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90話
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回りの目に気づいたことにより、2人が恥ずかしがって静かになったので、公は雛に話しかけた。
「雛。この2人が今回の件に関係ある2人なのか?」
「はい。白の友達の赤と青です」
雛から白の友達と紹介された2人の表情はどこか暗かった。
「赤、青。この人は家出した白を保護してくれている公様です」
雛の説明に2人がバッと公のほうを向いた。
「どうも」
『どうも』
公が軽く頭を下げると2人も軽く頭を下げ、そしてじっと公を見つめた。
その視線を受けながら公は雛に問いかけた。
「そういえば、雛と白はどういう関係なんだ?」
「白は幼なじみで妹みたいな存在です」
そう言う雛の表情も少し暗くなった。
その様子を見た公は頭を掻いた。
<家出をした白の話だから楽しい話になるとは思っていないけど、はじめからそんな顔して話してたら最後までもたないよ>
俺の言葉に雛・赤・青の3人は顔を見合わせた。
<話の内容が内容だから笑って話せとは言わないけど、もう少し普通に話してもいいんじゃないかい?>
「それもそうですね」
雛の表情から暗さがなくなった。
「じゃあ、白の家出の理由とか教えてくれるか?」
雛が落ち着いたのを見て、公が話を進めるために問いかけた。
公の問いに雛は赤と青に視線を向けた。
雛の視線をうけた2人は頷いた。
それを見て、雛は公を見つめた。
「ちゃんとした理由は本人に聞かないとわからないけど、考えられる理由は2つあります。1つは家庭の理由です」
「家庭の理由か」
「はい。白と家族との仲は悪くはありません。ただ、白の将来に関してだけいえば、白は父親と対立しています」
「対立?」
公が首を傾げていると、雛が説明を始めた。
「はい。白の将来の夢は歌手です。しかし、父親からは、『歌手なんて売れるかどうかもわからない、収入をえられるかどうかもわからない歌手になるなんて認めない』と言われたらしいのです。それから白は将来のことで何度か父親と言い争ったことがあるので、今回の家出にも関係していると思います」
雛の説明を聞いた公は顎に手をあてて少し考えた。
それから雛を見ると、
「もう1つの考えられる理由はなに?」
「それは」
「それは、私達から説明させてください」
赤が雛の説明を止め、隣では青も頷いていた。
「いいの?」
『はい』
心配そうな雛に2人は力強い頷きを返し、公を見つめた。
「もう1つの考えられる理由は学校でのいじめです」
その言葉に、公はあまりいい表情をしなかった。
その表情を見た3人は表情を暗くした。
<はいはい>
俺は手を叩いた。
<公。気持ちはわからなくはないが、今は話を聞くことが優先なんだからそんな表情するなよ>
「あぁ。すまない」
公は軽く頬を叩いて表情を戻した。
<それに、3人も話すって決めたんだろ?なら、最後まで説明を頑張らないとな>
「そう、ですね」
「頑張ります」
気合いを入れ直した赤と青は説明を続けた。
「いじめが始まったのは去年の夏からです」
「いじめを始めたのは春に転校してきた大企業の令嬢でした」
「理由は自分のもとにつかなかったから」
「やっていることは基本無視です。そして、それは高校生になった今でも続いています」
あまりにも低レベルのいじめに公は額に手を当てて呆れていた。
「でも、赤や青がいるなら、いじめが理由になることはないんじゃないの?」
すると、2人は顔を見合わせた。
「私達はいじめが始まってからも白と一緒にいようとしたんです」
「だけど、白が『私と一緒にいると2人にも迷惑がかかるから』と言って私達を遠ざけているのです」
「う~ん」
公はなんともいえない表情をしながら頭を掻いた。
「やっぱりいじめは家出に関係ないな」
そう決めつけた公の言葉に3人は驚いていた。
<俺もそう思うね>
「ど、どうしてそう思うのですか?」
赤は公に迫った。
