美形×平凡 短編BL小説集

鯛田オロロ

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清く貧しき者(元孤児×聖職者・脅迫・ファンタジー)

清く貧しき者2※

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もう、初めてネイ先生を犯してから半年が経つ。

仕事の合間を縫って、私のほうからも月に一度は孤児院を訪れていた。

月に一度の報告の日と、私が彼を訪ねる日と、月に都合二回は先生を犯している。

彼は、犯しても犯しても、犯し足りない男だった。



十八年ぶりに訪れた孤児院も、その隣の教会も、記憶にあるより一段とひどい有様だった。私は、思わず建物の前で立ち尽くしてしまった。

中を見ると、もっと酷い。

隙間だらけの屋根からは日の光が差し込んでいる。床はシロアリに食い尽くされて抜け落ちそうだし、実際穴が空いた床はその場しのぎに板が打ち付けられていた。

これは、素人目に見ても、建て直しが必要に違いなかった。

子供たちの服装も劣悪で、襤褸切れを体に巻き付けているようなものだった。洗濯するだけで、崩壊してしまうような代物だ。

訪れるたびに私は、飴やらクッキーやらを大量に土産に持っていった。今では、子どもたちは私を見るだけでよだれを垂らすようになっている。

正直、私の中に、そういった善意があるとは思わなかった。クレヨンやらスケッチブックやらボールやらをあげたときの子供たちの輝くような笑顔。子供時代の不幸な私が救われていくような気がした。

