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後日談 片翼をもがれた不死鳥
A16.宣戦布告
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「おチビお帰り~。調査隊は無事帰ってったで~」
「ああ、対処ご苦労」
「いまだにおチビのそのしゃべり方慣れへんわ。前やったら笑顔で礼言ってくれたのに」
私とロギルジョーは学園に帰還する。まだ調査隊が居座っている可能性も考えて恐る恐る校舎に入ったが、偶然横切ったアバラがいたため、捕まえて事情を聞いているのだ。
「にしても、レオの奴、血眼になっておチビのこと探しとったで?」
「どこまで私の妃に執念を燃やしてるんだ・・・」
アバラは鞄をごそごそと漁った。
「これ。もし、もし仮にこの校舎におチビがおったり、俺がおチビに会ったら、渡してって言われとる奴。渡すな」
手紙を一通渡してきた。丁寧に封がしてあり、レオ個人の生真面目さが封筒からうかがえる。ロギルジョーも隣から私の手元の手紙をまじまじと見る。
「・・・開封したら察知される魔法陣とかねえよな?」
「いや、この私相手にそんな絡め手を使おうなどとは普通思わんだろ。本当にただの手紙のようだ」
私は封を開ける。中には一通の便箋が入っていた。
「なになに・・・」
『アリオンに告ぐ。
陛下は、アリオンにアークランドへ戻るように勅命を下している。もし勅命に反抗し、逃亡を続行する場合、強硬手段を行使する。
直ちに逃亡をやめ、陛下の元へと向かうこと。今からでも決して遅くはない。
陛下は、アリオンという父親のことを案じている。
速やかに帰ってくること。陛下は、アリオンのことを想って泣いている』
読み上げ終えると、ロギルジョーとアバラは苦虫を噛み潰したような顔をする。
「・・・な、なにこれ。なにこの、逆賊に向けて情に訴えようとしている手紙は。え?俺たち国賊扱いされてる?」
「これってレオの字やな。陛下が直々に書いたってわけじゃないんや・・・。・・・お、おチビ、ど、どしたん??」
手紙には、私のことを父と書いていた。手紙を持つ手が震える。
「アウレリウスが、ついに、やっと、私のことを父と認めてくれた・・・?」
体が勝手にアークランドの方向へ向けてふらふらと進みだす。それをアバラとロギルジョーが同時に掴んで止めた。
「罠だ!!100%罠に決まってるだろ!!」
「罠でもいい、罠でもいいんだ・・・!!」
「目を覚ませ!!兄貴があんたのことを父親って慕うわけがねぇから!!この手紙はあんたをおびき寄せて、ザクっと殺すためだよ!!」
私の頭の中には、行方不明の父を想って一人涙を流すアウレリウスが浮かぶ。駄目だ、可愛い息子のことを思うと、足が勝手に動く。それも反抗期と思ってた息子が、実は思ってくれていたような。
そんな私を、ロギルジョーとアバラで拘束する。
「はあ、はあ。流石はレオだな。何がこの人の心に刺さるのか、ちゃんと分かってやがる」
「親子路線で押せばおチビがなびくと思ったんやろうなあ。大正解や」
それにしても、以前はこのレオを含めた四人で仲良く授業を受けていたのに、うち一人が敵対することになるとは。
「まあ、そうでなくともこの国で安全に出産を経たいあんたにとっては、どのみち無視せざるを得ない話なんだよな。手紙、燃やしとくぜ」
男の出産は何が起こるか分からない。括約筋とかどうなるんだろうな。不思議だな。イヴリン嬢曰く、そのあたりはちゃんと体の造りが変化しているらしいが、戦前の空気でこの国から動けないライゼル王子がここにいる以上は、どうであれ確実に出産をすることを考えるとアークランドには帰られない。
