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【第5章 八岐大蛇討伐戦線】
第5節 大蛇討伐 終
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「これで役者は揃ったな。今度こそ、八岐大蛇を討伐する。」
春蘭の声にも気合が入る。疾風が春蘭にさっき起きたことを伝える。
「さっき俺はあいつの逆鱗を貫いた。だがあいつは死ななかった。」
「もはや逆鱗を貫くだけでは倒せないというわけか。」
春蘭は八岐大蛇を観察する。1つの首に目がいく。それは逆鱗があった首だった。
「あの角の部分、なんか目みたいなものがないか?」
「確かにあるな。あんなのあったか?」
「まさか……あれが弱点か?」
「それを信じよう。」
標的は決まった。しかしそこまで辿り着くのはかなり苦しいだろう。春蘭は通信機を取り出して純連に連絡する。
「何?」
「そっちの状況は?問題なければ魔法による支援を絶え間なく続けてほしい。」
「……わかったわ。」
春蘭は疾風たちのほうを向く。
「あの目を貫くのはロビン、君だ。」
「え、俺が?めっちゃ責任重大じゃん。」
「アリスは飛行魔法を使ってロビンをあそこまで運ぶことはできるかい?」
「できなくはないと思うけど、魔力がもつかどうか…」
「なるべく早くケリをつける必要があるようだな。」
八岐大蛇が詠唱を始める。
「まずはこれをなんとかしないとな。」
横から別の首が襲いかかる。
「てめえの好きにはさせねえよ!」
疾風は迫る首を胴体に叩きつける。さらに2つの首が疾風に襲いかかる。
「疾風ばかりに気を取られてたら僕に殺られるよ。」
春蘭は八岐大蛇の首を斬り落とそうとするがやはり刃が通らない。
「魔纏使っても斬れないとかある?」
「俺に言われてもな。」
ドォン!
上から爆発音がした。見上げると空から炎の雨が迫っていた。
「これはどうする?」
「結界を張るのが安全だが時間がない。走れ!」
疾風と春蘭は八岐大蛇の首を目指して走る。炎の雨が2人を襲う。
「くそっ、ちっ、熱っ!」
「止まるな!」
2人をロビンとアリスが追い抜く。飛行魔法を使っている。そのまま逆鱗へと向かう。
「行けるか!」
しかしすぐに数本の首に邪魔をされる。
「よし、一旦退くぞ。」
2人はすぐに胴体に戻る。
「あいつらをなんとかしねえとな。」
「でも人数が足りないわ。」
「来るぞ!」
複数の首が同時に魔法を放つ。
ドォン!ドォン!ドォォン!
複数の爆発が起こりあたりの木々が吹き飛ばされる。
「くっ……あれ?」
ロビンたちは結界に守られていた。目の前には新沙が立っている。
「大丈夫か?」
「あ、ああ。助かった。」
「ちな俺もいるぜ。」
後ろを向くと白兎が座っていた。その横には美桜もいる。
「お前らなんでここにいるんだ?」
「流石に人数が足りないと思ったからな。あと1人来ている。」
春蘭たちのほうを見ると玖羽の姿があった。
「作戦はどういった感じだ?」
「アリスが俺をあの頭の上まで飛行魔法を使って連れて行く。そして俺が刀でトドメを刺す。」
「ならば私たちは他の首の注意を引く。丁度7人いるから1人1本相手にすることになるが。」
ロビンたちは立ち上がる。
「アリス、魔法を。」
「わかってる。」
アリスはロビンに飛行魔法をかける。7本の首が襲いかかってくる。
「行くぞ!」
ロビンとアリスは頭部に向かって飛行する。他の首が2人を追う。
「お前の相手は俺だ!」
疾風が1本の首に剣を突き立てる。その首は疾風の方へと向かっていく。春蘭、樫茂、玖羽も首の誘導に成功する。
「コイツ……こっち向け!」
美桜は首に何度も薙刀を突き立てるが一向に注意を引くことができない。
「いい加減に……しろ!」
美桜は目に薙刀を刺す。首は苦痛の雄叫びをあげ、美桜に襲いかかる。
「よし怒った怒った。」
ロビンとアリスはその様子を見ていた。
「あいつって結構凶暴だよな。」
「私もそう思う。」
2人の後ろからはまだ首が迫っているため、標的に近づくことができない。
「早くこっちを向いてくんねえか?暇じゃねえんだよ!」
白兎は大剣を頭部に振り下ろす。しかし注意を引くことには至らない。
「あれやるしかねえの?ダル。」
白兎は大剣に魔力を込める。魔力で満たされた大剣が頭部に振り下ろされる。
ドォォン!
