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水の精霊編
精霊様に感謝
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信頼している仲間(立場上は奴隷ということになっているがそれでも仲間)であるレンに模擬戦の野次馬達の後始末を押し付k、、、いや、お任せして俺とジャスパは船内にあるシーラックの部屋に来ていた。
模擬戦でのボロボロになってしまった甲板の修理と、船内にジャスパの部屋を作るためだ。
「シーラック、俺のイメージしている場所にイメージしているような部屋を作ってくれるかな?」
『承知しました。…………出来ました』
「早っ!!」
「のう。やっぱりトカゲ部屋なんかの?」
そう言えば模擬戦の前にそんなことを言った気もする
「え? どんなのがいいの?」
「流石にトカゲ部屋は嫌なのじゃ。贅沢は言わぬからせめて普通の部屋にしてくれぬか……」
「そうはいってもね、もう出来たし。ジャスパにお似合いの部屋だと思うよ? 早速見に行こうよ」
俺がそれだけ言うとしょんぼりして着いてきた。
模擬戦で負けて約束通りトカゲ部屋にされたと思っているようでガッカリした表情だ。
でもそんな冷たいことを仲間にするわけないやん。
ガチャ
「これは!!!?」
扉を開けて予想と違う部屋の雰囲気にジャスパは声を上げる。
その部屋は俺達の部屋よりもずっと広いスペースを使ったゆったり空間だった。
普通にテーブルやイス、ベッドやクローゼットもあるけどさらに奥の方には窓から光が差し込む空間に巨大な寝床を作っておいたのだ。
元の姿、竜になってもここではゆっくり出来るだけのスペースを用意した。
「自分の部屋でぐらい、元の姿になってリラックス出来る方がいいかなと思ったんだけど、どうかな?」
「すごいのじゃ!! 水槽でも用意されているのかもと諦めておったが、こんなにいい部屋を用意してくれるとは……ありがとうなのじゃ」
「いえいえ、どういたしまして。気に入ってくれたみたいでよかったよ」
余程落としてから上げる作戦が功を奏したようで涙ながらにお礼を言われて作って良かったと思った瞬間だった。
「使ってみて不具合とかあったら言ってね、出来るだけ直すから」
「うむ、うむ」
年相応の笑顔で何度も首を縦に振るジェスパだった。
取り敢えずは部屋の使い心地を確かめて貰うためジェスパは部屋に置き去りにして、今度は甲板の修理などのためまたシーラックの玉座に座った。
「シーラック、今度は甲板の修理だよ。ついでに他の所も色々改造しちゃうからヨロシクね」
『承知しました』
こうして、俺は甲板の修理と以前から考えていた船の改造に手をつけたのだった。
改造したのは主に船底部分だ。
この世界の船は基本的に帆船だ。帆に風を受けてそれを推進力にしている。魔法的な要素が加わっても基本的な原理は同じだ。
しかし、どうせなら前世現代の技術を導入したっていいじゃない。
ということで、船底後部にスクリューをつけた。動力は魔力。
続いて俺はチョーカーに手をかけて魔力を込める。
すると光ながらいつも通りウンディーネが現れた。
『ちょっとちょっと、今いいとこだったのに突然呼ばないでよね!』
何やらタイミング悪かったようだ
「なんか、ごめん。でもそっちの様子とか分からないから結局いつも突然になるのは仕方ないと思うんだが」
『はぁ?』
うーん、ご機嫌斜めのようだ。
「実はさ、水の大精霊様にしか出来ないような事をしたくてさ。まずは話だけでも聞いてくれないかな?」
『ちょっとー、大精霊は言い過ぎよー。そりゃあそこらの精霊よりは凄いってのは自覚してるけどさー、流石にヨイショし過ぎよー。で、どうしたのよ?』
チョロい。
照れ隠しの文句もキレがない。
「今見ての通り俺達の船を少し改造してるんだけどね。推進法式にウォータージェット推進を付けたいんだよ。前面から取り入れた海水を圧縮して後方に押し出す事で、それを船自体の推進力にしたいんだ」
『ふーん、なんか凄い発想。面白そうね』