話は終わり、アバラは次の授業があるようで、私達とは別れる。一方の私は本日は授業は無く、フリーの日だ。ロギルジョーと共に部屋に戻る。ロギルジョーは乱雑に椅子に座り、私に視線を向ける。
「で?例のあの人との対話はどうだったんだ?」
あの時私とジェルドが何を話したのかを、ロギルジョーには共有していない。故に、ずっと気になっていたのだろう。
「ああ、おかげで心残りは払拭できたよ」
「な?話して良かったろ?」
悔しいが、ロギルジョーの言う通りだ。話さずあの場から去ったのなら、きっと永遠に心に痛みを抱えて生きていくことになりそうだ。けれど、会って、話して。未練に区切りはつけられた。
「思うんだけどよ」
満足そうな私とは裏腹に、ロギルジョーは口を開く。
「あんた、ひょっとしてあのままあの人と結ばれた方が幸せなんじゃねえのか?あの人はもう二度とあんたに危害を加えない。ローゼルアリオンを世界で一番幸せにできるのはひょっとしたら・・・って思うんだ」
「・・・たわけ。私は既にアウレリウスの子を妊娠している。そんな奴を隣に伴うなんていうのは、あいつにとっても拷問に等しい所業だろう」
「でもな、まだ間に合うと思うんだ。それこそ、二人で世界の果てにでも逃げてさ。・・・あ、そこには弟子の俺も頼むから連れてってくれよ」
ジェルドと二人で?
それは・・・考えていなかった。
お腹の子は、今の話に不服だったのかポコポコ動いた気がした。落ち着かせるように、優しく腹を撫でる。
「もう色恋は御免だ。それでいい」
「そうか。余計なことを言っちまったな」
ジェルドと私が恋愛関係に発展することは、もうない。私たちの関係は、決着がついたのだ。けれど。
「・・・あの村は国境に近い。統制領ガイストとの緊張状態を、せめて解消してやりたい」
あの場所はこれからも斥候が送り込まれるだろう。せめてあいつが心穏やかに過ごせるように。それが私からできる唯一のことだろう。
そうこう話していると、部屋の外から足音が聞こえる。音の感じから、焦っている様子だ。
「ん?誰かこっちに来るな。この足音は・・・ライゼル王子か」
やがてノックが三回響く。予想通り、ライゼル王子がやってきた。
「突然申し訳ございません。急ぎご連絡したいことができました」
ライゼル王子は呼吸が乱れている。私は急ぎ椅子に座ることを勧め、落ち着くまで待つ。
「・・・我が国エデンリーフは、統制領ガイストから正式に宣戦布告を受けました」
「開戦、か」
ついに恐れていたことが始まる。ジェルドの村は地形的に落としにくいが、しかし真っ先に狙われるだろう。
戦争は、一方の完全な勝利か、双方の合意が無ければ終わらない。しかし、敗戦国の末路とはひどいものだ。土地を蹂躙され、人々は殺される。生き残れても良くて併合、悪くて植民地となってしまえば、以後は本国の都合の良い駒になり、税金も不当に上乗せされる。
「ローゼルアリオン殿。妊娠中の貴方にお願いするのは大変心苦しいことではありますが、しかし。お願いします。我が国の力となっていただけませんか?」
深々と、ライゼル王子は私に頭を下げた。
「一応尋ねるが、この件についてアークランドから何か連絡が来てはいないか?」
「・・・ええ、ロージという男性が私に。なんでも、ローゼルアリオン殿を差し出せば、アークランドはエデンリーフへ全面的な援助をしてくれるとのことです」