首がぐらつく。白兎を威嚇する。口を開けた隙を見た白兎は口角に沿うように、大剣を横に振る。
ザリュッ!
首の左の口角が裂ける。
「外は硬くても中は脆いか。」
「白兎!」
「ん?あーはいはい。」
白兎の大剣を踏み台にして新沙が1つの首に飛び移る。
「蛇の急所は項だ。」
新沙は細くて鋭い剣を取り出す。
「ふっ!」
魔纏を使っても斬れなかった首の鱗を貫通する。首は急所を貫かれて悶え苦しんでいる。これで2人を追いかける首はなくなった。
「一気に行くぞ!」
「了解。」
アリスは速度をあげる。残るは標的のみ。首はこちらに炎を吐きかける。しかし飛行魔法を使っているこちらにとってあまり怖くはない。
「アリス。隙を作ることはできるか?」
「じゃあ私に掴まってて。」
ロビンはアリスの手を握る。しかし肩にも手を置くように言われる。アリスは風を使い、首の気を散らせる。
「行けそう?」
「……今だ。」
ロビンは頭目掛けて飛び込む。安全に頭に着地する。しかし首にはもちろん気づかれる。首はロビンを振り落とそうと激しく揺れる。ロビンは落ちないように角に掴まる。目と鼻の先には弱点と思われる目がある。ロビンは隙を見て刀を抜く。
「おら!」
刀で刺そうとするが片手のせいで力が入らず中々刺さらない。手応えからして両手でも苦しいだろう。
(勢いが足りないのか?)
首がさらに激しく揺れる。
「ヤベッ!」
ロビンは急いで角に掴まる。今の状態では掴まるので精一杯だ。
「アリス!今から飛び降りる!飛行魔法で回収してくれ!」
「ちょ、待って!」
ロビンは頭部から飛び降りる。アリスは飛行魔法をロビンにかける。
「もおー危ないなあ!なんでトドメを刺さなかったの?」
「勢いが足りない。」
「でもコイツが動き回るから勢いをつけるのは難しいわよ?」
ロビンは方法を考える。首はアリスが風を使って撹乱中だ。
(くそっ!動きを止めれれば……ん?動きを止める?)
「あっ!」
ロビンは動きを止めるための御札を貼ったのを思い出した。
「御札を使えばいけるぞ!」
アリスは撹乱をやめる。首はすぐにこちらに襲いかかる。ロビンは御札を使う。
「なんだ?動きが止まった?」
「御札を使ったのか。」
ロビンは少し高く飛びアリスに合図をする。アリスは飛行魔法を解除する。ロビンは頭目掛けて刀を構えながら落下する。
「これで……終わりだ!」
ズシュ!
ロビンの刀が八岐大蛇の目に突き刺さる。あたりに八岐大蛇の断末魔が響く。
「よし、これで本当に倒し……た?」
しかし八岐大蛇はまだ少し動いている。というか御札の効力を破り、再び暴れ出す。
(まさか……)
ロビンはあることを考える。
「誰か!逆鱗を!逆鱗を貫いてくれ!おそらくコイツは、頭部の目と逆鱗を同時に貫かないと倒せない!」
「まじかよおい!」
疾風が逆鱗に向かって走る。疾風が相手にしていた首がロビンの方に向かおうとする。
「それだけはさせねえ!」
疾風はすぐに首の注意を引く。
「一瞬でも離れるとロビンが危険だ。どうすりゃいいんだ…」
ロビンは振り落とされないよう刀を掴むが、これまでの疲労のせいで腕がパンパンだ。
「俺は……どうすれば……」
ロビンの刀が妖しく光りを放つ。
「愚か者め…」
「へ?」
「ここまで来ておいてまだ倒せないのか!見ている者の身にもなってみろ!危なっかしくて目も当てられん!」
(なんで俺はこの状態で怒られるてるの?)
