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サルチルの町
短気な二人
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アメジストが暴れていた頃、新しく仲間になったアランと共に歩いていけば気が遠くなるほど離れてしまった魔王の城を目指すリトス一行。
途中にある村や町で休憩しながら目指すつもりだったが初めに着いた「サルチル」の町の宿屋で早くも問題にぶつかっていた。。
「アスモディアンは泊まってはいけないってどういうことでござるか?」
「そのままの意味だよ。ウチに泊まっていいのはそこの可愛いエルフと兄ちゃんとおじさんでアスモディアンは受け付けてないんだよ」
「困ったもんだな。同じセリフ三回くらい聞いたぞ」
「この町の人達はどうにもアスモディアンに寛容ではないようですね。私の町でもそうだったのですがやはり祖父の世代からアスモディアンに支配されかけていたということが語り継がれているせいでしょうかね」
「古臭いことこの上ないよね。人間でいう百年前のことってかなり前のことなんでしょ?」
「俺だって本当は金さえ払ってくれれば泊めてやりたいんだがな…言い訳してもいいか?」
(その様子だと私情というわけではなさそうだね)
ゆっくりと話すことにしたのか宿屋の主人はキセルを取り出して一服をする。
「私情で飯が食えるかよ。おじさんの言ったとおりこの町は…いや町長がやたらとアスモディアンを嫌がっていて他の町からアスモディアンを受け入れれば経済をよく回してやるって言われても断固として受け入れやしねぇ。そんでもってアスモディアンを受け入れるやつが物を食わせたり泊まらせようとするものならそいつの店は二度と行かないほうがいいって客足が遠のいちまったり、終いには店を潰せって言われるんだよ」
「つまり町長をなんとかすればいいってことか?」
「それだけで解決するか怪しいな。それに話一つでどうにかできるような相手じゃないぞ?」
「じゃあ殺せばいいじゃない」
「口を開かなくさせればいいのでござるから脅せばいいでござるよ」
(言っても聞かないなら行動するのが僕たちだもんね)
「おい兄ちゃんの連れ物騒すぎじゃねぇか!?」
主人が隆に向かって叫ぶが隆は目を逸らす。
今までの旅で話し合いをして断られるか話し合いをする前から殺し合いになるかのどちらかだったためアラン以外は「困ったら相手を黙らせればい」という思考が真っ先に出ている。
「町長に手を出すとしても町のやつらが黙っちゃいないだろうな。町長のやり方に反抗する奴はもちろんいるが信じてる奴だって少なくねぇ。アスモディアンを嫌う分ヒューマンに優しいから賞金首になって追われる身になっちまうぞ?」
「それは今に始まったことじゃないけどな…あれ?俺勇者としてこっちの世界に召喚されたのに追われる身になってなんで平気なんだ…?」
主人に町長が住んでいる場所を教えてもらったリトス一行は真っ直ぐ向かい、ドアを叩くとすぐに中から首にシンジュノネックレスをつけた五十代ほどの女性が出てきた。
「ラルアお願い」
(うん)
打ち合わせもなく、隆が止める隙もなくラルアは素早く枝で女性の足を地面に繋げて動けなくさせる。
「ちょっと何するの!痛っ!どうにかしなさい!」
女性が足を動かそうとすると枝が足に食い込んでいく。
「あなたたちは確かドルイドの言っていた危険な五人組ね!」
「ドルイドって祭司だったよな?」
「本来はそうなんだけど神への信仰が無くなった今では占い師みたいなもの。偽物もいるみたいなんだけどまぁお金払ってまで未来見る人なら嘘ついているか分かる魔法使うしそうそういないね」
「そうでしたら一日家にいて我々が来るのを恐れていると思うんですがね。もしかしてラルアさんに捕まってから思い出されたんですかね」
「違うわよ!あの黒い服を着た小さいドルイドが私の身に危険が迫っているとか町の中で叫んだから高いお金払って聞いたら数日後にあなたの家をアスモディアンとエルフを連れ た五人組が私の家に来るって言ってたのよ!」