ネイ先生だけが、何か裏があるのではと疑いの目でもって私を見ている。先生にとって、私は昔の悪童のままなのだ。私とて、悪の権化というわけではないにもかかわらず。

彼は、記憶のなかよりも、孤児たちに優しく接していた。孤児たちも彼を嫌ってはいないようだ。彼も歳を重ねて丸くなったようだった。

この町で職に就いた元孤児たちが、孤児院を訪れることもあった。

彼らはネイ先生を慕っているようだった。穴の空いた床をふさいでくれたのは、大工の徒弟となった元孤児だという。

農家に雇われた元孤児は、市場に出せない野菜を孤児院にいつも持ってきてくれていた。

日の昇っている間は孤児たちと遊び、夕食を共にした。私が寄付するようになって、食事は大幅に改善していた。



私は、ネイ先生と話し合うことがあると言って、夜間の孤児たちの世話を頭の回転の鈍い若い助祭に一任した。

そうして、教会で、先生を犯した。新調した鍵をしっかりと締めて。

彼は淫らな肉体を持て余しているくせに、私から強制されて行為に及ぶのだという言い訳が欲しいらしい。

法衣をめくり上げるように命令してやる。

先生は小さく震えながら、法衣を持ち上げていく。

「もったいぶって。そんなに価値のあるものですか」

悔しげにぎゅっと目を閉じる。

両手で持ち上げると、白く細い裸体があらわになっていく。私の言ったとおりに、彼は下着を身に着けていなかった。

小指の先ほどもある乳首は、すでにいやらしく勃ち上がっている。

「期待しているのですか?」

私が嘲笑うと、先生は私をきっと睨みつけた。

「そのまま、持っていてくださいよ」

先生は震える手で法衣を持ち上げたまま、裸体を晒し続ける。

私は、右の乳首の根本を血の通う程度に糸を数回巻き付けて縛り上げた。左の乳首も同様にした。

先生は、無表情に徹しようとしているが、眉間にわずかにしわが寄っている。

根本を縛った状態で、摘んで軽くよじって引っ張ってやる。

「先生はこれがお好きですね」

「んっ……好き、など、では、くふっ……!!」

「そろそろお認めになったらいかがです?」

縛ったことでくびりだされて、過敏になった乳首をじっくりと責める。優しく潰して、そっと摘んで、ぎゅっとねじり、ちくりと爪を立てる。

彼の息が上がって、彼の足が、生まれたての子鹿のように震えだす。

いよいよ立っていられなくなった彼を、椅子に座らせる。この椅子も状態は良くない。座ると、きいと音を立てた。

「エリオ……!」

彼の目には、恐怖の色が浮かんでいる。

「お好きでしょう?」

「好きじゃありません」

「嘘ばっかり」

彼は恐怖におののきながらも、自らの保身のために、そして私の金欲しさに、私のしようとすることを止めることはできないのだ。



彼の足を、椅子の足にそれぞれ縄で縛り付ける。手は後ろ手に肘から手首までをひとまとめに縛った。

私は乳首を嬲られて、芯を持ちはじめた彼のペニスを口に含んだ。

「エリオ、お願いです。口枷を……口枷をしてください」

私は、その哀れな様子に、自分で口枷を望む滑稽さに、少し笑い出したい気持ちになった。

「少しは声を抑える我慢をする気はないのですか?」

先生が、くやしそうにうつむく。

先生の望み通りに、口枷を噛ませてやった。

先生はこれで、遠慮なく快楽に身を任せることができる。

私は跪いて、再び先生のペニスを口に含んだ。頭を上下させ、舌を絡ませ、彼のペニスを射精に導く。

そのまま精液を飲み込んで、射精して敏感なペニスをそのまま口でしごいた。

「んぐっ……!! ンギッ! ふぐッッ……!」

先生は、椅子をがたがた、ぎしぎし言わせて半狂乱で頭を左右に激しく振った。

二度目の射精。

今度はオイルを手にとって、ぱんぱんに張った亀頭を手のひらで撫で回す。先生は一層暴れる。

そしてついに、勢いよく、女のように潮を撒き散らした。



拘束を解いてやり、口枷を外してやる。

椅子から崩れ落ちる先生を抱きとめた。激しく胸を上下させ、視点が定まっていない。

その顔は紅潮して、涙とよだれでぐちゃぐちゃで、いつもの澄ました冷たい表情はだらしくなく崩れている。

私は、彼の涙を舐め取ってやって、薄く開いた唇に、自分の唇を重ねた。

彼は、わずかに私を押し返したが、すぐに観念したようだ。私がしたいことを、彼はさせる他ない。

私に逆らえば、全てを失うのだから。

彼の薄い唇、薄い舌を食んだ。私の腕の中で、彼が身もだえる。

彼は嫌悪感をあらわに、眉根を寄せる。

それが、余計に私の嗜虐心を煽るとも知らずに。



教会で犯すと、彼は声を必死に殺す。

教会という聖域での行為を彼は嫌悪しながら、肉体は一層快楽に燃え上がる。

私自身もそうだ。かつて先生を犯した、取るに足らない男たちの記憶を上書きしていく。

私は、彼を、古びてメッキの剥げた薄汚れた神の像の前に四つん這いにして獣のように犯した。

「くっ、うっ……口枷を、口枷を、してください、お願い、しますっ……!」

「駄目ですよ、先生。口枷に頼ってばかりいては」

「エリ、オッ……!」

先生の耳元で囁く。

「先生、今度布を持ってきます。年長の女の子たちに洋服を縫わせましょう」

「うっ、あうっ……!!」

彼は、行為中に子供たちのことを思い出すのを嫌う。しかし、直腸は喜んでいるかのように、私のペニスを力強く締め付ける。

奥を突きながら、根本を糸で括った乳首を捏ねてやると、先生の両腕から力が抜けて、上半身を床に突っ伏した。

「だらしがない、ほら、ちゃんと腕を立てて」

「くっ……うっ……」

必死に立てようとする彼の乳首に、軽く爪を立てると、彼はまたがっくりと突っ伏してしまった。

「はひっ、うっ、あっ……! はぐっ……ん゛っ……ん゛ん゛ーーーッッ!!」

奥を揺らしながら、乳首をいじめてやると、先生の体ががくがくと大きく震えて、直腸が淫らなリズムでペニスを食い締める。

「声が大きいですよ」

ネイ先生が必死で声を殺そうとする。

ぎゅう、と乳首をねじり、引っ張ってやりながら、奥を捏ね回す。

「ぐひっ! あ゛、んぐううーーーッッ!!」

びくびくと痙攣している。絶頂から降りられないのだろう。

彼の肉は私を離すまいと締め付けている。

乳首をじんわりと潰しながら、彼の奥に圧を掛けて開かせていく。亀頭が彼の奥にめり込んで行く。

「それ、嫌です、嫌です……!!」

這って逃げようとする先生の細い腰を、掴んで引き寄せ、奥をえぐる。

諦めたかのように、先生の奥が開いて、私を受け入れてくれる。

「ん゛ん゛あ゛ああーーーッッッ!!!」

「先生、上手ですよ」

先生の奥が、私の亀頭を舐め回してくれる。潤った熱い直腸はびくびくとペニス全体を締め付けてくれる。

彼の肉体は、私を喜ばせるために、神様が造ってくださったものに違いなかった。

腰をつかって小さく抜き差しすると、先生は過剰に反応した。

「うっ、や、いやだ、ひぎっ! あがっ! はひっ、はひっ! ひっ、い゛っ、ふぎゃ、おっ、おおっ、お゛、だ、だめっ、ふに゛ゃあ゛あああッッッ!!」

私は、先生の口を手で塞いだ。

「ほら、先生、我慢して。子供たちが起きてしまいますよ」

十八年前の、私のように。



おわり



初出:2024/12/05
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