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第三話
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人だ!!見た感じ、こちらに敵意はなさそうだが、あの神殿から出てきたと言ったら、どうなるかはわからない。途端に目の色を変えて、襲ってくる可能性だってゼロではないのだ。どうする?どういう風に説明するべきだ?
「私たち、あの神殿に呼び出されたみたいなんです」
おいおいおい。言っちゃっていいのか木本??この人が信用できるって根拠は何一つないんだぞ!ほら今にも目の色を変えて「悪魔の手下め!死ね!」とか言って、その杖でなんかすごい魔法を・・・・
「あの神殿から?呼び出されたってどういうこと?」
あれ、どうやら敵意はない感じ?ひとまず安心していいのか?でもこの反応を見るに、この神殿にいきなり現れる人が多いわけではないらしい。ていうかよくよく考えてみれば、なんで言葉が普通に通じてるんだ?
「彼の部屋で二人とも寝てたんですけど、気づいたらこの場所に」
そこからは俺も説明に加わり、自分たちが日本の埼玉県という場所にいたこと、百物語をして、その部屋で寝たところ、起きたらこの場所にいたことをなるべく細かく話した。
「なるほどなぁ・・・・とりあえず、俺が言えることは日本っていうのも、埼玉県っていうのも全くわからん。あんたらがここに来た理由もな」
そう言って、彼は首を振った。
「あの、とりあえず聞きたいんですが、ここはどこなんですか?」
まずこの場所の基本的な情報を頭に入れておく必要がある。ぶっちゃけこの人が善人か悪人かはわからないし、ひょっとしたら嘘を教えられる可能性もある。それでも今は、この人が善人である可能性に賭けるしかない。
「ここは精霊の森。魔法使いの修行場所だよ」
「魔法使い?」
木本が素っ頓狂な声を出した。そんなに驚くことか?この人、ザ・魔法使いって感じの格好してるけど。ヨーロッパ風の顔立ちに紫のとんがり帽子、右手には怪しげな鍋をかき混ぜていそうなでかい杖。どっからどう見ても魔法使いにしか言えない。
「なんだ?あんたらが元々いた場所には魔法使いがいないのか?」
「そもそも魔法なんて、小説とか漫画だけの存在ですよ」
どうやら元々の世界の常識は全く通用しないと思ったほうがよさそうだ。
「この場所には精霊が住んでるんだ。その精霊たちに自分の力を引き出してもらうことで、魔法使いは魔法を使うことが出来るようになる」
「じゃあ、ここで修行すれば、誰でも魔法使いになれるってことですか?」
「そうじゃない。魔法使いになるには、自分の中に魔力が眠っている必要がある」
「それを調べる方法は?」
「この石に触ってみな」
彼は懐から、手のひらサイズのの大きさの光り輝く何かを取り出した。まぶしくて思わず目を覆ってしまう。しかし、次の瞬間まぶしさが急に消えた。
「今俺が持っていたのはこれだ」
そう言って自分の足元を指さしている彼の足元には、河原にあるような丸い石が転がっている。
「魔力のあるやつが持てば、今みたいに石が光る」
「なるほど」
こればっかりは神様を信じるしかない。神様、お願いします。いきなりこんな世界に連れてこられたんですから最低限の才能は持たせてください。
心の中でそうつぶやきながら石を取ると、先ほどのようにまぶしくはないが、電球として使えるぐらいには石が光っている。
「へぇ、驚いたな」
「すごいじゃない!川上君」
ひとまずよかった。神様は、まだ俺を見捨ててはいなかったらしい。でも、俺だけじゃダメだ。
「木本。お前も」
「え、私はいいよ。魔法とか、別に興味ないし」
「いいから、ほら」
若干押し付けるように石を持たせる。すると俺が持った時と同じような光を石は放った。ひとまずほっとする。
「二人とも、魔力あり・・・か」
どこか複雑な表情をしている彼。あれ、魔法が使えるっていうのはいいことじゃないのか?ひょっとして、魔法使いって迫害の対象だったりするのか?それとも超危険な目に合うような職業なのか?
「あの、魔法が使えるっていうのはいいことじゃないんですか?」
「もちろん、いいことではある。人から尊敬されるし、色々待遇もよくなるしな。ただ、モンスターと闘わなくちゃいけないし、危険な場所の調査もしなくちゃいけないしなぁ」
「なるほど」
なんだ、その程度なら想定内だ。むしろそういう場所に積極的に行けるのは、こちらにとってもありがたい。ただこの世界で安穏に暮らしているだけじゃ、ヒントはつかめない。
「あの、お願いがあるんですけど」
「お願い?」
「俺たちに魔法を教えてください!!」
俺はそう言って頭を下げた。
「え?」
そりゃ驚きますよね。神殿に呼び出されただの、違う世界から来ただの言ってたやつが、いきなり魔法教えてくださいだもんな。
「あの、私からもお願いします」
木本も同じように頭を下げた。どうやら俺の意図がわかったらしい。
何がどうなってこの世界に飛ばされたのかはまだわからない。でも、魔法と何らかの関わりがあるとするなら納得がいく。ならば、魔法を学べば、元の世界に帰るヒントが見つかるかもしれない。
「まぁ、別にいいけど」
割とあっさりオーケーしてくれた。やっぱりこの人、普通に善人かもしれない。
「私たち、あの神殿に呼び出されたみたいなんです」
おいおいおい。言っちゃっていいのか木本??この人が信用できるって根拠は何一つないんだぞ!ほら今にも目の色を変えて「悪魔の手下め!死ね!」とか言って、その杖でなんかすごい魔法を・・・・
「あの神殿から?呼び出されたってどういうこと?」
あれ、どうやら敵意はない感じ?ひとまず安心していいのか?でもこの反応を見るに、この神殿にいきなり現れる人が多いわけではないらしい。ていうかよくよく考えてみれば、なんで言葉が普通に通じてるんだ?