「だったら町の外に出るか家の中で籠っていればよかったでござる」
「私は町長なのよ!そんなことできるわけないじゃない!それで私に何の用なのよ!」
枝を解こうとしてそのまま枝に絡まれ前屈のような見た目になった町長。
このまま話すわけにもいかず隆はラルアに解くように指示をすると不安そうに枝を離した。
「見ての通り私達の中にアスモディアンがいるんだけどあんたのやり方のせいで泊まれないの。だから一晩どこかに泊まらせてくれない?」
「金があれば泊まれるだろう?もっとも野蛮な種族に提供する宿なんてどこもないだろうね」
「やっぱりこのババア殺すわ」
「待て!構えるな!ラルアも地面に手を付けて準備をするな!なぁばあさん。俺達はなるべく穏便にいきたいんだ。ここには一晩泊まったら出るし…な?」
「たった一晩でこの町のイメージに傷つけるつもりかい?」
「よし、話しても無駄だったな」
「待つでござるよ!腹が立つご老体ではござるがこの町の人たちはお金を持ってるようで拙者達に賭けられる額も高くなるのでござるよ!」
「ああん?それがどうしたっていうんだよ」
「つまりでござるよ。その賞金に釣られて追っ手が何人も何十人も来るのでござるから魔王討伐しようとしていたつもりが拙者達が第二の魔王になりかねないでござる」
「それは楽しそうでございますなぁ!既に騎士団も壊滅させたのですし不可能ではないでしょうなぁ!」
(そうしたらアスモディアン中心の世界になって今度は僕が優遇されるようになるのかな)
「そこは喜ぶところではないでござるよ二人共~とにかく苛立つとは思うでござるがこのご老体を説得するで…隆殿?」
ライナが隆が居た場所を居るとそこに隆とリトスはおらず、嫌な予感がしてゆっくりと町長の方を見ると口を枝で塞がれた町長が隆に羽交い締めにされリトスに腹を何度も殴られ続けられていた。
「あっはっは!やってしまいましたなぁ!」
(あの二人やっぱり仲いいなぁ)
「あーはいお似合いでござるねー」
二人の気が済んだのは騒ぎを聞いて集まった剣士達が集まった時だった。
途中にある村や町で休憩しながら目指すつもりだったが初めに着いた「サルチル」の町の宿屋で早くも問題にぶつかっていた。。
「アスモディアンは泊まってはいけないってどういうことでござるか?」
「そのままの意味だよ。ウチに泊まっていいのはそこの可愛いエルフと兄ちゃんとおじさんでアスモディアンは受け付けてないんだよ」
「困ったもんだな。同じセリフ三回くらい聞いたぞ」
「この町の人達はどうにもアスモディアンに寛容ではないようですね。私の町でもそうだったのですがやはり祖父の世代からアスモディアンに支配されかけていたということが語り継がれているせいでしょうかね」
「古臭いことこの上ないよね。人間でいう百年前のことってかなり前のことなんでしょ?」
「俺だって本当は金さえ払ってくれれば泊めてやりたいんだがな…言い訳してもいいか?」
(その様子だと私情というわけではなさそうだね)
ゆっくりと話すことにしたのか宿屋の主人はキセルを取り出して一服をする。
「私情で飯が食えるかよ。おじさんの言ったとおりこの町は…いや町長がやたらとアスモディアンを嫌がっていて他の町からアスモディアンを受け入れれば経済をよく回してやるって言われても断固として受け入れやしねぇ。そんでもってアスモディアンを受け入れるやつが物を食わせたり泊まらせようとするものならそいつの店は二度と行かないほうがいいって客足が遠のいちまったり、終いには店を潰せって言われるんだよ」
「つまり町長をなんとかすればいいってことか?」
「それだけで解決するか怪しいな。それに話一つでどうにかできるような相手じゃないぞ?」
「じゃあ殺せばいいじゃない」
「口を開かなくさせればいいのでござるから脅せばいいでござるよ」
(言っても聞かないなら行動するのが僕たちだもんね)
「おい兄ちゃんの連れ物騒すぎじゃねぇか!?」