「だろ? 水のスペシャリストとしての意見も聞きながら取り入れたいと思ってね。これがうまくいけば帆船として風を利用した推進力にスクリューを使った推進力、それにウォータージェットという推進力をそれぞれ使い分けたり、同時に利用することで今までに無い速度が出せると思うんだよね。」
『私が関わる以上、世界一のモノになるのは当たり前なんだからね! 水のスペシャリストなんだから!!』
「あと、それだけの推進力があると海上の波の衝撃が無視できないからバランサーなんかもいると思うんだけどどうかな?」
『だったら船の海水が接触する部分に水を制御するようにすればいいのね。任せておきなさい』
「それらの操作は全部操舵室で出来るように、当然シーラックにもお任せで使えるようにしたいな」
『この船の事であれば全て制御可能です』
そんな訳で俺と水の精霊であるウンディーネ、それに深海の微精霊が集まり今はこの船に取り付いているシーラックで船の改造について色々話し合っているうちにいつの間にか外は日が暮れていたのであった。
「いつまでやってるの? もう晩ご飯出来たよ?」
見るとユイが呼びに来てくれたらしい
「ありゃ、もうそんな時間か」
『じゃあこっちはやっとくからあんたはもういいわよ? 基本的な部分は今話した通りにやっとくし、それ以外にも思い付いたこともやっといてあげるから』
何だかんだでノリノリになって何やら魔改造しそうな勢いになってきたウンディーネ。
「わかった、じゃあとはお願いね」
お礼の意味を込めてチョーカーに手で触るとゆーーーくり魔力を流し込んだ
『あっ、ぁぁん、ぅぅ、……ありがと』
何エロい声だしてんねん。
「こちらこそだよ」
改造はウンディーネとシーラックに任せて俺はユイと一緒に夕食の席につくのであった。
食事の席でユイ達が様子を見てきたというダイナさんの話を聞いた。
取り敢えずは経過は順調らしい。ラムサスも大人しく協力的なんだそうだ。その様子だと予定通りあと数日で出発出来そうなのが分かったので今後の予定を確認した。
「ダイナさんのほうが問題なければ、三日後にこの町を出ようと思う。どうかな?」
「「「異議なーし」」」
ライカとジーナとリンダの合意は得られた
「二人は?」
「ご主人様の思うままに」
あ、立場上奴隷だから意思確認は不要といいたいのか。
「う、うん。ジャスパは?」
「ワシはあの部屋が気に入ったから何でもいいのじゃ。それに、人族の食事は旨いしの」
「う、うん」
それでいいのか、竜よ。
と思ったが声には出さなかった。
「じゃあしばらく船旅になるから明日は買い出しと食料調達のため森に狩りに行こうか。魔法鞄を買い足したから結構な量持ち帰れると思うんだけど、誰が行く?」
「肉のためなら私が行く!」
「ジーナがいくなら私も行くにゃ」
食い物となればこの二人の反応は早い。
「ボクは買い出しの方にいこうかな? ジェスパも行く? 町の中を見て回われるよ?」
「ほう! いくのじゃ!」
「じゃあ買い出しはライカとジェスパに任せようか。俺とユイは狩りに行くかね。レンは留守番でいいかな?」
「ご主人様は船の改造が途中なのでは? 狩に付いて行って荷物持ちなら私がしますよ?」
「うーん、じゃあそうしようか。ユイがいれば魔物の殲滅も問題ないだろうし」
「だね」
「人族の町かぁ~、楽しみじゃのぉ~」
「人族の町は明日案内するとして、竜の話を教えてよ」
「む? 竜の話か。そうじゃの。何から話せばいいのか。そもそも竜というのは火・水・風・土の属性を極めた古代竜がおっての。何千年も生きておる。そしてそれぞれの属性を継いだ竜がある程度の数集まって、凡そ10体前後かの、それで群れで暮らしておるんじゃ。違う属性の竜と出会うことは滅多にないの。世界が広いというのもあるがそもそも他の竜と交流しようとするものはほとんどおらぬからの。そして滅多に出会うはずがない竜が出会い子をなした場合、力の強いほうの属性を引き継いだ竜が生まれるのじゃが、番となった者同士が非常に高いレベルで同等の力を持っていた場合子をなすと極まれに両方の属性を継いだ竜が生まれる事があるのじゃ」
「それって、ジャスパもそうなんだよね?」
ライカが聞いたが、皆聞きたかったことだった。
「ふふん、そうじゃ」
