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「お嬢様起きてください」
メアリーに起こされ、目が覚めた。
泣き疲れて眠ってしまったらしい。
眠い目を擦りながら起き上がると、暗闇の中ランプを持ったメアリーが「こちらへ」とモニカの腕を引いた。
ベッドから抜け出て、手を引かれるままメアリーの後に続き廊下を歩いた。
「ねえ、メアリー。どこに行くの?」
メアリーの背中に問うが、メアリーは「お静かに」と言うだけでおしえてくれなかった。
真っ暗な廊下を通り、厨房の裏口から外へ出ると、メアリーは「ここでお待ちください」と裏口の直ぐ側にモニカを残し、庭の方へ歩いていった。
モニカは外壁に寄せてあった木箱の横に腰を下ろした。
膝を抱え、空を見上げる。
今日は月が明るい。周りもよく見えた。
しばらくすると、メアリーが歩いていった方角から人が駆けてきた。
(誰だろうか)
目を凝らして人影を見る。
強盗だったらどうしよう。
そんな事も考えたがぼんやりとした影から「モニカ」と耳慣れた声がした。
「ローランド!」
モニカは思わず立ち上がった。
だがすぐに、母がローランドに近づくなと言っていたことを思い出し、慌てて口元を抑えた。
近づいてきたローランドがモニカの前で止まる。
「な、なんでここに」
モニカが声を潜めて言うと、
「メアリーに聞いてきた」
とローランドが言った。
「モニカがしんどくなってるから慰めてやってほしいって……モニカ、大丈夫か?」
ローランドの優しい口調に、モニカの視界が歪んで涙がこぼれた。
「王子妃なんてなりたくないのに……みんな話を聞いてくれない」
ローランドが「よしよし」と頭を撫でた。
「エメラルド、貰っちまったからだな」
「預かってるだけなんだって言ってるのに」
「みんなはそう捉えてないってことなんだろ?」
「返すって言ったら、ミラがだめだって」
「普通返さないな。というか返せるのか?」
「分かんない!でも、これ貰ってから嫌なことばっかり続くよ!このネックレス絶対呪われてるよ」
「……それはあんまりにも不敬だから、ここだけの話にしとけ」
ローランドは息を吐いて、上着のポケットから何かを取り出した。
「口開けろ」
言われるがまま口を開ける。
ローランドがつまんだ何かをモニカの口の中に放り込んだ。
ころりと丸い塊は、口の中で甘く溶けた。
「いちごの飴だ」
「うまいか?」
ローランドがにっと笑った。
モニカが頷くと、ローランドが、わしわしとモニカの頭を撫でた。
昔からローランドはよくモニカの頭を撫でる。
犬の頭を撫でるみたいな乱暴な撫で方だけど、モニカはほっとした。
「元気だせ、また来てやるから、な」
宥めるように言われ、モニカは、はっとしてローランドの上着を掴んだ。
「まだ帰らないで、側にいて」
モニカがローランドを見つめると、ローランドが一瞬動きを止めた。
ローランドがモニカを見つめたまま、眉を寄せて唇を噛んだ。
なぜだかローランドがとても苦しそうに見えた。
「……モニカは王子妃になるのは嫌か?」
「いやだ」
すぐ頷くと、ローランドが、
「なら……」
と言って口を噤んだ。
そのままローランドは話さない。
「ローランド?」
不思議に思い名前を呼んでみると、ローランドが顔を上げた。
「なら……俺と婚約するか?」
一瞬、思考が止まった。
だが、すぐ回転しだした頭は瞬時に答えを出した。
「する」
モニカは即答した。
メアリーに起こされ、目が覚めた。
泣き疲れて眠ってしまったらしい。
眠い目を擦りながら起き上がると、暗闇の中ランプを持ったメアリーが「こちらへ」とモニカの腕を引いた。
ベッドから抜け出て、手を引かれるままメアリーの後に続き廊下を歩いた。
「ねえ、メアリー。どこに行くの?」
メアリーの背中に問うが、メアリーは「お静かに」と言うだけでおしえてくれなかった。
真っ暗な廊下を通り、厨房の裏口から外へ出ると、メアリーは「ここでお待ちください」と裏口の直ぐ側にモニカを残し、庭の方へ歩いていった。
モニカは外壁に寄せてあった木箱の横に腰を下ろした。
膝を抱え、空を見上げる。
今日は月が明るい。周りもよく見えた。
しばらくすると、メアリーが歩いていった方角から人が駆けてきた。
(誰だろうか)
目を凝らして人影を見る。
強盗だったらどうしよう。
そんな事も考えたがぼんやりとした影から「モニカ」と耳慣れた声がした。
「ローランド!」
モニカは思わず立ち上がった。
だがすぐに、母がローランドに近づくなと言っていたことを思い出し、慌てて口元を抑えた。
近づいてきたローランドがモニカの前で止まる。
「な、なんでここに」
モニカが声を潜めて言うと、
「メアリーに聞いてきた」
とローランドが言った。
「モニカがしんどくなってるから慰めてやってほしいって……モニカ、大丈夫か?」
ローランドの優しい口調に、モニカの視界が歪んで涙がこぼれた。
「王子妃なんてなりたくないのに……みんな話を聞いてくれない」
ローランドが「よしよし」と頭を撫でた。
「エメラルド、貰っちまったからだな」
「預かってるだけなんだって言ってるのに」
「みんなはそう捉えてないってことなんだろ?」
「返すって言ったら、ミラがだめだって」
「普通返さないな。というか返せるのか?」
「分かんない!でも、これ貰ってから嫌なことばっかり続くよ!このネックレス絶対呪われてるよ」
「……それはあんまりにも不敬だから、ここだけの話にしとけ」
ローランドは息を吐いて、上着のポケットから何かを取り出した。
「口開けろ」
言われるがまま口を開ける。
ローランドがつまんだ何かをモニカの口の中に放り込んだ。
ころりと丸い塊は、口の中で甘く溶けた。
「いちごの飴だ」
「うまいか?」
ローランドがにっと笑った。
モニカが頷くと、ローランドが、わしわしとモニカの頭を撫でた。
昔からローランドはよくモニカの頭を撫でる。
犬の頭を撫でるみたいな乱暴な撫で方だけど、モニカはほっとした。
「元気だせ、また来てやるから、な」
宥めるように言われ、モニカは、はっとしてローランドの上着を掴んだ。
「まだ帰らないで、側にいて」
モニカがローランドを見つめると、ローランドが一瞬動きを止めた。
ローランドがモニカを見つめたまま、眉を寄せて唇を噛んだ。
なぜだかローランドがとても苦しそうに見えた。
「……モニカは王子妃になるのは嫌か?」
「いやだ」
すぐ頷くと、ローランドが、
「なら……」
と言って口を噤んだ。
そのままローランドは話さない。
「ローランド?」
不思議に思い名前を呼んでみると、ローランドが顔を上げた。
「なら……俺と婚約するか?」
一瞬、思考が止まった。
だが、すぐ回転しだした頭は瞬時に答えを出した。
「する」
モニカは即答した。
感想
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