ロビンは今、刀に掴まってはいるが宙吊りの状態だ。
「まずお前は誰だよ?!いきなり話しかけてきては唐突に説教するって……流石に失礼すぎないか?!」
「身の程を知れ!貴様の傷を癒やしてやったというのに。」
「名を言ってはいなかったな。俺の力を貸す。それでこいつを倒したら教えてやる。」
刀から紫色の煙が溢れ出す。腕をつたってロビンの全身を包み込む。
「なんなんだこれは?!」
煙が晴れるとロビンの頭には長く鋭い耳、口には鋭利な牙、鋭くなった爪、そして獣の尻尾が出現していた。それと同時に体の奥底から力が湧いてくる。
「今なら…いける!」
ロビンは刀に手をかけると力を込める。他の首がロビンを剥ぎ取ろうと迫ってくる。
「あいつら…お前の相手は俺だ!」
疾風たちは首を攻撃するが全く見向きもしない。全ての首がロビン1人を狙っている。
「くそっ!止まれ!」
美桜は先程のように目を刺す。しかし振り返る気配はない。
「急所を刺せば流石に…」
新沙は項に剣を突き刺す。流石に急所ということあって首は怯むが、それでもターゲットを変えることはなかった。
「くっ、硬いしでかいから止められない。このままだとロビンが……」
「ぐぐぐ……ぐっ……」
ザリュッ!
刀が少し八岐大蛇の皮膚を斬り裂く。
ザリュザリュッ!
八岐大蛇の頭部に刺した刀が徐々に下に向かって切り込みを入れていく。
(早く斬れてくれ!)
首がロビンのすぐ近くまで来ている。
ザリュッ!
「あと少し……」
ドンッ!
ロビンは迫ってきた首に突き飛ばされる。刀が手が離れ、体が中を舞う。1つの首が口を開けて襲いかかる。
(食われる……)
「ロビン!」
アリスは飛行魔法をかけようとするが間に合わない。
ズゴンッ!
紫色の煙が首を弾く。
「いちいち手間かけ指すんじゃねえ!妖刀の身だから助けてやってるだけだからな!」
煙はみるみるうちに姿が変わり狐のような姿になった。
「この蛇が……大人しくしておけ!」
ブチブチブチ!
狐は首を掴むと思い切り引っ張り、無理やり引きちぎる。狐はロビンを回収して刀のところに投げる。本体の首は炎を吐く。しかしロビンには炎は効かない。ロビンは刀を掴む。
「これで……終わりだ!」
勢いのついたロビンの体重がのった刀は八岐大蛇の首を斬り落とし、そのまま逆鱗を2つに斬る。
グルルアアァァァァァ!
八岐大蛇は天を仰ぐように首をあげて断末魔を発する。八岐大蛇の体が灰色に染まっていく。
「倒した……のか?」
ピキッ!
