ベルが鳴る

悠生ゆう

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【オマケ】 武藤桐乃

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 この作品には『ベルが鳴る』の脇キャラ 武藤桐乃が登場します。
 ゲームやマンガで見かける「主人公=読者」視点の会話劇をつくったらどうなるかなぁ~、と思ってやってみたお遊び作品です。
 空欄部分はご自由にご想像くださいませ。

******

梢、久しぶり。
急に呼び出したのに、待たせちゃってごめんね。

「      」

何飲んでるの?

「      」

あ、いいねー。
それじゃあ、私も同じのにしよ。
それで最近はどう? 仕事忙しいの?

「      」

そうなんだー。
どこも大変だよねぇ。

「      」

あっ、そうそう聞いたよ~。映子先輩、写真展開くんだって?

「      」

いやいや、小さい会場だってスゴイことだよ。

「      」

相変わらず仲良くやってるみたいだね。

「      」

まぁ、まぁ、そう言わないで。
ほら、回遊魚は泳ぎ続けないとダメだっていうじゃない。映子先輩は、写真を撮ってないとダメなタイプなんでしょう?

「      」

二人って、もう何年になるんだっけ?

「      」

そうだよね、大学一年からだもんね。そう考えると、私たちも年を取ったよね。

「      」

ん? しず香? たまに会ってるよ。

「      」

あの子、どうも男を見る目がないっていうか、惚れっぽいというか……。
本当にヒヤヒヤするよ。もうちょっと落ち着いてくれるといいんだけどね。

「      」

そうだね。しず香りは基本は変わってないよね。

「      」

それでも最初の頃よりはちょっと大人になったんじゃない?
昔はちょっとひどかったじゃない……。梢とも色々あったしさ。

「      」

それはねぇ……。止められなかった私も同罪だと思ってるよ。

「      」

実はさ、あの頃は言えなかったんだけど……。
高校の頃後輩の女の子と少し付き合ってたことがあるんだよね。

「      」

マジマジ。知らなかったでしょう? 

「      」

部活の後輩。
バドミントン部だったんだけど、後輩とダブルスのペアを組んでたことがあるんだよね。そのペアの子。

「      」

あははっ、確かに想像できないかもね。でも、高校の頃は結構真面目に部活やってたんだよ。

「      」

その子、一年の中では頭一つ抜けてうまい子でね。同級生だとバランスが悪かったの。私もそのときペア組む子がいなかったから、組むことになったんだよね。

「      」

ん? 
そうそう。つまり、私もうまかったってことだよ。

「      」

私は高三だったから、引退までの即興ペアって感じだったんだけど、やっぱペア組むと仲良くなるじゃない。その子から告白されて、それもいいかなって。

「      」

部活終わりに一緒に帰ったり、休日にデートしたりしたよ。

「      」

あー、いやいや。手をつないだくらいだよ。だから、お友だちの延長みたいなかわいい感じだったかな。

「      」

私が引退して疎遠になってね。受験勉強もあったし。
そのうち、その子にも彼氏ができたって噂を聞いて、まあ、女の子同士って、そんなものなのかなって思ってたんだ。

「      」

梢と映子先輩を見ててさ、「女の子同士だから」じゃないんだなって思うようになったんだよね。
その後輩がどう考えてたかはわからないけど、私は幼かったんだろうなって思うよ。

「      」

なんて言えばいいのかな。まだちゃんと人を好きになったことがなくて、恋をしたいって気持ちの方が強かったのかな。だから、その雰囲気に流されちゃった感じ。
多分、相手が男子だったとしても同じ結果だったんじゃないかなって思うよ。

「      」

その後、男の子と付き合ったし、高校時代の短い女の子との恋のことなんて、忘れてたというか、心の奥にしまい込んだっていうか。

「      」

え?
しまってたものを引きずり出した理由?

「      」

あー、うん。まあ、そうだね。今日呼び出したのは、こっちが本題。実は、最近ちょっと気になる人がいてね。去年ウチの会社に入社した子なんだけど……。

「      」

うん。そう。女の子なんだよね。
正直、自分でも戸惑っちゃってさ。梢になら話を聞いてもらえるかなって思って。

「      」

告白はされてないよ。
でも、そう思ってくれてるかな? とは感じるんだよね。
まあ、これが勘違いだったら超恥ずかしいんだけどね。なんか、意識しちゃって、どうにも調子が狂うというか。

「      」

好きかと聞かれれば、好きなんだけど……。
自分でもよく分からないんだ。かわいい後輩ってだけなのか、恋愛的なものなのか……。

「      」

バッ、試しに寝るなんてできるわけないでしょう! 違いましたでも、そうでしたでも、次の日から会社でどんな顔して会えばいいのよ。

「      」

ん? どんな子か?
うーん、仔犬っぽいかな。どんなことにも一生懸命で、ちょっと褒めると全身でうれしそうなオーラを出して、失敗するとすごくへこんで。頑張り屋さんだけど、ちょっとドジで目が離せないというか……。
だけど、勘の鋭いところもあって、私がちょっと疲れてるなってときに、コーヒーを淹れてくれたりもするの。
男性社員にも結構人気があるみたいなんだよね。
まあ、かわいいし、当たり前だとは思うけど……。

「      」

な、なによ、ニヤニヤして。

「      」

え?

「      」

そ、そうなのかな、やっぱり、そういう意味で好きなのかな。

「      」

うん。分かってる。
私自身のことだもん。ちゃんと自分で考えて自分で決めるけど……。でも、そのときはどうすればいいと思う?

「      」

はあ?
相手に考える隙を与えないのがコツって、どこの悪徳セールスマンよ。
……もしかして、梢、映子先輩をそうやって落としたの?

「      」

企業秘密ってね……。あなた、面白がってるでしょう?

「      」

あ、ごめん、メッセージが入ったみたい。
……うわっ、ど、どうしよう。コレ……。

「      」

今までも一緒にご飯食べに行ったことはあるけど……。今誘われるとか、タイミング良すぎない?

「      」

絶対についてこないで。

「      」

え?
答えが出てる?
あ、そうか。よくわからないとか言ったけど、そうだね。これだけ意識しちゃってるんだよね。

「      」

うん。ありがとう。どんな結果でも、また連絡するよ。もしダメだったらちゃんと慰めてよ。

「      」

梢と友だちでよかった。
今日はありがとう。またね。


   了
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