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【第13章 竜女の怒り】
第2節 逆境の堺
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シアンは全方位に無数の魔力砲を放つ。着弾地点には大きな窪みができる。
「流石は原初の竜の血統。"彼女"から聞いたとおり、強大な力だ。」
ソールは冷静にシアンの実力を分析する。
(これで本領を発揮できていなとなると……考えただけでも恐ろしい。)
すでに辺りは水浸しになっており、ここが砂漠だということを忘れさせるほどだった。
(早く手を打たなければ被害が広がる一方だ。しかし……どう対処すれば?)
「なにをボサッとしている?」
ソールの目の前にシアンが現れる。ソールに強烈な張り手を食らわせる。手のひらから魔力が放たれる。
「失礼、少々そなたの動きを観察していた。」
ソールは平然とシアンの攻撃を受け切る。
「へぇ、思ったよりやるようね。さっきの評価は訂正するわ。」
「その必要はない。私の役割はあくまで足止めだ。すぐに撤退することになるだろう。」
ソールはシアンの腕を掴むと、体術でその場に押し倒そうとする。
「そううまくいくと思うな。」
シアンは体を器用に動かしてソールから離れる。ソールはシアンに向かって魔法を放つ。
「おっと!これが狙いか。」
(離れたところを狙うのはダメか。ならば……)
ソールは気を集中させて、自身の足下に魔法陣を生成する。
「これならどうだ?」
魔法陣が光を放つと、空から魔力砲がシアンに向かって降り注ぐ。
「これは……魔力砲の改良版か。面白い使い方をするな。そういえば、貫通魔法を高速化する人間もいたな。」
「ガーネットのことか?彼女の実力は重々承知している。彼女もまた、私と同じで"ある人"から"魔法改変"の教えを受けた者だ。」
「"魔法改変"?聞いたことがないな。」
「文字通りの意味だ。話している時間はない。」
ソールは上空に飛び上がると、シアン目掛けて雷を落とす。
「これがお前の竜の力か、幼いな!」
シアンは上空のソールに向かって魔力砲を放つ。
「はあぁ!」
ソールは結界を展開して魔力砲を凌ぐ。結界が消えた隙をシアンは見逃さない。上空に飛び上がり、ソールを下へと蹴り落とす。
「ふんっ…。蹴り落としたくらいでは私は傷を受けない。」
「どれだけ弱かろうが竜であることに変わりはないか。だったら、お前の限界を確かめてやる!」
シアンはソールに向かって大量の水流を放つ。
(アーロンドの呪縛が解けたか。想定したよりもかなり早いな。)
ソールは水流を的確にいなして、少しずつシアンに近づく。
「いつまで保つかな!」
シアンは水流の勢いを強める。ソールは少し押されるが、何事もなかったように進み続ける。
「この程度であれば問題はない。予想よりもかなり弱いようだな。」
「き、貴様あ!」
シアンはソールの舐めたような態度に腹を立たせる。
(激昂しては冷静な判断ができないはず。畳み掛けるなら今だ。)
ソールは魔力を解き放って一斉に攻撃を始める。
(少しは消耗させられればいいが。)
ソールの攻撃がシアンを呑み込む。
「……けるな。」
シアンの声が薄っすらと聞こえる。
「ふざ……けるな!」
シアンが声をひねり出すと辺りの天候が一変して、風が吹き荒れ、大粒の雨粒が降ってきた。
「これは……まさか、これほどとは。」
シアンの角に雷が走る。
(逆鱗の力を全て解放したか。もはや、彼女の力は我々の想像もできないほど、強大なものとなっているだろう。)
ソールは地面に降りて天垣のもとに歩み寄る。
「シアンの体力を減らすことはできた。しかし、その分強大な力を表に現してしまったが。」
「消耗させてくれただけで十分だ。」
