ビターはお好き?

蛇穴さん

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ねみーわ

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 明日は遠方なんで、六時事務所出発ね。

 「この時間って、給料はいんないんだよね」

 まだ、夜も明けない道を、灯りをつけて走る社用車…
 現場まで片道二時間近く。
 請負会社は地元の会社…

 「地元に警備会社ないんかよ?四時起きで、出勤と退社の四時間はサービス!会社も考えろよ」

 真は、眠い目をこする辻に愚痴るように話す。

 「確かに…2時間のサービスキツイっすね。帰りは死んでなければ、運転は変わりますよ」

 警備会社は、来るものを拒まない…弱小会社なら、どんな遠方でも受け入れる。
  しかも、通勤時間は日当には入らない。交通費は、社用車。最悪は自家用車で行き、微々たる手当でごまかされる。

 「ビターやから、どーしよーもないわ」

 ハンドルを握りながら、真は呟いた。

 「毎月が、爪に火を灯す生活で、女も作る勇気ないっすわ…会社の役職連中なんか、ラウンドクルーザー乗ってましたよ…」

 辻が嫉しそうに愚痴る。

 「知り合いが、建設計算の仕事してるが、通常で、級持ちで経費込み15000円、なしで12000円らしいわ…半分以上跳ねられてるわ…生かさず殺さずで、役職の飲み代稼ぎよ」

 真は、タバコの煙とため息を一緒に吐き出す。
  現場事務所に、2時間かけてヘトヘトになって着き、監督へ挨拶すれば…

 「12000円の旗振り、事故は起こすなよ!高い金払ってんやから」

 朝から聞きたくもない言葉。

 「馬鹿やないのかな?俺らがいないと、現場が出来ないのしらんのかな?」
  
 辻が不機嫌そうに呟く。

 「まぁ気にするな…警備会社が断る土木は、結局、公共とれんで潰れるだけだから、この会社も後はないわ」

 建設や、土木の会社の人達は気をつけた方がいい。これは、リアルな話です。警備会社断る所は潰れる確率高いです。ただでさえ、警備員は足りません!
 公共が命綱の会社は、警備員を大事にしましょう!
 
 「そんじゃ、片側はじめっか」

 真と辻は、無線機をオンにして、片側交互通行を始めた…
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