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バエクラの戦い①
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三万五千にまで増員されたローマ軍は、ヒスパニア内陸部にあるバエクラで冬営しているハスドルバル率いるカルタゴ一軍に向かって進撃を開始した。
バエクラはカルタゴ・ノウァから十日の場所に位置する都市で、付近にはグアダルキビル川や渓谷があり、この地も天然の要塞と言ってよい。ローマ軍の動きを察知したハスドルバルは、バエクラの南にある丘に陣営を築いた。そこは両側を渓谷に挟まれ、前方にはグアダルキビル川が流れ、後方がバエクラの町と、守るのにうってつけの場所であった。さらに丘を二段に工事して、上段には主力軍、下段にはヒスパニアの地元兵が陣を敷く。
ハスドルバルは味方の援軍が来るまではここで守りを固め、味方と合流したのちに一気にローマ軍を撲滅するつもりであった。カディス近郊にいる弟マゴには既に急使を出している。マゴがラエリウス率いるローマ海軍に足止めされているとは夢にも思わず、直ぐに援軍に駆けつけてくるものとばかり思っていた。
カルタゴ軍がバエクラの南の丘に陣取ることを想定していたスキピオは、落ち着いた様子でまずは周囲に複数の部隊を放った。彼が恐れるのはカルタゴの援軍である。ここから最も近いのはマゴのカルタゴ二軍だが、ラエリウスが時間を稼いでいるはずであった。それでも油断はできなかった。三つに分かれているカルタゴ軍はそれぞれがローマ軍と同程度の兵力であったし、敵には戦象や強力な騎兵戦力がいる。挟撃されれば父や叔父の二の舞になるのは必至だった。スキピオは放った部隊に周囲の動向を探らせながら、同時にカルタゴ一軍の撤退経路の封鎖を試みた。
ここでの戦術はタラゴナで検討を重ねてきた。準備は万端であったが、敵の強固な陣営を目の当たりにすると、スキピオの自信が揺らいだ。だが、躊躇はできない。時間をかければかけるほど、敵の援軍が到着する危険が増すからだ。スキピオは不安な夜を過ごした。
翌日、スキピオは誰よりも早く起床し、薄闇の中で天を見上げた。空には幾万もの星がお互いを主張しあうかのように輝いていた。
勝てるだろうか。カルタゴ・ノウァでは上手くいったが、今度も上手くいくとは限らない。勝利のために準備はしてきたが、何かが足りないように思えて仕方がなかった。練に練られた作戦には自信があったが、それも作戦通りに事が運んだらの話だった。相手がこちらの意図するように動いてくれるのか、味方がスキピオの指示通りに的確に行動できるのか。もはや運のようにも思えた。では、運をできるだけ手繰り寄せるにはどうすればよいのだろうかと考えるが、思考はぐるぐると堂々巡りをするだけで、彼が望む答えは得られなかった。
昼前、スキピオの前になんとラエリウスが現れた。彼は部下に海軍の指揮を任せ、ここまで一睡もせずに急行してきたと言う。
「さすがに眠たいです」
そう言ったラエリウスの表情は明るかった。戦闘開始に間に合ったことに安堵しているのだろう。しかし、身体の方は正直なようで、ラエリウスはそれだけ言って倒れるように眠りについてしまった。
ラエリウスの到着により、スキピオは自信を取り戻した。こんな心強い援軍はなかった。ローマ軍は主力を二手に分けて攻撃をする作戦だった。一方は自身が指揮を執れるが、片方は誰かに任せなければならない。その誰かを選ぶのが難しかったのだ。作戦の立案から参加しているラエリウスしか任せられないと、心の中ではわかっていたが、ラエリウスには海軍を指揮する役割があった。そこがスキピオを不安にさせていたのだが、どうしようもない問題に彼自身が目を逸らしていただけだった。
「よし」
スキピオはそう声に出した。周囲の部下たちが聞こえないぐらい小さな声であったが、それは彼の全身に力をみなぎらせた。スキピオは腹を括った。
バエクラに到着して三日目の早朝、スキピオは戦闘を開始した。軽装歩兵にグアダルキビル川を迅速に渡らせると、高地の下段に陣取るカルタゴ軍軽装歩兵に向かって突撃命令を出した。ローマ軍の喇叭が鳴り響き、ローマやヒスパニアの屈強な男たちが掛け声とともに突進を開始した。
高低差を活かしたカルタゴ軍軽装歩兵の投擲攻撃にも、ローマ軍軽装歩兵は怯まなかった。死んでいく味方の屍を盾にして、彼らは突進を続けた。
丘を登り切ったローマ軍軽装歩兵が敵に襲い掛かかり、乱戦となった。地の利はカルタゴ軍にあったかもしれないが、士気の上では圧倒的にローマ軍が上回っていた。