我が子爵家は爵位剥奪を受けたのにもかかわらず、アウレリウスはロージを使者として任命したということなのか。本当に、私一人を仕留めるために、アウレリウスはあの手この手を講じているというわけなのだ。戦争が隣国で始まれば当然忙しくなるだろうに、私なぞに手をまわしている。もはや執念の域だろう。
「で、ライゼル王子はなんて答えたんだよ」
「保留に・・・しております」
苦しそうに答えた。アークランドの助力は喉から手が出るほど欲しいのだろう。しかし、私をここで無事に出産させると契約した以上は、私を裏切れない。アウレリウスとローゼルアリオン。どっちが恐ろしいかと言われれば、ライゼル王子たちにとっては正確に測れるものではないのだ。
・・・いや、温和なライゼル王子のことだ。契約が無かったとて人情から私を差し出す行為は出来ないのだろう。
私は目を閉じ、腹をさする。
「アークランドからの助力、受け入れてほしい」
「!?」
「おいおい、それじゃああんたが殺されるだろ!?」
年貢の納め時、なのだろう。
逃げて逃げて逃げて。私のこの逃亡に、ロギルジョー、アバラ、イヴリン嬢など様々な人が手を貸してくれた。けれど、やがては限界が訪れる。妊婦が、いや産後に至っては新生児を抱えながら逃亡生活が出来るわけがない。
だというのにアウレリウスは、決してあきらめることはない。
この調子ではアバラもイヴリン嬢も、今は良くてもアークランドに帰った後に、私の逃亡を幇助した罪で裁かれる可能性だってある。
本当に、人間というのは誰かの力を借りずには生きてはいけない。こうして妊娠して窮地に陥り、手を貸してもらって悟るとは。
そして何より。今の私はジェルドの幸せを祈っているのだ。だから、エデンリーフには平和でいてもらわなくては困る。
「でも、身重の私がアウレリウスの元へ行って処刑されれば、お腹の子も私に巻き込まれて命を落とすことになる。だから、条件付きで承諾をしてほしい。予定日がずれることを考えてひと月以降。そこで私を引き渡すというように」
時間は稼ぐ。待ちさえすれば獲物が殺せると分かれば、アウレリウスも少しは頭が冷える可能性だってある。仮にそうでなくとも、この命は不死鳥の守りをくれたアウレリウスの為にある。すると私の死があの子の強い望みであるのなら、大人しく殺されるというのも私にふさわしい最期になるのだろう。
どうか、最後にあの子と和解が出来ますように。例え向こうから憎まれていても、私は愛しているのだから。
「ああ、対処ご苦労」
「いまだにおチビのそのしゃべり方慣れへんわ。前やったら笑顔で礼言ってくれたのに」
私とロギルジョーは学園に帰還する。まだ調査隊が居座っている可能性も考えて恐る恐る校舎に入ったが、偶然横切ったアバラがいたため、捕まえて事情を聞いているのだ。
「にしても、レオの奴、血眼になっておチビのこと探しとったで?」
「どこまで私の妃に執念を燃やしてるんだ・・・」
アバラは鞄をごそごそと漁った。
「これ。もし、もし仮にこの校舎におチビがおったり、俺がおチビに会ったら、渡してって言われとる奴。渡すな」
手紙を一通渡してきた。丁寧に封がしてあり、レオ個人の生真面目さが封筒からうかがえる。ロギルジョーも隣から私の手元の手紙をまじまじと見る。
「・・・開封したら察知される魔法陣とかねえよな?」
「いや、この私相手にそんな絡め手を使おうなどとは普通思わんだろ。本当にただの手紙のようだ」
私は封を開ける。中には一通の便箋が入っていた。
「なになに・・・」
『アリオンに告ぐ。
陛下は、アリオンにアークランドへ戻るように勅命を下している。もし勅命に反抗し、逃亡を続行する場合、強硬手段を行使する。
