紡ぐ者

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【第4章 開戦の予兆】

第2節 これは偶然?

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 3人はアリスの家を出て、ざるうどん専門店へと向かう。ロビンは道中視線を感じた。
(そりゃそうか。女性2人を連れて歩くやつなんて目を引くに決まってる。)
(まあ友人って言えばいいから問題ないけど。)
ロビンはそんなことを考えながら歩いていた。
(な~に考えてんだか。)
美桜はロビンの心を読んで、呆れていた。
「着いたよ。」
着いた建物はまさにうどん屋さんと言わんばかりの見た目だった。
「おや?君たちも来てたのかい?」
声のしたほうを見ると春蘭がいた。
「お前も食べに来たのか?」
「新しいうどん屋さんでなおかつ夏限定ときた。行かないという選択肢はないだろう?」
「それもそうなの……か?」
ロビンは少し言葉に迷った。
「まあこんなところで話さず中に入ろう。」
4人は店内に入る。

 店内はまさに和といった感じになっていた。4人は奥の座敷に座る。
「なんで奥にしたんだ?」
「ちょっと大事な話があってね。」
「大事な話……兄上が言うなら信じれる。」
「何その言い方!俺の大事なこと話は信じてくれないと?!」
「あんたの話はだいたいくだらないものかつまらないものの二択だから。」
「なにそれ酷い!」
ロビンは情けなく言う。アリスは少し距離をとる。
「いやなんで少し離れるんだよ!冗談で言っただけなのに。」
「え、なんか……本能で。」
ロビンは少し悲しくなった。
「盛り上がってるところ悪いが本題に入らせてもらう。」
春蘭は真剣な顔で話しだす。
「ここ最近、魔力濃度に"大きな乱れ"が生じていると本部から連絡があった。」
「この件について、本部は現在調査中とのことだ。」
「魔力濃度の乱れ……。」
アリスは難しい顔をする。
「今まで婚なことはあったの?」
「魔力濃度が平常値を超えたり下がったりすることはあったが、誤差みたいなものだった。」
「しかし今回は大幅な乱れが生じている。これを見てくれ。」
春蘭はアリスの質問に答えたのち、魔力濃度のグラフを見せる。グラフを見ると先週の数値が異様に高くなったり低なったりしている。
「確かに異様だな。前の週は普通なのに、この週に入ってから急にって感じだな。」
「観測地点は……島根県出雲市?」
美桜は違和感を覚える。
「あの辺りは何かありましたか?」
「特にない……とは言い切れない。」
春蘭はハッキリとしない。
「何かあったのか?」
「あの辺りは様々な伝説があるからね。ハッキリとしたことが言えないんだ。」
4人は考え込む。ロビンが口を開く。
「難しい話は一旦忘れようぜ。」
「そうだね。店に入って何も頼まないのは失礼だ。」
4人は注文をとり、品が来るまで世間話でもすることにした。

大魔統制会本部……
コンコンコンコンコン
1人の男が団長室に入る。
ガチャ
「誰ですかこんなときに。」
「おや?あなたですか。」
男はアーロンドに近づく。
「観測員から聞いた、魔力濃度が不安定だと。」
「すでに知っていましたか。」
「当然だ。そんな重要な情報、私の耳に入っていないとでも?」
「もしや対応策があると?」
「そう簡単に見つかると思うか?それともお前は見つけたのか?」
男はアーロンドに問いかける。
「見つけた……と言うよりかは原因を突き止めたと言ったほうがいいですね。」
「原因だと?」
男はアーロンドの言葉に食いつく。
「あくまで仮定ですが。」
「それでもいい、言ってみろ。」
「わかりました。」
「原因は…………"八岐大蛇"です。」
「八岐大蛇………」
男は顎に手を当てる。
「それは神話の存在のはずだが?」
「これを。」
アーロンドは男に巻物を見せる。
「なんだそれは?」
「これは私が今の席に就任する前からあった巻物です。これには八岐大蛇に関することが書かれています。」
「私は八岐大蛇を出雲の山岳に封印した。あくまで封印、いずれ解ける。やつが復活する際には辺りの魔力に急激な"変化"が見られるだろう。」
「これが内容です。」
「この巻物は誰が書いたものだ?」
「分かりません。」
「そうか…わかった。」
男はドアに向かう。
「もうゆくのですか?」
「ああ、調べることができた。」
「わかりました。お気をつけて。」
男は団長室を出る。アーロンドは巻物を広げる。
「もしこの通りになったら……被害は想像がつきませんね。」
巻物には火の海になった町が描かれていた。

 ロビンは自宅のソファで横になっていた。
(あの店のうどん、意外と美味かったな。流石は専門店といったところか。)
「しかしやることがないな。」
ロビンは暇を持て余していた。アリス達と出かけたのは昼食を摂るためである。昼食が終わればやることがないため時間をひたすらに浪費してしまう。
「流石に何もしないのはあれだな。」
ロビンは立ち上がり外に出て、空を見上げる。
「しっかし清々しいくらいいい天気だな~。」
「ちょっと本部に行ってみるか。」
ロビンは本部に向かう。

大魔統制会本部…
 ロビンは気まぐれで本部に来るがやることがないのに変わりはない。本部内の人は皆忙しそうに動き回っている。
「すみません。ロビンさんですか?」
「ん?そうだけど、どうかしたか?」
「団長があなたをお呼びになっていました。」
「わかった、すぐ行く。」
(何かあったのか?)
ロビンは団長室に向かう。

コンコン
「どうぞ。」
「失礼します。」
「あ、来た。」
「なんでお前がいるんだ?!」
「団長に呼ばれたから来たの。」
ロビンはお辞儀をして団長室に入る。部屋にはアリスもいた。予想外の古都に驚きを隠せないロビン。対して手を振るアリス。それを微笑ましく見るアーロンド。
「あなた達2人を呼んだのはある"重要な任務"を課すためです。」
ロビンとアリスは顔を合わせる。
「俺達みたいな中級の魔道士に任せていいものなのか?」
「ええ、むしろあなた達が適任ですから。」
アーロンドはにこやかに話す。
(いや怖えよ。だって"重要な任務"だろ?!なんでそんな顔で頼んでくるの?!)
ロビンは内心ビクビクして顔が引き攣れる。
(私達が適任?どういうこと?)
アリスは口に手を当て考え込む。少しして口を開く。
「なぜ私達が適任なんですか?経験の豊富な上級以上の魔道士のほうが適任な気がするのですが…」
「いい質問をしますね。」
アリスの質問にアーロンドは称賛の声を上げる。
「理由は単純です。あなた達が"日本人ではない"からです。」
「それの何が適任なんだ?」
「まずは魔力について"詳しく"お教えしましょう。」
アーロンドは立ち上がりどこからかホワイトボードと椅子と机を持ってきた。
「さあ座ってください。お勉強の時間です。」
「「え?」」
2人は驚く。魔力については2人共かなり理解している。それなのにもう一度勉強するのだ。しかし2人が驚いたのはそこじゃない。アーロンド本人から"直々に"魔力について教えてもらうのからだ。
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