「そもそも、1年もいじめを受け続けていたのに今さらそれを理由に家出するとは思えない。それに、俺が初めて白と会った時、白はボディーガードに終われていた。だから、家出の理由は父親との喧嘩だろう」
公の考えを聞いた3人は納得したように頷いた。
「それに、もしいじめが家出した理由だったとしたら、2人にも責任があるんじゃないか?」
『!!』
そんなことを言われるとは思わなかった赤と青は驚きながら公を見た。
「だってそうだろ。2人はそのいじめを止めさせるわけでも、白を助けるわけでもなかったんだからな」
「それは白が私達を遠ざけているからで」
「それを受け入れている時点でいじめに加担しているようなものなんだよ」
『そんなことは!』
<はいはい>
俺は言い争いになりそうだったので話に割り込んだ。
<今はいじめについて話す時じゃないんじゃないかい>
「そうだな」
『はい』
3人が落ち着いたので、俺は公に問いかけた。
<それで、話を聞いたうえで公はどうするつもりなんだ?>
その答えが気になる3人は公を見つめた。
「とりあえずはどうもする気はないな」
公の答えに3人はポカンとした。
「何もしないの?」
「あぁ何もしない」
「じゃあ、雛先輩を呼び出して白のことを聞いたのですか?」
赤の少し睨むような視線に公は頭を掻いた。
「雛を呼び出したのは、雛に聞けば白のことをなにか少しぐらい知ることが出来るかな?ぐらいの軽い理由だからな~。だから、まさかここまで深い話を聞けると思ってなかったし、家出の理由が家の事情なら他人である俺が首を突っ込むわけにもいかないからなにもしないんだよ」
公の言い分を理解した赤は何も言わなくなったが、それでも公を睨むように見ることはやめなかった。
そんな赤の態度にため息を吐きながら立ち上がった公は、雛に微笑みかけた。
「雛。今日はありがとな」
「いえ。お役に立ててなによりです」
雛が微笑み返すと、公は伝票を手に取った。
「ここの支払いはやっておくから」
「いえ。自分の分は」
「いいから」
財布を取り出そうとした雛を公が制した。
<雛。ここは素直に公に払わしてあげなよ。それが男ってものなんだからさ>
「わかりました。ご馳走になります」
「あぁ。またな」
「はい」
雛の笑顔に見送られ、公はレジへと向かった。
「雛。この2人が今回の件に関係ある2人なのか?」
「はい。白の友達の赤と青です」
雛から白の友達と紹介された2人の表情はどこか暗かった。
「赤、青。この人は家出した白を保護してくれている公様です」
雛の説明に2人がバッと公のほうを向いた。
「どうも」
『どうも』
公が軽く頭を下げると2人も軽く頭を下げ、そしてじっと公を見つめた。
その視線を受けながら公は雛に問いかけた。
「そういえば、雛と白はどういう関係なんだ?」
「白は幼なじみで妹みたいな存在です」
そう言う雛の表情も少し暗くなった。
その様子を見た公は頭を掻いた。
<家出をした白の話だから楽しい話になるとは思っていないけど、はじめからそんな顔して話してたら最後までもたないよ>
俺の言葉に雛・赤・青の3人は顔を見合わせた。
<話の内容が内容だから笑って話せとは言わないけど、もう少し普通に話してもいいんじゃないかい?>
「それもそうですね」
雛の表情から暗さがなくなった。
「じゃあ、白の家出の理由とか教えてくれるか?」
雛が落ち着いたのを見て、公が話を進めるために問いかけた。
公の問いに雛は赤と青に視線を向けた。
雛の視線をうけた2人は頷いた。
それを見て、雛は公を見つめた。
「ちゃんとした理由は本人に聞かないとわからないけど、考えられる理由は2つあります。1つは家庭の理由です」
「家庭の理由か」
「はい。白と家族との仲は悪くはありません。ただ、白の将来に関してだけいえば、白は父親と対立しています」
「対立?」
公が首を傾げていると、雛が説明を始めた。
「はい。白の将来の夢は歌手です。しかし、父親からは、『歌手なんて売れるかどうかもわからない、収入をえられるかどうかもわからない歌手になるなんて認めない』と言われたらしいのです。それから白は将来のことで何度か父親と言い争ったことがあるので、今回の家出にも関係していると思います」