得意満面の笑みってこういうのなんだって思うような顔してますよ、ジャスパさん。
「両方の属性を持つ竜はどっちの属性の群れに入るの?」
「どっちにも入らぬ。どっちに入っても特別扱いされるからの。いい意味でも、悪い意味でもの」
「そっか、竜も大変なんだね」
相づちを打ったライカは少し寂しそうな表情だった。どこか自分を重ねているのだろうか。
「どうやら他の竜に比べて属性も魔力量も知識吸収も倍くらいはあるようじゃしの。ワシ、天才。しばらく群れにいたこともあるがすぐに飽きて一人気ままにアチコチ流れていたのじゃ」
「知識吸収って、魔法を覚えたりとか?」
「魔法? ああ、それはあれじゃ。なんとなく自然と覚えていくから教わったわけではないぞ?というと語弊があるの。魔法や戦い方なんかは竜の血脈の中に代々引き継がれておるんじゃ。それがだんだん引き出せるようになる、という感じかの。知識吸収と言ったのは魔物を観察して生態を把握したり、薬になる植物や栄養のある鉱物の知識なんかじゃな」
「じゃあ竜は鍛錬していけば最終的には古代竜の戦い方までマスターできちゃうの?」
「まぁそうじゃな。実際には古代竜並みの力を持つ竜はおらぬがの。それほど古代竜の力は偉大なんじゃよ」
「なるほどね。模擬戦で見せたジャスパのブレスは凄かったけど、もっと強くなるのか」
「古代竜の息吹は大陸を消し飛ばしたなんていう話もあるくらいじゃ」
「それは凄いというか怖いにゃ」
確かに。ちょっと規模が違いすぎる。
「だったらさ……」
その後も竜の話で盛り上がった俺達が夕食を終えたのは日付が変わる頃だった。
『ちょっと遅いんですけどー?』
夕食後、一声かけて寝ようとシーラックの部屋に入った瞬間掛けらたのは批判の声だった。
「あれ? あとは任せてって言ってたからゆっくり食事してたんだけど、どした?」
『まったくもう、ゆっくりしすぎなんですけどー? っていうか、出来たわよ。あとは実際に起動しながら細かい部分を調整してくんだけど、せっかくだからあんたに起動させてあげようかと思って待っていたのよ』
「え? もうできたの? すごいな」
『そうでしょうそうでしょう。この私にかかればこんなこと何でもないわよ』
「そうか、ありがとう。どうやって起動すればいいんだ?」
『起動用の魔法陣はここと、あと操舵室にも付けておいたわ。操舵室では操作盤も付けておいたけど、ここでは起動用の魔法陣を使ってそのままイメージしたら操作できるようにしているのよ。すごいでしょ!』
「なるほどね。じゃあ起動してみるね」
起動用の魔法陣に魔力を込めた。
するとまるで電気自動車のような軽いモーター音がわずかに聞こえてくる。
「これで起動できてる?」
『そうね。出来てるわよ。あとはどう動かしたいかイメージしながら魔力を込めてみて』
なるほど。じゃあまずはモーターでゆっくり港を出てみるか。
周りの状況が分からないからどう動かしていいか分からないと思ったら、急に船の周囲の状況がイメージとして頭に浮かんできた。
あ、シーラックのおかげかな。
周りの状況が分かったら船をゆっくり港の出口に向かって移動させる。
モーターが回り始めてゴォオオオという低い音が聞こえると船はイメージ通り動き出した。
ゆっくり港を出て行く。
とその時に突然ドアが開いて飛び込んできたのはレンだった。
「ご主人様! 大変です! 船が動き出しま……した?」
周囲の異変に気付いて駆けつけたレンはまず俺に報告しようとやってきたようだが、俺が軌道術式の前で魔力を使っているのを見てある程度その原因を察したようだ。
「あ、うん。ちょっと動かしてみてるんだ。驚かせてごめんね。みんなにも伝えておいてくれると助かる」
「ここで動かしているんですか?? 操舵室じゃなくても動かせるのもそうですけど、今は帆を畳んでいるはず」
そこへライカもやってきた。
「やっぱり、ね」
後ろにはジーナとリンダもいた。
「こういう時は大体ケンかユイが何かしてるにゃ」
「ライカの言う通りだったね」
「事前にみんなに伝えればよかったね。ちょっと船を改造したから試運転はじめちゃったんだ」
みんなやれやれという表情。
「ところで、ユイとジャスパの姿が見えないけど?」
