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番外編
アルフォンス・バリーズの災難 その後の夫妻
しおりを挟む柔らかい日の光と、さらさらと髪を撫でる大きな手の感触で、目を覚ました。
ぼんやりとする視界に飛び込んできたのは、会いたかった夫の顔。
あぁそうだ、昨晩フィルが戻ってきたのだ。
アルと飲んでいるところにフィルが来て、そのまま馬車に乗って、、、アルが降りて、、、そのあとの記憶がない。
「おはよう」
ぼんやりしている私の顔を覗き込んだフィルが可笑しそうに笑っている。
「ん、、、おはよう」
軽く伸びをして答えると彼の手がサラサラと髪を梳きだした。
「二日酔いは大丈夫か?」
「ん~平気みたい。ぐっすり寝たからむしろスッキリしてる」
「それは良かった」
そうしてニコリと笑った彼に、私はなぜか組み敷かれた。
あれ?この体勢って、、、。
そう理解した時には、しゅるりと音がして、寝巻の前紐を解かれていて。
「ま、まって、、朝から!?」
慌ててフィルの胸を押すけれど、すでに私の上に押しかかってきたフィルはびくともしない。
それどころか、彼はなだめるように私の額に口づけて、温かい手でするすると脇腹を撫でる。
「まだ、早いから大丈夫だよ。それより一週間分のミリィを補充しないと」
本当は昨日したかったけど、君は寝ちゃったから、、、と言われて、私は言葉を失う。
馬車の中でべたべたくっついておきながら寝落ちされてしまったフィルを思うと、申し訳なくて抵抗ができないではないか。
チュッと彼が首筋に口づけを落とし、脇腹にあった手が私の胸の頂きを擦る。
「っ、、あっ!」
甘い声が漏れて、体の中心にジワリと熱が宿る。結局、私もすでにその気なのだ。
「あと、、、」
耳元でフィルの低く甘い声が響く。
「お仕置きもしなくちゃな?」
「え?」
不穏な言葉に驚いて身を捩るも、一拍早くその腰を彼の膝で固定されるとすぐに彼に唇を捕らえられ、すぐに口内を蹂躙される。
「うっ、はぁっ、、、、ん、、、ふっ」
久しぶりの熱くて強引でとろけるようなそれに私は必至で答えるけれど、、、。
なんだかいつもより激しい。
た、食べられてしまいそう。
ようやく解放された時には、私は半分酸欠状態で、それなのに彼は涼しい顔で満足そうにこちらを見下ろしていた。
「お望みのトロトロでぐちゃぐちゃだろ?」
そういたずらめいて首を傾げられて、、、そこでようやく私が彼に言った言葉と、、、アルに愚痴った内容を思い出した。
あぁ、、、なんてことを、、、私のバカ。
顔をひきつらせた私の様子にフィルはため息を吐いて今度はチュッと触れるだけのキスをした。
「雑にしていたわけではないのだがな、、、ただ深くなればなるほど歯止めが利かなくなる。そう毎回盛っていたらミリィの身体が持たないだろう?そろそろ結婚して半年経つのだしあまりにも求めすぎるのもどうなのだろうかと思ったんだ。」
君がいいのなら、遠慮なくいつでも丁寧な口づけをするよ?
と妖艶な微笑みと共に言われて、私はゴクリと唾をのむ。
「っ、、、その、、時間と体力がある時であれば、、っ!」
言うや否や、また唇を奪われて、私がお望みの深くてトロトロでぐちゃぐちゃが始まる。
いつの間にか胸への愛撫も再開されていて、そこからは私は何も言えなくなってしまった。
あぁ、アルに悪いことしたなぁきっと、、、週明けに謝っておかないと。
頭の片隅にちらりとそんな考えが浮かんだけれど、一瞬の内に消し飛んで、私の頭の中は夫でいっぱいになってしまったのだった。
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みんなの感想(50件)
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感想ありがとうございます。
悶々としたのでしょうね😅
相手が面倒見のよい信頼が置けるアルだからと言うところはあるかと思います。
感想ありがとうございます。
アイリーンは、領地に戻って結婚相手を見つける場である社交会にもいられず、本当に結婚の道が断たれた事がざまぁですかね。
すみません。私あまりざまぁを書くのは得意でないので、ぬる〜いざまぁではあります😅
感想ありがとうございます。
すれ違い楽しんでいただけて嬉しいです。
アルとアイリーンは実は最初くっ付く予定でしたが、、、恐らく双方タイプじゃ無いだろうと思い断念しました😇