雛の説明を聞いた公は顎に手をあてて少し考えた。
それから雛を見ると、
「もう1つの考えられる理由はなに?」
「それは」
「それは、私達から説明させてください」
赤が雛の説明を止め、隣では青も頷いていた。
「いいの?」
『はい』
心配そうな雛に2人は力強い頷きを返し、公を見つめた。
「もう1つの考えられる理由は学校でのいじめです」
その言葉に、公はあまりいい表情をしなかった。
その表情を見た3人は表情を暗くした。
<はいはい>
俺は手を叩いた。
<公。気持ちはわからなくはないが、今は話を聞くことが優先なんだからそんな表情するなよ>
「あぁ。すまない」
公は軽く頬を叩いて表情を戻した。
<それに、3人も話すって決めたんだろ?なら、最後まで説明を頑張らないとな>
「そう、ですね」
「頑張ります」
気合いを入れ直した赤と青は説明を続けた。
「いじめが始まったのは去年の夏からです」
「いじめを始めたのは春に転校してきた大企業の令嬢でした」
「理由は自分のもとにつかなかったから」
「やっていることは基本無視です。そして、それは高校生になった今でも続いています」
あまりにも低レベルのいじめに公は額に手を当てて呆れていた。
「でも、赤や青がいるなら、いじめが理由になることはないんじゃないの?」
すると、2人は顔を見合わせた。
「私達はいじめが始まってからも白と一緒にいようとしたんです」
「だけど、白が『私と一緒にいると2人にも迷惑がかかるから』と言って私達を遠ざけているのです」
「う~ん」
公はなんともいえない表情をしながら頭を掻いた。
「やっぱりいじめは家出に関係ないな」
そう決めつけた公の言葉に3人は驚いていた。
<俺もそう思うね>
「ど、どうしてそう思うのですか?」
赤は公に迫った。
「そもそも、1年もいじめを受け続けていたのに今さらそれを理由に家出するとは思えない。それに、俺が初めて白と会った時、白はボディーガードに終われていた。だから、家出の理由は父親との喧嘩だろう」
公の考えを聞いた3人は納得したように頷いた。
「それに、もしいじめが家出した理由だったとしたら、2人にも責任があるんじゃないか?」
『!!』
そんなことを言われるとは思わなかった赤と青は驚きながら公を見た。
「だってそうだろ。2人はそのいじめを止めさせるわけでも、白を助けるわけでもなかったんだからな」
「それは白が私達を遠ざけているからで」
「それを受け入れている時点でいじめに加担しているようなものなんだよ」
『そんなことは!』
<はいはい>
俺は言い争いになりそうだったので話に割り込んだ。
<今はいじめについて話す時じゃないんじゃないかい>
「そうだな」
『はい』
3人が落ち着いたので、俺は公に問いかけた。
<それで、話を聞いたうえで公はどうするつもりなんだ?>
その答えが気になる3人は公を見つめた。
「とりあえずはどうもする気はないな」
公の答えに3人はポカンとした。
「何もしないの?」
「あぁ何もしない」
「じゃあ、雛先輩を呼び出して白のことを聞いたのですか?」
赤の少し睨むような視線に公は頭を掻いた。
「雛を呼び出したのは、雛に聞けば白のことをなにか少しぐらい知ることが出来るかな?ぐらいの軽い理由だからな~。だから、まさかここまで深い話を聞けると思ってなかったし、家出の理由が家の事情なら他人である俺が首を突っ込むわけにもいかないからなにもしないんだよ」
公の言い分を理解した赤は何も言わなくなったが、それでも公を睨むように見ることはやめなかった。
そんな赤の態度にため息を吐きながら立ち上がった公は、雛に微笑みかけた。
「雛。今日はありがとな」
「いえ。お役に立ててなによりです」
雛が微笑み返すと、公は伝票を手に取った。
「ここの支払いはやっておくから」
「いえ。自分の分は」
「いいから」
財布を取り出そうとした雛を公が制した。
<雛。ここは素直に公に払わしてあげなよ。それが男ってものなんだからさ>
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