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第9章 使、命
第329話 嵐の前の
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戦は膠着状態におちいっていた。
翠玉は戦場を櫓から見下ろして大きなため息をもらした。
本当に、一体董伯央は何を考えているのだろうか。
開戦からおよそひと月半が経とうとしていた。
そのうち約半分が雨天でもどかしい日を過ごしている。
敵軍は決定的に何かを仕掛けてくる事がないままだ。
そんな無駄なことを彼がなぜやるのか、読めないまま刻々と日々を過ごしている事に焦燥を感じている。
「碧相国陣営、呂参謀より伝令です。」
後方から声をかけられ、兵を見る。
碧相側につけている者で間違いない。
至湧とは毎日決まった時間毎に定期連絡をしている。
「聞くわ」
兵に身体を向けると、彼はもう一度深く頭を下げた。
「晴天3日目、今までにない事が起こるかもしれない。注意されたし。以上です。」
「なるほど、、、ご苦労様。下がっていいわ」
伝令の言葉を聞いて、その言葉を噛みしめる。
軽く手を振れば、彼は一礼して下がっていった。
「たしかに、ここ3日雨は降ってないですけどね」
どういう事でしょうか?と首を捻ったのは華南だった。
「彼等の策が雨ではできない事だった可能性があるって事なのかもね。ねぇ冬隼今朝の戦場の土壌はどんな感じ?」
肩を竦めて華南に説明をしながら、櫓の縁に手をかけて戦場を眺めている冬隼に声をかける。
「だいたい乾いているな。まだ所々柔らかいが、この日差しなら午後には乾くだろう」
どうだ?と彼は自分の横に控える泰誠にも意見を求めた。
「そうですね。砂埃が立つほどではないと思いますけど」
泰誠も頷いた。
「そう、じゃあ午後が勝負時かもね。ならば早い内に、各指揮官たちに懸念は伝えておきましょうか。」
そう言った翠玉が、各部隊への伝令達を集めるように命じたのだった。
翠玉は戦場を櫓から見下ろして大きなため息をもらした。
本当に、一体董伯央は何を考えているのだろうか。
開戦からおよそひと月半が経とうとしていた。
そのうち約半分が雨天でもどかしい日を過ごしている。
敵軍は決定的に何かを仕掛けてくる事がないままだ。
そんな無駄なことを彼がなぜやるのか、読めないまま刻々と日々を過ごしている事に焦燥を感じている。
「碧相国陣営、呂参謀より伝令です。」
後方から声をかけられ、兵を見る。
碧相側につけている者で間違いない。
至湧とは毎日決まった時間毎に定期連絡をしている。
「聞くわ」
兵に身体を向けると、彼はもう一度深く頭を下げた。
「晴天3日目、今までにない事が起こるかもしれない。注意されたし。以上です。」
「なるほど、、、ご苦労様。下がっていいわ」
伝令の言葉を聞いて、その言葉を噛みしめる。
軽く手を振れば、彼は一礼して下がっていった。
「たしかに、ここ3日雨は降ってないですけどね」
どういう事でしょうか?と首を捻ったのは華南だった。
「彼等の策が雨ではできない事だった可能性があるって事なのかもね。ねぇ冬隼今朝の戦場の土壌はどんな感じ?」
肩を竦めて華南に説明をしながら、櫓の縁に手をかけて戦場を眺めている冬隼に声をかける。
「だいたい乾いているな。まだ所々柔らかいが、この日差しなら午後には乾くだろう」
どうだ?と彼は自分の横に控える泰誠にも意見を求めた。
「そうですね。砂埃が立つほどではないと思いますけど」
泰誠も頷いた。
「そう、じゃあ午後が勝負時かもね。ならば早い内に、各指揮官たちに懸念は伝えておきましょうか。」
そう言った翠玉が、各部隊への伝令達を集めるように命じたのだった。
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