天垣はソールの肩を叩くと前へ出る。シアンは上空から天垣を見下ろす。天垣はシアンの凄まじい威圧感を肌で感じる。
「お前ごとき、もはや私の敵ではない。今の私は、かつての力に相当するほどの力で満ちている。このように……」
シアンは天垣の顔をかするようにして水流を放つ。水流は地面に深い亀裂を作る。
「大地を割ることなど造作もない。」
「………。」
「どうした?恐怖で言葉もでないのか?」
「いや……お前は本領を発揮できていないな。」
天垣は鋭い視線をシアンに向ける。
「あの時のお前は、さらに強力だったはずだ。お前は多少の無理をしているんじゃないのか?」
「無理、だと?ふっふっふっふっ…はっはっはっはっ!何を言っている?恐怖で気が狂ったか?」
「そうか。つまり……」
天垣は大剣を構える。
「俺が強くなったということか!」
天垣は上空のシアンに向かって斬撃を放つ。シアンは斬撃を躱す。斬撃は雲を真っ二つにする。
「やはり、お前を生かしておくことはできない。今はまだいいが、いずれ私にとって凄まじい脅威になるからな!」
シアンは無数の水流を周囲に放つ。天垣の周りから水流が地面を突き破って飛び出してくる。
「はぁ!」
天垣は大剣を振り回して水流を一掃する。
「この攻撃は何度も見た!もう俺には通用しない!」
天垣は地面を強く蹴り上げて、上空のシアンのもとに跳んで斬りかかる。
「所詮は脚力を使っただけ。人間は地べたを歩いているほうが似合っている!」
シアンは天垣を蹴り落とそうとするが、天垣の体をイザナミが支える。
「ちっ、神霊の加護か。面倒くさいことを。」
「今回は俺も本気だ。悪いが即急にケリを付けさせてもらう。まだやることがあるからな。」
天垣は大剣に力を集めだした。イザナミは呼応するように力を与える。
「こしゃくな!」
シアンは天垣に向かって魔力砲を放つ。
「これでどうだあぁぁ!」
天垣はシアンに大剣をむけて一直線に突進する。大剣が魔力砲を弾く。
「………!」
辺りは眩しい光に包まれる。
「これは?!」
「天垣の攻撃でしょう。やはり、素晴らしい一撃だ。」
光が消えると2人は地面に手をついていた。どちらもかなり消耗している。
「ハァ……ハァ……はっ、久しぶりに使ったがやはり、体力を大きく消耗するな。」
「お……のれ…」
シアンはフラフラになりながらも力を振り絞って立ち上がる。体の至るところに火傷のような跡ができている。
「どうだ、俺の光は?かなり効いただろう。」
「黙れ……このくらいなら……まだ、戦える。」
シアンは足を前に出して少しずつ天垣に近づく。
「まだやるきか?もうやめろ。お前の負けだ。」
「まだだ。まだ、人間に、お前らに、一矢報いてやらないと気がすまない!」
シアンは限界に達している魔力を使って水流を放つが、水流は非常に脆く形を維持することもできない。
「こ……の……くっ……。」
シアンは顔を下に向ける。
「シアンを拘束し……」
「ぐっ?!」
シアンは後ろから誰かに胸を手で貫かれる。貫いた手には、シアンの"心臓"が握られていた。
「おま………え……な…ぜ…」
シアンはその場に膝から崩れ落ちる。シアンの後ろにはディファラスが立っていた。
「いやー助かったぜ。シアンを弱らせてくれて。」
「貴様……どういうつもりだ!」
天垣は怒りをあらわにする。自身が疲労していることなど忘れている。
「こいつはよく働いてくれた。だが、俺が欲しかったのはこいつの"心臓"。これさえあれば俺の力を最大まで引き出せる。」
「……狂っている。」
アーロンドは険しい表情を浮かべながら呟く。
「なんとでも言うがいい。"心臓"は手に入ったのだからな。」
ディファラスはその場から立ち去ろうとする。
「ディファラスてめえぇえ!」
コンパルゴがどこからかディファラスに向かって飛びかかる。
「おっと。どうしたんだ、そんなに怒って?コンパルゴ君。」