直ちに逃亡をやめ、陛下の元へと向かうこと。今からでも決して遅くはない。
陛下は、アリオンという父親のことを案じている。
速やかに帰ってくること。陛下は、アリオンのことを想って泣いている』
読み上げ終えると、ロギルジョーとアバラは苦虫を噛み潰したような顔をする。
「・・・な、なにこれ。なにこの、逆賊に向けて情に訴えようとしている手紙は。え?俺たち国賊扱いされてる?」
「これってレオの字やな。陛下が直々に書いたってわけじゃないんや・・・。・・・お、おチビ、ど、どしたん??」
手紙には、私のことを父と書いていた。手紙を持つ手が震える。
「アウレリウスが、ついに、やっと、私のことを父と認めてくれた・・・?」
体が勝手にアークランドの方向へ向けてふらふらと進みだす。それをアバラとロギルジョーが同時に掴んで止めた。
「罠だ!!100%罠に決まってるだろ!!」
「罠でもいい、罠でもいいんだ・・・!!」
「目を覚ませ!!兄貴があんたのことを父親って慕うわけがねぇから!!この手紙はあんたをおびき寄せて、ザクっと殺すためだよ!!」
私の頭の中には、行方不明の父を想って一人涙を流すアウレリウスが浮かぶ。駄目だ、可愛い息子のことを思うと、足が勝手に動く。それも反抗期と思ってた息子が、実は思ってくれていたような。
そんな私を、ロギルジョーとアバラで拘束する。
「はあ、はあ。流石はレオだな。何がこの人の心に刺さるのか、ちゃんと分かってやがる」
「親子路線で押せばおチビがなびくと思ったんやろうなあ。大正解や」
それにしても、以前はこのレオを含めた四人で仲良く授業を受けていたのに、うち一人が敵対することになるとは。
「まあ、そうでなくともこの国で安全に出産を経たいあんたにとっては、どのみち無視せざるを得ない話なんだよな。手紙、燃やしとくぜ」
男の出産は何が起こるか分からない。括約筋とかどうなるんだろうな。不思議だな。イヴリン嬢曰く、そのあたりはちゃんと体の造りが変化しているらしいが、戦前の空気でこの国から動けないライゼル王子がここにいる以上は、どうであれ確実に出産をすることを考えるとアークランドには帰られない。
話は終わり、アバラは次の授業があるようで、私達とは別れる。一方の私は本日は授業は無く、フリーの日だ。ロギルジョーと共に部屋に戻る。ロギルジョーは乱雑に椅子に座り、私に視線を向ける。
「で?例のあの人との対話はどうだったんだ?」
あの時私とジェルドが何を話したのかを、ロギルジョーには共有していない。故に、ずっと気になっていたのだろう。
「ああ、おかげで心残りは払拭できたよ」
「な?話して良かったろ?」
悔しいが、ロギルジョーの言う通りだ。話さずあの場から去ったのなら、きっと永遠に心に痛みを抱えて生きていくことになりそうだ。けれど、会って、話して。未練に区切りはつけられた。
「思うんだけどよ」
満足そうな私とは裏腹に、ロギルジョーは口を開く。
「あんた、ひょっとしてあのままあの人と結ばれた方が幸せなんじゃねえのか?あの人はもう二度とあんたに危害を加えない。ローゼルアリオンを世界で一番幸せにできるのはひょっとしたら・・・って思うんだ」
「・・・たわけ。私は既にアウレリウスの子を妊娠している。そんな奴を隣に伴うなんていうのは、あいつにとっても拷問に等しい所業だろう」
「でもな、まだ間に合うと思うんだ。それこそ、二人で世界の果てにでも逃げてさ。・・・あ、そこには弟子の俺も頼むから連れてってくれよ」
ジェルドと二人で?
