神々の戒飭

他人を助けること

神々の戒飭-1

　文章中に「*」マークを施しているが、これは私の主張を誤解のないよう明確に伝えられるようにしたものである。本文の最後を参照されたい。

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　他人を助けること、他人の為に何かを捧げることは、様々な場面で美化されがちであるが、そもそも「他人に尽くす」ことにはどれ程の価値があるのか。今日人間は、自らの種で作り上げてきた社会を維持する為に、様々な方法を使っている。それは、植物を含めた生物の性質上、種の進化やその他の欲望に起因する(*1)。しかし、欲望などの感情やストレスなどの症状は、人間が人間にとって「正しく」動く為のプログラムでしかない。感覚、食欲、ストレス、感情、これらを例に上げればこれらが種の存続に働いていることは明らかである。人間は人間の発展の為に生きる。「他人に尽くしたい」という感情によって生まれた行動も、その原動力を辿れば人間の発展の為である(*2)。人間の発展の為に行動している以上、「食事をすること」と「他人に尽くすこと」は同程度の価値を持っているといってもよいかもしれない。それでも尚我々が、より後者を評価するのは、我々のプログラムが、「食事をすることよりも、他人に尽くすことを評価する感情を作った方が、種の発展に適当である」と判断した為であると、いえなくもないのかもしれない。

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*1-ここで人間と動物は、知能や行動形式に著しい相違点がある為、同列に考えるのは誤りであるという主張があれば、「死」や「遺伝子異常」が種の進化の為にあり、「感情」が進化の為の副次的な産物でありうることを考えて貰えばよい。
*2-極論や論理の跳躍に聞こえるかもしれないが、「感情」が進化の為の副次的な産物でありうることを考えれば、納得できるだろう。