ハスドルバルはマゴの到着が予想よりも遅れていることを不思議に思っていたが、焦りは微塵も感じていなかった。ローマ軍との戦力は互角と見ていたし、こちらには圧倒的な地の利がある。自軍だけで勝敗を決するのには難儀かもしれないが、この地で守りに徹してさえいればよいのであれば話は簡単だと考えていた。カルタゴ軍の陣容を見れば、ローマ軍が本気で攻めてくる道理はない。こちらは簡単には落ちない。敵は攻撃すればするほど被害が出るし、マゴの援軍が到着すれば挟撃による撲滅は必至な情勢だったからだ。
ローマ軍の攻撃が始まったが、動いたのは軽装歩兵だけである。本隊であるローマ軍の重装歩兵の姿は見えなかった。
それはそうだろう。ハスドルバルはローマ軍の本隊が動くことはないと踏んでいた。軽装歩兵による攻撃は、いわゆる様子見というものだろうと。攻撃してきたローマ軍が予想以上に敢闘して深入りしてきたのは、むしろこちらにとって好都合だとも考えた。
ハスドルバルは高地の下段で戦うローマ軍に打撃を加えるため、自軍の重装歩兵に出撃命令を下し、自身も出陣の準備に入った。
カルタゴ軍の本隊はローマ軍にその陣容を見せつけるかのように、悠然と東西に隊列を組んでいった。ハスドルバル自身もそうだったが、大半のカルタゴ兵も、この本隊の姿を見ればローマ軍は一目散に退散するだろうと考えていた。逃げる相手を追撃して大きな痛手を与えてやろうと、鼻息を荒くする者も少なくはなかった。
ハスドルバルは最初何が起こったのかわからなかった。どこからかローマ軍の突撃を促す喇叭の音が聞こえ、次に激しい衝突音が耳に飛び込んできた。前方では自軍の軽装歩兵がローマ軍の軽装歩兵に押されている状況は変わらない。そこでは剣を振り合い、白兵戦が行われている。ローマ軍が押し気味とはいえ、自軍の重装歩兵を突入すれば戦況は一方的なものになるに違いなかった。衝撃は本体の中心部にいるハスドルバルから最も離れたところ、つまり隊列の両端に走っていた。ハスドルバルは状況確認に部下を走らせたが、既に隊列の端は大混乱に陥っており、なかなか状況がつかめなかった。
ハスドルバルの背中はびっしょりと汗で濡れた。人は予想外の出来事に直面したとき、呆然として時間を無駄にするものだが、このときのハスドルバルも、ただ時が過ぎるのを待つだけの愚人に成り下がっていた。
注 ベクラ=バエクラ
カンネー=カンナエ
バエクラはカルタゴ・ノウァから十日の場所に位置する都市で、付近にはグアダルキビル川や渓谷があり、この地も天然の要塞と言ってよい。ローマ軍の動きを察知したハスドルバルは、バエクラの南にある丘に陣営を築いた。そこは両側を渓谷に挟まれ、前方にはグアダルキビル川が流れ、後方がバエクラの町と、守るのにうってつけの場所であった。さらに丘を二段に工事して、上段には主力軍、下段にはヒスパニアの地元兵が陣を敷く。
ハスドルバルは味方の援軍が来るまではここで守りを固め、味方と合流したのちに一気にローマ軍を撲滅するつもりであった。カディス近郊にいる弟マゴには既に急使を出している。マゴがラエリウス率いるローマ海軍に足止めされているとは夢にも思わず、直ぐに援軍に駆けつけてくるものとばかり思っていた。
カルタゴ軍がバエクラの南の丘に陣取ることを想定していたスキピオは、落ち着いた様子でまずは周囲に複数の部隊を放った。彼が恐れるのはカルタゴの援軍である。ここから最も近いのはマゴのカルタゴ二軍だが、ラエリウスが時間を稼いでいるはずであった。それでも油断はできなかった。三つに分かれているカルタゴ軍はそれぞれがローマ軍と同程度の兵力であったし、敵には戦象や強力な騎兵戦力がいる。挟撃されれば父や叔父の二の舞になるのは必至だった。スキピオは放った部隊に周囲の動向を探らせながら、同時にカルタゴ一軍の撤退経路の封鎖を試みた。
ここでの戦術はタラゴナで検討を重ねてきた。準備は万端であったが、敵の強固な陣営を目の当たりにすると、スキピオの自信が揺らいだ。だが、躊躇はできない。時間をかければかけるほど、敵の援軍が到着する危険が増すからだ。スキピオは不安な夜を過ごした。
翌日、スキピオは誰よりも早く起床し、薄闇の中で天を見上げた。空には幾万もの星がお互いを主張しあうかのように輝いていた。