「どうしたじゃねえ!よくもシアンを、姉御を!」
ディファラスはコンパルゴをはねのける。
「俺は君を半獣にしてあげたんだ。シアンのことで怒られるのは違うと思うが?」
「黙れ!」
コンパルゴの叫び声に天垣の背筋に寒気が走る。
「姉御は……姉御は!唯一、俺を強いと認めてくれたし、孤独だった俺に心から寄り添ってくれた!なのに……なのに!お前は簡単にその心をねじ伏せやがった!そんな奴のどこに感謝しろってんだ!その湿気た面でなんとか言ってみやがれっ!!」
コンパルゴは涙ぐみながらディファラスに殴りかかる。
「俺はお前らに興味はない。あるのはシアンの"心臓"だけだ。」
ディファラスはコンパルゴを吹き飛ばす。
「がっ?!」
コンパルゴの体が地面に強く打ち付けられる。
「行かせるか!」
天垣はディファラスに斬りかかる。しかし、ディファラスは天垣の目の前で突然姿を消す。
「な?!どこだ!でてこい!」
天垣は辺りに叫び散らかすが返事はない。
「くそっ!あの外道が!」
「待て。シアンの様子が変だ!」
シアンの体から魔力が溢れている。その上、溢れる量が徐々に増加している。
「まさか…………竜の力が暴走しているのか?」
ソールの一言で場に緊張が走る。シアンの姿が水流に包まれる。
「何が起こっている?!」
「気をつけろ。竜が目覚める。」
ソールは辺りに結界を張る。水流が破裂すると、中から青い鱗の竜が姿を現す。竜は天に向かって雄叫びをあげる。
「まさか………姉御!!」
コンパルゴは竜に向かって叫ぶ。竜はコンパルゴのほうを向くと魔力砲を放つ。
「あのバカ……」
天垣が動くよりも速く、ソールがコンパルゴを守る。
「そのようなことは無駄だ。もはや彼女の理性は残っていない。」
「んなこた、まだ分かられねえだろ!」
「竜の血統の心臓は生命を維持すると同時に、竜の力を制御する役割がある。それを失ってしまっては……」
竜は空に羽ばたくと、周囲に無数の水泡を作り出した。水泡が膨れ上がると、辺りに光線が放たれる。
「力が暴走し、理性を無くした暴れるだけの怪物と成り果てる。」
「流石は原初の竜の血統。"彼女"から聞いたとおり、強大な力だ。」
ソールは冷静にシアンの実力を分析する。
(これで本領を発揮できていなとなると……考えただけでも恐ろしい。)
すでに辺りは水浸しになっており、ここが砂漠だということを忘れさせるほどだった。
(早く手を打たなければ被害が広がる一方だ。しかし……どう対処すれば?)
「なにをボサッとしている?」
ソールの目の前にシアンが現れる。ソールに強烈な張り手を食らわせる。手のひらから魔力が放たれる。
「失礼、少々そなたの動きを観察していた。」
ソールは平然とシアンの攻撃を受け切る。
「へぇ、思ったよりやるようね。さっきの評価は訂正するわ。」
「その必要はない。私の役割はあくまで足止めだ。すぐに撤退することになるだろう。」
ソールはシアンの腕を掴むと、体術でその場に押し倒そうとする。
「そううまくいくと思うな。」
シアンは体を器用に動かしてソールから離れる。ソールはシアンに向かって魔法を放つ。
「おっと!これが狙いか。」
(離れたところを狙うのはダメか。ならば……)
ソールは気を集中させて、自身の足下に魔法陣を生成する。
「これならどうだ?」
魔法陣が光を放つと、空から魔力砲がシアンに向かって降り注ぐ。
「これは……魔力砲の改良版か。面白い使い方をするな。そういえば、貫通魔法を高速化する人間もいたな。」
「ガーネットのことか?彼女の実力は重々承知している。彼女もまた、私と同じで"ある人"から"魔法改変"の教えを受けた者だ。」
「"魔法改変"?聞いたことがないな。」
「文字通りの意味だ。話している時間はない。」
ソールは上空に飛び上がると、シアン目掛けて雷を落とす。
「これがお前の竜の力か、幼いな!」