「二人なら甲板に行きましたよ? 動いているのをよく見たいとか言って・・・・」
「なるほど。まぁ皆には説明しておこう。この船にはモーターによる推進力とウォータージェットという推進力を付けてみたんだ。どちらも魔力を原動力にしているけど、これにより風のないところでも船を進めることができるんだ。どちらも帆で風を受けて進むよりもずっと早いはずだから今後の旅は快適になると思う」
「モーター? ウォータージェット???」
耳慣れない言葉に皆頭の上に大きなクエスチョンマークが見えるようだ。
「まぁ、興味があるなら仕組みとか今度ゆっくり説明するけど、今はその試運転だからね。上手くいくかはこの結果次第。ゆっくり見ててよ」
「じゃあ甲板で見てるにゃ!」
と言って一番に駆け出していったのはリンダ。
「ちょっと待って~」
と追いかけるジーナ。
レンとライカは俺のやっていることを眺めていることにしたようだ。
そうこうしているうちに船は港から出て大海原に向けて進んでいた。
「よし、じゃあモーター推進全速力!」
魔力を少しずつ増やしていく。
それに合わせて船の進む速度はどんどん早くなっていく。
そしてあっという間に港が小っちゃくなっていった辺りでいくら魔力を込めてもこれ以上は早くならなくなった。このあたりでキャビテーション(液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象)が起きていると判断。この状態にするとプロペラが傷つくし速度もでないので基本、ここまで魔力を込めずに運用するのがよさそうだ。
ちなみに今回スクリュープロペラは2基搭載してみた。前世の船舶では多いと4基とか付いているものもあるそうだが、まぁ俺達の船なら1基で事足りる。にも拘わらず2基にしたのは何となくとしか言いようがない。
「よし、モーター推進はいい感じだね。続いてウォータージェット推進を試してみよう」
俺は魔力を込めつつ今度はウォータージェット推進の起動術式に魔力を込めた。
今度はウォオオオオンという音に切り替わりモーターとは違った加速感になった。
船首底部には大きな口が開いておりそこから海水を取り込むとそれを圧縮、加圧して船尾両サイドから排出する。
魔力を込めれば込めるほどどんどん速度が出てくる。
そこそこ速度が出たところで今度はゆっくり舵を切る。180のターンだ。
高速航行中に旋回するなんて通常あり得ないけれどもウンディーネ特製のバランサーのおかげで遠心力は感じるものの船は全く問題なく安定していた。
プロペラでの推進とウォータージェット推進の両方を使ってみた感じで行くと、プロペラのほうがあまり魔力を必要としないが速度はウォータージェットのほうがいいことが分かった。
「さて、港に帰るか。帰りは両方同時に使ってみるよ」
結局港を出て戻るまで30分ほどの出来事ではあったけど俺は十分満足いく結果だった。
魔力をがっつり込めたウォータージェット推進での速度は前世で乗ったことのある高速艇よりもかなり速かったのだ。それでいて船は安定しているのだから。
「おつかれ。予想よりもずっといい感じだったね」
部屋に入ってきたのはユイだった。
「うん。しかし、予想していたとはいえプロペラとウォータージェットの併用はあまり意味なかった」
「まぁそうだね。でも燃費が違うし使い分ける感じでいいんじゃない?」
「たぶんモーターのほうならライカやジャスパでも十分運用できるよ」
「もちろん、二人でもウォータージェットも動かせるけどたぶんモーターの方が速度が出る」
「だね」
「今後は暇なときにプロペラの形状とかいろいろ試してみるか。その時はよろしくな、ウンディーネ」
『水のスペシャリストから言わせてもらえば、今の形状が一番よ』
「ありゃ? そうなの。じゃあこれで完成でいいか?」
『もちろんよ! しっかり感謝しなさい!』
「ああ、ありがとな」
俺がお礼をいうとユイはゆっくりとチョーカーを通じてウンディーネに魔力を送った。
今回は本当に役にたったので結構ガッツリと送ってあげたのだ。
『ぁっ! ぁあああん。すごい……たくさん出たのね……。ありがと』
エロい声なんとかならないのか?精霊様でしょ!?