八岐大蛇の体にヒビが入る。そしてヒビが広がりそのまま砕け散った。ロビンはアリスと共に春蘭たちの下に戻る。
「これで終わったか。」
「ああ、俺たちは"神話の怪物"を倒したんだ。」
「長い戦いだったね。」
全員の視界の隅に光が差し込む。光が差し込む方向を見ると朝日が顔を出している。
「あの朝日はまるで……あなたたちの勝利を祝っているかのようですね。」
アーロンドが手を叩きながら現れる。
「団長?!どうしてここに?」
「八岐大蛇を討伐した英雄たちをお出迎えしに来ただけですよ。」
「戻ったらゆっくりと休むように。夜からは勝利を祝した宴会がありますよ~。」
「よっしゃ、待ってました!」
「ロビンって本当に宴会やお祭りが好きよね。」
「まあ1番頑張ってたしね。」
ロビンは手を振り上げる。
「それでは、英雄たちの凱旋といきましょうか。」
ロビンたちは日本支部へと帰路に入る。
春蘭の声にも気合が入る。疾風が春蘭にさっき起きたことを伝える。
「さっき俺はあいつの逆鱗を貫いた。だがあいつは死ななかった。」
「もはや逆鱗を貫くだけでは倒せないというわけか。」
春蘭は八岐大蛇を観察する。1つの首に目がいく。それは逆鱗があった首だった。
「あの角の部分、なんか目みたいなものがないか?」
「確かにあるな。あんなのあったか?」
「まさか……あれが弱点か?」
「それを信じよう。」
標的は決まった。しかしそこまで辿り着くのはかなり苦しいだろう。春蘭は通信機を取り出して純連に連絡する。
「何?」
「そっちの状況は?問題なければ魔法による支援を絶え間なく続けてほしい。」
「……わかったわ。」
春蘭は疾風たちのほうを向く。
「あの目を貫くのはロビン、君だ。」
「え、俺が?めっちゃ責任重大じゃん。」
「アリスは飛行魔法を使ってロビンをあそこまで運ぶことはできるかい?」
「できなくはないと思うけど、魔力がもつかどうか…」
「なるべく早くケリをつける必要があるようだな。」
八岐大蛇が詠唱を始める。
「まずはこれをなんとかしないとな。」
横から別の首が襲いかかる。
「てめえの好きにはさせねえよ!」
疾風は迫る首を胴体に叩きつける。さらに2つの首が疾風に襲いかかる。
「疾風ばかりに気を取られてたら僕に殺られるよ。」
春蘭は八岐大蛇の首を斬り落とそうとするがやはり刃が通らない。
「魔纏使っても斬れないとかある?」
「俺に言われてもな。」
ドォン!
上から爆発音がした。見上げると空から炎の雨が迫っていた。
「これはどうする?」
「結界を張るのが安全だが時間がない。走れ!」
疾風と春蘭は八岐大蛇の首を目指して走る。炎の雨が2人を襲う。
「くそっ、ちっ、熱っ!」
「止まるな!」
2人をロビンとアリスが追い抜く。飛行魔法を使っている。そのまま逆鱗へと向かう。
「行けるか!」
しかしすぐに数本の首に邪魔をされる。
「よし、一旦退くぞ。」
2人はすぐに胴体に戻る。
「あいつらをなんとかしねえとな。」
「でも人数が足りないわ。」
「来るぞ!」
複数の首が同時に魔法を放つ。
ドォン!ドォン!ドォォン!
複数の爆発が起こりあたりの木々が吹き飛ばされる。
「くっ……あれ?」
ロビンたちは結界に守られていた。目の前には新沙が立っている。
「大丈夫か?」
「あ、ああ。助かった。」
「ちな俺もいるぜ。」
後ろを向くと白兎が座っていた。その横には美桜もいる。
「お前らなんでここにいるんだ?」
「流石に人数が足りないと思ったからな。あと1人来ている。」
春蘭たちのほうを見ると玖羽の姿があった。
「作戦はどういった感じだ?」
「アリスが俺をあの頭の上まで飛行魔法を使って連れて行く。そして俺が刀でトドメを刺す。」
「ならば私たちは他の首の注意を引く。丁度7人いるから1人1本相手にすることになるが。」
ロビンたちは立ち上がる。
「アリス、魔法を。」
「わかってる。」
アリスはロビンに飛行魔法をかける。7本の首が襲いかかってくる。
「行くぞ!」
ロビンとアリスは頭部に向かって飛行する。他の首が2人を追う。
「お前の相手は俺だ!」
疾風が1本の首に剣を突き立てる。その首は疾風の方へと向かっていく。春蘭、樫茂、玖羽も首の誘導に成功する。
「コイツ……こっち向け!」
美桜は首に何度も薙刀を突き立てるが一向に注意を引くことができない。
「いい加減に……しろ!」
美桜は目に薙刀を刺す。首は苦痛の雄叫びをあげ、美桜に襲いかかる。
「よし怒った怒った。」
ロビンとアリスはその様子を見ていた。
「あいつって結構凶暴だよな。」
「私もそう思う。」
2人の後ろからはまだ首が迫っているため、標的に近づくことができない。
「早くこっちを向いてくんねえか?暇じゃねえんだよ!」
白兎は大剣を頭部に振り下ろす。しかし注意を引くことには至らない。
「あれやるしかねえの?ダル。」
白兎は大剣に魔力を込める。魔力で満たされた大剣が頭部に振り下ろされる。
ドォォン!
