私のための小説

桜月猫

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89話

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 キン!キン!キン!

「外野がなんかうるさい気がするけど、白のことを教えてくれないか?」
「その前に、ここに呼びたい人達がいるのですが、いいですか?」
「呼びたい人達?」

 公は首を傾げた。

「はい。今回のことに関わりのある人達です」

 その言葉に公は頷いた。

「いいよ」
「ありがとうございます」

 公の了承をえた雛は早速スマホを取り出して電話をかけはじめた。

「もしもし」

 キン!キン!キン!

「うん。待ってるね」

 電話を終えてスマホをしまった雛は公に微笑みかけた。

「すぐに来るそうです」
「そう。ならなにか食べながら待たないか?」

 公は雛にメニューを差し出した。

「そうですね」

 雛がメニューを開いたのを見て公もメニューを開いた。

「公様はなにを注文されるのですか?」
「そうだな」

 少し悩んで公が決めたメニューは、

「ティラミスにしようかな。雛は?」
「私はストロベリーパフェにします」

 注文するものも決まったので、公はベルで店員を呼んだ。

「お呼びでしょうか?」
「ティラミスとストロベリーパフェ」
「かしこまりました」

 注文をうけた店員は一礼して厨房のほうへ戻っていった。

「そういえば、公様」
「なに?」
「15日から18日までのご予定はお決まりですか?」

 少し考えた公は首を振った。

「今のところはとくに予定はないけど」

 公の答えを聞いた雛は顔をほころばせた。

「でしたら、桜様達も誘ってうちの別荘に遊びに来ませんか?」
「別荘?」
「はい。どうでしょうか?」

 唐突な提案に公は頭を掻いた。

「ご迷惑でしたか?」

 公の反応を見て、雛の表情は少し曇った。

「逆に俺達が別荘に行くほうが迷惑なんじゃないか?」
「そんなことないですよ!」

 キン!キン!キン!

 立ち上がった雛は公に迫った。

「そ、そう、なのか?」

 雛の勢いに公が少し驚いた。

「はい!お父さんもお母さんも公様達が来てくれたら嬉しいと言ってましたし、全然迷惑なんかじゃありませんから!」
「わかったから、落ち着いて」

 公になだめられた雛は、身を乗り出してかなり公と接近していることに気づき、顔を赤くしながら席に座り直した。

「えっと、ですので、遠慮はいりません」

 気を取り直して雛がそう言うと、公は苦笑した。

「いちよう、桜達には聞いてみるよ」
「お願いします」

 話がまとまったタイミングでティラミスとストロベリーパフェがやって来た。

「いただきます」

 ストロベリーパフェを食べ始める雛。公もティラミスを一口。

「うまいな」
「そうですね」

 笑顔の雛を見て公も笑顔になった。

「あの!一口もらってもいいですか?」

 雛は物欲しそうな顔でティラミスを見つめていた。

「いいよ」

 公はティラミスをすくうと雛へ差し出した。

「えっ………」

 まさかそこまでしてくれるとは思っていなかった雛は固まった。

「どうしたの?いらないの?」

 キン!キン!キン!

「いえ!いります!」
「じゃあ」

 公がスプーンを差し出すと、雛は頬を赤くしながらティラミスを食べた。

『あー!』

 その叫び声にビクッとした雛。
 公はびっくりすることはなかったが、声のしたほうを見ると、こちらを指さす2人組がいた。
 しかも、その2人はこちらに近づいてきた。

「雛先輩!白のことで話があるっていうから来たのにこれはどういうことですか!?」
「まさか、見せつけるために私を呼んだのですか!?」

 2人に「あ~ん」をしているところを見られた雛は、顔を赤くしながら顔を左右にブンブンと振った。

「なら、さっきのは一体なんなんですか!」
「納得できる説明をしていただけるのですよね!」

 さらに雛に迫る2人。

「お、落ち着いて。とりあえず落ち着いて」

 2人を落ち着かせようと必死に声をかけるが、2人はさらにヒートアップした。

『これが落ち着いていられますか!』
「ひゃっ!」

 雛が後ずさるが2人は逃がさないとばかりに迫った。

「雛先輩!本当に白のことの話なんですか!?」
「そ、そうよ」

 キン!キン!キン!

「じゃあ!イチャイチャしていたのはなんでですか!?」

 イチャイチャしていたと言われた雛はさらに顔を赤らめ、そんな雛を見た2人はさらに視線を鋭くした。

「イ、イチャイチャしてたわけじゃないわよ!」
『してました!』

 ズイズイと迫ってくる2人をドウドウと手でせいすが、2人は止まらない。

 キン!キン!キン!

『作者!うるさい!』
「そうだな。最初からキンキンうるさかったけど、なにしてるんだ?」

 雛と2人の会話を静かに見たいた公もそれは疑問に思っていたので会話に参加してきた。

≪申し訳ございません≫

 反応したのはロマだ。

≪マスターがまた脱線しようとしていたので阻止していたのです≫

 だからって、真剣で斬りかかってくる!?

 キン!キン!キン!

≪これぐらいしないとマスターは止まらないので!≫

 キン!キン!キン!

 これだと、止めるというより殺すだよ。

 キン!キン!キン!

≪マスターは殺しても死なないでので≫

 キン!キン!キン!

 死ぬわよ!さすがに真剣で斬られたら死ぬからね!

 キン!キン!キン!

≪マスターは死にません≫
「死なないな」

 公までそんなことを言ってきた。

 死ぬからね!

 ロマとつばぜり合いをしながら私は叫んだ。

≪じゃあ、この作品のためにも死んでください!≫

 私が死んだらこの作品は終わるんだよ!

≪こんな作品なくなっても誰も気にしないので、死んでください!≫

 い・や・だ!

『作者うるさい!』

 怒られるの私だけ!?

 2人が私にだけ文句を言ってきた。

 それを言うなら、2人もさっきから喫茶店の中で大声で叫んでるじゃない!

 私の指摘でハッとした2人は回りを見回した。
 回りのお客達は雛達のことを、好奇・迷惑・嫉妬などの目で見ていた。
 それに気づいた2人は恥ずかしくなったのか、顔を赤くしながらうつ向いて席に座った。
 それを見てしてやったりとニヤニヤしていると、

 うわっ!

 ロマが振り下ろした真剣をギリギリで回避した。

 ロマ!止めなさい!

≪マスターがマトモに執筆すれば止めますよ!≫

 今回は普通に執筆してるじゃない!

≪私がこうして斬りかかっているからですよね!でなければ、88話の冒頭みたいに脱線してましたよね!≫

 脱線する気満々だった私は反論できずに口を閉じた。

≪ほら!やっぱり!≫

 くそ!こうなったらとことんやるしかないみたいね!

≪望むところです!≫
<やるにしても、ここでやられると本編のほうに音が入るから別でやってくれないかい?>

 わかったわよ!それじゃあマロ!執筆お願いね!

<はいはい>

 マスターとロマが別空間に移動した。

<と、いうわけで、次からは執筆AI2号の俺、マロが執筆させてもらうから、よろしくな>
『よろしく』
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