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5日目
巨悪
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「はは――!!」
「ひひ――!!」
2人の笑いは交差する。桃也はライフルを向け、義明は距離を詰める。
距離は5mほど。外せば近距離戦となる。――どちらにしても上等。今の桃也は脳内物質によって、大きな自信がついていた。
――聞き飽きたほどの爆音。発射され銃弾は義明の顔面を捉える――もし義明が動かなければ。
桃也が脳内物質でハイになっているように、義明も脳内物質の影響で調子が上がっている。つまり身体能力が大幅に向上していた。
「マジかっ――」
――反動で動けないところに右ストレートが放たれる。それは銃の反動よりも大きいパワー。後方へと吹き飛ばされるのは必然だ。
「っっ――はは――!!」
攻撃が当たる直前、かろうじて防御が成功した。銃を持っていない片手で防御。やはり反射神経は上がっている。
だが回避したのではなく防御した。ダメージがゼロになったのではない。防御した腕が雷に打たれたようにジリジリと痺れてくる。
ほとんどスピードを落とすことなく突進してきた。今の桃也は障害物にもなりえない、という意味。
斜線上に入れば死ぬのは車と一緒。走ってくる時の揺れはまさにトラックだ。脳裏に浮かび上がってくる死。
横に転がって回避しつつ、地面に落ちていた斧を掴む。そこそこの重量だ。義明がブレーキをかけてる内に持ち上げる。
狙いは脳天。振り上げた斧を一気に叩きつけた。
――外した。しかし当たった。首元数センチ。ギリギリ反応した義明によって斧は食い止められた。
「くそっ……!!」
桃也の腹部に前蹴りが叩き込まれる。
「ぐぁ――」
蹴り飛ばされつつも銃は離さない。これが唯一の打点なのだから。
すぐに立ち上がって攻撃を再開――の前に義明の攻撃が先だった。上から叩きつけるようにして振るわれる拳。
また転がって回避する。体制を立て直し――ダメだ。隙を与えてくれない。連続攻撃だ。今度は左フックで攻めてくる。
もう一度回避。だが体勢を崩した。腰から転げてしまう。――また隙ができた。銃はコッキングも済ませていない。反撃はできない。
せめて回避をしようと立ち上がる。――が、間に合わない。このままだと当たるのは顔面。桃也は持っていた銃で防御した――。
――銃は衝撃に耐えられず壊れる。多少は衝撃を吸収したが、それでも殴り飛ばされるのには過分な威力だった。
「あーもう――!!」
腰から落ちる桃也。怯んだらまた攻撃が来る。すぐに体勢を立て直さないと。
近くの死体が持っていた刀を拾い、立ち上がろうとする――既に義明は目の前にまで来ていた。
「待つ気もなし、か――!!」
攻撃態勢も万端。さっき外した振り下ろす攻撃を発射した――。
――攻撃は当たった。義明も当たる感触を受けた。なのにダメージを受けたのは義明の方だった。
「ぐぅ……手癖が悪いな……!!」
「まだ慣れないか?」
逆手で拳の軌道に刀を設置。峰の部分を膝で固定し、拳へのカウンターとしたのだ。
思惑は見事に完遂。刃は義明の拳を二つに割いていた。いくら比喩したところで体は人間。生身の肉体だ。絶対に壊れないものなどない。
だが――常人と比較して凄まじいのは変わらない。明らかに殺すつもりの攻撃だったのに、刃が拳の中心ほどで止まっているのが何よりの証拠だ。
万力の握力で刃を掴んだまま桃也を持ち上げる。
「うぉ――」
肋に向かって肘を叩きつけた。家屋が崩れそうな、とても嫌な音が桃也の耳に入ってくる。
「っっ――!?」
握力が弱まって地面に落ちる。おそらく折れた。重なった衝撃は痛みとなって襲いかかってくる。
しかし状況が状況。アドレナリンの放出で痛覚が麻痺している桃也。体は比較的にすぐ動かすことができた。
踏みつけの攻撃も回避し、近くのマチェットを手に取る。まるで武器のバイキング。無駄遣いだって可能だ。
ちょこまかと動く桃也に腹を立てる義明。――止まる気配はなし。マチェットをふくらはぎに向けて振るう。
「ぎぁ――」
苦悶の表情で体を落とした。古いマチェットでは脚を断ち切れない。義明の筋肉はそれほど硬い。だが狙いはそこではなかった。
