いは全て晴れる。
全ての迷いが晴れた後に、アウレリウスへの元へと戻ろう。
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深紅の髪の王子は、朝を告げる鳥の鳴き声を聞いて、その意識を浮上させる。昨晩は本当に幸せだった。長年恋焦がれていた思い人が、ようやく自分の想いを受け入れてくれた。体はまだ気だるいが、けれど朝の逢瀬を楽しみたい。これから先は戴冠式もある。妃の発表もそこでするつもりだ。色々相談して進める必要があるだろう。けれど、幸せな悩みだと自分でも思う。
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隣で寝ているはずのあたたかな感触が無い。ベッドの端まで行ったのだろうか。けれど腕を伸ばすがそれでも感触はない。寝ぼけた目を擦り、彼が寝ているはずの場所に視線をやった。
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そして身を乗り出し確認するが、それでもいない。着替えもなくなっている。
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アウレリウスの脳内は警鐘が鳴り響く。
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枕元には綺麗な箱と、手紙があった。震える手を伸ばし、まずは箱を開けた。そこには自分がかつて託した赤い羽根が、綺麗に鎮座していた。
(どうして直接返さず、置いていったのだろう。何故?)
恐怖で心臓が早鐘をうつ。
震える手で便箋を開いた。
急いで目を通し、やがて紙は。手から下にトサリと落ちた。
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後の歴史書で、この時のアウレリウス王はこう記された。「困難な時代がゆえに、その眼は厳しく、民たちに一切手も降らなければ笑顔をも見せず、ただつぶさに民衆を観察していた」、と。
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民衆の中に、空色の髪と臙脂の髪を隠すようにフードを被っている男が二人。けれどバルコニーから見えるにはあまりにも小さすぎる。
「・・・気のせいだろうか、今、アウレリウスと目が合った気がする」
「もういいだろ!帰るぞ!!そりゃ!!」
怪しい格好をした二人の男はこうして逃げるようにどこかへ去った。それを見届けると、新王アウレリウスは身を翻して屋内に戻る。
そして周囲の者たちにこう命令を下した。
「全領地、各国境警備、関所、全てに命令を下す。ローゼルアリオンを見つけ、探し、保護し、至急王宮へ連行しろ。しかして傷一つつければ処断は免れないと思え。ああ、一緒にいる臙脂の男は殺して構わない」
新時代を告げるめでたき式典のその日、主役となる新王の目は暗く澱んでいた。
終
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