91 / 117
【第20章 運命の選択】
第4節 皮肉な現実
しおりを挟む
ロビンはゆっくりと目を開ける。辺りに黒い炎が燃え盛っているが、徐々に小さくなっている。
「倒した……のか?」
気が緩んだのか、ロビンの体から炎が消える。同時に、ロビンは地面に座り込む。
「歩けねぇ、魔力切れだ。九尾、連れて行ってくれ。」
しかし、九尾からの返事はない。
「九尾?」
九尾の気配は感じる。どうやら、眠っているようだ。
「自分で歩かないとだめか……」
ロビンは立ち上がって歩き出そうとする。しかし瞬きをした瞬間、地面に倒れていた。
(えっ……?)
ロビンは状況を理解できず戸惑う。立ち上がろうとするが、腹部に激痛が走って立ち上がることが出来ない。遠くから足音が近づいてくることに気づく。
「はぁ……最初からこうすればよかったな。」
男の声が聞こえるが、その声は聞き覚えのあるものだった。ロビンは目で男の姿を捉える。
「なんで………生きてんだ?……死んだ……はずだ。」
ロビンは口の中に鉄の味がすることに気づく。
「確かに、お前たちから"見れば"俺は死んだことになっている。」
「どういう……意味……だ?」
ロビンは意識がハッキリしないのがわかる。
「お前たちが俺を殺した。それは事実だ。しかし、俺が生きているのもまた事実。」
「言ってる意味が………分からねぇ……」
「ようするに、物事は客観的に見たほうがいい、というわけだ。」
男は背を向けてその場から立ち去ろうとする。
「待て……お前だけは……行かせない……」
ロビンは男に手を伸ばすが、その手が届くはずはない。ロビンの視界がゆっくりと狭まっていく。
「いた!」
美桜はロビンを見つけて指を指す。青は急いでロビンのもとに降り立つ。
「……どういうこと?」
そこには、地面に倒れて動かないロビンだけがいた。
「大丈………」
美桜はロビンに触れ、状況を瞬時に察する。
「………離れなさい。」
椿は視線を逸らして美桜に話しかける。椿はロビンの状態を確認する。
「……だめね。」
そう言って首を横に振る。美桜はその場に膝から崩れ落ちる。
「腹部のこの傷が致命傷でしょうね。死因は、たぶん大量出血。」
「一体……誰が……」
美桜の声から驚きが感じられる。
「分からない。けど、1つだけ言える。ニグレードの以外の誰かが犯人ってこと。」
「なんで断言できるの?」
「魔力が付着していない。黒い炎で殺されたなら、ある程度の魔力が残っているはず。そもそも、あの状態のニグレードが黒い炎で鋭利な物を作れるかは定かじゃない。」
青は美桜に顔を擦り付ける。
「何?」
「なんでも。」
青と目があった瞬間、美桜は睡魔に襲われる。
(あれ?なんだか……眠くなって……)
美桜はその場に座り込んで眠ってしまう。
「良い判断ね。美桜は立っているだけでやっとの状態だったから、眠らせるのは正解よ。」
「こいつはどうする?」
青はロビンのほうに視線を向ける。
「どうするかは、美桜が決める。私が決めることじゃない。」
「わかった。乗れ。戻るぞ。」
椿は眠った美桜とロビンを連れて青に乗る。
数日後……
団長室のドアを誰かがノックする。
「どうぞ。」
ドアが開いて椿が部屋に入ってくる。
「あなたでしたか。ノックをするという常識はあるみたいですね。」
「私を反社の人間かなんかと勘違いしてる?」
「忘れたんですか?昔のあなたは、ドアを蹴破って入ってきてたんですよ。その度にドアを修理する羽目になりました。」
椿はアーロンドの話を聞く意思はない。
「話を変えましょう。今後は、どちらが団長を務めるのですか?」
「えっ、あんたじゃないの?」
椿は当たり前と言わんばかりの表情で問い返す。
「今は私が団長ですが、立場上はあなたが私の上司にあたる存在になるので、一応聞いてみました。」
「別に私がなる必要はないわよ。今の団員からすれば、ぽっと出の私が団長になるのもおかしな話でしょ?」
「それもそうですね。では、もう1つ聞きたいことがあります。」
椿は椅子に座って足を組む。
「あなたはこれからどうするのですか?」
「そうねぇ………自由に余生を楽しむわ。その前に、やるべきことがあるけど。」
「と言うと?」
アーロンドは純粋な疑問を投げかける。
「美桜に助言をするだけよ。」
椿は椅子から立ち上がると、背を向けて部屋を出る。
「助言、ですか……」
美桜が目を開けると、そこはベッドの上だった。
(どこ……ここ?)