「彼の部屋で二人とも寝てたんですけど、気づいたらこの場所に」
そこからは俺も説明に加わり、自分たちが日本の埼玉県という場所にいたこと、百物語をして、その部屋で寝たところ、起きたらこの場所にいたことをなるべく細かく話した。
「なるほどなぁ・・・・とりあえず、俺が言えることは日本っていうのも、埼玉県っていうのも全くわからん。あんたらがここに来た理由もな」
そう言って、彼は首を振った。
「あの、とりあえず聞きたいんですが、ここはどこなんですか?」
まずこの場所の基本的な情報を頭に入れておく必要がある。ぶっちゃけこの人が善人か悪人かはわからないし、ひょっとしたら嘘を教えられる可能性もある。それでも今は、この人が善人である可能性に賭けるしかない。
「ここは精霊の森。魔法使いの修行場所だよ」
「魔法使い?」
木本が素っ頓狂な声を出した。そんなに驚くことか?この人、ザ・魔法使いって感じの格好してるけど。ヨーロッパ風の顔立ちに紫のとんがり帽子、右手には怪しげな鍋をかき混ぜていそうなでかい杖。どっからどう見ても魔法使いにしか言えない。
「なんだ?あんたらが元々いた場所には魔法使いがいないのか?」
「そもそも魔法なんて、小説とか漫画だけの存在ですよ」
どうやら元々の世界の常識は全く通用しないと思ったほうがよさそうだ。
「この場所には精霊が住んでるんだ。その精霊たちに自分の力を引き出してもらうことで、魔法使いは魔法を使うことが出来るようになる」
「じゃあ、ここで修行すれば、誰でも魔法使いになれるってことですか?」
「そうじゃない。魔法使いになるには、自分の中に魔力が眠っている必要がある」
「それを調べる方法は?」
「この石に触ってみな」
彼は懐から、手のひらサイズのの大きさの光り輝く何かを取り出した。まぶしくて思わず目を覆ってしまう。しかし、次の瞬間まぶしさが急に消えた。
「今俺が持っていたのはこれだ」
そう言って自分の足元を指さしている彼の足元には、河原にあるような丸い石が転がっている。
「魔力のあるやつが持てば、今みたいに石が光る」
「なるほど」
こればっかりは神様を信じるしかない。神様、お願いします。いきなりこんな世界に連れてこられたんですから最低限の才能は持たせてください。
心の中でそうつぶやきながら石を取ると、先ほどのようにまぶしくはないが、電球として使えるぐらいには石が光っている。
「へぇ、驚いたな」
「すごいじゃない!川上君」
ひとまずよかった。神様は、まだ俺を見捨ててはいなかったらしい。でも、俺だけじゃダメだ。
「木本。お前も」
「え、私はいいよ。魔法とか、別に興味ないし」
「いいから、ほら」
若干押し付けるように石を持たせる。すると俺が持った時と同じような光を石は放った。ひとまずほっとする。
「二人とも、魔力あり・・・か」
どこか複雑な表情をしている彼。あれ、魔法が使えるっていうのはいいことじゃないのか?ひょっとして、魔法使いって迫害の対象だったりするのか?それとも超危険な目に合うような職業なのか?
「あの、魔法が使えるっていうのはいいことじゃないんですか?」
「もちろん、いいことではある。人から尊敬されるし、色々待遇もよくなるしな。ただ、モンスターと闘わなくちゃいけないし、危険な場所の調査もしなくちゃいけないしなぁ」
「なるほど」
なんだ、その程度なら想定内だ。むしろそういう場所に積極的に行けるのは、こちらにとってもありがたい。ただこの世界で安穏に暮らしているだけじゃ、ヒントはつかめない。
「あの、お願いがあるんですけど」
「お願い?」
「俺たちに魔法を教えてください!!」
俺はそう言って頭を下げた。
「え?」
そりゃ驚きますよね。神殿に呼び出されただの、違う世界から来ただの言ってたやつが、いきなり魔法教えてくださいだもんな。
「あの、私からもお願いします」
木本も同じように頭を下げた。どうやら俺の意図がわかったらしい。
何がどうなってこの世界に飛ばされたのかはまだわからない。でも、魔法と何らかの関わりがあるとするなら納得がいく。ならば、魔法を学べば、元の世界に帰るヒントが見つかるかもしれない。
「まぁ、別にいいけど」
割とあっさりオーケーしてくれた。やっぱりこの人、普通に善人かもしれない。
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