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フィランダーside
イッパツ?
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彼女を補佐官として手元に置く事に決めた。
もともと彼女に白羽の矢を立てたのは団長だ、全く私情というわけでもない。
当然、難色を示した彼女だが、少し追い詰めたらすぐに首を縦に振った。
意地悪な気もしたが仕方ない。
彼女を他の男たちから遠ざけるためなら鬼になると俺は決めたのだ。
実際仕事は忙しくて、、連日彼女には残業に付き合ってもらっていた。
夜、二人きりの執務室でも、彼女は淡々と仕事をしていたし、自分も努めて平常通りにしていた。
とにかく、彼女が他の男達と会う隙を作らなければ良いのだ、、、そう思っていた。
「ミリィ今夜付き合ってくれねぇか?」
週末、午前の訓練後、引き上げようとした所に唐突に耳に入ってきたのは、ハスキーな男の声だった。
どうやら自分の背後を、ミリアーナと男の団員の2人が歩いているらしい。
耳に全神経を集中させた。
「最近ご無沙汰じゃん?一発ぱぁんとさ!」
ゴブサタ?イッパツ?
聞き捨てならない言葉が彼女に向けられたのだけは見ていなくても分かった。
ひやりと汗が背を伝う。
彼女はどう答えるのだろう。
一瞬で身体が緊張した。
「いいわねぇ!最近仕事ばっかで溜まってたのよね!」
意気揚々と発されたその言葉に、、、その場に膝から崩れ落ちそうになるのをなんとか堪えた。
すごいノリノリだ。
なるほど、こうして彼女は軽い気持ちで楽しんでいるのか、、、
「そうこなくっちゃな!」
当然受け入れてもらえると思っていたと言うように声を上げたのは、、おそらくはアルフォンス・バリーズだろう。彼女とよく一緒にいる男だ。
チョコレート色の短髪に細身のどこか斜にかまえたような男だが、仲間から人望は厚く、上官からの信頼も厚い。
たしか出身は子爵家だが、あまり貴族然としていない。きっとそんな所がこの第4に向いているし、ミリアーナも居心地がいいのだろう。
でもまさか、2人がそう言う関係だとは、、、。
やはり彼女は、団の男とそういった関係を持っていたらしい。
あの艶かし身体と、可愛い声を知る男が自分の他にもいたのだ。
気がついたら踵を返し、彼女の背後に迫っていた。
彼女はアルフォンス・バリーズに対応するためこちらに背を向けていたが、対面していたアルフォンス・バリーズはすぐに俺の存在に気がついた。
そして次の瞬間、顔を引きつらせた。
「ブラッドレイ補佐官」
思わず、低く暗い声が出た。
絶望感でいっぱいだったのだ。
「なんでしょうか?副団長?」
振り向いてにこりと笑った彼女の顔も引きつっていた。まるでまずい事を知られたというような後ろめたい顔だ。
やはり、そうなのか、、。
とにかく、なんとか今夜この男と過ごさせる事だけは死守しなければならない。
「団長が、、いくつか書類を残していたらしい、就業後に片付けるから残ってくれ」
嘘だ。
差し迫ったものは昨日までに片付けていた。
このところ残業続きだったから、週末くらい彼女を休ませてやろうと思っていたのだが、、それが裏目に出ていたのか。
「そう言うわけだ、バリーズ君すまないが」
視線を、アルフォンス・バリーズに移して、諦めろと睨みを利かせる。
「あぁ、、構いませんよ!仕方ありません」
何でもないように彼は頷いて、自分達の遊びはいつでも出来るから、、、と言うような事を言った。
いつでも彼女を抱く事ができると、暗に言っているような言葉だった。
もともと彼女に白羽の矢を立てたのは団長だ、全く私情というわけでもない。
当然、難色を示した彼女だが、少し追い詰めたらすぐに首を縦に振った。
意地悪な気もしたが仕方ない。
彼女を他の男たちから遠ざけるためなら鬼になると俺は決めたのだ。
実際仕事は忙しくて、、連日彼女には残業に付き合ってもらっていた。
夜、二人きりの執務室でも、彼女は淡々と仕事をしていたし、自分も努めて平常通りにしていた。
とにかく、彼女が他の男達と会う隙を作らなければ良いのだ、、、そう思っていた。
「ミリィ今夜付き合ってくれねぇか?」
週末、午前の訓練後、引き上げようとした所に唐突に耳に入ってきたのは、ハスキーな男の声だった。
どうやら自分の背後を、ミリアーナと男の団員の2人が歩いているらしい。
耳に全神経を集中させた。
「最近ご無沙汰じゃん?一発ぱぁんとさ!」
ゴブサタ?イッパツ?
聞き捨てならない言葉が彼女に向けられたのだけは見ていなくても分かった。
ひやりと汗が背を伝う。
彼女はどう答えるのだろう。
一瞬で身体が緊張した。
「いいわねぇ!最近仕事ばっかで溜まってたのよね!」
意気揚々と発されたその言葉に、、、その場に膝から崩れ落ちそうになるのをなんとか堪えた。
すごいノリノリだ。
なるほど、こうして彼女は軽い気持ちで楽しんでいるのか、、、
「そうこなくっちゃな!」
当然受け入れてもらえると思っていたと言うように声を上げたのは、、おそらくはアルフォンス・バリーズだろう。彼女とよく一緒にいる男だ。
チョコレート色の短髪に細身のどこか斜にかまえたような男だが、仲間から人望は厚く、上官からの信頼も厚い。
たしか出身は子爵家だが、あまり貴族然としていない。きっとそんな所がこの第4に向いているし、ミリアーナも居心地がいいのだろう。
でもまさか、2人がそう言う関係だとは、、、。
やはり彼女は、団の男とそういった関係を持っていたらしい。
あの艶かし身体と、可愛い声を知る男が自分の他にもいたのだ。
気がついたら踵を返し、彼女の背後に迫っていた。
彼女はアルフォンス・バリーズに対応するためこちらに背を向けていたが、対面していたアルフォンス・バリーズはすぐに俺の存在に気がついた。
そして次の瞬間、顔を引きつらせた。
「ブラッドレイ補佐官」
思わず、低く暗い声が出た。
絶望感でいっぱいだったのだ。
「なんでしょうか?副団長?」
振り向いてにこりと笑った彼女の顔も引きつっていた。まるでまずい事を知られたというような後ろめたい顔だ。
やはり、そうなのか、、。
とにかく、なんとか今夜この男と過ごさせる事だけは死守しなければならない。
「団長が、、いくつか書類を残していたらしい、就業後に片付けるから残ってくれ」
嘘だ。
差し迫ったものは昨日までに片付けていた。
このところ残業続きだったから、週末くらい彼女を休ませてやろうと思っていたのだが、、それが裏目に出ていたのか。
「そう言うわけだ、バリーズ君すまないが」
視線を、アルフォンス・バリーズに移して、諦めろと睨みを利かせる。
「あぁ、、構いませんよ!仕方ありません」
何でもないように彼は頷いて、自分達の遊びはいつでも出来るから、、、と言うような事を言った。
いつでも彼女を抱く事ができると、暗に言っているような言葉だった。
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