欲望の館〜ウザい奴らは消えてゆく〜

猫屋敷 鏡風

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放課後

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音緒はいじめの事は雁翔や剣には黙っていた。
2人も受験勉強が忙しいのに邪魔をしたくなかったから。
それに、いじめっ子が怖いとか、いじめられて辛いとか死にたいとは思わなかった。

ただ、『邪魔』だとは思ったが。


ある日の放課後、音緒は1人教室に残っていた。
いじめっ子に破られて提出出来なかった宿題を、居残りをしてやるように教師に言われたからだ。
片須と毒島は学年一の問題児。
教師も出来るだけ関わりたくないので、いじめなども見て見ぬ振りをする。

この量破くとか鬼畜かよあいつら。
つーか他にやる事無いんだな。
自分達も受験生だろっての。

音緒が書いた答えを思い出しながら空欄を埋めていると、

「い、十六夜君…」

声のする方を見ると、そこには1人の女子生徒がいた。

「和山さん?」

そう。新年度早々、音緒がいじめっ子から助けた女子生徒、和山 雪心(ワヤマ ユキミ)だった。

「どうした?忘れ物?」

音緒が尋ねると、雪心は音緒の机の前まで来て、

「ごめんなさい!!」

と深く頭を下げた。

「?え、な、何が…?」

音緒は何故雪心に謝られるのか分からず、思わずそう聞いてしまう。

「だ、だって、私のせいで十六夜君が……片須と毒島に…。」

…なんだ。そんなことか。
と思いながら、音緒は雪心を見た。

「和山さんは何も悪く無いよ。俺、あいつらの事なんか眼中に無いし。女子いじめる男子って見ててキモいからターゲット俺に変わって良かったじゃん?俺のせいで罪悪感とかあったのなら、俺こそごめんね?」

「そ、そんな、十六夜君は謝らないで…!」

音緒は、ぶんぶんと首を横に振る雪心を見て、犬みたいで面白いなこの人と思った。

「そ、それでね。私が来たのは、これを渡すためなの!」

雪心は背負っていたリュックから何かを取り出した。

「これ…捨てられてたから、あいつらがいない時に回収して…。」

雪心が差し出したのは、落書きがされた教科書やノート、そして、体操着と上履きだった。

「体操着と上履きは昨日見つけて…持って帰って洗ったからそのまま使って大丈夫だよ。…教科書とノートはペンで落書きされてるからそのままだけど…」

…あいつらに見つかるとタダじゃ済まなかっただろうに。悪いことさせたな…。

「ありがとう。和山さん。でも、あいつらに見つかるとヤバイから今度からはフツーにシカトしてくれていいよ?」

音緒がそう言うと、雪心は少し困った顔をした。

その後、雪心は下校し、しばらくすると音緒も宿題を終えて帰った。
(最初は、雪心は一緒に帰ろうとしてきたが、音緒はいじめっ子に見られるとまずいと思い、断ったのだ。)
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