落ちてきたのは顎。ちょうどいい位置。義明の膝を踏み台にし、顎に向けて膝蹴りを放った。
「ひひ――!!」
2人の笑いは交差する。桃也はライフルを向け、義明は距離を詰める。
距離は5mほど。外せば近距離戦となる。――どちらにしても上等。今の桃也は脳内物質によって、大きな自信がついていた。
――聞き飽きたほどの爆音。発射され銃弾は義明の顔面を捉える――もし義明が動かなければ。
桃也が脳内物質でハイになっているように、義明も脳内物質の影響で調子が上がっている。つまり身体能力が大幅に向上していた。
「マジかっ――」
――反動で動けないところに右ストレートが放たれる。それは銃の反動よりも大きいパワー。後方へと吹き飛ばされるのは必然だ。
「っっ――はは――!!」
攻撃が当たる直前、かろうじて防御が成功した。銃を持っていない片手で防御。やはり反射神経は上がっている。
だが回避したのではなく防御した。ダメージがゼロになったのではない。防御した腕が雷に打たれたようにジリジリと痺れてくる。
ほとんどスピードを落とすことなく突進してきた。今の桃也は障害物にもなりえない、という意味。
斜線上に入れば死ぬのは車と一緒。走ってくる時の揺れはまさにトラックだ。脳裏に浮かび上がってくる死。
横に転がって回避しつつ、地面に落ちていた斧を掴む。そこそこの重量だ。義明がブレーキをかけてる内に持ち上げる。
狙いは脳天。振り上げた斧を一気に叩きつけた。
――外した。しかし当たった。首元数センチ。ギリギリ反応した義明によって斧は食い止められた。
「くそっ……!!」
桃也の腹部に前蹴りが叩き込まれる。
「ぐぁ――」
蹴り飛ばされつつも銃は離さない。これが唯一の打点なのだから。
すぐに立ち上がって攻撃を再開――の前に義明の攻撃が先だった。上から叩きつけるようにして振るわれる拳。
また転がって回避する。体制を立て直し――ダメだ。隙を与えてくれない。連続攻撃だ。今度は左フックで攻めてくる。
もう一度回避。だが体勢を崩した。腰から転げてしまう。――また隙ができた。銃はコッキングも済ませていない。反撃はできない。
せめて回避をしようと立ち上がる。――が、間に合わない。このままだと当たるのは顔面。桃也は持っていた銃で防御した――。
――銃は衝撃に耐えられず壊れる。多少は衝撃を吸収したが、それでも殴り飛ばされるのには過分な威力だった。
「あーもう――!!」
腰から落ちる桃也。怯んだらまた攻撃が来る。すぐに体勢を立て直さないと。
近くの死体が持っていた刀を拾い、立ち上がろうとする――既に義明は目の前にまで来ていた。
「待つ気もなし、か――!!」
攻撃態勢も万端。さっき外した振り下ろす攻撃を発射した――。
――攻撃は当たった。義明も当たる感触を受けた。なのにダメージを受けたのは義明の方だった。
「ぐぅ……手癖が悪いな……!!」
「まだ慣れないか?」
逆手で拳の軌道に刀を設置。峰の部分を膝で固定し、拳へのカウンターとしたのだ。
思惑は見事に完遂。刃は義明の拳を二つに割いていた。いくら比喩したところで体は人間。生身の肉体だ。絶対に壊れないものなどない。
だが――常人と比較して凄まじいのは変わらない。明らかに殺すつもりの攻撃だったのに、刃が拳の中心ほどで止まっているのが何よりの証拠だ。
万力の握力で刃を掴んだまま桃也を持ち上げる。
「うぉ――」
肋に向かって肘を叩きつけた。家屋が崩れそうな、とても嫌な音が桃也の耳に入ってくる。
「っっ――!?」
握力が弱まって地面に落ちる。おそらく折れた。重なった衝撃は痛みとなって襲いかかってくる。
しかし状況が状況。アドレナリンの放出で痛覚が麻痺している桃也。体は比較的にすぐ動かすことができた。
踏みつけの攻撃も回避し、近くのマチェットを手に取る。まるで武器のバイキング。無駄遣いだって可能だ。
ちょこまかと動く桃也に腹を立てる義明。――止まる気配はなし。マチェットをふくらはぎに向けて振るう。
「ぎぁ――」
苦悶の表情で体を落とした。古いマチェットでは脚を断ち切れない。義明の筋肉はそれほど硬い。だが狙いはそこではなかった。
落ちてきたのは顎。ちょうどいい位置。義明の膝を踏み台にし、顎に向けて膝蹴りを放った。
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