勝てるだろうか。カルタゴ・ノウァでは上手くいったが、今度も上手くいくとは限らない。勝利のために準備はしてきたが、何かが足りないように思えて仕方がなかった。練に練られた作戦には自信があったが、それも作戦通りに事が運んだらの話だった。相手がこちらの意図するように動いてくれるのか、味方がスキピオの指示通りに的確に行動できるのか。もはや運のようにも思えた。では、運をできるだけ手繰り寄せるにはどうすればよいのだろうかと考えるが、思考はぐるぐると堂々巡りをするだけで、彼が望む答えは得られなかった。
昼前、スキピオの前になんとラエリウスが現れた。彼は部下に海軍の指揮を任せ、ここまで一睡もせずに急行してきたと言う。
「さすがに眠たいです」
そう言ったラエリウスの表情は明るかった。戦闘開始に間に合ったことに安堵しているのだろう。しかし、身体の方は正直なようで、ラエリウスはそれだけ言って倒れるように眠りについてしまった。
ラエリウスの到着により、スキピオは自信を取り戻した。こんな心強い援軍はなかった。ローマ軍は主力を二手に分けて攻撃をする作戦だった。一方は自身が指揮を執れるが、片方は誰かに任せなければならない。その誰かを選ぶのが難しかったのだ。作戦の立案から参加しているラエリウスしか任せられないと、心の中ではわかっていたが、ラエリウスには海軍を指揮する役割があった。そこがスキピオを不安にさせていたのだが、どうしようもない問題に彼自身が目を逸らしていただけだった。
「よし」
スキピオはそう声に出した。周囲の部下たちが聞こえないぐらい小さな声であったが、それは彼の全身に力をみなぎらせた。スキピオは腹を括った。
バエクラに到着して三日目の早朝、スキピオは戦闘を開始した。軽装歩兵にグアダルキビル川を迅速に渡らせると、高地の下段に陣取るカルタゴ軍軽装歩兵に向かって突撃命令を出した。ローマ軍の喇叭が鳴り響き、ローマやヒスパニアの屈強な男たちが掛け声とともに突進を開始した。
高低差を活かしたカルタゴ軍軽装歩兵の投擲攻撃にも、ローマ軍軽装歩兵は怯まなかった。死んでいく味方の屍を盾にして、彼らは突進を続けた。
丘を登り切ったローマ軍軽装歩兵が敵に襲い掛かかり、乱戦となった。地の利はカルタゴ軍にあったかもしれないが、士気の上では圧倒的にローマ軍が上回っていた。
ハスドルバルはマゴの到着が予想よりも遅れていることを不思議に思っていたが、焦りは微塵も感じていなかった。ローマ軍との戦力は互角と見ていたし、こちらには圧倒的な地の利がある。自軍だけで勝敗を決するのには難儀かもしれないが、この地で守りに徹してさえいればよいのであれば話は簡単だと考えていた。カルタゴ軍の陣容を見れば、ローマ軍が本気で攻めてくる道理はない。こちらは簡単には落ちない。敵は攻撃すればするほど被害が出るし、マゴの援軍が到着すれば挟撃による撲滅は必至な情勢だったからだ。
ローマ軍の攻撃が始まったが、動いたのは軽装歩兵だけである。本隊であるローマ軍の重装歩兵の姿は見えなかった。
それはそうだろう。ハスドルバルはローマ軍の本隊が動くことはないと踏んでいた。軽装歩兵による攻撃は、いわゆる様子見というものだろうと。攻撃してきたローマ軍が予想以上に敢闘して深入りしてきたのは、むしろこちらにとって好都合だとも考えた。
ハスドルバルは高地の下段で戦うローマ軍に打撃を加えるため、自軍の重装歩兵に出撃命令を下し、自身も出陣の準備に入った。
カルタゴ軍の本隊はローマ軍にその陣容を見せつけるかのように、悠然と東西に隊列を組んでいった。ハスドルバル自身もそうだったが、大半のカルタゴ兵も、この本隊の姿を見ればローマ軍は一目散に退散するだろうと考えていた。逃げる相手を追撃して大きな痛手を与えてやろうと、鼻息を荒くする者も少なくはなかった。
ハスドルバルは最初何が起こったのかわからなかった。どこからかローマ軍の突撃を促す喇叭の音が聞こえ、次に激しい衝突音が耳に飛び込んできた。前方では自軍の軽装歩兵がローマ軍の軽装歩兵に押されている状況は変わらない。そこでは剣を振り合い、白兵戦が行われている。ローマ軍が押し気味とはいえ、自軍の重装歩兵を突入すれば戦況は一方的なものになるに違いなかった。衝撃は本体の中心部にいるハスドルバルから最も離れたところ、つまり隊列の両端に走っていた。ハスドルバルは状況確認に部下を走らせたが、既に隊列の端は大混乱に陥っており、なかなか状況がつかめなかった。
ハスドルバルの背中はびっしょりと汗で濡れた。人は予想外の出来事に直面したとき、呆然として時間を無駄にするものだが、このときのハスドルバルも、ただ時が過ぎるのを待つだけの愚人に成り下がっていた。
注 ベクラ=バエクラ
カンネー=カンナエ
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