主人が隆に向かって叫ぶが隆は目を逸らす。
今までの旅で話し合いをして断られるか話し合いをする前から殺し合いになるかのどちらかだったためアラン以外は「困ったら相手を黙らせればい」という思考が真っ先に出ている。
「町長に手を出すとしても町のやつらが黙っちゃいないだろうな。町長のやり方に反抗する奴はもちろんいるが信じてる奴だって少なくねぇ。アスモディアンを嫌う分ヒューマンに優しいから賞金首になって追われる身になっちまうぞ?」
「それは今に始まったことじゃないけどな…あれ?俺勇者としてこっちの世界に召喚されたのに追われる身になってなんで平気なんだ…?」
主人に町長が住んでいる場所を教えてもらったリトス一行は真っ直ぐ向かい、ドアを叩くとすぐに中から首にシンジュノネックレスをつけた五十代ほどの女性が出てきた。
「ラルアお願い」
(うん)
打ち合わせもなく、隆が止める隙もなくラルアは素早く枝で女性の足を地面に繋げて動けなくさせる。
「ちょっと何するの!痛っ!どうにかしなさい!」
女性が足を動かそうとすると枝が足に食い込んでいく。
「あなたたちは確かドルイドの言っていた危険な五人組ね!」
「ドルイドって祭司だったよな?」
「本来はそうなんだけど神への信仰が無くなった今では占い師みたいなもの。偽物もいるみたいなんだけどまぁお金払ってまで未来見る人なら嘘ついているか分かる魔法使うしそうそういないね」
「そうでしたら一日家にいて我々が来るのを恐れていると思うんですがね。もしかしてラルアさんに捕まってから思い出されたんですかね」
「違うわよ!あの黒い服を着た小さいドルイドが私の身に危険が迫っているとか町の中で叫んだから高いお金払って聞いたら数日後にあなたの家をアスモディアンとエルフを連れ た五人組が私の家に来るって言ってたのよ!」
「だったら町の外に出るか家の中で籠っていればよかったでござる」
「私は町長なのよ!そんなことできるわけないじゃない!それで私に何の用なのよ!」
枝を解こうとしてそのまま枝に絡まれ前屈のような見た目になった町長。
このまま話すわけにもいかず隆はラルアに解くように指示をすると不安そうに枝を離した。
「見ての通り私達の中にアスモディアンがいるんだけどあんたのやり方のせいで泊まれないの。だから一晩どこかに泊まらせてくれない?」
「金があれば泊まれるだろう?もっとも野蛮な種族に提供する宿なんてどこもないだろうね」
「やっぱりこのババア殺すわ」
「待て!構えるな!ラルアも地面に手を付けて準備をするな!なぁばあさん。俺達はなるべく穏便にいきたいんだ。ここには一晩泊まったら出るし…な?」
「たった一晩でこの町のイメージに傷つけるつもりかい?」
「よし、話しても無駄だったな」
「待つでござるよ!腹が立つご老体ではござるがこの町の人たちはお金を持ってるようで拙者達に賭けられる額も高くなるのでござるよ!」
「ああん?それがどうしたっていうんだよ」
「つまりでござるよ。その賞金に釣られて追っ手が何人も何十人も来るのでござるから魔王討伐しようとしていたつもりが拙者達が第二の魔王になりかねないでござる」
「それは楽しそうでございますなぁ!既に騎士団も壊滅させたのですし不可能ではないでしょうなぁ!」
(そうしたらアスモディアン中心の世界になって今度は僕が優遇されるようになるのかな)
「そこは喜ぶところではないでござるよ二人共~とにかく苛立つとは思うでござるがこのご老体を説得するで…隆殿?」
ライナが隆が居た場所を居るとそこに隆とリトスはおらず、嫌な予感がしてゆっくりと町長の方を見ると口を枝で塞がれた町長が隆に羽交い締めにされリトスに腹を何度も殴られ続けられていた。
「あっはっは!やってしまいましたなぁ!」
(あの二人やっぱり仲いいなぁ)
「あーはいお似合いでござるねー」
二人の気が済んだのは騒ぎを聞いて集まった剣士達が集まった時だった。
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