首がぐらつく。白兎を威嚇する。口を開けた隙を見た白兎は口角に沿うように、大剣を横に振る。
ザリュッ!
首の左の口角が裂ける。
「外は硬くても中は脆いか。」
「白兎!」
「ん?あーはいはい。」
白兎の大剣を踏み台にして新沙が1つの首に飛び移る。
「蛇の急所は項だ。」
新沙は細くて鋭い剣を取り出す。
「ふっ!」
魔纏を使っても斬れなかった首の鱗を貫通する。首は急所を貫かれて悶え苦しんでいる。これで2人を追いかける首はなくなった。
「一気に行くぞ!」
「了解。」
アリスは速度をあげる。残るは標的のみ。首はこちらに炎を吐きかける。しかし飛行魔法を使っているこちらにとってあまり怖くはない。
「アリス。隙を作ることはできるか?」
「じゃあ私に掴まってて。」
ロビンはアリスの手を握る。しかし肩にも手を置くように言われる。アリスは風を使い、首の気を散らせる。
「行けそう?」
「……今だ。」
ロビンは頭目掛けて飛び込む。安全に頭に着地する。しかし首にはもちろん気づかれる。首はロビンを振り落とそうと激しく揺れる。ロビンは落ちないように角に掴まる。目と鼻の先には弱点と思われる目がある。ロビンは隙を見て刀を抜く。
「おら!」
刀で刺そうとするが片手のせいで力が入らず中々刺さらない。手応えからして両手でも苦しいだろう。
(勢いが足りないのか?)
首がさらに激しく揺れる。
「ヤベッ!」
ロビンは急いで角に掴まる。今の状態では掴まるので精一杯だ。
「アリス!今から飛び降りる!飛行魔法で回収してくれ!」
「ちょ、待って!」
ロビンは頭部から飛び降りる。アリスは飛行魔法をロビンにかける。
「もおー危ないなあ!なんでトドメを刺さなかったの?」
「勢いが足りない。」
「でもコイツが動き回るから勢いをつけるのは難しいわよ?」
ロビンは方法を考える。首はアリスが風を使って撹乱中だ。
(くそっ!動きを止めれれば……ん?動きを止める?)
「あっ!」
ロビンは動きを止めるための御札を貼ったのを思い出した。
「御札を使えばいけるぞ!」
アリスは撹乱をやめる。首はすぐにこちらに襲いかかる。ロビンは御札を使う。
「なんだ?動きが止まった?」
「御札を使ったのか。」
ロビンは少し高く飛びアリスに合図をする。アリスは飛行魔法を解除する。ロビンは頭目掛けて刀を構えながら落下する。
「これで……終わりだ!」
ズシュ!
ロビンの刀が八岐大蛇の目に突き刺さる。あたりに八岐大蛇の断末魔が響く。
「よし、これで本当に倒し……た?」
しかし八岐大蛇はまだ少し動いている。というか御札の効力を破り、再び暴れ出す。
(まさか……)
ロビンはあることを考える。
「誰か!逆鱗を!逆鱗を貫いてくれ!おそらくコイツは、頭部の目と逆鱗を同時に貫かないと倒せない!」
「まじかよおい!」
疾風が逆鱗に向かって走る。疾風が相手にしていた首がロビンの方に向かおうとする。
「それだけはさせねえ!」
疾風はすぐに首の注意を引く。
「一瞬でも離れるとロビンが危険だ。どうすりゃいいんだ…」
ロビンは振り落とされないよう刀を掴むが、これまでの疲労のせいで腕がパンパンだ。
「俺は……どうすれば……」
ロビンの刀が妖しく光りを放つ。
「愚か者め…」
「へ?」
「ここまで来ておいてまだ倒せないのか!見ている者の身にもなってみろ!危なっかしくて目も当てられん!」
(なんで俺はこの状態で怒られるてるの?)