美桜は体を起こす。
「痛っ……」
体中にズキズキと痺れるような痛みが走る。
「やっと起きた。」
ドアの近くの壁にもたれかかっていた椿が話しかけてくる。
「私……寝てた?」
「数日は寝てたわよ。かなり疲れていたみたいね。」
美桜はベッドから降りようとするが、痛みで上手く動くことができない。
「安静にしてなさい。過度の疲労、魔力切れ、黒い炎の侵食等、あんたを寝かしつけたときには体はボロボロだったわよ。よくもまぁ、その状態で動けたわね。」
椿は机に牛乳瓶と飾り切りしたリンゴが盛ってある皿を置く。
「なんで牛乳?」
「なんとなく。」
美桜はリンゴを食べながら椿に質問する。
「ロビンはどこ?」
「それは教えられない。」
椿は部屋の隅から椅子を持ってきて美桜の横に座る。
「彼に何か言いたいことがあるんじゃない?」
「ぶふぉ?!」
美桜は牛乳を吹き出す。
「ゲホッ、ゲホッ、急に何?!」
「質問に答えて。あるの?ないの?」
「…………ない。」
「ホントに?変な間があったけど?」
美桜は椿から視線を逸らす。椿は美桜に顔を近づける。椿は笑みを浮かべるが、その奥から恐怖を感じる。
「ホ・ン・ト・に・?」
「………あります……」
美桜は椿の圧力に押し負ける。
「そうそう、最初から自分に素直になればいいの。」
「でも、ロビンはもう帰ってこないじゃん。」
椿は美桜の言葉に首を数回ほど縦に振る。
「うんうん、確かにそうだねぇ~。」
椿は立ち上がると、窓際の壁にもたれかかる。
「もし私が………"死者を蘇生する方法"があるって言ったら信じる?」
「蘇生魔法なら流石に知ってるわよ。だけど、あれは……」
「成功するかも分からないし、蘇生に成功しても後遺症が残るかもしれない。更には世界の循環にも干渉するから、世界の秩序が乱れるかもしれない。そうでしょ?」
美桜は無言で頷く。
「私が言ってるのは"完璧な蘇生魔法"よ。」
「そんなものが実在するの?」
「話が逸れるけど、"古代魔術"って知ってる?」
「なにそれ?聞いたことない。」
「そりゃそうよね。この魔法を知ってるのは、現在では数えるほどしかいないもの。」
椿は再び椅子に座る。
「現在の魔法は、全て、古代魔術が原型となっている。現在の蘇生魔法も例外じゃない。」
椿はどこからか一冊の本を取り出す。
「だけど、蘇生魔法の原型となった魔法は、どの文献にも記されていない。それに、探そうとしても確実に時間が足りない。人間の寿命では見つける前に死んでしまう。」
「じゃあ無理じゃん。」
「それが無理じゃないの。」
椿は美桜の前に立つ。
「1つだけ……1つだけ、方法がある。」
美桜は唾を飲み込む。
「あなたが……"紡ぎ人(つむぎびと)"になるのよ。」
「倒した……のか?」
気が緩んだのか、ロビンの体から炎が消える。同時に、ロビンは地面に座り込む。
「歩けねぇ、魔力切れだ。九尾、連れて行ってくれ。」
しかし、九尾からの返事はない。
「九尾?」
九尾の気配は感じる。どうやら、眠っているようだ。
「自分で歩かないとだめか……」
ロビンは立ち上がって歩き出そうとする。しかし瞬きをした瞬間、地面に倒れていた。
(えっ……?)
ロビンは状況を理解できず戸惑う。立ち上がろうとするが、腹部に激痛が走って立ち上がることが出来ない。遠くから足音が近づいてくることに気づく。
「はぁ……最初からこうすればよかったな。」
男の声が聞こえるが、その声は聞き覚えのあるものだった。ロビンは目で男の姿を捉える。
「なんで………生きてんだ?……死んだ……はずだ。」
ロビンは口の中に鉄の味がすることに気づく。
「確かに、お前たちから"見れば"俺は死んだことになっている。」
「どういう……意味……だ?」
ロビンは意識がハッキリしないのがわかる。
「お前たちが俺を殺した。それは事実だ。しかし、俺が生きているのもまた事実。」
「言ってる意味が………分からねぇ……」
「ようするに、物事は客観的に見たほうがいい、というわけだ。」
男は背を向けてその場から立ち去ろうとする。
「待て……お前だけは……行かせない……」
ロビンは男に手を伸ばすが、その手が届くはずはない。ロビンの視界がゆっくりと狭まっていく。
「いた!」
美桜はロビンを見つけて指を指す。青は急いでロビンのもとに降り立つ。
「……どういうこと?」
そこには、地面に倒れて動かないロビンだけがいた。
「大丈………」
美桜はロビンに触れ、状況を瞬時に察する。
「………離れなさい。」
椿は視線を逸らして美桜に話しかける。椿はロビンの状態を確認する。
「……だめね。」
そう言って首を横に振る。美桜はその場に膝から崩れ落ちる。
「腹部のこの傷が致命傷でしょうね。死因は、たぶん大量出血。」
「一体……誰が……」
美桜の声から驚きが感じられる。
「分からない。けど、1つだけ言える。ニグレードの以外の誰かが犯人ってこと。」
「なんで断言できるの?」