「まぁ、なんだ。またなんかあったら声かけるからよろしくな」
『任せなさい。大抵のことはこの私に掛かればなんとでもなるからね! 今回は突飛な発想だったけど面白い結果で私も楽しめたわ。じゃあそういうことで!』
そういうとウンディーネはチョーカーに水印となって戻っていった。
模擬戦でのボロボロになってしまった甲板の修理と、船内にジャスパの部屋を作るためだ。
「シーラック、俺のイメージしている場所にイメージしているような部屋を作ってくれるかな?」
『承知しました。…………出来ました』
「早っ!!」
「のう。やっぱりトカゲ部屋なんかの?」
そう言えば模擬戦の前にそんなことを言った気もする
「え? どんなのがいいの?」
「流石にトカゲ部屋は嫌なのじゃ。贅沢は言わぬからせめて普通の部屋にしてくれぬか……」
「そうはいってもね、もう出来たし。ジャスパにお似合いの部屋だと思うよ? 早速見に行こうよ」
俺がそれだけ言うとしょんぼりして着いてきた。
模擬戦で負けて約束通りトカゲ部屋にされたと思っているようでガッカリした表情だ。
でもそんな冷たいことを仲間にするわけないやん。
ガチャ
「これは!!!?」
扉を開けて予想と違う部屋の雰囲気にジャスパは声を上げる。
その部屋は俺達の部屋よりもずっと広いスペースを使ったゆったり空間だった。
普通にテーブルやイス、ベッドやクローゼットもあるけどさらに奥の方には窓から光が差し込む空間に巨大な寝床を作っておいたのだ。
元の姿、竜になってもここではゆっくり出来るだけのスペースを用意した。
「自分の部屋でぐらい、元の姿になってリラックス出来る方がいいかなと思ったんだけど、どうかな?」
「すごいのじゃ!! 水槽でも用意されているのかもと諦めておったが、こんなにいい部屋を用意してくれるとは……ありがとうなのじゃ」
「いえいえ、どういたしまして。気に入ってくれたみたいでよかったよ」
余程落としてから上げる作戦が功を奏したようで涙ながらにお礼を言われて作って良かったと思った瞬間だった。
「使ってみて不具合とかあったら言ってね、出来るだけ直すから」
「うむ、うむ」
年相応の笑顔で何度も首を縦に振るジェスパだった。
取り敢えずは部屋の使い心地を確かめて貰うためジェスパは部屋に置き去りにして、今度は甲板の修理などのためまたシーラックの玉座に座った。
「シーラック、今度は甲板の修理だよ。ついでに他の所も色々改造しちゃうからヨロシクね」
『承知しました』
こうして、俺は甲板の修理と以前から考えていた船の改造に手をつけたのだった。
改造したのは主に船底部分だ。
この世界の船は基本的に帆船だ。帆に風を受けてそれを推進力にしている。魔法的な要素が加わっても基本的な原理は同じだ。
しかし、どうせなら前世現代の技術を導入したっていいじゃない。
ということで、船底後部にスクリューをつけた。動力は魔力。
続いて俺はチョーカーに手をかけて魔力を込める。
すると光ながらいつも通りウンディーネが現れた。
『ちょっとちょっと、今いいとこだったのに突然呼ばないでよね!』
何やらタイミング悪かったようだ
「なんか、ごめん。でもそっちの様子とか分からないから結局いつも突然になるのは仕方ないと思うんだが」
『はぁ?』
うーん、ご機嫌斜めのようだ。
「実はさ、水の大精霊様にしか出来ないような事をしたくてさ。まずは話だけでも聞いてくれないかな?」
『ちょっとー、大精霊は言い過ぎよー。そりゃあそこらの精霊よりは凄いってのは自覚してるけどさー、流石にヨイショし過ぎよー。で、どうしたのよ?』
チョロい。
照れ隠しの文句もキレがない。
「今見ての通り俺達の船を少し改造してるんだけどね。推進法式にウォータージェット推進を付けたいんだよ。前面から取り入れた海水を圧縮して後方に押し出す事で、それを船自体の推進力にしたいんだ」
『ふーん、なんか凄い発想。面白そうね』
「だろ? 水のスペシャリストとしての意見も聞きながら取り入れたいと思ってね。これがうまくいけば帆船として風を利用した推進力にスクリューを使った推進力、それにウォータージェットという推進力をそれぞれ使い分けたり、同時に利用することで今までに無い速度が出せると思うんだよね。」