シアンは上空のソールに向かって魔力砲を放つ。
「はあぁ!」
ソールは結界を展開して魔力砲を凌ぐ。結界が消えた隙をシアンは見逃さない。上空に飛び上がり、ソールを下へと蹴り落とす。
「ふんっ…。蹴り落としたくらいでは私は傷を受けない。」
「どれだけ弱かろうが竜であることに変わりはないか。だったら、お前の限界を確かめてやる!」
シアンはソールに向かって大量の水流を放つ。
(アーロンドの呪縛が解けたか。想定したよりもかなり早いな。)
ソールは水流を的確にいなして、少しずつシアンに近づく。
「いつまで保つかな!」
シアンは水流の勢いを強める。ソールは少し押されるが、何事もなかったように進み続ける。
「この程度であれば問題はない。予想よりもかなり弱いようだな。」
「き、貴様あ!」
シアンはソールの舐めたような態度に腹を立たせる。
(激昂しては冷静な判断ができないはず。畳み掛けるなら今だ。)
ソールは魔力を解き放って一斉に攻撃を始める。
(少しは消耗させられればいいが。)
ソールの攻撃がシアンを呑み込む。
「……けるな。」
シアンの声が薄っすらと聞こえる。
「ふざ……けるな!」
シアンが声をひねり出すと辺りの天候が一変して、風が吹き荒れ、大粒の雨粒が降ってきた。
「これは……まさか、これほどとは。」
シアンの角に雷が走る。
(逆鱗の力を全て解放したか。もはや、彼女の力は我々の想像もできないほど、強大なものとなっているだろう。)
ソールは地面に降りて天垣のもとに歩み寄る。
「シアンの体力を減らすことはできた。しかし、その分強大な力を表に現してしまったが。」
「消耗させてくれただけで十分だ。」
天垣はソールの肩を叩くと前へ出る。シアンは上空から天垣を見下ろす。天垣はシアンの凄まじい威圧感を肌で感じる。
「お前ごとき、もはや私の敵ではない。今の私は、かつての力に相当するほどの力で満ちている。このように……」
シアンは天垣の顔をかするようにして水流を放つ。水流は地面に深い亀裂を作る。
「大地を割ることなど造作もない。」
「………。」
「どうした?恐怖で言葉もでないのか?」
「いや……お前は本領を発揮できていないな。」
天垣は鋭い視線をシアンに向ける。
「あの時のお前は、さらに強力だったはずだ。お前は多少の無理をしているんじゃないのか?」
「無理、だと?ふっふっふっふっ…はっはっはっはっ!何を言っている?恐怖で気が狂ったか?」
「そうか。つまり……」
天垣は大剣を構える。
「俺が強くなったということか!」
天垣は上空のシアンに向かって斬撃を放つ。シアンは斬撃を躱す。斬撃は雲を真っ二つにする。
「やはり、お前を生かしておくことはできない。今はまだいいが、いずれ私にとって凄まじい脅威になるからな!」
シアンは無数の水流を周囲に放つ。天垣の周りから水流が地面を突き破って飛び出してくる。
「はぁ!」
天垣は大剣を振り回して水流を一掃する。
「この攻撃は何度も見た!もう俺には通用しない!」
天垣は地面を強く蹴り上げて、上空のシアンのもとに跳んで斬りかかる。
「所詮は脚力を使っただけ。人間は地べたを歩いているほうが似合っている!」
シアンは天垣を蹴り落とそうとするが、天垣の体をイザナミが支える。
「ちっ、神霊の加護か。面倒くさいことを。」
「今回は俺も本気だ。悪いが即急にケリを付けさせてもらう。まだやることがあるからな。」
天垣は大剣に力を集めだした。イザナミは呼応するように力を与える。
「こしゃくな!」
シアンは天垣に向かって魔力砲を放つ。
「これでどうだあぁぁ!」
天垣はシアンに大剣をむけて一直線に突進する。大剣が魔力砲を弾く。
「………!」
辺りは眩しい光に包まれる。
「これは?!」
「天垣の攻撃でしょう。やはり、素晴らしい一撃だ。」
光が消えると2人は地面に手をついていた。どちらもかなり消耗している。
