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第9章 使、命
第344話 穴の中
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丘江の耳に人の声が、わずかに聞こえたのは、暗闇の中、崖の岩肌と生茂る草木を目を凝らして観察してしばらく経ってからだ。
この辺りは湧水も多く、常に水音が耳を騒がせていた。
その中に水音でない音質の音はやけによく聴こえて、一瞬にして緊張が走る。
同じ声を聞いたのだろう。他の兵もみな動きを止めて耳を欹てた。
「将軍、こちらに穴が!灯が見えます」
声を上げたのは、前を行く兵だった。
急いでその者のいう場所に向かうと、そこは地下に潜るような穴だった。
岩と地の間に出来た隙間は、たしかに人が一人通れそうな隙間がある。奥は入り口以上に広そうだ。
その奥にチラチラと朱色の光が揺れていて、わずかに人の声がする。
まさか敵がここに潜んでいるのだろうか
嫌な汗が額に浮いた。
「私達が中を改めて参ります。」
兵2人がそう言って降りていく。
すぐに降りた二人から、松明があるが、あとは何もない、しかし穴は先に続いていると報告が入る。
どうするのかと兵達の視線が丘江を見つめる。
こんなものを見つけて放っておけるわけがない。
「降りるぞ。恬栄に伝令を!変な穴を見つけた。進軍を一旦止めろと伝えろ、2人ここに残れ。恬栄が戻ったらこの穴以外にもないか調べさせろ」
かんたんに指示を出して。丘江は穴の中に体を押し込んだ。
後ろから、部下達も続いてくる。
「これは、鍾乳洞か」
中はやはり広かった。と言っても背丈のある丘江は少し屈まなければならなかったが、それでも人が複数人潜むには申し分ない。
独特の湿気を含んだ澱んだ空気が少し息苦しい。
松明の光で照らされた自分達のいる場所は少し広い洞になっていて、その先にまだ穴が続いている。
しかしのその先は真っ暗で、どこにつながっているのかが不明だ。
もしこれが敵の本陣につづいていたら
そう考えて丘江はゾッとした。
他にも同じような穴があったら、、、
そう考えて、彼はまずい!と瞬間的に今来た穴の入り口を見上げた、、、
それは、同時だった。
ジャンジャンと、けたたましい銅鑼の音が響いたのだ。
それは、今きた穴の外からなのか、穴の中からなのか、判別がつかなかった。
ダダダダダと地が揺れて、丘江は経験上それが兵の足音だとすぐに理解した。
やられた!
すぐに戻らねば、そう思って踵を返そうとしたところ、
「グッ!」
「うぁ!」
穴の奥の道を覗き込んでいた兵が二人倒れた。
一人は眉間に鉄の棒のようなものが刺さり絶命し
もう一人は同じものが肩に刺さっていた
方向からして穴の中から放たれたもののようだ。
やはり誰かいる。
丘江は足元の松明を握りしめ、通路に近づく。
先は狭いがやはり続いていた。
踏み込むべきか、丘江は迷う。
地上では、バタバタと兵が走り、そして、喧騒も聞こえてくる。
どうやら、やはり別の穴があり、そこから敵兵が出現した我が軍は、挟まれる格好になったらしい。
今出ても間に合わないどころか敵陣営のど真ん中に出ることになるだろう。
ただの犬死である。
ならばこの中を伝って敵の本陣にたどり着いた方が、すこしでも足掻きになるだろう。
その時、地鳴りと水音の中にわずかに声が聞こえた
「奥方様!」
「大丈夫よ。景眞に伝えて!指揮をお願い!」
どうやらこの穴は他の穴とも繋がっているらしい。
敵が、やり取りする声だった。
奥方様、、、、
そして女の声、指揮
丘江の中で、急速に情報が整理され、そしてすぐに一人の女に繋がった。
あの女がここにいる
そして彼女が指揮をとっていると言うことは、これを仕掛けたのも
「いくぞ!あの女の首だけでもとる」
この辺りは湧水も多く、常に水音が耳を騒がせていた。
その中に水音でない音質の音はやけによく聴こえて、一瞬にして緊張が走る。
同じ声を聞いたのだろう。他の兵もみな動きを止めて耳を欹てた。
「将軍、こちらに穴が!灯が見えます」
声を上げたのは、前を行く兵だった。
急いでその者のいう場所に向かうと、そこは地下に潜るような穴だった。
岩と地の間に出来た隙間は、たしかに人が一人通れそうな隙間がある。奥は入り口以上に広そうだ。
その奥にチラチラと朱色の光が揺れていて、わずかに人の声がする。
まさか敵がここに潜んでいるのだろうか
嫌な汗が額に浮いた。
「私達が中を改めて参ります。」
兵2人がそう言って降りていく。
すぐに降りた二人から、松明があるが、あとは何もない、しかし穴は先に続いていると報告が入る。
どうするのかと兵達の視線が丘江を見つめる。
こんなものを見つけて放っておけるわけがない。
「降りるぞ。恬栄に伝令を!変な穴を見つけた。進軍を一旦止めろと伝えろ、2人ここに残れ。恬栄が戻ったらこの穴以外にもないか調べさせろ」
かんたんに指示を出して。丘江は穴の中に体を押し込んだ。
後ろから、部下達も続いてくる。
「これは、鍾乳洞か」
中はやはり広かった。と言っても背丈のある丘江は少し屈まなければならなかったが、それでも人が複数人潜むには申し分ない。
独特の湿気を含んだ澱んだ空気が少し息苦しい。
松明の光で照らされた自分達のいる場所は少し広い洞になっていて、その先にまだ穴が続いている。
しかしのその先は真っ暗で、どこにつながっているのかが不明だ。
もしこれが敵の本陣につづいていたら
そう考えて丘江はゾッとした。
他にも同じような穴があったら、、、
そう考えて、彼はまずい!と瞬間的に今来た穴の入り口を見上げた、、、
それは、同時だった。
ジャンジャンと、けたたましい銅鑼の音が響いたのだ。
それは、今きた穴の外からなのか、穴の中からなのか、判別がつかなかった。
ダダダダダと地が揺れて、丘江は経験上それが兵の足音だとすぐに理解した。
やられた!
すぐに戻らねば、そう思って踵を返そうとしたところ、
「グッ!」
「うぁ!」
穴の奥の道を覗き込んでいた兵が二人倒れた。
一人は眉間に鉄の棒のようなものが刺さり絶命し
もう一人は同じものが肩に刺さっていた
方向からして穴の中から放たれたもののようだ。
やはり誰かいる。
丘江は足元の松明を握りしめ、通路に近づく。
先は狭いがやはり続いていた。
踏み込むべきか、丘江は迷う。
地上では、バタバタと兵が走り、そして、喧騒も聞こえてくる。
どうやら、やはり別の穴があり、そこから敵兵が出現した我が軍は、挟まれる格好になったらしい。
今出ても間に合わないどころか敵陣営のど真ん中に出ることになるだろう。
ただの犬死である。
ならばこの中を伝って敵の本陣にたどり着いた方が、すこしでも足掻きになるだろう。
その時、地鳴りと水音の中にわずかに声が聞こえた
「奥方様!」
「大丈夫よ。景眞に伝えて!指揮をお願い!」
どうやらこの穴は他の穴とも繋がっているらしい。
敵が、やり取りする声だった。
奥方様、、、、
そして女の声、指揮
丘江の中で、急速に情報が整理され、そしてすぐに一人の女に繋がった。
あの女がここにいる
そして彼女が指揮をとっていると言うことは、これを仕掛けたのも
「いくぞ!あの女の首だけでもとる」
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