『私が関わる以上、世界一のモノになるのは当たり前なんだからね! 水のスペシャリストなんだから!!』
「あと、それだけの推進力があると海上の波の衝撃が無視できないからバランサーなんかもいると思うんだけどどうかな?」
『だったら船の海水が接触する部分に水を制御するようにすればいいのね。任せておきなさい』
「それらの操作は全部操舵室で出来るように、当然シーラックにもお任せで使えるようにしたいな」
『この船の事であれば全て制御可能です』
そんな訳で俺と水の精霊であるウンディーネ、それに深海の微精霊が集まり今はこの船に取り付いているシーラックで船の改造について色々話し合っているうちにいつの間にか外は日が暮れていたのであった。
「いつまでやってるの? もう晩ご飯出来たよ?」
見るとユイが呼びに来てくれたらしい
「ありゃ、もうそんな時間か」
『じゃあこっちはやっとくからあんたはもういいわよ? 基本的な部分は今話した通りにやっとくし、それ以外にも思い付いたこともやっといてあげるから』
何だかんだでノリノリになって何やら魔改造しそうな勢いになってきたウンディーネ。
「わかった、じゃあとはお願いね」
お礼の意味を込めてチョーカーに手で触るとゆーーーくり魔力を流し込んだ
『あっ、ぁぁん、ぅぅ、……ありがと』
何エロい声だしてんねん。
「こちらこそだよ」
改造はウンディーネとシーラックに任せて俺はユイと一緒に夕食の席につくのであった。
食事の席でユイ達が様子を見てきたというダイナさんの話を聞いた。
取り敢えずは経過は順調らしい。ラムサスも大人しく協力的なんだそうだ。その様子だと予定通りあと数日で出発出来そうなのが分かったので今後の予定を確認した。
「ダイナさんのほうが問題なければ、三日後にこの町を出ようと思う。どうかな?」
「「「異議なーし」」」
ライカとジーナとリンダの合意は得られた
「二人は?」
「ご主人様の思うままに」
あ、立場上奴隷だから意思確認は不要といいたいのか。
「う、うん。ジャスパは?」
「ワシはあの部屋が気に入ったから何でもいいのじゃ。それに、人族の食事は旨いしの」
「う、うん」
それでいいのか、竜よ。
と思ったが声には出さなかった。
「じゃあしばらく船旅になるから明日は買い出しと食料調達のため森に狩りに行こうか。魔法鞄を買い足したから結構な量持ち帰れると思うんだけど、誰が行く?」
「肉のためなら私が行く!」
「ジーナがいくなら私も行くにゃ」
食い物となればこの二人の反応は早い。
「ボクは買い出しの方にいこうかな? ジェスパも行く? 町の中を見て回われるよ?」
「ほう! いくのじゃ!」
「じゃあ買い出しはライカとジェスパに任せようか。俺とユイは狩りに行くかね。レンは留守番でいいかな?」
「ご主人様は船の改造が途中なのでは? 狩に付いて行って荷物持ちなら私がしますよ?」
「うーん、じゃあそうしようか。ユイがいれば魔物の殲滅も問題ないだろうし」
「だね」
「人族の町かぁ~、楽しみじゃのぉ~」
「人族の町は明日案内するとして、竜の話を教えてよ」
「む? 竜の話か。そうじゃの。何から話せばいいのか。そもそも竜というのは火・水・風・土の属性を極めた古代竜がおっての。何千年も生きておる。そしてそれぞれの属性を継いだ竜がある程度の数集まって、凡そ10体前後かの、それで群れで暮らしておるんじゃ。違う属性の竜と出会うことは滅多にないの。世界が広いというのもあるがそもそも他の竜と交流しようとするものはほとんどおらぬからの。そして滅多に出会うはずがない竜が出会い子をなした場合、力の強いほうの属性を引き継いだ竜が生まれるのじゃが、番となった者同士が非常に高いレベルで同等の力を持っていた場合子をなすと極まれに両方の属性を継いだ竜が生まれる事があるのじゃ」
「それって、ジャスパもそうなんだよね?」
ライカが聞いたが、皆聞きたかったことだった。
「ふふん、そうじゃ」
得意満面の笑みってこういうのなんだって思うような顔してますよ、ジャスパさん。
「両方の属性を持つ竜はどっちの属性の群れに入るの?」
「どっちにも入らぬ。どっちに入っても特別扱いされるからの。いい意味でも、悪い意味でもの」
「そっか、竜も大変なんだね」
