あの日、北京の街角で4 大連デイズ

ゆまは なお

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「あ、あっ、いい…」

 思わず腰が揺れて、きゅっと孝弘の指を締めつけた。いつの間にか指は増えていて、もうそれだけでは物足りなくなっている。

 あちこちにキスされながらじょじょに昂ぶっていくのがじれったくて、もっと奥まで届くものが欲しくて、孝弘の耳元に囁いた。

「孝弘、欲しい」
「ん、ここ、もうすごくやらかい」

 指が抜かれて、かわりにぐっと押しつけられた熱が入ってくる。

 この3か月で何度か受け入れているのに、毎回うれしくて、こうして抱き合えることが本当に信じられなくて、たまらない気持になる。

「すごくよさそう」

 一旦動きを止めた孝弘が両手をついて、祐樹を見下ろした。そういう孝弘も楽しげで、祐樹は腕を回して引き寄せた。

「うん、もっと来て」

 深く体を折られて、つながりが深くなる。自分では届かない奥にある快楽の源をゆるやかに突き上げられた。長いストロークで抜き差しされて背筋を上ってくる快感に体を震わせる。

 くちゅくちゅと音がたつほどローションが足され、さらに滑らかな動きを助けてそこが熱くなる。

「これ、ほんとにあったかいな」
「うん」

「どっちが好き?」
 すこし体を引いて、小刻みな動きに変えた孝弘がそんなことを訊く。

「え…。どっちって…」
 浅いところで抜き差しされると奥を突かれるのとはまた違う快感に翻弄される。

「この辺と奥のほうと、どっちが好き?」
 もう一度訊かれたが、そんなの考えたことがない。

 どっちも気持ちいい、でも感覚が違うのだが、それを言葉で言い表すのはこの状態では無理だった。答えられずに首を振ると、耳を甘噛みされてふいに性器を握られた。

「あっ、や…」
「もうぬるぬる」

 とろとろと零している敏感な先端を指の腹で弄られる。途端にきゅうっと体内が反応して孝弘を締めつけた。孝弘が一瞬、息を詰めて、それからふっと吐く。

「あー、今イキそうだった」
「いっていいのに」

「ダメ。もっと堪能したい」
 その言葉通り、孝弘がゆっくり身を沈めてくる。

 奥まで深く侵されて中がびくびくと反応した。押し開かれたと思うとじりじり引かれて、同時に性器を扱かれた。前後で与えられる快感が大きすぎて、きゅうっと体が収縮したのを感じてかーっと体が熱くなった。

 そこを開くようにまた最奥まで入れられて、思わず引き留めるように締めつける。はっと短く息を吐きながら、孝弘が囁く。

「そんな締めないで、よすぎる」
「わざとじゃないってば」

 それは意志ではできない動きで、とにかく本能としか言いようがなく自分の体なのにまったく制御できない。困った祐樹の声に孝弘も苦笑めいた顔をする。

「だよな。でもめちゃくちゃいい」

 言いながら速度が上がる。突き上げてくるリズムに合わせながら、二人で一緒に頂上を目指す。熱くて溶けそうな思考の中、ぐりっと孝弘が擦り上げた個所に、祐樹の腰が跳ねた。


 ぶわっと快感が膨らんで体が浮いたような錯覚を起こした。ぎゅっとしがみつくように腕に力が入る。密着したままぐいぐいと奥を押し上げられて、こらえようもなく声が上がる。

「あっ、あ、だめ、そこ…っ」

 痺れるような快感が背筋を貫いて、ぎゅっと足の指が丸くなる。孝弘が低く呻くように「もうやばい」とつぶやく。祐樹だって同じだ。

「や、あっ、孝弘、もういくっ」
「いいよ、俺もいきそう」

 祐樹が背をのけ反らせて絶頂を迎える。

 そのすぐ後に孝弘もきつく祐樹を抱きしめて、ぶるりと腰を震わせた。何度か胴震いして放出するのを体内で感じる。頭を空っぽにして、しばらく体を重ねて荒い息をついていた。

 それがじょじょに収まって呼吸が落ち着くと、小さなキスがいくつも降ってくる。

「どう? 上書きできた?」
「うん。すごくよかった」

 唇と舌でじゃれあっているとそれが次第にしっとり熱を帯びたものに変わっていき、まだ繋がったままの孝弘の性器が芯を持つのを感じた。

「もう一回したい」
 ゆるく腰を回されて、おねだりが耳に吹き込まれる。

 素直に欲しがられて、祐樹は微笑んだ。

 祐樹の面倒くさいところを責めないで、傷つけても覚えていてくれたなんて暗い喜びをやすやすと乗り越えて、楽しい記憶で上書きしようなんて言ってくれる孝弘が本当に好きだ。

「おれもしたいよ」
 孝弘の肩に額を擦りつけて祐樹はおねだりに応える。
 
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