「ハァ……ハァ……はっ、久しぶりに使ったがやはり、体力を大きく消耗するな。」
「お……のれ…」
シアンはフラフラになりながらも力を振り絞って立ち上がる。体の至るところに火傷のような跡ができている。
「どうだ、俺の光は?かなり効いただろう。」
「黙れ……このくらいなら……まだ、戦える。」
シアンは足を前に出して少しずつ天垣に近づく。
「まだやるきか?もうやめろ。お前の負けだ。」
「まだだ。まだ、人間に、お前らに、一矢報いてやらないと気がすまない!」
シアンは限界に達している魔力を使って水流を放つが、水流は非常に脆く形を維持することもできない。
「こ……の……くっ……。」
シアンは顔を下に向ける。
「シアンを拘束し……」
「ぐっ?!」
シアンは後ろから誰かに胸を手で貫かれる。貫いた手には、シアンの"心臓"が握られていた。
「おま………え……な…ぜ…」
シアンはその場に膝から崩れ落ちる。シアンの後ろにはディファラスが立っていた。
「いやー助かったぜ。シアンを弱らせてくれて。」
「貴様……どういうつもりだ!」
天垣は怒りをあらわにする。自身が疲労していることなど忘れている。
「こいつはよく働いてくれた。だが、俺が欲しかったのはこいつの"心臓"。これさえあれば俺の力を最大まで引き出せる。」
「……狂っている。」
アーロンドは険しい表情を浮かべながら呟く。
「なんとでも言うがいい。"心臓"は手に入ったのだからな。」
ディファラスはその場から立ち去ろうとする。
「ディファラスてめえぇえ!」
コンパルゴがどこからかディファラスに向かって飛びかかる。
「おっと。どうしたんだ、そんなに怒って?コンパルゴ君。」
「どうしたじゃねえ!よくもシアンを、姉御を!」
ディファラスはコンパルゴをはねのける。
「俺は君を半獣にしてあげたんだ。シアンのことで怒られるのは違うと思うが?」
「黙れ!」
コンパルゴの叫び声に天垣の背筋に寒気が走る。
「姉御は……姉御は!唯一、俺を強いと認めてくれたし、孤独だった俺に心から寄り添ってくれた!なのに……なのに!お前は簡単にその心をねじ伏せやがった!そんな奴のどこに感謝しろってんだ!その湿気た面でなんとか言ってみやがれっ!!」
コンパルゴは涙ぐみながらディファラスに殴りかかる。
「俺はお前らに興味はない。あるのはシアンの"心臓"だけだ。」
ディファラスはコンパルゴを吹き飛ばす。
「がっ?!」
コンパルゴの体が地面に強く打ち付けられる。
「行かせるか!」
天垣はディファラスに斬りかかる。しかし、ディファラスは天垣の目の前で突然姿を消す。
「な?!どこだ!でてこい!」
天垣は辺りに叫び散らかすが返事はない。
「くそっ!あの外道が!」
「待て。シアンの様子が変だ!」
シアンの体から魔力が溢れている。その上、溢れる量が徐々に増加している。
「まさか…………竜の力が暴走しているのか?」
ソールの一言で場に緊張が走る。シアンの姿が水流に包まれる。
「何が起こっている?!」
「気をつけろ。竜が目覚める。」
ソールは辺りに結界を張る。水流が破裂すると、中から青い鱗の竜が姿を現す。竜は天に向かって雄叫びをあげる。
「まさか………姉御!!」
コンパルゴは竜に向かって叫ぶ。竜はコンパルゴのほうを向くと魔力砲を放つ。
「あのバカ……」
天垣が動くよりも速く、ソールがコンパルゴを守る。
「そのようなことは無駄だ。もはや彼女の理性は残っていない。」
「んなこた、まだ分かられねえだろ!」
「竜の血統の心臓は生命を維持すると同時に、竜の力を制御する役割がある。それを失ってしまっては……」
竜は空に羽ばたくと、周囲に無数の水泡を作り出した。水泡が膨れ上がると、辺りに光線が放たれる。
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