相づちを打ったライカは少し寂しそうな表情だった。どこか自分を重ねているのだろうか。
「どうやら他の竜に比べて属性も魔力量も知識吸収も倍くらいはあるようじゃしの。ワシ、天才。しばらく群れにいたこともあるがすぐに飽きて一人気ままにアチコチ流れていたのじゃ」
「知識吸収って、魔法を覚えたりとか?」
「魔法? ああ、それはあれじゃ。なんとなく自然と覚えていくから教わったわけではないぞ?というと語弊があるの。魔法や戦い方なんかは竜の血脈の中に代々引き継がれておるんじゃ。それがだんだん引き出せるようになる、という感じかの。知識吸収と言ったのは魔物を観察して生態を把握したり、薬になる植物や栄養のある鉱物の知識なんかじゃな」
「じゃあ竜は鍛錬していけば最終的には古代竜の戦い方までマスターできちゃうの?」
「まぁそうじゃな。実際には古代竜並みの力を持つ竜はおらぬがの。それほど古代竜の力は偉大なんじゃよ」
「なるほどね。模擬戦で見せたジャスパのブレスは凄かったけど、もっと強くなるのか」
「古代竜の息吹は大陸を消し飛ばしたなんていう話もあるくらいじゃ」
「それは凄いというか怖いにゃ」
確かに。ちょっと規模が違いすぎる。
「だったらさ……」
その後も竜の話で盛り上がった俺達が夕食を終えたのは日付が変わる頃だった。
『ちょっと遅いんですけどー?』
夕食後、一声かけて寝ようとシーラックの部屋に入った瞬間掛けらたのは批判の声だった。
「あれ? あとは任せてって言ってたからゆっくり食事してたんだけど、どした?」
『まったくもう、ゆっくりしすぎなんですけどー? っていうか、出来たわよ。あとは実際に起動しながら細かい部分を調整してくんだけど、せっかくだからあんたに起動させてあげようかと思って待っていたのよ』
「え? もうできたの? すごいな」
『そうでしょうそうでしょう。この私にかかればこんなこと何でもないわよ』
「そうか、ありがとう。どうやって起動すればいいんだ?」
『起動用の魔法陣はここと、あと操舵室にも付けておいたわ。操舵室では操作盤も付けておいたけど、ここでは起動用の魔法陣を使ってそのままイメージしたら操作できるようにしているのよ。すごいでしょ!』
「なるほどね。じゃあ起動してみるね」
起動用の魔法陣に魔力を込めた。
するとまるで電気自動車のような軽いモーター音がわずかに聞こえてくる。
「これで起動できてる?」
『そうね。出来てるわよ。あとはどう動かしたいかイメージしながら魔力を込めてみて』
なるほど。じゃあまずはモーターでゆっくり港を出てみるか。
周りの状況が分からないからどう動かしていいか分からないと思ったら、急に船の周囲の状況がイメージとして頭に浮かんできた。
あ、シーラックのおかげかな。
周りの状況が分かったら船をゆっくり港の出口に向かって移動させる。
モーターが回り始めてゴォオオオという低い音が聞こえると船はイメージ通り動き出した。
ゆっくり港を出て行く。
とその時に突然ドアが開いて飛び込んできたのはレンだった。
「ご主人様! 大変です! 船が動き出しま……した?」
周囲の異変に気付いて駆けつけたレンはまず俺に報告しようとやってきたようだが、俺が軌道術式の前で魔力を使っているのを見てある程度その原因を察したようだ。
「あ、うん。ちょっと動かしてみてるんだ。驚かせてごめんね。みんなにも伝えておいてくれると助かる」
「ここで動かしているんですか?? 操舵室じゃなくても動かせるのもそうですけど、今は帆を畳んでいるはず」
そこへライカもやってきた。
「やっぱり、ね」
後ろにはジーナとリンダもいた。
「こういう時は大体ケンかユイが何かしてるにゃ」
「ライカの言う通りだったね」
「事前にみんなに伝えればよかったね。ちょっと船を改造したから試運転はじめちゃったんだ」
みんなやれやれという表情。
「ところで、ユイとジャスパの姿が見えないけど?」
「二人なら甲板に行きましたよ? 動いているのをよく見たいとか言って・・・・」
「なるほど。まぁ皆には説明しておこう。この船にはモーターによる推進力とウォータージェットという推進力を付けてみたんだ。どちらも魔力を原動力にしているけど、これにより風のないところでも船を進めることができるんだ。どちらも帆で風を受けて進むよりもずっと早いはずだから今後の旅は快適になると思う」
