紡ぐ者

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【第3章 魔道士の組合《サークル》】

第1節 サークルとは?

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 外は雨が降っている。梅雨の訪れだ。
「はぁぁーー。外に出たくねぇぇ~。」
ロビンはソファに寝転がる。この時季は雨が多い。ロビンは濡れることがあまり好きではないため、任務や用事がない限り家に籠りがちになる。スマホに1通の連絡が届く。
「今日どっか行こ~。」
アリスから外出の誘いだ。
「用事出来たんだが……」
ロビンは着替えて外に出る。玄関先にアリスが立っていた。ロビンは驚かない。
「お前……」
「だって暇だもん。普通に入っても面白くないからここで待ってたの。」
「それにロビンはこういった誘いは絶対断らないじゃん。」
「確かにそうだけど。」
「ほら早く。時間が勿体ない。」
アリスは濡れた地面の上を早足に進む。

「いや誘うぶんにはいいんだよ。ただ何も考えてないのはどうかと思うが。」
「だってノリで誘ったんだもん。」
「………。」
ロビンは額に手を当てる。アリスはスマホを取り出し画面を見せる。
「ロビンはこういうのに興味ある?」
画面には魔道士の組合サークルという文字があった。
「お前サークルに入りたいのか?」
「うん。情報を集めるのにもってこいだからね。」
「そういえばずっと"何かの情報"を集めてるんだよな?」
「まぁ、あんまり集まってないけど。」
「何の情報なんだ?」
「それは内緒。だけど私にとっては非常に重要な情報だよ。」
(ん?お前にとって重要な情報?)
ロビンは違和感を感じた。
「それって俺にとっても重要なんじゃないのか?」
「え?なんで?」
「だって俺達は物心ついた時からずっと一緒にいただろ。それなら近くにいた俺にも関係があるはず?まあイギリスにいたときのことは忘れてるけど。」
「確かにそうね。いつかは言わないといけない日がくるかも。」
ロビンはアリスに不安があるように感じた。
「何か甘いものでも食べに行こうぜ。」
「え?急にどうしたの?」
「なんか重い雰囲気になってたから甘いものを食べて気分転換しようと。」
「いいね。のった。」
2人は甘いものを探して歩き出す。

「ここってまさか…」
着いた場所はいかにも女子が集まりそうなカフェだった。
「そ。私がいつも話してたカフェ。」
「ここのケーキが本当に美味しいの。ああヤバい、思い出しただけで幸せになる。」
「それ100回ぐらい聞いたぞ。」
「え?そんなに?!」
2人はカフェに入る。
「これ…大丈夫か?」
「なんで?」
「なんか……デートしている気分だぞ。」
アリスは赤面する。
「そうじゃん!ここは男の人と来ていい場所じゃないじゃん!あー完全に忘れてた。」
アリスは頭を抱える。
「入ったからには仕方ねぇ。何か注文するぞ。」
「とりあえずアリスのおすすめで。」
「はいはい。店員さーん。いつもの2つ。」
注文を終え、2人は席に向かう。
「お前ここにはよく来るのか?」
「うん。常連客だよ。」
「まあそうだろうな。」
しばらくアリスと雑談をしていた。店員がやってきて注文したケーキを運ぶ。
「う~んこれを待ってた。見てるだけでも幸せ。」
「そんなに美味いのか?」
アリスにはロビンの声が届かない。完全に自分の世界に入ってしまっている。
「アリスの周りに花が見えるんだが。ってお前魔法使ってるだろ!」
「う~んおいしい~♡」
アリスの周りの花が増えた。ロビンもケーキを口に運ぶ。
(美味いな。甘すぎる気もするが。)
アリスは相変わらず花を出している。

「う~ん美味しかった♡」
アリスは幸せそうな笑みを浮かべる。
(なんか疲れた。)
「なんでここにいるの?まさかデート?!」
顔を上げると美桜がいた。
「そんなわけないだろ。気分転換だ。」
「本当に?」
「本当。」
美桜から疑いの目を向けられる。
「でもアリスは満更でもなさそう。」
アリスを見ると口角が少し上がっていた。
「気のせいだろ。」
「本当に気のせい?」
美桜の言葉がいつもより冷たく感じた。
(怖っ!)
「聞こえてるわよ。」
(そうだった忘れてた。)
「何を忘れてるって?」
美桜の圧に押される。
「ねえ美桜。あなたのお兄さんに頼み事があるんだけど。」
「?」

数分後…
「僕に用があるって言われて来たけど、どんな用件かな?」
「神宮寺 春蘭さんですよね。その名はかねてより存じております。私はアリス・クローヴァーと申します。」
「今日あなたを呼んだのはあなたのサークルについてお聞きしたいためです。」
「用件はわかった。あとそんなにかしこまる必要はないよ。」
「サークルの紹介をしよう…と思ったが…」
周りから視線を感じる。気がつくと人が集まっていた。
「まさかあの人って。」
「え、嘘。本物?」
周りの人達が小さな声でささやいている。
「人目が多いな。場所を変えよう。」
3人は春蘭の後をついていく。

 4人は裏路地に来た。
「やっぱり顔は隠したほうがいいかな。」
「絶対そのほうがいいですよ。いつ詰め寄られるか分からないから。」
「お前有名人なのか?」
「まあそんな感じかな。」
「ユルクプランって知ってる?」
「いや知らない。」
美桜の質問にロビンは首を横に振る。
「え、知らないの?」
「知らないの?」
アリスと美桜が同時に言う。
「あの高級衣服店ユルクプランを?」
「いや服にこだわりなんかねえよ。」
「そうだとしても名前くらいは知ってるでしょ。」
「本当に知らない。」
「うそ……」
アリスは驚きのあまりに口を両手で覆う。
「そんなに有名なのか?」
「世界的に有名だよ?!」
「俺の知識不足か……」
ロビンは額に手を当てる。
「それがなんで春蘭と関係あるんだ?」
「兄上はユルクプランの代表取締役よ。」
「何かの聞き間違いか?すまんがもう1回言ってくれないか?」
「兄上は代表取締役。」
ロビンは固まる。その時間は5分ほど続いた。
「ふう。1回整理させてくれ。」
ロビンは少し離れる。
「ロビンが整理している間にサークルについ説明しよう。君はサークルについてどれくらい知ってる?」
「サークルは階級が仙級以上の人が創設することができる、くらいですね。」
「サークルの細かいルールは公開されてないから君が知っているのはそれぐらいかな。」
春蘭の表情が変わる。
「サークルには加入条件というものがある。」
「その条件に適してなければそのサークルに入ることはできない。」
「ただ条件があるほうが少ないかな。どのサークルも人が欲しいんだよ。あるとしてもかなりゆるい。」
春蘭は鞄から紙を取り出す。
「この紙にもっと詳しいことが書いてある。加入するかどうかはよく考えてから決めるように。」
アリスは紙を受け取る。丁度ロビンが戻ってきた。
「じゃあ僕たちはこのあたりで。」
「おう、またな~。」
ロビンとアリスは2人を見送る。
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