それは・・・考えていなかった。
お腹の子は、今の話に不服だったのかポコポコ動いた気がした。落ち着かせるように、優しく腹を撫でる。
「もう色恋は御免だ。それでいい」
「そうか。余計なことを言っちまったな」
ジェルドと私が恋愛関係に発展することは、もうない。私たちの関係は、決着がついたのだ。けれど。
「・・・あの村は国境に近い。統制領ガイストとの緊張状態を、せめて解消してやりたい」
あの場所はこれからも斥候が送り込まれるだろう。せめてあいつが心穏やかに過ごせるように。それが私からできる唯一のことだろう。
そうこう話していると、部屋の外から足音が聞こえる。音の感じから、焦っている様子だ。
「ん?誰かこっちに来るな。この足音は・・・ライゼル王子か」
やがてノックが三回響く。予想通り、ライゼル王子がやってきた。
「突然申し訳ございません。急ぎご連絡したいことができました」
ライゼル王子は呼吸が乱れている。私は急ぎ椅子に座ることを勧め、落ち着くまで待つ。
「・・・我が国エデンリーフは、統制領ガイストから正式に宣戦布告を受けました」
「開戦、か」
ついに恐れていたことが始まる。ジェルドの村は地形的に落としにくいが、しかし真っ先に狙われるだろう。
戦争は、一方の完全な勝利か、双方の合意が無ければ終わらない。しかし、敗戦国の末路とはひどいものだ。土地を蹂躙され、人々は殺される。生き残れても良くて併合、悪くて植民地となってしまえば、以後は本国の都合の良い駒になり、税金も不当に上乗せされる。
「ローゼルアリオン殿。妊娠中の貴方にお願いするのは大変心苦しいことではありますが、しかし。お願いします。我が国の力となっていただけませんか?」
深々と、ライゼル王子は私に頭を下げた。
「一応尋ねるが、この件についてアークランドから何か連絡が来てはいないか?」
「・・・ええ、ロージという男性が私に。なんでも、ローゼルアリオン殿を差し出せば、アークランドはエデンリーフへ全面的な援助をしてくれるとのことです」
我が子爵家は爵位剥奪を受けたのにもかかわらず、アウレリウスはロージを使者として任命したということなのか。本当に、私一人を仕留めるために、アウレリウスはあの手この手を講じているというわけなのだ。戦争が隣国で始まれば当然忙しくなるだろうに、私なぞに手をまわしている。もはや執念の域だろう。
「で、ライゼル王子はなんて答えたんだよ」
「保留に・・・しております」
苦しそうに答えた。アークランドの助力は喉から手が出るほど欲しいのだろう。しかし、私をここで無事に出産させると契約した以上は、私を裏切れない。アウレリウスとローゼルアリオン。どっちが恐ろしいかと言われれば、ライゼル王子たちにとっては正確に測れるものではないのだ。
・・・いや、温和なライゼル王子のことだ。契約が無かったとて人情から私を差し出す行為は出来ないのだろう。
私は目を閉じ、腹をさする。
「アークランドからの助力、受け入れてほしい」
「!?」
「おいおい、それじゃああんたが殺されるだろ!?」
年貢の納め時、なのだろう。
逃げて逃げて逃げて。私のこの逃亡に、ロギルジョー、アバラ、イヴリン嬢など様々な人が手を貸してくれた。けれど、やがては限界が訪れる。妊婦が、いや産後に至っては新生児を抱えながら逃亡生活が出来るわけがない。
だというのにアウレリウスは、決してあきらめることはない。
この調子ではアバラもイヴリン嬢も、今は良くてもアークランドに帰った後に、私の逃亡を幇助した罪で裁かれる可能性だってある。
本当に、人間というのは誰かの力を借りずには生きてはいけない。こうして妊娠して窮地に陥り、手を貸してもらって悟るとは。
そして何より。今の私はジェルドの幸せを祈っているのだ。だから、エデンリーフには平和でいてもらわなくては困る。
「でも、身重の私がアウレリウスの元へ行って処刑されれば、お腹の子も私に巻き込まれて命を落とすことになる。だから、条件付きで承諾をしてほしい。予定日がずれることを考えてひと月以降。そこで私を引き渡すというように」
時間は稼ぐ。待ちさえすれば獲物が殺せると分かれば、アウレリウスも少しは頭が冷える可能性だってある。仮にそうでなくとも、この命は不死鳥の守りをくれたアウレリウスの為にある。すると私の死があの子の強い望みであるのなら、大人しく殺されるというのも私にふさわしい最期になるのだろう。
どうか、最後にあの子と和解が出来ますように。例え向こうから憎まれていても、私は愛しているのだから。
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