「モーター? ウォータージェット???」
耳慣れない言葉に皆頭の上に大きなクエスチョンマークが見えるようだ。
「まぁ、興味があるなら仕組みとか今度ゆっくり説明するけど、今はその試運転だからね。上手くいくかはこの結果次第。ゆっくり見ててよ」
「じゃあ甲板で見てるにゃ!」
と言って一番に駆け出していったのはリンダ。
「ちょっと待って~」
と追いかけるジーナ。
レンとライカは俺のやっていることを眺めていることにしたようだ。
そうこうしているうちに船は港から出て大海原に向けて進んでいた。
「よし、じゃあモーター推進全速力!」
魔力を少しずつ増やしていく。
それに合わせて船の進む速度はどんどん早くなっていく。
そしてあっという間に港が小っちゃくなっていった辺りでいくら魔力を込めてもこれ以上は早くならなくなった。このあたりでキャビテーション(液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象)が起きていると判断。この状態にするとプロペラが傷つくし速度もでないので基本、ここまで魔力を込めずに運用するのがよさそうだ。
ちなみに今回スクリュープロペラは2基搭載してみた。前世の船舶では多いと4基とか付いているものもあるそうだが、まぁ俺達の船なら1基で事足りる。にも拘わらず2基にしたのは何となくとしか言いようがない。
「よし、モーター推進はいい感じだね。続いてウォータージェット推進を試してみよう」
俺は魔力を込めつつ今度はウォータージェット推進の起動術式に魔力を込めた。
今度はウォオオオオンという音に切り替わりモーターとは違った加速感になった。
船首底部には大きな口が開いておりそこから海水を取り込むとそれを圧縮、加圧して船尾両サイドから排出する。
魔力を込めれば込めるほどどんどん速度が出てくる。
そこそこ速度が出たところで今度はゆっくり舵を切る。180のターンだ。
高速航行中に旋回するなんて通常あり得ないけれどもウンディーネ特製のバランサーのおかげで遠心力は感じるものの船は全く問題なく安定していた。
プロペラでの推進とウォータージェット推進の両方を使ってみた感じで行くと、プロペラのほうがあまり魔力を必要としないが速度はウォータージェットのほうがいいことが分かった。
「さて、港に帰るか。帰りは両方同時に使ってみるよ」
結局港を出て戻るまで30分ほどの出来事ではあったけど俺は十分満足いく結果だった。
魔力をがっつり込めたウォータージェット推進での速度は前世で乗ったことのある高速艇よりもかなり速かったのだ。それでいて船は安定しているのだから。
「おつかれ。予想よりもずっといい感じだったね」
部屋に入ってきたのはユイだった。
「うん。しかし、予想していたとはいえプロペラとウォータージェットの併用はあまり意味なかった」
「まぁそうだね。でも燃費が違うし使い分ける感じでいいんじゃない?」
「たぶんモーターのほうならライカやジャスパでも十分運用できるよ」
「もちろん、二人でもウォータージェットも動かせるけどたぶんモーターの方が速度が出る」
「だね」
「今後は暇なときにプロペラの形状とかいろいろ試してみるか。その時はよろしくな、ウンディーネ」
『水のスペシャリストから言わせてもらえば、今の形状が一番よ』
「ありゃ? そうなの。じゃあこれで完成でいいか?」
『もちろんよ! しっかり感謝しなさい!』
「ああ、ありがとな」
俺がお礼をいうとユイはゆっくりとチョーカーを通じてウンディーネに魔力を送った。
今回は本当に役にたったので結構ガッツリと送ってあげたのだ。
『ぁっ! ぁあああん。すごい……たくさん出たのね……。ありがと』
エロい声なんとかならないのか?精霊様でしょ!?
「まぁ、なんだ。またなんかあったら声かけるからよろしくな」
『任せなさい。大抵のことはこの私に掛かればなんとでもなるからね! 今回は突飛な発想だったけど面白い結果で私も楽しめたわ。じゃあそういうことで!』
そういうとウンディーネはチョーカーに水印となって戻っていった。
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