ロビンは今、刀に掴まってはいるが宙吊りの状態だ。
「まずお前は誰だよ?!いきなり話しかけてきては唐突に説教するって……流石に失礼すぎないか?!」
「身の程を知れ!貴様の傷を癒やしてやったというのに。」
「名を言ってはいなかったな。俺の力を貸す。それでこいつを倒したら教えてやる。」
刀から紫色の煙が溢れ出す。腕をつたってロビンの全身を包み込む。
「なんなんだこれは?!」
煙が晴れるとロビンの頭には長く鋭い耳、口には鋭利な牙、鋭くなった爪、そして獣の尻尾が出現していた。それと同時に体の奥底から力が湧いてくる。
「今なら…いける!」
ロビンは刀に手をかけると力を込める。他の首がロビンを剥ぎ取ろうと迫ってくる。
「あいつら…お前の相手は俺だ!」
疾風たちは首を攻撃するが全く見向きもしない。全ての首がロビン1人を狙っている。
「くそっ!止まれ!」
美桜は先程のように目を刺す。しかし振り返る気配はない。
「急所を刺せば流石に…」
新沙は項に剣を突き刺す。流石に急所ということあって首は怯むが、それでもターゲットを変えることはなかった。
「くっ、硬いしでかいから止められない。このままだとロビンが……」
「ぐぐぐ……ぐっ……」
ザリュッ!
刀が少し八岐大蛇の皮膚を斬り裂く。
ザリュザリュッ!
八岐大蛇の頭部に刺した刀が徐々に下に向かって切り込みを入れていく。
(早く斬れてくれ!)
首がロビンのすぐ近くまで来ている。
ザリュッ!
「あと少し……」
ドンッ!
ロビンは迫ってきた首に突き飛ばされる。刀が手が離れ、体が中を舞う。1つの首が口を開けて襲いかかる。
(食われる……)
「ロビン!」
アリスは飛行魔法をかけようとするが間に合わない。
ズゴンッ!
紫色の煙が首を弾く。
「いちいち手間かけ指すんじゃねえ!妖刀の身だから助けてやってるだけだからな!」
煙はみるみるうちに姿が変わり狐のような姿になった。
「この蛇が……大人しくしておけ!」
ブチブチブチ!
狐は首を掴むと思い切り引っ張り、無理やり引きちぎる。狐はロビンを回収して刀のところに投げる。本体の首は炎を吐く。しかしロビンには炎は効かない。ロビンは刀を掴む。
「これで……終わりだ!」
勢いのついたロビンの体重がのった刀は八岐大蛇の首を斬り落とし、そのまま逆鱗を2つに斬る。
グルルアアァァァァァ!
八岐大蛇は天を仰ぐように首をあげて断末魔を発する。八岐大蛇の体が灰色に染まっていく。
「倒した……のか?」
ピキッ!
八岐大蛇の体にヒビが入る。そしてヒビが広がりそのまま砕け散った。ロビンはアリスと共に春蘭たちの下に戻る。
「これで終わったか。」
「ああ、俺たちは"神話の怪物"を倒したんだ。」
「長い戦いだったね。」
全員の視界の隅に光が差し込む。光が差し込む方向を見ると朝日が顔を出している。
「あの朝日はまるで……あなたたちの勝利を祝っているかのようですね。」
アーロンドが手を叩きながら現れる。
「団長?!どうしてここに?」
「八岐大蛇を討伐した英雄たちをお出迎えしに来ただけですよ。」
「戻ったらゆっくりと休むように。夜からは勝利を祝した宴会がありますよ~。」
「よっしゃ、待ってました!」
「ロビンって本当に宴会やお祭りが好きよね。」
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ロビンたちは日本支部へと帰路に入る。
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