「魔力が付着していない。黒い炎で殺されたなら、ある程度の魔力が残っているはず。そもそも、あの状態のニグレードが黒い炎で鋭利な物を作れるかは定かじゃない。」
青は美桜に顔を擦り付ける。
「何?」
「なんでも。」
青と目があった瞬間、美桜は睡魔に襲われる。
(あれ?なんだか……眠くなって……)
美桜はその場に座り込んで眠ってしまう。
「良い判断ね。美桜は立っているだけでやっとの状態だったから、眠らせるのは正解よ。」
「こいつはどうする?」
青はロビンのほうに視線を向ける。
「どうするかは、美桜が決める。私が決めることじゃない。」
「わかった。乗れ。戻るぞ。」
椿は眠った美桜とロビンを連れて青に乗る。
数日後……
団長室のドアを誰かがノックする。
「どうぞ。」
ドアが開いて椿が部屋に入ってくる。
「あなたでしたか。ノックをするという常識はあるみたいですね。」
「私を反社の人間かなんかと勘違いしてる?」
「忘れたんですか?昔のあなたは、ドアを蹴破って入ってきてたんですよ。その度にドアを修理する羽目になりました。」
椿はアーロンドの話を聞く意思はない。
「話を変えましょう。今後は、どちらが団長を務めるのですか?」
「えっ、あんたじゃないの?」
椿は当たり前と言わんばかりの表情で問い返す。
「今は私が団長ですが、立場上はあなたが私の上司にあたる存在になるので、一応聞いてみました。」
「別に私がなる必要はないわよ。今の団員からすれば、ぽっと出の私が団長になるのもおかしな話でしょ?」
「それもそうですね。では、もう1つ聞きたいことがあります。」
椿は椅子に座って足を組む。
「あなたはこれからどうするのですか?」
「そうねぇ………自由に余生を楽しむわ。その前に、やるべきことがあるけど。」
「と言うと?」
アーロンドは純粋な疑問を投げかける。
「美桜に助言をするだけよ。」
椿は椅子から立ち上がると、背を向けて部屋を出る。
「助言、ですか……」
美桜が目を開けると、そこはベッドの上だった。
(どこ……ここ?)
美桜は体を起こす。
「痛っ……」
体中にズキズキと痺れるような痛みが走る。
「やっと起きた。」
ドアの近くの壁にもたれかかっていた椿が話しかけてくる。
「私……寝てた?」
「数日は寝てたわよ。かなり疲れていたみたいね。」
美桜はベッドから降りようとするが、痛みで上手く動くことができない。
「安静にしてなさい。過度の疲労、魔力切れ、黒い炎の侵食等、あんたを寝かしつけたときには体はボロボロだったわよ。よくもまぁ、その状態で動けたわね。」
椿は机に牛乳瓶と飾り切りしたリンゴが盛ってある皿を置く。
「なんで牛乳?」
「なんとなく。」
美桜はリンゴを食べながら椿に質問する。
「ロビンはどこ?」
「それは教えられない。」
椿は部屋の隅から椅子を持ってきて美桜の横に座る。
「彼に何か言いたいことがあるんじゃない?」
「ぶふぉ?!」
美桜は牛乳を吹き出す。
「ゲホッ、ゲホッ、急に何?!」
「質問に答えて。あるの?ないの?」
「…………ない。」
「ホントに?変な間があったけど?」
美桜は椿から視線を逸らす。椿は美桜に顔を近づける。椿は笑みを浮かべるが、その奥から恐怖を感じる。
「ホ・ン・ト・に・?」
「………あります……」
美桜は椿の圧力に押し負ける。
「そうそう、最初から自分に素直になればいいの。」
「でも、ロビンはもう帰ってこないじゃん。」
椿は美桜の言葉に首を数回ほど縦に振る。
「うんうん、確かにそうだねぇ~。」
椿は立ち上がると、窓際の壁にもたれかかる。
「もし私が………"死者を蘇生する方法"があるって言ったら信じる?」
「蘇生魔法なら流石に知ってるわよ。だけど、あれは……」
「成功するかも分からないし、蘇生に成功しても後遺症が残るかもしれない。更には世界の循環にも干渉するから、世界の秩序が乱れるかもしれない。そうでしょ?」
美桜は無言で頷く。
「私が言ってるのは"完璧な蘇生魔法"よ。」
「そんなものが実在するの?」
「話が逸れるけど、"古代魔術"って知ってる?」
「なにそれ?聞いたことない。」
「そりゃそうよね。この魔法を知ってるのは、現在では数えるほどしかいないもの。」
椿は再び椅子に座る。
「現在の魔法は、全て、古代魔術が原型となっている。現在の蘇生魔法も例外じゃない。」
椿はどこからか一冊の本を取り出す。
「だけど、蘇生魔法の原型となった魔法は、どの文献にも記されていない。それに、探そうとしても確実に時間が足りない。人間の寿命では見つける前に死んでしまう。」
「じゃあ無理じゃん。」
「それが無理じゃないの。」
椿は美桜の前に立つ。
「1つだけ……1つだけ、方法がある。」
美桜は唾を飲み込む。
「あなたが……"紡ぎ人(つむぎびと)"になるのよ。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる